ミラノボヴィッチは、11月のプリンセス特別を圧勝ともいえる内容で1番人気にこたえた。続く東京2歳優駿牝馬はさすがに相手が強く最下位に敗れたが、前走園田クイーンセレクションは2着。地の利もあり、プリンセス特別で2着にしりぞけたマンボビーンに逆転される結果となった。再び地元の笠松戦となれば、牡馬が相手でも勝負になるだろう。
まだ底を見せていないのが兵庫から遠征のエルウェーオージャ。2歳時には金沢の兼六園ジュニアカップを勝ち、兵庫ジュニアグランプリJpnIIでも中央馬相手に堂々の3着(同着)。大敗もあるが、中央遠征や全日本2歳優駿JpnIでのもの。地方同士なら力は上位。ただ好成績を残しているのが1400メートルまでで、父がJBCスプリントGIを制すなどダートの短距離路線で活躍したマイネルセレクトというのが気になるところ。コスモバルクの近親ということでは、底力はあるかもしれない。
マルヨコンバットは、断然人気に推された兼六園ジュニアカップでは、ほとんど勝利をものにしながら4コーナーで外に逸走する若さを見せ、その間にエルウェーオージャに交わされて2着。その後は平和賞8着、兵庫ジュニアグランプリJpnIIでも8着と、強い馬相手の敗戦が続いている。地元笠松は9月の秋風ジュニア以来。約3カ月の休み明けでもあり、どこまで力をつけているか。
そのほか、新春ペガサスカップを制したサカジロタイヨー、ゴールドウィング賞を制したミサキティンバー、ライデンリーダー記念を制したコアレスバトラーなど、重賞勝ち馬が多数出走していて、レベルの高い争いとなりそうだ。
◎ミラノボヴィッチ
○エルウェーオージャ
▲マルヨコンバット
△サカジロタイヨー
△ミサキティンバー
△コアレスバトラー
九州産の3歳馬による全国交流レース。1月20日にノカイドウ特別、2月3日にミヤマキリシマ特別と、2つのトライアルレースが行われ、両レースとも中央馬が2着以下に差をつけて勝った。とはいえ、両馬ともに中央の未勝利戦では掲示板が一度もなかった馬。ならば中央ですでに未勝利戦を勝ち上がっている2頭から狙ってみたい。
中心はマサシ。JRA小倉で8月に行われた九州産2歳馬のオープン戦、ひまわり賞では10着と惨敗だったが、その後ダートに替って安定した成績を残すようになり、前走小倉ダート1700メートルの未勝利戦で初勝利を挙げた。3走前には京都の未勝利戦で2着、2走前には阪神で勝ち馬から0秒2差の4着と、中央場所でも上位争いをしていただけに、今回のメンバーなら堂々の主役だ。
中央で未勝利を脱出しているもう1頭がパティオ。未勝利勝ちは、九州産馬限定の小倉芝1200メートル戦。続くひまわり賞でも2着に入った。前々走サフラン賞(11着)は、勝ったライステラスがその後に阪神ジュベナイルフィリーズで3着。そして前走百日草特別(10着)は、勝ったディープサウンド、2着のナカヤマナイトが、先日(2月13日)行われた共同通信杯でそれぞれ3、1着。パティオは、今年のクラシック戦線で上位を争うような世代最上位のメンバーと戦ってきた。ダートは今回が初めてだが、高いレベルのレースを経験しているのは大きい。
ミヤマキリシマ特別を7馬身差で制したクラウンリバー、ノカイドウ特別を4馬身差で制したカシノアクセルが、上記2頭に続く存在。
地方勢では、ノカイドウ特別で2着に食い込んだ佐賀のダイジャヤマがどこまで食い下がれるか。
なお、マサシの大根田裕之調教師には、昨年のコウユーヒーローに続く連覇がかかっている。また、カシノアクセルの天間昭一調教師も09年にカシノチェストでこのレースを制している。
◎マサシ
○パティオ
▲クラウンリバー
△カシノアクセル
△ダイジャヤマ
昨年のこのレースの勝ち馬ビービーバイラ、一昨年の勝ち馬トミノプラネットの争い。
中心はやはりビービーバイラ。前走菜の花賞は着順こそ7着だったが、勝ち馬とは0秒6差と、それほど差をつけられてはいない。先行勢がつぶれて直線で前が入れ替わる激しい展開だっただけに、その結果はあまり気にしなくてもよさそう。前走以外はA1特別や重賞で常に掲示板を外さない安定感が光る。
トミノプラネットは、昨年は重賞への出走がなかったものの、8月にA2~A1で3連勝。休養明けは今ひとつの成績だったが、前走A3特別とはいえ久々の好走を見せた。引き続き重賞でも期待したいところ。
A1に上がってからは勝ち星がないハードフォーレルだが、前走菜の花賞ではゴール前一気に前に迫ってクビ差2着。福山で重賞初挑戦だった福山菊花賞でも、マルサンサイレンス、サンディナナを抑え牝馬最先着の3着がある。ここでも展開ひとつで上位は狙える。
フェミニンワイルドは今回が重賞初挑戦。前走新春賞ではムツミマーベラスから3馬身離されたとはいえ、ビービーバイラをクビ差抑えて2着と好走。
マルサンサイレンスも牝馬同士なら勝負になる力はある。
◎ビービーバイラ
○トミノプラネット
▲ハードフォーレル
△フェミニンワイルド
△マルサンサイレンス
佐賀記念の過去5年の傾向を見てみる。
1番人気は、1、2、3、1、3着と、馬券圏内は確保しているものの、軸としての信頼感にはイマイチ欠ける。そして3着以内馬15頭のうち、なんと11頭が5歳以下。賞金を稼いだ高齢馬の活躍が目立つ地方のダートグレードにあって、佐賀記念はむしろ勢いのある若馬が活躍するレースといえる。ゆえに4歳馬2頭を中心に狙ってみたい。
東京ダービーを制したマカニビスティーは、前走名古屋グランンプリJpnIIで久々に好走の2着。地方のゆったり流れる長距離戦のペースがぴたりとハマった感じだった。右回りの1周1100メートル、約200メートルの短い直線。名古屋と佐賀はコース形態が酷似しているのもこの馬にはプラス。デムーロ騎手はここ2年連続でこのレース2着という経験も生きるはず。
メテオロロジストは前走準オープン勝ちで、今回が重賞初挑戦。昨年の勝ち馬ラッシュストリートもまったく同じパターンで、冒頭で示した若馬の活躍という傾向は、すなわちこうした上がり馬が活躍しているともいえる。
アドマイヤスバルは、前々走ジャパンカップダートGIでは勝ったトランセンドに0秒2差まで迫っての3着。前走東京大賞典JpnIは着順こそ4着だが、勝ったスマートファルコンはコースレコードを大幅に更新し、なんと4着のこの馬までが従来のレコードを上回っていた。そうしたGI級のレースでの好走を見れば買いたくなるが、逆にそうした厳しいレースでの反動も気になるところ。大崩れはないが勝ちきれないレースも多いタイプだけに中心には推しにくい。
セレスハントは地方初遠征となった昨夏のサマーチャンピオンJpnIIIで重賞初制覇。佐賀コースへの適性は証明済みだが、1700メートルまでしか経験がないのが気になるところ。
マルヨフェニックスは、地方同士の全国交流なら常に勝ち負けを狙えるが、ダートグレードだとちょっと厳しくなってきたかという近況。GI級のメンバーがいないここで上位食い込みを狙いたいところ。
2年以上勝ち星から遠ざかっているマイネルアワグラスも入着までだろう。
サマーチャンピオンJpnIIIでスーニをしりぞけ3着と好走した地元のマンオブパーサーだが、ここ2戦は地元馬相手に敗戦。前々走中島記念は、4コーナーでラチ沿いの雪が積もっているところに閉じ込められてしまったためしかたなかった面はあったが、前走のオープン特別でもヘイアンレジェンドと直線叩き合ってハナ差の2着。サマーチャンピオンのときほどの勢いは感じられないため無印とした。
◎マカニビスティー
○メテオロロジスト
▲アドマイヤスバル
△セレスハント
△マルヨフェニックス
△マイネルアワグラス
園田ジュニアカップを制したオオエライジン、ライデンリーダー記念を制したコアレスバトラーと、兵庫と笠松の2歳チャンピオン対決の様相。
地の利もあり、デビューから4戦全勝のオオエライジンを本命に。単勝では3番人気にしかならなかった園田ジュニアカップだが、スローに落としてレースを引っぱり、直後につけた1番人気のグリーンアイズが3コーナー手前で仕掛ると、自身もゴーサインを出して並びかけさせず。直線では叩き合いになるかに思えたが、まったく寄せつけずに突き放し、2馬身半差をつける圧勝。まだまだ底を見せていない。
コアレスバトラーのライデンリーダー記念は、中団追走から4コーナーで先頭に立つと、直線で抜け出し完勝。その後、年明け3戦して勝ち星はないが、中央挑戦と地元では古馬の上級クラスとの対戦だけに仕方ない。使い詰めは心配だが、強いメンバーに揉まれて力をつけている可能性はある。
そろそろ人気を落として一発あってもおかしくないのがリジョウクラウン。スタート後は後方を追走し、向正面からロングスパートという脚質だけに、展開に左右される面は否めないところ。ペースが向いてまくりきれれば一角崩しの可能性も。
モエレウェバリングは、昨年7月デビューですでにキャリア16戦。ライデンリーダー記念2着で、前走は古馬B級8組を勝利。3歳のこの時期に古馬中堅クラスを負かす実力があれば、同世代同士の重賞なら勝ってもおかしくはない。
マルヨキャプテンは、昨年11月のデビュー戦こそ5着に敗れたものの、その後1、2、1、1着。同世代のトップクラスとの対戦はこれが初めてになるが、ここ2戦は完勝という内容。力をつけてきている可能性はある。
◎オオエライジン
○コアレスバトラー
▲リジョウクラウン
△モエレウェバリング
△マルヨキャプテン