2歳時はデビューから3連勝で九州ジュニアグランプリを制したリョウマニッポンだが、半年の休養から復帰した今春はいまひとつの成績。しかし九州ダービー栄城賞の3着できっかけをつかんだのか、その後は古馬B2特別で2、1、2着。古馬B級でレースをしている馬がほかにいないことからも実力最上位と見る。
恐いのが高知から遠征のセトノジェントル。中央未勝利から転入して、10戦7勝、2着2回、3着1回。そのうち福山への遠征でも3戦3勝という成績から、ここでも勝負になって不思議はない。ただ地方では1400メートルまでしか経験がないのが気になるところ。
スペシャルドリームは、九州ダービー栄城賞7着や、7月の古馬C1戦での大敗などあまり目立つ馬ではなかったが、JRA小倉遠征を挟んで、8月に古馬C1戦初勝利を挙げると、前走ではやはり古馬C1戦で7馬身差の圧勝。ここにきて急激に力を付けている可能性はある。
ドゥルキスは、中央未勝利から転入して3歳戦を僅差の決着で3連勝。3歳馬同士とはいえ、はじめての重賞でどこまでやれるか。
ジョールーチェは荒尾の古馬C級で4連勝中。特に前走は6馬身差の完勝という内容なだけに、同じく初めての重賞でどうか。
◎リョウマニッポン
○セトノジェントル
▲スペシャルドリーム
△ドゥルキス
△ジョールーチェ
ギンガセブンといえば、人気薄で3着に粘った関東オークスがキョーレツな印象だった。その後、南関東の古馬B級でイマイチの成績だったとはいえ、高知に転厩初戦のA-2選抜が快勝だったので、秋桜賞ではエーシンクールディと馬連複1点勝負をしたのだが、惜しくも3着。とっても悔しい思いをした。エーシンクールディからは5馬身+クビ差。兵庫の重賞で勝ち負けのキーポケットに先着なら、ここでも十分勝負になるだろう。
強敵はプラネットワールド。前走、1番人気に支持された建依別賞は、3コーナーで先頭に立って後続を寄せ付けず、まさに快勝というべきレース内容で重賞初制覇となった。ただ今回1900メートルという距離なら、ギンガセブンのほうに分があると思うのだが。
トレノ賞と福山の金杯を制したマルハチゲティだが、1番人気に支持された前走のA-1特別でギンガセブンの4着に敗退。この3頭の勝負付けはまだ済んでない感じなだけに、どんなレースになるか楽しみなところ。
スウィングベルは、中央未勝利から転入して福山遠征も含め20戦17勝。4走前のヴェガ特別では、1~2コーナーでハナを奪ったもののプラネットワールドに早めに来られて9着に沈んだ。ただ大敗はこの一戦のみ。初めての重賞と、1900メートルという距離が課題だが、このメンバーに入って食い下がれるかどうか。
イーグルビスティーは、福永洋一記念を6番人気で制し、続くA-1特別も連勝したものの、その後はいまひとつの成績。しかし建依別賞ではプラネットワールドの2着と好走した。ここ一番で力を発揮するタイプなのかもしれない。
◎ギンガセブン
○プラネットワールド
▲マルハチゲティ
△スウィングベル
△イーグルビスティー
道営ホッカイドウ競馬は、「ブリーダーズゴールドカップJpnIIが終わると後半戦に突入し一気に秋が来る」と言われる。たしかに古馬の中長距離戦線も、このステイヤーズカップ、瑞穂賞(10月19日)、そして道営記念(11月17日)というスケジュールを見るとそう思わざるをえない。
昨年の道営記念で期待を裏切り5着に敗れたクラキンコにとっては、そのシーズン最後の大一番に向けて落とせない一戦。前走、ブリーダーズゴールドカップJpnIIでは中央との力の違いを見せつけられたが、地方最先着は確保した。2600メートルは王冠賞を制した舞台。父クラキングオーは、当時は札幌2400メートルだったが、ステイヤーズカップは01年と02年に連覇。北海優駿、王冠賞に続いて、このレースにも父仔制覇がかかる。
強敵となりそうなのが、連覇を狙うマキノスパーク。南関東ではB級で勝ちきれなかったが、復帰初戦となった2000メートルのオープンを快勝。昨年後半同様、秋の古馬中長距離重賞3戦を目指して戻ってきた。
リアライズトロイカは星雲賞でマイペースの逃げを打ち、あわやそのまま押し切るかというところ、クラキンコがようやくクビだけとらえたところがゴールとなった。長距離戦だけに、マイペースの単騎逃げに持ち込まれるとこわい。
昨年の王冠賞でクラキンコに3/4馬身差まで迫ったのがサムライジャパン。今シーズンはB4~A4の条件特別で7戦してすべて3着以内という堅実な成績。初めての古馬重賞でどこまでやれるか。
09年の道営記念を制したコパノカチドキは、それ以来勝ち星がないとはいえ、昨年の道営記念では半馬身差の2着、今年のコスモバルク記念でもクラキンコから0秒3差の3着と重賞でも善戦。復活を期待したいところ。
ロードキャニオンは、中央の芝中長距離で準オープンまでは勝ったが、重賞では頭打ち。今年夏に転入してオープンで3、3着。門別のダートに慣れてくれば上位食い込みも。
◎クラキンコ
○マキノスパーク
▲リアライズトロイカ
△サムライジャパン
△コパノカチドキ
△ロードキャニオン
地元兵庫でデビューから3連勝のアスカリーブルか、デビューから2連勝で秋風ジュニアを制した笠松のピースキャンドルか、この2頭の争いとなりそう。
ここは、勝ち方に余裕がある地元のアスカリーブルがさらに連勝を伸ばすと見る。前走の2歳一組戦は、2番手追走から3コーナーで持ったまま先頭に立ち、直線で追われてはいたものの後続を寄せ付けず完勝。まだまだ奥がありそうだ。
ピースキャンドルは秋風ジュニアで逃げ切り勝ちも、人気薄の馬に半馬身差まで詰め寄られた。重賞ではないものの出世レースを勝ったことは評価する必要があるだろう。
メイレディも連対圏内を狙えそう。3戦1勝、2着2回で、先着を許したのはアスカリーブルのみ。着差は0秒7、0秒5だけに、逆転できない差ではない。笠松のピースキャンドルがそれほど印象に残るレースぶりではないだけに、前2走に続いてアスカリーブルとのワンツーという可能性も。
経験豊富なビザンローズ、名古屋のミヤシンボーラーは、成長次第では馬券圏内も。
◎アスカリーブル
○ピースキャンドル
▲メイレディ
△ビザンローズ
△ミヤシンボーラー
リーヴザネストに重賞制覇のチャンスが巡ってきた。中央未勝利から昨年夏に名古屋に転入し、ここまで21戦して3着をを外したのは、昨年大晦日の尾張名古屋杯での4着のみ。前走、くろゆり賞では4コーナーで前とやや離れた5番手あたりから直線鋭い伸びを見せ、勝ったフジノアサハタに1馬身半差まで迫った。重賞勝ち馬が昨年のイヌワシ賞を勝ったエーシンエヴァンのみというメンバーなら期待が膨らむ。
ベルモントパッシオは、中央1勝から今年名古屋に転入して着実にクラスを上げ、初のA1特別挑戦となった7月のルビーオープンでマルカハンニバルの2着。重賞初挑戦となった名港盃では、勝ったキングスゾーンからコンマ4秒差の3着。そして前走ペリドットオープンでA1特別初勝利。キングスゾーンやマルカハンニバルなど、重賞で常に勝ち負けを争うクラスのメンバーがいないここなら、この馬にもチャンスは十分。
エーシンエヴァンは、昨年のイヌワシ賞(金沢)を制し、今年も地方同士の重賞なら常に掲示板確保の堅実派。くろゆり賞は、2着のリーヴザネストから2馬身差の3着。前走イヌワシ賞は、勝ったジャングルスマイルが強すぎたにしても、2着のナムラアンカーから1秒5も離された。近走の成績からは上記2頭と比べるとやや劣勢。ただすんなり好位につけて追走できれば粘り込む可能性はある。
中央から転入初戦の馬が2頭、セイウンワキタツと、エイシンフレンチ。ともに中央でのクラスは準オープンで、芝を中心に使われ、しかもレースは違うが前走の出走が4月24日と、共通点が多い。違いといえば、セイウンワキタツが1400メートル前後を中心に使われていたのに対し、エイシンフレンチは2000メートル以上が中心だったこと。地方のダートをこなして、全盛期に近い力を発揮できれば、当然勝負圏内。どこまで仕上がっているか。
マルヨシロワインは、大井から転入して4戦。前走のA2特別が初勝利で、徐々に力をつけているだけに、連下争いには加わってくる可能性はある。
◎リーヴザネスト
◯ベルモントパッシオ
▲エーシンエヴァン
△セイウンワキタツ
△エイシンフレンチ
△マルヨシロワイン