JBCクラシックJpnIも選択肢にあったシンメデージーだが、結局は自重して地元戦出走となった。同厩舎の三冠馬プリフロオールインとうまく使い分けられながら、西日本クラシック、西日本3歳優駿など遠征でも結果を残して重賞3勝。東京ダービーJpnI・4着、ジャパンダートクラシックJpnI・5着は、アウェーながら地元南関東勢にも先着を許さず、ともに地方馬最先着という大健闘の走りを見せた。さすがにここで負けるわけにはいかない。主戦の吉原騎手は地元金沢の北國王冠での騎乗があり、今回はデビューからの2戦で手綱をとっていた妹尾浩一朗騎手が指名された。勝てば妹尾騎手は重賞初制覇となる。
相手は、高知優駿、黒潮菊花賞で相まみえたマジックセブン、イッセーノーデ、サノノスピードが候補。
マジックセブンは、一冠目の黒潮皐月賞には出走していなかったが、高知優駿3着、黒潮菊花賞2着と、この3頭では最上位の成績。しかも3歳以降3着以内をはずしておらず、それ以上に前走古馬C1戦での3着好走を評価する。
イッセーノーデは、高知三冠すべてに出走したが、黒潮皐月賞の4着が最高という成績。ただここ4戦、古馬に格付けされての走りは安定している。
サノノスピードは、高知三冠で2、5、3着。黒潮菊花賞以来2カ月ぶりの実戦となった前走は、最下級条件のC3とはいえ、2着に6馬身差の圧勝で充実ぶりを見せた。
そのほか連下候補として、中央未勝利から転入後3着のあと2連勝のアルヒジュル、黒潮菊花賞5着だったクレフェノー。
◎2シンメデージー
○6マジックセブン
▲4イッセーノーデ
△5サノノスピード
△10アルヒジュル
△7クレフェノー
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前哨戦の秋桜賞は、障害2番手3番手のミチシオ、スマイルカナの追い比べとなって、最後はスマイルカナが振り切った。今回もこの2頭が中心となりそうだが、ミチシオは続く前走でA2特別勝ち、さらに重量を積まれるとなると馬格のある馬のほうが有利と見てミチシオが本命。
スマイルカナも、牝馬ながらイレネー記念2着という実績は侮れない。
果たして馬券の狙い目に入れていいかどうか迷ったのがライジンサン。昨シーズンは破竹の5連勝でイレネー記念を制した。今シーズンは重賞のみ2戦していずれも着外。ただ世代限定重賞では、近走いまひとつの走りでも重賞実績馬が突然好走するようなことはよくあるだけに無印にはできない。
常に障害先頭のウルトラコタロウは、秋桜賞でも障害を先頭で越えたが、粘りきれずに4着。ただペースや馬場状態次第では粘り込可能性はあり、重賞3着4回という成績からも連下の抑えは必須。
ばんえい大賞典を制したホクセイハリアーは、トップハンデと10キロ差なら再度の上位争いは可能。
ホクセイポルシェは近走不振だが、ナナカマド賞勝ちという実績は侮れない。
◎1ミチシオ
◯4スマイルカナ
▲7ライジンサン
△3ウルトラコタロウ
△9ホクセイハリアー
△8ホクセイポルシェ
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2600メートルという現在の地方競馬では最長距離の舞台に、北は北海道から西は高知まで、充実のメンバーが顔をそろえた。
ケイアイパープルは中央在移籍時に、佐賀記念JpnIII、白山大賞典JpnIIIと地方のダートグレードを2勝。管理していた村山明調教師は、地方の小回りの長距離に適性があるとして、そのようなレースを中心に使い続けた。北海道に移籍後は5戦して1勝のみだが、その1勝は門別2600メートル戦。金沢は白山大賞典JpnIIIを制したコースでもあり、2600メートルの長丁場は能力を発揮できる舞台だ。
カイルも東京ダービーを勝ったあとは2000メートルを超える長距離戦を中心に使われ、4歳の昨年は2600メートルの金盃(大井)を制した。今年はまだ勝ち星はないが、この距離でこその期待だ。
昨年、園田2400メートルの六甲盃で、一騎打ちの末、ラッキードリームを負かしたのが高知のグリードパルフェ。前走地元の珊瑚冠賞では3コーナー過ぎで失速してしまったのが気になるところだが、地方同士の長距離戦ならヒケはとらない。
アンタンスルフレは、昨年末に長距離重賞を3連勝は、その連勝はこの北國王冠から始まった。しかしその後は4着が最高の成績。復活があるのかどうか。
サンビュートは兵庫移籍後4戦して勝ち星なし。門別で重賞を勝っていたときの走りとは、どうも違うような気がする。
◎7ケイアイパープル
○6カイル
▲3グリードパルフェ
△4アンタンスルフレ
△1サンビュート
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いよいよシーズン終盤を迎えた北海道から5頭が遠征してきた。いずれも重賞勝ちはないものの、重賞やオープンで好走のある馬たち。地元勢はちょっと能力の開きがあり、馬券圏内は北海道勢の争いとなりそう。
エイシンナデシコはデビュー2戦目のアタックチャレンジを制したのみだが、札幌芝のクローバー賞で7着。5着ウィルオレオールはその後船橋の平和賞を制し、6着エイシンマジョリカはエーデルワイス賞JpnIIIで2着。そして前走アンバー特別は2着で、勝ったハーフブルーはエーデルワイス賞JpnIIIで抜群のダッシュを見せてハイペースを演出。直線で一杯になったが4着に踏ん張った。高いレベルのレースを戦ってきた経験を評価する。
ヴィルミーキスミーは、園田に遠征した園田プリンセスカップでは差のある3着だったが、勝ったリオンダリーナは4戦全勝で、今年の北海道2歳牝馬のトップホース。今回のメンバーなら見劣りしない。
リコーシュペルは初勝利まで6戦を要したが、そこから3連勝でウィナーズチャレンジを制した。走るごとにタイムを詰めてきているだけに、勢いならこの馬。
ハッピータレイアは、デビュー以来3着以内を外しておらず、前走ウィナーズチャレンジはリコーシュペルにクビ+1馬身差3着と、それほど差はない。
スティールブライトは重賞では4着が最高という成績だが、門別1200メートルで1分15秒台前半の持ちタイムは、上記の馬たちにも見劣らない。
◎9エイシンナデシコ
◯10ヴィルミーキスミー
▲11リコーシュペル
△13ハッピータレイア
△6スティールブライト
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気性的なことから遠征には慎重だったハクサンアマゾネスだが、金沢所属時として初遠征となった昨年の兵庫サマークイーン賞を制すると、ここまで園田では牝馬重賞で3戦3勝。名古屋遠征では2度とも負けているので、よほど園田との相性がいいのだろう。ここ2戦は勝ちきれていないが、先着されたのはいずれも全国区の活躍馬。このメンバーでは負けられない。
地元筆頭はやはり重賞6勝のスマイルミーシャ。昨年末には3歳ながら古馬一線級相手の園田金盃を制し、牝馬同士のコウノトリ賞は単勝1.1倍の人気にこたえて当然のように勝利。ただ前走六甲盃は、遠征勢相手とはいえ後方まま見せ場なく最下位に敗れているのが気になるところ。それ以来4カ月半の休み明けで調子を戻していればハクサンアマゾネスを負かす場面も期待したい。
新興勢力としての期待がエントラップメント。中央1勝クラスから転入して4戦3勝。8着に負けた2走前の1870メートル戦はハナがとれず内に包まれ行きたがるような感じで、勝負どころでペースアップしたところではもうおつりがなかった。前走1700メートル戦を逃げ切ったが、52キロという斤量にも恵まれた。今回あらためての1870メートル戦で、定量55キロでどうか。2番枠のネネもハナを主張しそうな感じで先行争いもカギになりそう。
昨年3歳時には重賞で勝ち負けしていたマルグリッド、重賞初挑戦となるネネらは、このメンバーに入ってどこまでやれるか。
◎1ハクサンアマゾネス
◯6スマイルミーシャ
▲5エントラップメント
△4マルグリッド
△2ネネ
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