ハンデ54キロならシンワコウジに久々重賞制覇のチャンス。昨年は5月の尾張名古屋杯、名港盃をともに57キロで制し、その後休養。秋に復帰した2戦は勝ち馬から1秒程度離されての敗戦だったが、前走12月15日のA2特別では58キロで5馬身差圧勝と、この馬の強さが戻ってきた。今回は手強い相手が何頭かいるが、ハンデ差を生かして先行逃げ切りを決めたいところ。
57キロでもマルカハンニバルは好勝負だろう。前走名古屋グランプリJpnIIでは、中央4頭にはやや離されたものの、地方最先着の5着。中央から転入してそれまでの6戦では連対を外していなかった。東海菊花賞では、定量でヒシウォーシイに半馬身差と迫る2着。そのヒシウォーシイは大晦日の東海ゴールドカップを楽勝しているだけに、ここはこの馬の出番があってもいい。
船橋の総の国オープンを勝って、まだまだ元気なところをアピールしたキングスゾーンだが、今回の59キロはいかにも厳しい。船橋や岩手では強いレースをするのだが、地元ともいえる名古屋・笠松ではなぜか1年以上勝ち星から遠ざかっているというのもマイナス材料。それにしてもここまでの有力3頭がいずれも先行タイプ。その点でも、54キロのシンワコウジがいかにも有利ではないか。
カモンネイチャは重賞3勝の実績だが、いかにも相手が軽かった。前走笠松グランプリでは8着に敗れているように、東海地区や兵庫の一線級が相手となるとやや見劣る。斤量的には恵まれた53キロだけに、どこまで迫れるか。
ともに近走はA1特別で入着級のノゾミカイザー、ショウケイらも、ハンデ差を生かして入着までだろう。
◎シンワコウジ
○マルカハンニバル
▲キングスゾーン
△カモンネチャ
△ノゾミカイザー
△ショウケイ
明けて5歳だが、4歳シーズンの3冠最終戦は、定量戦だけに実績にまさるキタノタイショウが不動の中心。昨シーズンの3歳時はばんえい菊花賞とばんえいダービーの2冠制覇。4歳1冠目の柏林賞は7着に負けたが、これは3歳2冠で賞金を稼いだためトップハンデを課されてのもの。しかし2冠目の銀河賞ではトップハンデながら、僅差とはいえ勝ったのだから実力的には抜けた存在。前走、新設のドリームエイジカップでは、ナリタボブサップ、カネサブラックという古馬頂点の2頭に、20キロ軽いだけでそれほど差のない3着に入ったのにも驚かされた。
相手筆頭には、この世代ではナンバー2の存在ともいえるホクショウバンク。3歳時はばんえい菊花賞3着に、ばんえいダービー2着。柏林賞はやはり重量が堪えて8着と惨敗だったが、このレースのトライアルともいえる3走前のイルミネーションカップでは、キタノタイショウに次ぐハンデを背負いながら3着と好走した。今シーズンは11月に1勝を挙げたのみだが、後半はA1やオープンの2組で勝ち馬と10秒差以内にたびたび好走しているだけに、同世代同士の定量戦なら当然上位争いの力はある。
3番手以下は迷うところだが、柏林賞3着、銀河賞4着と、今シーズンここまでの2冠で好走しているアアモンドヤマト。その間には、3・4歳混合の重賞、はまなす賞でハンデに恵まれたとはいえ勝っている。ドリームエイジカップでは3着のキタノタイショウとコンマ6秒差の5着だったが、このときは重量差が30キロもあった。同重量になってどこまで迫れるか。
銀河賞5着のフクドリは、それ以降、14戦して3着以内が10回と好調続き。ホクショウマドンナ、トモエエーカンなどとは、微妙な負担重量の上下で着順が入れ替わっているだけに、いずれも展開次第で連下争いのチャンスはありそう。
◎キタノタイショウ
○ホクショウバンク
▲アアモンドヤマト
△フクドリ
△ホクショウマドンナ
△トモエエーカン
ハンデ戦で2番目に重い55.5キロでも、コスモハレルヤの勢いが止まらない。中央未勝利から昨年秋に転入し、7連勝中。その中には3歳重賞のコウノトリ賞での7馬身差圧勝もあった。前走はB1特別だったが、早め先頭から9馬身差の圧勝。オープンの一線級が不在のここなら一気に突破の可能性は高い。
トップハンデだが、実績で抜けているのはキヨミラクル。こちらは09年のコウノトリ賞の勝ち馬。その後重賞でも掲示板を外さない堅実な走りで、昨年は兵庫大賞典、楠賞でともに3着という成績。コスモハレルヤのほかに重賞級の馬がいないここでは上位争いは間違いない。隣枠のコスモハレルヤとは、ともに先行タイプだけにどんな駆け引きをするのかも見どころ。
3番手にはゴールドピアース。園田金盃で3着のあと、前走A1A2特別を勝利と調子を上げてきている。
休養明けの2戦は今一つだが、昨年前半にはA1特別を2連勝したスペラーレ、前走園田金盃5着のニホンピロリッチあたりも連下争い。
◎コスモハレルヤ
○キヨミラクル
▲ゴールドピアース
△スペラーレ
△ニホンピロリッチ
クラマテングが6月以降連対を外さない安定した走りを続けている。さらに今年は重賞6戦で2勝、2着3回。連対を外したのは距離不足のマイル争覇での5着のみ。今回は明け5歳以上の重賞勝ち馬が道営時代のアドミラルサンダーしかいないというメンバーが相手で定量戦なら負けられないところ。昨年2着の雪辱を果たしたい。
5歳以上で、重賞であと一歩というのがフジノアリオン。昨年、重賞に5回出走して掲示板を外したのは名古屋に遠征したオッズパークグランプリのみ。10月の福山菊花賞ではクラマテングに3/4馬身差で食い下がる2着だった。そのときはクラマテングより1キロ重い57キロだったものが、今回は定量の56キロとなるだけに逆転も狙えそう。
3歳2冠を制し、デビュー以来の通算で重賞5勝のフォーインワンが、初の古馬一線級との対戦でどこまで迫れるか。昨年3歳終盤には、A3特別までは勝ったが、A2特別では2着まで。いきなり定量で歴戦の古馬と同重量は厳しそうだが、善戦を期待したい。
道営時代は短距離路線で活躍したアドミラルサンダーが2600メートルの距離でどうか。09年の道営シーズン終了後に転入し、福山17戦目となった前走での初勝利がクラマテングを2馬身ちぎってのもの。福山ではこれが重賞初挑戦となる。
マルサンサイレンスは重賞初挑戦となった福山菊花賞で、クラマテングからコンマ4秒差の4着。オープンクラスでは展開の助けなどがないとちょっと足りない感じだが、連下争いの可能性はある。
◎クラマテング
○フジノアリオン
▲フォーインワン
△アドミラルサンダー
△マルサンサイレンス
08~09年に連戦連勝以降、クラスを着実に上げてきたギンガリュウセイを狙う。重賞勝ちはまだないが、今シーズンはばんえいグランプリ5着、岩見沢記念4着、北見記念2着と、負担重量が重くなるにつれて着順を上げてきた。北見記念で先着されたニシキダイジンは、当時は同重量だったが、今回は10キロ差がついた。3着のナリタボブサップとは10キロ差だったものが今回は30キロ差、4着のカネサブラックとは変わらず20キロ差。負担重量の面でも今回はアドバンテージがある。06年の帯広記念を制したミサイルテンリュウが同じようなパターンで、重賞未勝利ながら、ここに至るまでの古馬の高重量戦でそこそこの成績を残し、重量に恵まれた帯広記念を勝利。ギンガリュウセイは、今回のメンバー中もっとも若い明けて7歳。このパターンも、06年のミサイルテンリュウと同じだ。
安定感ではダントツのカネサブラックが相手筆頭。重賞予想では毎度同じようなことを書いているが、とにかく連対を外すことなく、今シーズンも連対を外したのは北見記念の4着のみ。帯広記念は過去3年出走して、2、3、3着と勝ち切れていない。しかしカネサブラックの場合は、それまでに賞金を稼いでいるために、帯広記念は常にトップハンデでの出走だった。しかし今シーズンの重賞勝ちは北斗賞のみで、トップハンデをナリタボブサップに譲ることになった。重量的には、過去3年より楽にレースに臨めるはずだ。
帯広記念3連覇がかかるフクイズミは、近走どうにも障害のキレが悪い。自慢の末脚は相変わらず健在だが、その脚をもってしても追いつかないほどに障害で置かれてしまっている。ただここは900キロ前後の高重量戦。他の馬も障害で苦労する分だけ、フクイズミには有利になるかもしれない。
北見記念でばんえい記念以来の勝利を挙げたニシキダイジンは、やはり高重量戦でこそ。09年の帯広記念ではフクイズミと大接戦の2着があるだけに、今回もチャンスは十分。
ナリタボブサップはトップハンデがいかにも厳しい。ただ高重量戦の障害の上手さではナンバー1ともいえるだけに、後続を離して障害をクリアできれば粘り込む場面もあるかもしれない。
◎ギンガリュウセイ
○カネサブラック
▲フクイズミ
△ニシキダイジン
△ナリタボブサップ