「夏は牝馬」というが、好調牝馬が2頭出走してきた。まず1頭は、トーホウドルチェ。前々走、栗東ステークスでの勝利は、昨年4月のマリーンカップJpnIII以来1年以上ぶりとなったが、2番手から直線で抜け出し、牡馬勢を寄せ付けずという強い内容だった。前走スパーキングレディーカップJpnIIIはラヴェリータに6馬身という決定的な差をつけられての2着だったが、むしろこれは相手の充実ぶりをほめるべきだろう。今回のメンバーなら期待が持てそうだ。
エーシンクールディは、目下のところグランダム・ジャパン古馬シーズンのポイントでトップ。それゆえ25日の秋桜賞を使って優勝をほぼ手中に収めるのかと思いきや、ダートグレードを狙ってここを使ってきた。連闘で使えば使えなくもないのだが、どうなのだろう。とにかくエーシンクールディは、地方に移籍しての重賞3連勝はいずれも一方的なレース内容。今年、根岸ステークスGIIIで4着という実力なら十分に勝ち負けまで考えられる。
スーニは、昨年のこのレースで断然人気に支持されたが、地元のマンオブパーサーもとらえきれず4着。今年も58.5キロ(昨年は59キロ)とハンデは楽ではないが、どこかで復活のきっかけをつかみたいところ。
昨年2着のダイショウジェットは、ダートグレード未勝利なのがむしろ不思議な感じ。いつ勝ってもおかしくないようなレースを続けながら、もう8歳。このあたりの手ごろなメンバーのときに、どこかでひと花咲かせたいところだが。
◎トーホウドルチェ
○エーシンクールディ
▲スーニ
△ダイショウジェット
今年、地方競馬にスーパースプリントシリーズが創設されたことは、ラブミーチャンにとっては幸運だった。昨年は脚の状態がかなりよくない時期もあったそうで、そこから徐々に回復し、調子も上がったきたときに行われたのが、名古屋でら馬スプリントであり、習志野きらっとスプリントだった。その習志野きらっとスプリントでは、ジーエスライカーを競り落としての勝利だったことでも、今後のダート短距離戦線を見据える上でも明るい材料。そして今回、中央勢にダートグレード勝ち馬がいないというメンバーは、ラブミーチャンにとってはさらに幸運というべきだろう。スタートにまだ不安はあるが、互角にさえ出ればダッシュ力は抜群で、そのまま一気に逃げ切りたいところ。
中央勢ではドスライスが唯一、オープン勝ちの実績。前走NST賞は、2番手追走から直線で抜け出し、1番人気のアースサウンドを寄せ付けずという強い内容だった。ただ、勝つときは強い勝ち方をするが、負けるときは惨敗というタイプだけに、自分のレースができるかどうか。勝つのはラブミーチャンか、この馬か、どちらかだろう。
前走、ダートの準オープンを勝ったトーセンクロスは、これまでの4勝すべてがダート1200メートルと、ここは願ってもない舞台。オープンや重賞で勝ちきるまでのスピードがあるかどうか。
グランドラッチは09年のカペラステークスGIIIで僅差の3着があるが、その後はダートのオープンで4着が最高という成績。前走NST賞もドスライスからコンマ8秒離されての6着だけに、逆転まではどうか。
エイシンタイガーは、中央時代は芝の短距離でオープン勝ちの実績だが、前走習志野きらっとスプリント(4着)が初ダート。スピードはたしかなだけに、あとはダートをこなせるかどうか。
◎ラブミーチャン
○ドスライス
▲トーセンクロス
△グランドラッチ
△エイシンタイガー
今年になって急激に安定感を増したレッドゾーンが中心。7歳にしての重賞初挑戦となった六甲盃はいかにも相手が悪く、むしろマルヨフェニックスのレコード勝ちに1馬身半差2着なら大健闘。兵庫大賞典はアルドラゴンやキヨミラクルといった兵庫のトップクラスを相手に1番人気に支持されての勝利、しかもアルドラゴンに3馬身半もの差をつけた。以来、2か月ぶりとなった前走は中央から転入初戦のタガノマーシャルには完敗だったが、その相手が不在のメンバーなら再びタイトル奪取のチャンス。トップハンデ58キロを克服できるかどうかがカギ。
タガノサイクロンは、中央での最終出走から1年近くのブランクがあり、転入した兵庫での復帰戦となった前走A1特別を勝利。3キロ差はあったものの、ハナ差で負かした相手がキヨミラクルなのは立派。今回もレッドゾーンとは2キロのハンデ差があるだけにチャンスは十分。
コスモハレルヤは、前走が兵庫では初めて馬券圏内を外す5着。それでも下級条件から大崩れせずにオープンまだ上がってきた。六甲盃は2着のレッドゾーンから1秒9の大差をつけられての3着。今回4キロ差でどこまで迫れるか。
シルクヒーローは、A1初勝利となった3走前ではレッドゾーンを4着にしりぞけていた。しかし前走では3キロ差のレッドゾーンにアタマ差及ばずの3着。今回も同じ3キロ差だが、一発の可能性は秘めている。
シルククルセイダーは、中央から転入して1年2か月ぶりの実戦となった前走A1特別を勝利。中央ではオープン勝ちの実績があるだけに、8歳の現状でどれだけの力があるのか楽しみなところ。
タガノバロットは今回が古馬のオープンクラス初挑戦。今年は園田1700メートルのみを使われ、着実に勝ち上がってきているだけに、重賞級のメンバーを相手にどこまでやれるか。
◎レッドゾーン
○タガノサイクロン
▲コスモハレルヤ
△シルクヒーロー
△シルククルセイダー
△タガノバロット
北斗賞をスキップして臨むカネサブラックは目下6連勝中、そのカネサブラックのいない北斗賞をきっちり勝ったニシキダイジンも3連勝中と、ばんえいの古馬戦線はますます強固な2強体制となってきた。
ただ真夏の暑い時期に行われる重賞ゆえか、ばんえいグランプリは過去の結果を見ると一筋縄ではいかないようにも思える。まず1番人気が予想されるカネサブラックにとっては、2年連続2着と鬼門の重賞となっているのがひとつ。さらには過去5年の結果を見ると、1番人気が連対しているのは昨年と一昨年のみ。3~5年前は、1、2番人気が揃って飛んだ。ちなみに3年前に8番人気で勝ったのがニシキダイジンで、ニシキダイジンの古馬戦線での活躍はここから始まった。
カネサブラックは2か月間隔を開けたことがプラスに出るのかマイナスに出るのか不安があること、2年連続2着に敗れていることなどから、今回はニシキダイジンを中心にとる。鈴木恵介騎手に乗り替わってから2着のあと3連勝と相性も抜群。
ギンガリュウセイは今シーズン3着以内が一度もないが、今シーズンは穴として狙い続けると決めた馬。昨シーズンは岩見沢記念4着、北見記念2着、帯広記念4着と、高重量戦で上位争いをしているだけに、調子を戻せばこれからが楽しみ。
時計のかかる馬場になれれば、当然フクイズミの台頭もあるだろう。
キタノタイショウは旭川記念では大敗だったが、北斗賞では勝ったニシキダイジンからそれほど離されずの3着。このメンバーでも上位争いの実力をつけているが、安定感には欠けるだけに押さえまで。
荒れる重賞だけに、3連単なら2頭が崩れる可能性まで考えて買ってみたい。
◎ニシキダイジン
○カネサブラック
▲ギンガリュウセイ
△フクイズミ
△キタノタイショウ
3連勝中のシルクウィザードに、トレノ賞を制した上り馬マルハチゲティ。地元福山か、それとも高知かという争い。
ここは中央準オープン勝ちの実績で、その勢いが衰えないシルクウィザードを中心にとる。福山転入後、地元で負けたのは5月の西日本グランプリと4走前のA1戦の2戦のみ。前々走の福山スプリントカップは2着の高知・トミケントラストと半馬身差だったが、競り合う3頭を前に見て直線差し切るという強い勝ち方。ここに来ての3連勝は盤石の競馬で、好調持続だ。
マルハチゲティは、格上挑戦となったトレノ賞で重賞初制覇を果たし、続く前走A1特別も勝利。今年元旦に3着に負けて以降は、14戦連続連対と安定感抜群だ。福山スプリントカップで逃げ粘って2着のトミケントラストが高知ではA2でも苦戦しているレベルだったことを考えれば、この馬があっさり勝ってしまってもおかしくはない。
ビービーバイラは、シルクウィザードにはかなわないものの、常に上位争いには加わる安定勢力。
近走成績の安定しないクラマテングだが、実績を考えればやはり馬券からははずせない。
A3まで3連勝中と勢いのあるモエレパーフェクトが初めての重賞でどこまでやれるか。
◎シルクウィザード
○マルハチゲティ
▲ビービーバイラ
△クラマテング
△モエレパーフェクト