笠松・プリンセス特別の上位3頭、ミラノボヴィッチ、マンボビーン、リジョウクラウンによる争いとなりそう。
なかでも、そのプリンセス特別では3コーナーで単独先頭に立ち、直線で突き放したミラノボヴィッチのレースぶりは圧巻だった。今回は舞台を園田に移しアウェーでの戦いとなるが、鞍上の濱口楠彦騎手にとっては何度も経験しているコースだけに、それほどマイナスにはならないだろう。
プリンセス特別で3馬身離されての2着だったマンボビーンは、デビュー勝ち以来勝ち星はないものの、重賞でも常に善戦。前走、東京2歳優駿牝馬でも、遠征馬では最先着の6着だった。このとき最下位に敗れたミラノボヴィッチがその敗戦をひきずっているようなら、マンボビーンにチャンスも広がる。
園田プリンセスカップを制したリジョウクラウンも、その後は勝ち星がない。仕上がり次第の面もあり、後方追走から向正面でまくってくるという脚質的にも注文のつくタイプだけに、展開がハマれば再び一発という可能性もある。
クインオブターフ、ミミチャン、シークレットベースあたりに実績3頭の一角を崩して馬券圏内の可能性。
1月3日の3歳一組戦は、5番人気のクインオブターフが勝ち、1番人気のミミチャンが3着、3番人気のシークレットベースが6着という結果だった。これが2勝目となったクインオブターフだが、園田プリンセスカップでは、リジョウクラウン、マンボビーンに続く3着に入った経験があり、ここ3戦で2、2、1着と調子を上げてきているだけに、△3頭の中では最上位としたい。
◎ミラノボヴィッチ
○マンボビーン
▲リジョウクラウン
△クインオブターフ
△ミミチャン
△シークレットベース
年末に行われたヤングチャンピオンから上位馬を中心に8頭が出走。そこで1、2着だったムツミマックスとユメミルチカラの2頭が近走の成績からも抜けている。この2頭のどちらが勝つのか、あとは3着争いがどの馬か、というのが焦点となろう。
中心はムツミマックス。11月までは勝ち切れないレースが続いていたが、ここ3戦での連勝は明らかに力をつけている。しかも1600メートルに距離が伸びたここ2戦ともユメミルチカラを負かした。加えて、馬体重も少しずつではあるものの成長を続け、500キロ近くになっているのも今後に向けては魅力だ。
対するユメミルチカラは、デビュー時が415キロで、もっとも重くなった前々走でも423キロと、10キロも増えていない。一時400キロを割った体重から戻しているとはいえ、ムツミマックスと比べると、どうしても見劣る。距離適性の面でもやはりムツミマックスのほうに有利だろう。
3着争いは、ヤングチャンピオンの3~5着馬だが、同5着だったユノエスクードが巻き返すと見る。前走の3歳1組戦でも、この3頭の中ではユノエスクードが最先着の3着。勝ったユメミルチカラからは3馬身しか離されていない。ユノエスクードのここ4走は、ムツミマックスまたはユメミルチカラからもっとも離されたのがヤングチャンピオンでの1.1秒差で、それ以外の3戦はいずれも1秒差以内と大きく崩れず堅実に走っている。
マルサンスパイス、リニアステップも、よほど展開が乱れない限りは3着争いまで。
◎ムツミマックス
○ユメミルチカラ
▲ユノエスクード
△マルサンスパイス
△リニアステップ
桐花賞は3冠馬ロックハンドスターの圧勝だった。そのロックハンドスターは春までお休みということで今回は不在。桐花賞組は、2着のマヨノエンゼルをはじめ3頭が出走してきたが、今回と同じ水沢1600メートルが舞台だった12月19日の白嶺賞上位3頭の争いとなりそうだ。
中心はマヨノエンゼル。09年度は3歳2冠に加え、古馬相手に青藍賞とトウケイニセイ記念を制して岩手の年度代表馬となったが、今シーズンはまったくの不振に陥り、ここまで勝ち星なし。しかし前々走の白嶺賞で2着に入って今シーズン初めて連対を確保すると、前走の桐花賞でもドロドロの馬場にもひるまず直線馬群を割ってよく伸び、ロックハンドスターの2着。復調と見ていいだろう。白嶺賞から中11日で桐花賞、そして今回は中9日での出走と、年末年始の変則開催でやや厳しいローテンションだが、昇り調子であればむしろ間隔を詰めて使ったほうが結果が出ることもある。1年ぶりの勝利がこのレース連覇となるかどうか。
2番手にはゴールドマイン。今シーズンはずっと菅原勲騎手が手綱をとり、10戦して3着を外したのが2回のみという堅実な成績。白嶺賞は2着のマヨノエンゼルに3/4馬身及ばすの3着だけに、逆転は十分に狙える。
8番人気で臨んだ白嶺賞を見事に逃げ切ったダイメイジュエリーが、今回も同じように逃げ切れるかどうか。その前走は2番枠からコーナーワークでハナを奪い、3~4コーナーでは後続を離して最後まで粘り切った。今回も4番枠なら枠順的には悪くない。さらに、上記2頭が白嶺賞と同じ57キロなのに対し、ダイメイジュエリーは1キロ軽い54キロ。さすがに前回のようり楽に逃げさせてはくれないだろうが、引き続きドロドロの馬場が予想されるだけに、軽量の先行脚質は有利だろう。
以下はやや離れるが、船橋から移籍3戦目となるサウンドサンデー、同じく船橋からの移籍馬で、11月に特別の栗駒賞を勝っているリュウノキングダムあたりが連下争いに加われるかどうか。
◎マヨノエンゼル
○ゴールドマイン
▲ダイメイジュエリー
△サウンドサンデー
△リュウノキングダム
トーセンマエストロに笠松初勝利&重賞初制覇のチャンス。中央準オープンから夏に笠松に転入し、ここまで6戦してA2特別で2着、重賞で3着が2回という成績。その重賞での2度の3着は今回と同じ笠松1400メートル。11月の笠松グランプリでは、マルヨフェニックス、キングスゾーンという全国区の活躍馬に続く3着だっただけに、重賞としてはやや軽いメンバーとなった今回はチャンス大。前走、船橋に遠征した総の国オープンは、着順こそ8着だったが勝ったキングスゾーンからコンマ7秒差とそれほど負けているわけではない。
エーシンアクセランにもチャンスは十分。地元笠松の重賞で2着、3着という善戦が何度もあり、昨年6月のサマーカップでようやく重賞初制覇。10月のスプリントではトーセンマエストロ(3着)に先着する2着。3走前の笠松グランプリでは、3着のトーセンマエストロからコンマ7秒差の7着に敗れた。いずれも斤量は57キロと同じで、勝ったり負けたりの互角の成績。ただエーシンアクセランはここ3戦ともに勝ち馬から1秒以上の差で負けているだけに、トーセンマエストロのほうを上位にした。
昨年終盤、中央から金沢に転厩したトウショウガナーは、その初戦となった金沢A2特別を勝利。中央準オープンの力があれば、今回のメンバーなら十分に勝負になる。
連下の穴的な狙いなら兵庫から遠征のゲイリーディライト。秋以降はいまひとつの成績だが、6月の笠松・サマーカップでは9番人気ながら、エーシンアクセランの2着があった。今回のメンバーもサマーカップと同じようなレベルなだけに、好位から粘れる展開になれば上位争いに食い込んでくる可能性はある。
◎トーセンマエストロ
○エーシンアクセラン
▲トウショウガナー
△ゲイリーディライト
地方競馬の重賞などには、各地の地名にちなんだレース名が少なくない。このプリンセスカップは、レース名こそどの競馬場にもありそうな、いわばありきたりのものだが、金沢地方にちなんだ名前の馬が、カカビジン、ノトノイチバンボシ、ヒャクマンゴクと3頭も出走してきた。
そのうちの1頭、ヒャクマンゴクの実力が抜けている。デビューからの2戦こそ人気になりながらあまりいいところがなかったが、その後の5戦では4勝、2着1回。勝つときはいずれも2着馬に1秒以上の差をつけての圧勝だ。ヤングチャンピオンは2着に敗れたものの、出走していた牝馬には圧倒的な差をつけていた。牝馬同士のここは負けられない一戦。
2番手以降は勝ったり負けたりの混戦だが、その筆頭にはナエマ。兼六園ジュニアカップでは前2頭からは離されたものの、地元勢では最先着の3着。その後中央への遠征では惨敗だったものの、厳しいペースの経験は生きるはず。前走はジーニーにも先着を許す3着だったが、1番人気で勝利したザハヤテオーに次ぐ2番人気に支持されていたのは、その素質を期待されてのものだろう。
ジーニーは未勝利だが、ここまで10戦して2着4回、3着2回と常に堅実な走り。重賞は今回が初めてだが、この世代の重賞上位馬との対戦もたびたびあり、今回も上位争いにはからんできそうだ。
前走のヤングチャンピオンでは4、5着のフブキサクラコ、ファンシーザットは、同2着のヒャクマンゴクに逆転までは難しいだろうが、牝馬同士なら連下争いも可能。
◎ヒャクマンゴク
○ナエマ
▲ジーニー
△フブキサクラコ
△ファンシーザット