セイクリムズンの勢いが止まらない。フェブラリーステークスGIこそ14着に敗れたが、それを別にすれば4連勝中。出走を予定していた黒船賞が震災の影響で取止めになったのは残念だったが、前走のコーラルステークスも59キロも問題にせず完勝だった。ここまでの勝ち星はいずれもダートで、1200メートルで3勝に、1400メートルで6勝。フェブラリーステークスの惨敗は距離適性とも考えることができる。今後、ダートの1200~1400メートルの路線で頂点を狙えるスピードの持ち主だ。
根岸ステークスGIIIを回避して、今年初戦を迎えるのがラブミーチャン。前走、兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIは3着だったが、相変わらずスタートダッシュが抜群なところは見せた。小回りで直線の短い名古屋コース。マイペースに持ち込めば勝負になる。
東京スプリントでは8番人気とほとんど注目されていなかったセレスハントだが、ゴール前で見事に抜け出した。人気がなかったのは経験のないダート1200メートルゆえだが、陣営も驚きのスプリント能力を見せた。中1週になるが、東京スプリントのレース後のインタビューで松永幹夫調教師が迷うことなく「次走は、かきつばた記念」と言っていたところを見ると、むしろ目標は1400メートルのここだったのだろう。中央のダートよりも地方のダートでこそという馬だ。
ミリオンディスクは、昨年、北海道スプリントカップJpnIIIを制したほか、地方では7戦してすべて3着以内と堅実に走った。今年初戦に予定していた黒船賞JpnIIIが中止となり、その後2戦していずれも着外。とはいえ、勝ち馬から0秒6差、0秒7差とそれほど負けているわけではない。印上位の馬は強力だが、東京スプリントよりメンバーが軽くなるだけに、馬券圏内は十分に狙える。
1年2か月ぶりの復帰戦となるナイキハイグレードは、羽田盃を制すなどもともと期待の大きかった馬。小回り1400メートルの忙しい流れに対応できるかどうかだが、今後の期待もこめて連下に。
◎セイクリムズン
○ラブミーチャン
▲セレスハント
△ミリオンディスク
△ナイキハイグレード
2000年以降、ずっと佐賀勢に優勝をさらわれている荒尾ダービー。今年、佐賀勢は3頭だが、強力なメンバーが遠征してきた。
中心は、やはりその佐賀勢。デビューから3連勝で九州ジュニアグランプリを制したリョウマニッポン。半年ぶりの復帰戦となった前走は8着惨敗だったが、休み明けに加え、古馬のB2級というクラスでは仕方のない結果。叩き2戦目で再びタイトルを狙う。2000メートルの距離はもちろん初めてだが、父が英セントレジャーを制したルールオブロー、母父がジャパンカップを制したシングルピールなら、血統的にはむしろ大歓迎だ。
3歳になってからの実績ではリリーが断然。重賞勝ちはないものの、花吹雪賞、飛燕賞、ル・プランタン賞といずれも2着。その3戦で先着されたのが、ヒシダイアナ、マンボビーンと、グランダム・ジャパンのシリーズで活躍している馬たちだけに、今回のメンバーに入ればチャンスは十分。
今年は連勝中の荒尾勢が侮れない。リバースターリングは、中央未勝利で転入して2着のあと3連勝。その3勝とも、いずれも2着馬に1秒以上の差をつけた。前走も2番手から4コーナー手前で先頭に立つと、直線はまったく持ったままで2着に8馬身差。戦った相手が3歳2組までとはいえ、まだまだ底を見せていない。荒尾勢悲願の勝利は、この馬にかかっているといえそうだ。
テイエムリニアも中央未勝利から転入して4連勝。前走の3歳1組戦は、2着馬との着差こそ2馬身だったが、最後は宮平鷹志騎手が後続の脚色を確認しながら余裕を持っての勝利。この馬もまだまだ上がありそうだ。
佐賀勢ではやや実績が見劣るキャンベルだが、それでも花吹雪賞での3着は、2着のリリーから1馬身半差。古馬C1級でもそれほど差のない3着があり、連下なら狙えそう。
アミフジエンブレムは3歳3組戦を2連勝。前走、距離が1300メートルに伸びて7馬身差の圧勝を見せただけに、成長ぶりがうかがえる。
◎リョウマニッポン
○リリー
▲リバースターリング
△テイエムリニア
△キャンベル
△アミフジエンブレム
地方競馬の3歳戦線では牝馬が強いということがたびたびあるが、出走馬がすべて牝馬の「ダービー」というのもめずらしいのではないか。
実績最上位はユメミルチカラ。福山プリンセスカップを勝ち、若草賞7着を挟んで、前走古馬B1B2特別も快勝。この時期の3歳馬としては相当な実力の持ち主。ただ圧勝もあれば、たまに惨敗もあるというタイプだけに、連単の頭固定は危険かもしれない。
相手には、重賞で2着3着4着があるマルサンスパイス。前走古馬C1特別で約半年ぶりの勝ち星をマーク。とはいえ大崩れも少なく、安定した成績だけに、ここで一発の可能性もおおいにある。
ムツミマックスは、ヤングチャンピオンと若駒賞を連勝したときには注目を集めたが、その後はさっぱりという成績。連勝していたころの勢いが戻れば。
おそらく以上3頭の勝負だが、前々走で3歳2組戦を勝ったミサゴドライヴが馬券圏内にからんでこられるかどうか。
◎ユメミルチカラ
○マルサンスパイス
▲ムツミマックス
△ミサゴドライヴ
昨年7月3日にオグリキャップが死亡してから初めてのオグリキャップ記念。この記念レースも、第20回の節目となる。当日は、オグリキャップのイラスト入ったハンドタオル、マグカップや、笠松競馬場のポロシャツなどが抽選でプレゼントされるほか、オグリキャップ像リフレッシュセレモニーや、岩手競馬応援セレモニーなどが行われる。お近くの方は、ぜひ笠松競馬場へ!
連覇を目指すヒシウォーシイが断然だ。昨年3月のマーチカップから今年2月の梅見月杯まで、1年近く負けなしで12連勝。前走名古屋大賞典JpnIIIは、さすがにエスポワールシチー以下の中央勢が強力で4着に敗れたが、それでも当然のように地方馬最先着。その後に東京スプリントJpnIIIを制すセレスハントには先着し、中央勢上位独占は許さなかった。これまで8戦全勝と得意の笠松が舞台での地方全国交流なら負けられないところだ。
そのヒシウォーシイに土をつける可能性があるとすれば、佐賀から遠征のマンオブパーサー。さすがにダービーグランプリGIを制したころの力はないだろうが、佐賀に移籍してからは圧倒的な強さを示していた。年末の中島記念から年明けのオープン特別は期待を裏切ったが、前走はがくれ大賞典では2着に6馬身差をつける圧勝で、久々に強いレースを見せた。船橋から佐賀に移籍したのは脚部不安でなかなか仕上げられなかったためだが、脚元さえ万全の状態なら前走同様圧勝まであるかもしれない。
マイネルアラバンサは、前走ややメンバーの軽かったマーチステークスを勝って東海地区で重賞4勝目。ヒシウォーシイとの対戦では分が悪いが、これまで名古屋・笠松では12戦して3着を外したのが2回のみと堅実な成績。ここも2着、3着なら十分に狙える。
トウホクビジンは、前走の東海クラウンがじつに35戦ぶりの勝利。東海地区での古馬オープンクラスの勝利は、これが初めてだった。とはいえ、厳しいローテーションで全国を駆け巡り、ダートグレードで3着、4着の経験が1度ずつある。展開次第では上位に食い込む可能性も十分だ。
高知勢は08年のこのレースで1着3着と激走。ハンドシェイクも前走地元の重賞・二十四万石賞できわどい2着と好走しているだけに、あっと驚かせる場面があるかもしれない。
◎ヒシウォーシイ
○マンオブパーサー
▲マイネルアラバンサ
△トウホクビジン
△ハンドシェイク
メンバー中唯一の重賞勝ち馬がラスワロフスキーで、中央のダート500万下も1番人気で勝っているとあれば、実績では断然。デビュー戦の1200メートルで4着に負けていることや、7カ月半ぶりの実戦となるのが不安材料だが、シーズン初日のレースだけにそうした不安はどの馬にもある。スピードで一気に押し切ってしまう可能性が高い。
ピエールタイガーは、ブリーダーズゴールドジュニアカップ4着に、未来優駿のサッポロクラシックカップ(特別)を勝ったという実績。その後大井に移籍し、準重賞の雲取賞で5着。その次走に予定されていたのが、大地震当日で、そのレースが取止めとなって北海道に復帰した。3月まで南関東でレースに使える状態あったとあったというのは、大きなアドバンテージだ。
ハピネスハンターは、2着3着が続き、昨シーズン終盤にようやく2連勝。重賞経験はないが、6戦して3着を一度も外していないという安定ぶりが光る。
昨シーズンのスーパーフレッシュチャレンジを制して以来ちょうど1年ぶりの実戦となるパフォーマンス、栄冠賞を取消して以来のラビットファレル、南関東で5戦して2着3回、3着2回のマーベラスタイムなど、手広く狙ってみたい。
◎ラスワロフスキー
○ピエールタイガー
▲ハピネスハンター
△パフォーマンス
△ラビットファレル
△マーベラスタイム