名古屋で行われていたときから通算してこのレース4連覇のかかるキングスゾーンに注目が集まるが、金沢のトウショウガナーが強そうだ。中央準オープンから金沢に移籍して2連勝。前走、笠松の白銀争覇は、3番手追走から直線で抜け出すと、最後は手綱を抑える余裕で4馬身差の圧勝。中央での経験や血統的に距離が心配だが、前走のレースぶりならマイルくらいまではこなせるだろう。
キングスゾーンは明けて9歳になったが、まだまだ元気。前々走は船橋に遠征して地方全国交流の総の国オープンを快勝。前走の地元重賞も59キロのトップハンデで勝利。昨年は5月以降、勝ちきれないレースが続いていたが、ここ2戦で調子を取り戻した。
イイデケンシンは、兵庫に移籍して以降、ダートグレードを除けば12戦して10連対と崩れることがほとんどない。遠征競馬でも、福山、笠松で重賞を3勝。ここでも十分勝負になる。
スマイリングフィルは、前走園田金盃では直線一杯を使ったアルドラゴンとの叩き合いをハナ差で制した。休養明けの秋以降1、2、1着と、明けて8歳になったが今が充実期のようだ。
地元勢の筆頭は前走福山大賞典を制したクラマテングだが、昨年もキングスゾーンから1秒5差をつけられて5着に敗れているだけに、馬券圏内にからめるかどうか。
◎トウショウガナー
○キングスゾーン
▲イイデケンシン
△スマイリングフィル
△クラマテング
高知に戻って地元では4戦3勝、2着1回のポートジェネラルの実績が断然。昨年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIでは11着に敗れたとはいえ、スタート後はラブミーチャンの3番手を追走するというスピードも健在。赤岡騎手に戻ってこのレース連覇濃厚だ。
相手筆頭は、これが重賞初挑戦となるがアプローチアゲン。中央500万下から転入し、5戦4勝。一度の敗戦は、格上挑戦となった1月8日のA-1特別の4着だが、勝ったポートジェネラルからは0秒2しか離されていない。重賞でも十分に通用する。
C級で11戦連続連対中のワキノカイザーもA級馬との対戦は初めてとなるが、中央ではダートのオープンを走っていた実力馬だけに、いきなりの重賞で通用してもおかしくはない。
中央から転入初戦のA-2戦を勝ったシャドウデイル、昨年の3歳2冠馬ナロウエスケープも連下争いに食い込む可能性は十分。
◎ポートジェネラル
○アプローチアゲン
▲ワキノカイザー
△シャドウデイル
△ナロウエスケープ
昨年4着に敗れたときと同様、上下40キロ差のトップハンデとなるが、フクイズミに期待したい。
今シーズンは旭川記念と岩見沢記念の2重賞を制覇。ところが北見記念以降はまったく障害が越えられなくなり不振に陥った。そして復活のきざしを見せたのが、前走の白馬賞。芦毛馬限定戦ゆえ格下馬が相手だったが、それほど差のない5番手で障害をクリアすると、これぞフクイズミという末脚を見せて楽々と差し切った。昨年は、勝ったエンジュオウカンとは30キロ差があったが、今回は10キロ差に縮まった。明らかに格下のワタシハキレイズキとの差が40キロあるだけで、ほとんどの有力馬とは10~20キロしか差がない。第2障害さえ離されずに越えられれば、前走に続いてフクイズミの豪脚が生きる。
相手には、連覇に加えてこのレース3勝目を狙うエンジュオウカン。例年どおり夏は休養し11月に戦線復帰。4戦目の帯広記念で5着とまずまず好走し、その後オープン2着、オープン2組を勝利と、調子を上げてきた。気になるのは770キロまでしか勝ち星がないところ。今回は790キロを克服できるかどうかがカギとなりそうだ。
牝馬同士の重賞ならトカチプリティーに出番も。04年(12月)、08年、09年と、過去にこのレースを3勝。この馬も課題は負担重量。過去にこのレースを勝ったのは770キロまで。780キロを負担した06年は4着、同じく780キロの昨年も5着だった。今年はさらに10キロ重い790キロを背負うのが気になるところ。
牝馬同士ならニシキユウにもチャンス。昨年も2番手で障害をクリアして3着。前々走の帯広記念はさすがに厳しいレースだったが、牝馬同士ならこの馬の持ち味である早め障害から粘り込む場面も十分に考えられる。
ワタシハキレイズキは、今回とほとんど同じメンバーで争われた11月のレディースカップで4着。今回も最軽量ハンデだけに、あっと言わせる場面はあるかもしれない。
◎フクイズミ
○エンジュオウカン
▲トカチプリティー
△ニシキユウ
△ワタシハキレイズキ
ここも北海道からの移籍組が強そうだ。中でも転入初戦のカペラ賞を逃げ切ったリリー。後続を引き付けての逃げから、直線では楽に後続を突き放し、2着のジュエルリングに5馬身差をつけた。北海道での最終戦となった1700メートル2歳オープンでの2着という経験も大きい。父スキャターザゴールド、母の父ブライアンズロマンという血統からも、距離が延びてさらに力を発揮しそう。
相手にもやはりホッカイドウ組でクールラウンジ。道営では短距離のJRA認定競走を3戦して未勝利だったが、転入後は3連勝。特に1750メートルに距離が延びた前走初夢特別は、2番手から直線抜け出し、中団から追ってきたココモサンビーチを寄せ付けずというレースだった。こちらも血統的には距離延長もまったく心配はない。
3番手には、その初夢特別で3着だったヒシダイアナ。中央でデビューし芝での2戦は大敗だったが、転入後2連勝。前走初夢特別は1番人気に推されながらクールラウンジにコンマ7秒差をつけられた。この差を詰められるかどうか。
門松賞3着のダイメイネオ、同3着で前走3歳1組戦を1番人気で勝ったタキノプリンセス、荒尾勢2頭が馬券圏内に食い込めるかどうか。
九州ジュニアチャンピオンでは7着に敗れたジュエルリングだが、前走カペラ賞2着からの巻き返しがあるかどうか。
◎リリー
○クールラウンジ
▲ヒシダイアナ
△ダイメイネオ
△タキノプリンセス
△ジュエルリング
11連勝を狙ってヒシウォーシイがまたまた得意の笠松を使ってきた。昨年2月まで、地元名古屋以外では3歳時に大井、金沢、船橋に一度ずつ遠征したことがあるのみ。それが連勝のスタートした昨年3月のマーチカップ以降、10連勝のうちじつに7戦が笠松でのレースだ。マルヨフェニックスやキングスゾーンなど、東海地区の一線級との対戦を避けているように見えなくもないが、とにかく今回も、勝負付けが済んでいるか、明らかに格下というメンバーが相手。条件では別定となっているが、牡馬56キロ、牝馬54キロと、実質定量戦だけに、よほどのアクシデントでもない限り負けないのではないだろうか。
相手筆頭はトーセンマエストロ。中央準オープンから昨年8月に笠松に転入し、勝ち星こそないものの、スプリント3着、笠松グランプリ3着、白銀争覇2着と、重賞での善戦が目立つ。今回もヒシウォーシイさえいなければ、9歳にして重賞初勝利のチャンスだったのに、というメンバー。
エーシンアクセランも重賞善戦組。昨年のサマーカップで重賞初制覇を果たしたが、以降は重賞に7回出走して2着2回に3、4、5着が各1回。今回もトーセンマエストロとの2着、3着争いだろう。
重賞3勝の実績があるカモンネイチャだが、ここ3戦の重賞では勝ち馬から1秒前後の差をつけられている。ただそのときの勝ち馬がイイデケンシン、マルヨフェニックス、キングスゾーンと、東海・兵庫のトップクラスの馬たちだけに、今回のメンバーなら連下は十分に狙える。
ビッグポパイは、前走白銀争覇で9番人気という低評価ながら、2着トーセンマエストロにアタマ差の3着と好走。1番人気で5着だったエーシンアクセランには先着した。それが実力なら今回も上位に食い込む可能性はある。
◎ヒシウォーシイ
○トーセンマエストロ
▲エーシンアクセラン
△カモンネイチャ
△ビッグポパイ