若駒賞、南部駒賞と、ともに2着に1秒以上の差をつけて連勝したベストマイヒーローの実力が抜けている。ここまで5戦4勝で、唯一先着を許したのは芝のジュニアグランプリで、北海道から遠征のスクランブルエッグ(現在は船橋所属)に半馬身及ばずというもの。本馬と未対戦の上がり馬というのも皆無なだけに、よほどのアクシデントだとか、この時期のドロドロの馬場状態を嫌ったりだとかしない限り負けることはないだろう。
相手筆頭は普通に考えれば、グランプリボーイだろう。南部駒賞では勝ち馬以外のメンバー中最先着(5着)、寒菊賞でも同最先着の3着だった。しかしここは北海道から移籍して3戦目となるヤマトスバルを対抗に狙ってみたい。道営時代はルーキーチャレンジ勝ち。転入初戦の南部駒賞はベストマイヒーローから3秒離されて6着だったが、続く前走の水沢1400メートル戦で57キロを背負って好タイムでの勝利。さらなる上積みがあれば、南部駒賞で先着されたグランプリボーイを逆転する可能性は大いにあるだろう。
グランプリボーイも当然相手候補。南部駒賞5着のあとの水沢1400メートル戦では2着に10馬身差をつける圧勝。続く前走寒菊賞では3着。ベストマイヒーローが抜けた同世代同士なら上位を争える実力を持っている。
以下はやや離れるが、ヤマトスバルかグランプリボーイのどちらかが崩れたときに馬券圏内を狙えるのが、南部駒賞10着以外は崩れていないトーホクスピリットだろうか。
◎ベストマイヒーロー
○ヤマトスバル
▲グランプリボーイ
△トーホクスピリット
サカジロタイヨーは、デビューから4戦は2、3着続きでなかなか勝ち切れなかったが、その後2連勝で急激に力をつけた。特に今回と同じ舞台の前走は、2着のブライトヒーローに9馬身差をつける圧勝。勝ちタイムの1分43秒9は、同じ名古屋1600メートルで行われた過去4年のこのレースの勝ちタイムを上まわるもの。重賞初挑戦だが勝利の可能性は高い。
2番手には、北海道から転入初戦となるベラトリックス。2歳シーズン最初のスーパーフレッシュチャレンジ2着のあと、5カ月の休養を挟んで出走したアタックチャレンジを勝利。その後は2歳の特別戦を3戦して4、5、4着という成績。2歳戦のレベルの高い北海道で常に善戦なら、このあたりのメンバーなら十分に通用する。あとは仕上がり具合と当日の体調次第。
大井から転入してきたパワフルローマンも気になる存在。大井で9月に行われた準重賞ゴールドジュニアーで2着のあと、2歳の特別戦を勝利。前走の転入初戦は2歳馬ながら古馬A級3組に格付けされ、やや離されはしたものの2歳馬としては好タイムをマークしての5着。実績的にはあっさり勝ってもおかしくはない。しかしハイセイコー記念(12着)は勝ち馬が圧倒的に強かったから参考外にしても、続く大井での最終戦となった2歳の特別戦で負け過ぎなのが気になるところ。
デビュー3戦め以降の8戦いずれも3着以内でゴールドウィング賞でも3着だったナラセジンダイコ、北海道から転入初戦の2歳1組戦を勝ったゼニスパワー、近走の安定ぶりが光るサウスギャラクシーなども差はない。
ゴールドウィング賞を制したミサキティンバーだが、その後のJRA認定競走では2戦とも3着。サカジロタイヨー、ナラセジンダイコ、サウスギャラクシーなどに先着されている上に、全日本2最優駿JpnI(10着)遠征の反動も不安なだけに無印とした。
◎サカジロタイヨー
○ベラトリックス
▲パワフルローマン
△ナラセジンダイコ
△ゼニスパワー
△サウスギャラクシー