タガノサイクロンは中央から転入して2連勝。前走摂津盃では向正面からロングスパート、逃げ粘るプニプニヨークンを直線でとらえ完勝という内容だった。さすがに中央オープンの実力を見せつけた。8歳だがキャリア33戦と、それほど使い込まれているわけではなく、アルドラゴン引退後の兵庫で頂点を争う存在になりそうだ。
5月の兵庫大賞典を制したレッドゾーンは、前走摂津盃で1番人気に支持されながら4着。ただこのときはトップハンデの58キロ。今回は、兵庫大賞典と同じ定量56キロに戻るだけに、タガノサイクロンには借りを返したいところだろう。
名古屋から遠征のリーヴザネストが、地元勢にとっては強敵になりそう。昨年、中央未勝利から転入し、名古屋・笠松で21戦して15勝。3着をはずしたのは年末の尾張名古屋杯での4着のみ。8月のくろゆり賞でも2着に好走した。前走出走予定だったオータムカップが台風の影響で取止めとなったため調整過程が心配だが、万全の状態で臨めれば勝負になる。
ツルマルビビッドは、中央から転入初戦の前走A1特別で4馬身差完勝。中央時代、障害に転向する前はダートの準オープンで経験豊富なだけに、上位争いにからむ可能性は十分。
プニプニヨークンは、重賞初挑戦となった摂津盃では逃げ粘っての2着。前走の大敗は気になるが、今回も単独で逃げられそうなメンバーだけに、マイペースに持ち込んで粘り込みを狙う。
福山の大将格シルクウィザードは、地方の交流重賞となるともう一歩の成績。今回は園田に遠征しての競馬でどこまでやれるか。
◎タガノサイクロン
◯レッドゾーン
▲リーヴザネスト
△ツルマルビビッド
△プニプニヨークン
△シルクウィザード
パフォーマンスのスプリント能力は相当高い。6月のグランシャリオ門別スプリントでは、初の古馬との対戦ながら、あっと驚く強さを見せた。前走1200メートルのオープンでも、スタートこそ速くなかったものの、スッと3番手につけ、直線で追い出されるとあっという間に突き放した。今回は前回から1キロ増の56キロになるが、まだまだ問題にはしないだろう。
サクラサクラサクラも短距離では高い能力を発揮する。グランシャリオ門別スプリントでは、4コーナーほとんど最後方という位置から直線大外を追い込んで2着を確保。ノースクイーンカップは距離が長く参考外。前走はA2戦とはいえ1200メートルで巻き返した。
アンペアも同様にノースクイーンカップでは着外だったが、この距離では常に上位を確保する安定した成績。
スズカランクスは、1番人気に推されたグランシャリオ門別スプリントでは4着。ただこのときは果敢に逃げて、ちょっと飛ばしすぎた感じはあった。ゴール前では交わされたが、それでもそれほど離されたわけではない。その後条件クラスで3連勝しているだけに、ここでもう一度期待をかけてみるのもいいかもしれない。
エトワール賞を勝っているプリティゴールドは、砂を入れ替えてから有利と言われている内枠に入っただけに、一発があるかもしれない。
ベルガマスクはJRAから再転入して9戦連続連対中。前走でB4を勝ち上がったが、初めての重賞挑戦でどこまで通用するか。
◎パフォーマンス
◯サクラサクラ
▲アンペア
△スズカランクス
△プリティゴールド
△ベルガマスク
現在ダートグレードが行われている競馬場の所属馬で、これまでダートグレードを勝った馬が1頭もいないのは金沢のみ。昨年はメンバー的にもジャングルスマイルに千載一遇のチャンスだったが、準オープンを勝ちあがったばかりのパワーストラグルに3~4コーナーで並ぶ間もなく交わされると6馬身も千切られての2着だった。今年もパワーストラグルが出てきたが、昨年のこのレース以来勝ち星がなく、二桁着順も目立つという近況。今年の中央勢も昨年と変わらず、ダートグレードで常に上位争いというメンバーはいない。ならば応援の意味も込めて今年もジャングルスマイルに期待してみたい。前走は3歳馬に8馬身差をつけられて2着に負けているが、1400メートルは適距離とはいえず、ローテーション的にもここへ向けてのひと叩きと言う意味合いが大きかった。万全の状態なら初の戴冠も夢ではない。
ニホンピロアワーズはデビューから一貫してダートの1700~1800メートルのみを使われ、一度も3着を外さないという堅実な成績。前走初オープンとなった祇園ステークスも、2番手から直線を向いて単独先頭に立ち、最後はインバルコに迫られたもののアタマ差で振り切った。なかなかに見どころのある内容だった。中央勢にシビルウォーとパワーストラグルしかグレード勝ち馬がいないというメンバーなら十分勝負になる。
メイショウタメトモは、重賞勝ちこそないものの、地方のダートグレードで2着が3回。勝ちきれないものの善戦という典型的なタイプ。この馬にとっても走り頃のメンバーだ。
シビルウォーは前走ブリーダーズゴールドカップJpnIIが重賞初制覇。2着のメイショウタメトモに6馬身差をつける圧勝だったが、前が競り合いハイペースになったという展開に恵まれた面が大きい。無理にハナを主張する馬がいない感じの今回のメンバーでは、前走のようにうまくレースを運べるかどうか。
連覇を狙うパワーストラグルだが、昨年のこのレース以降、3走前の大沼ステークス2着、前走のマーキュリーカップJpnIII3着以外は惨敗。昨年より上積みがあるとは考えづらく、連下評価まで。
タガノマーシャルは、前走兵庫移籍初戦が中央準オープンを勝ってからじつに2年半ぶりの実戦。しかし好位から馬の行く気に任せて向正面で先頭に立つと、大接戦の2着争いを尻目に後続をまったく寄せ付けずという強い内容。8歳といえど衰えは見えず、ここでも好勝負の可能性はある。
◎ジャングルスマイル
◯ニホンピロアワーズ
▲メイショウタメトモ
△シビルウォー
△パワーストラグル
△タガノマーシャル
今シーズンは勝ち星が遠かったギンガリュウセイだが、ここに来て2連勝と調子を上げてきた。昨年の北見記念では5番人気ながらニシキダイジンの2着。今シーズンの古馬重賞で狙うと決めた馬。高重量戦となるこれからがまさに狙いだろう。1着の◎ではなく、あくまでも連軸としての◎。
調子を上げてきたと言えば、フクイズミも同様、ここに来て2連勝。ばんえいグランプリは30キロ差のニシキダイジンに僅差の3着。今回は40キロ差と、負担重量的に楽になるだけに、普通に考えればこの馬が筆頭。
5歳2強の1頭、キタノタイショウは前走で8着に負けたものの、オープンの一線級ともたびたび互角のレース。特に北斗賞での3着時は、上記2頭に先着。別定重量での加増がなく、基礎重量で出走できることも有利だ。
今季絶好調のニシキダイジンだが、それだけに今回はメンバー中唯一、別定でプラス20キロを課せられ、840キロという負担重量だけに苦しむ場面はあるかもしれない。
5歳2強のもう1頭フクドリ、そしてホクショウダイヤは、ともに重賞で上位争いにからんでいるだけに、ここでもチャンスは十分。ともに別定10キロ加増の負担重量は微妙だが、それでも上位争いに食い込めれば本物だ。
◎ギンガリュウセイ
○フクイズミ
▲キタノタイショウ
△ニシキダイジン
△フクドリ
△ホクショウダイヤ
せきれい賞を制した北海道のマチカネカミカゼがここでも最有力。そのせきれい賞は、地元の芝巧者ボスアミーゴを半馬身差でしりぞけての勝利。中央時代の芝での2勝が1600メートルと1800メートルなら、むしろ距離適性はせきれい賞よりこちら。前走、札幌日経オープンは、着順こそ9着だが勝ち馬からコンマ6秒差。昨年のこのレースの勝ち馬、コスモヴァシュランが中央芝のオープン特別に4度挑戦していずれも1秒以上の差をつけられているだけに、その比較でもマチカネカミカゼのほうが力は上と考えられる。
相手には、地元の意地を見せたいボスアミーゴ。昨年のこのレースは5着だったが、07~09年は3年連続して2着と悔しい結果が続いた。今シーズンはここにきて芝で3戦連続連対と好調。せきれい賞の雪辱を果たしたいところ。
3歳のダブルオーセブンにも期待できそう。道営から船橋に転厩し、中央に挑戦した共同通信杯GIIIではあわやの5着。今年再び道営に戻り、中央に挑戦した前走、札幌日経オープンではマチカネカミカゼに先着の8着。こちらも芝でこそという馬だ。
笠松のエイシンタイガーは、中央の芝オープンでの活躍馬。地方での3戦は、やや離されての敗戦が続いているが、芝に戻ってどうか。ただ、実績が1400メートルまでしかないのが気になるところ。
盛岡の芝重賞を3勝しているコスモヴァシュランだが、今回は道営勢が手強そう。年齢的なものか、昨年ほどの勢いがないだけに、勝ち負けまではどうか。
◎マチカネカミカゼ
○ボスアミーゴ
▲ダブルオーセブン
△エイシンタイガー
△コスモヴァシュラン