遠征馬は高知のジョインアゲンのみだが、そのジョインアゲンの経験と実力が断然だ。遠征を重ね、さすがにダートグレードでは厳しいが、昨年12月の船橋では地方全国交流の総の国オープンでキングスゾーンに2馬身半差の2着。そのキングスゾーンは、福山で3戦して2勝、3着1回。いずれのレースでも地元福山の馬ではまったく歯が立っていないことからも、ジョインアゲンでも十分勝負になるだろう。自身も福山では昨年3月に近畿・中国・四国交流のA1特別を完勝している。しかも舞台は今回と同じ1800メートル。地元高知で3連勝中と好調で、ここは負けられない一戦。
地元福山勢で意地を見せたいのはクラマテング。昨年の6月以降、10戦して連対を外したのは前々走のマイル争覇のみと地元では絶対的な存在。距離はさらに長いほうがよさそうだが、1800メートルでも流れはそれほど速くならないだろうから十分に守備範囲。ジョインアゲンに迫るならこの馬だろう。
明けて4歳のフォーインワンは、古馬重賞初挑戦となった正月の福山大賞典でクラマテングの2着と大健闘。父サウスヴィグラスだがギリギリ1800メートルまではこなしているだけに、馬券圏内のチャンスは十分にある。
昨年6番人気でこのレースを制したビービーバイラ、A3、A2の特別を連勝中のコロネットらがどこまで迫れるか。
◎ジョインアゲン
○クラマテング
▲フォーインワン
△ビービーバイラ
△コロネット
エスポワールシチーがブリーダーズカップクラシックに遠征して以来の出走となる。デキは7分程度という報道もあったが、JpnIIIのこのメンバーなら7分でも十分だろう。昨年のかしわ記念JpnIでは、フェブラリーステークスGI以来2か月半ぶりで「デキはぜんぜん」(佐藤哲三騎手)と言いながらもフリオーソを1馬身半差でしりぞけ圧勝だったことを考えれば、今回59キロでも普通に走ってくればまず負けないだろう。
相手筆頭はワンダーアキュート。09年にシリウスステークスGIIIと武蔵野ステークスGIIIを連勝した時はどんだけ強くなるんだと思ったものの、その後はいまひとつの成績。しかし前走仁川ステークスはオープン特別とはいえダートグレード実績のある馬たちを相手に完勝。仕上がり7分というエスポワールシチーに迫る場面はあるかもしれない。
地方勢では12連勝中のヒシウォーシイに期待大。ダートグレードは09年12月の名古屋グランプリJpnIIでの10着以来だが、当時より力をつけているのは明らか。地の利を生かして上位を狙う。
クリールパッションは昨年のエルムステークスGIIIを制し、ジャパンカップダートGI、フェブラリーステークスGIでは一線級を相手にともに6着とまずまずの走りを見せた。セレスハントは、地方の馬場が合うと見て挑んだ昨年のサマーチャンピオンJpnIIIを勝利。両馬ともに、当然馬券圏内の争いにはからんでくるだろう。それにしても中央勢の層は厚い。
◎エスポワールシチー
○ワンダーアキュート
▲ヒシウォーシイ
△クリールパッション
△セレスハント
4・5歳馬の限定重賞ポプラ賞。重賞として行われるのは07年以来だが、その間も特別として同じ条件で行われていた。過去5年の連対馬10頭のうち9頭が5歳馬。ばん馬は、この時期の4歳馬と5歳馬では圧倒的な実力差があるとみてよさそう。
もうひとつポイントとなるのは、トップハンデ780キロのキタノタイショウが最大70キロのハンデ差を克服できるかどうか。
データ的に優位な5歳馬の力関係を見てみると、まず除外できるのはワタシハスゴイ。近走で勝ち馬から10秒以内の差だったのは基礎重量が極端に軽いスピードスターファイナルのみで、それ以外は20秒以上の差を付けられての敗戦。かなり厳しいと言わざるを得ない。
2月11日の5歳限定戦、ダイヤモンドダスト賞で上位4着までを占めた4頭の争いとなりそうだ。
勝ったのは760キロのキタノタイショウで、45キロ差のホクショウマドンナが3秒6差で2着。今回60キロ差に広がれば逆転の余地はありそう。ただしその後、今回と同じ60キロ差のチャンピオンカップでは、ホクショウマドンナは3着キタノタイショウから15秒近くの差をつけられての7着だった。大一番の経験の差で、この2頭の比較ではキタノタイショウを上位にとる。
次にホクショウバンクとの比較。ダイヤモンドダスト賞ではキタノタイショウと10キロ差で5秒差の3着。今回は20キロ差に広がる上に、ホクショウバンクは近3走でオープン・A1の混合や、オープン2組で2、1、1着と好調なことから逆転の可能性はかなり高いと見る。
そしてダイヤモンドダスト賞でキタノタイショウと15キロ差で7秒4差の4着だったフクドリ。今回、キタノタイショウとはわずか10キロ差ではいかにも厳しいと見る。ホクショウバンクとの比較でも、ダイヤモンドダスト賞では5キロ軽かったものが、今回は逆に10キロ重くなってしまった。ポジティブな材料を探すとすれば、過去7回騎乗して3勝、2着2回、3着1回と相性のいい松田道明騎手への乗替りだろう。
以上の比較から順番をつけると以下のようになる。4歳馬は負担重量が有利とはいえ、いずれも実績的に馬券圏内に食い込むのはかなり難しいように思う。
◎ホクショウバンク
○キタノタイショウ
▲ホクショウマドンナ
△フクドリ
昨年11月以来の地元戦となるエーシンエヴァンを狙う。ここ5戦は南関東や福山への遠征。ダートグレードでの結果はともかく、船橋の総の国オープンではキングスゾーンから約3馬身差の3着、福山のマイル争覇では同じくキングスゾーンから2馬身+アタマ差で3着。キングスゾーンに勝てないまでも、3馬身以内に迫る力があれば、東海地区のこのメンバーなら十分勝負になると見る。昨年のマーチカップ、くろゆり賞ではともに1秒以上の差をつけられて負けていたものの、当時よりは確実に力をつけている。
実績ではマイネルアラバンサ。昨年1~3月には名古屋・笠松の重賞を3連勝。秋以降は勝ち星に見放されているが、先着されたヒシウォーシイ、マルカハンニバルらが不在とあればチャンスは十分だ。
昨年6月のサマーカップで念願の重賞初制覇を果たしたエーシンアクセランは、その後も重賞で2着3回と相変わらず善戦マンぶりを発揮している。マイネルアラバンサには東海ゴールドカップで先着されているが、逆転できない差ではない。
昨年夏に中央準オープンから転入後、ここまで未勝利のトーセンマエストロだが、重賞でたびたび善戦があり、ここでも馬券圏内は狙える。
ビッグポパイはここ4戦、2秒以上の差をつけられての敗戦だが、白銀争覇では2着トーセンマエストロからアタマ差での3着があった。中団につけて追込みが決まる展開になれば上位進出も。
◎エーシンエヴァン
○マイネルアラバンサ
▲エーシンアクセラン
△トーセンマエストロ
△ビッグポパイ
オイドンの2歳シーズン3冠達成が濃厚だ。単純に勝ち星だけを見ても、他馬が4~6勝なのに対し、オイドンだけはなんと13勝。何といっても驚かされたのが、2冠目のヤングチャンピオンシップで他馬より50~20キロ重いトップハンデにもかかわらず圧勝。続く2戦も同じようなハンデ差で完勝。定量になる今回は、普通に走れれば負けようがない。
相手筆頭はフナノコーネル。ナナカマド賞3着、ヤングチャンピオンシップ2着と、さすがにオイドンにはかなわないものの常に上位争い。ヤングチャンピオンシップ以降、勝ちきれないレースが続いているが、オイドンが相手か、そうでないときはいずれもトップハンデに泣かされてのもの。定量の今回、実力的にはオイドンに次ぐ2番手の存在だ。
ヤングチャンピオンシップ3着のレットフジも11月22日のA-1戦以降、A-1や特別・重賞を8戦して常に上位争い。3着を外したのは前走のみという安定した成績だ。
これらに続くのがホクショウバルト、タカノテンリュウ。オイドンに真っ向勝負まではいかないだろうが、いずれも展開次第で上位に食い込む力は持っている。
オイドンの一本かぶりになるだろうから、馬券的には絞らねばならず難しい。
◎オイドン
○フナノコーネル
▲レットフジ
△ホクショウバルト
△タカノテンリュウ