プラネットワールドが重賞2勝目を狙う。今年5月ごろからA級上位でも勝てる力をつけ、8月の建依別賞は1番人気にこたえての重賞初制覇。6月以降は1着か4着かというやや極端な成績だが、実力上位は間違いない。
ここ一番での勝負強さならイーグルビスティー。福永洋一記念を6番人気で制したのには驚いたが、その後も建依別賞2着、珊瑚冠賞3着と、すっかり重賞上位の常連。福永洋一記念が自身の重賞初制覇となった郷間勇太騎手は川崎へ戻ったが、今回はその川崎から藤江渉騎手が呼ばれた。鞍上が変っても勝負強さを見せられるかどうか。
サムデイシュアーは、福永洋一記念5着のあと地元高知のA級では常に上位争い。近走はダートグレードへの遠征が多いが、地元に戻ればチャンスはある。
リバティーフローは、中央3勝からの転入初戦でグランシュヴァリエに2馬身半差の2着。今回はあらためて高知での力試しとなる一戦。
黒潮菊花賞を勝ったリワードレブロンは、古馬との対戦はC3まで。3歳でさすがにいきなりこのクラスでは厳しとは思うが、高知で負けたのはまだ一度のみなだけに、古馬の一線級が相手でどこまでやれるか。
◎プラネットワールド
○イーグルビスティー
▲サムデイシュアー
△リバティーフロー
△リワードレブロン
この距離なら実績的にもクラマテングの独壇場だろう。今年も正月の福山大賞典を制し、福山桜花賞も勝った。西日本グランプリは9着惨敗だったが、ヒシウォーシイなど強い相手に積極的な競馬をしてのもので参考外。近走も1、2、1着と成績も安定しているだけに、まずこのメンバーなら崩れることはない。
クラマテングを負かすとすればヒルノラディアン。名古屋から4月に転入し、A級で11戦してそのうち3着を外したのは2戦のみ。クラマテングに先着した経験もある。西日本グランプリは参考外だが福山の1800メートルに限れば4戦2勝、2着2回と連対を外していない。距離は長いほうがいい可能性もある。
ストロングジョイスは、中央2勝から転入して1、2、2着。前走A1特別では、A級上位で上位争いをしているコロネットに1馬身差2着だった。重賞は初挑戦だが、あらためて福山での実力を見極めるレースとなりそうだ。
そのほかは、近走で差をつけられての敗戦や、格下の馬ばかりだが、09年の福山大賞典を制した実績からムサシボーを押さえに。
◎クラマテング
○ヒルノラディアン
▲ストロングジョイス
△ムサシボー
7頭立てと、メンバー的にはちょっと寂しい北上川大賞典となった。
重賞実績馬が限られるメンバーだけに、青藍賞を制したゴールドマインが近走の実績では抜けている。長距離ではあまり成績がよくないが、それ以上に他馬とは近走の成績に開きがある。北上川大賞典は一昨年が2着で昨年が3着なら、メンバー的に順番が回ってきたという感じもする。
相手にはマイネルビスタ。名古屋ではA2で上位争い。岩手に転入して4戦、重賞ではやや苦戦もA級一組で2勝なら、このメンバーに入れば格的にも上位。2000メートルを超える距離は未経験だが、中央時代は1700~1800メートルを中心に使われていた実績があれば、ゆったり流れる地方の長距離なら問題にならないだろう。
マヨノエンゼルは、3歳時は岩手ダービーを制し、青藍賞では古馬をも破って大いに注目を集めたが、昨年の4歳春シーズン以降は勝ち星を挙げられていない。今シーズン3戦目の前走A級一組特別でようやく小差の3着。これをきっかけに調子を戻していれば上位争いも。
サクラマジェスティは昨年9月に断然人気のロックハンドスターを負かして注目されたが、その後は同年11月にA級一組特別を勝ったのみで勝ち星から遠ざかっている。とはいえ堅実に入着はしていて、今回のメンバーなら馬券圏内も狙えそう。
◎ゴールドマイン
○マイネルビスタ
▲マヨノエンゼル
△サクラマジェスティ
この時期らしく転入して1~2戦という馬が何頭かいて、地元名古屋勢は勝ったり負けたりという馬が多く実力の比較が難しい。
ここは道営からの転入組で笠松のタッチデュールを狙ってみたい。初戦は2着も、名古屋に遠征した2歳1組戦では、好位追走から4コーナー絶好の手ごたえで前に並びかけ、直線で追い出されるとあっという間に突き放した。道営では9戦目でようやく認定戦を勝ったが、それがなかなかの好タイム。前走のレースぶりから上積みが期待できそう。
相手にも笠松のマーメイドジャンプ。デビュー戦に認定勝ちを収め、2戦目は7馬身差の圧勝。1番人気に支持された兼六園ジュニアカップは3着に敗れたが、勝ったアウヤンテプイが強すぎた。今回はアウヤンテプイ級の馬がいなさそうなメンバーだけに、勝負になる。
3番手にも笠松でカツゲキ。デビューから2戦連続2着だが、先着されたのはマーメイドジャンプとアウヤンテプイ。競走除外に続いて台風による競走取止めがあり、3戦目となったJRA認定戦を1番人気で勝利。その勝ちタイム1分29秒3もなかなかのもの。
オーリーライアンは、兼六園ジュニアカップは5着だったが、それ以外は2勝、2着1回。その2着はアウヤンテプイと1馬身差。3着のコキビジンには大差をつけた。ここでも上位争いの力はありそう。
ブライトシンプーは、デビューから3戦して1勝、2着2回。マザーフェアリーは5戦していずれも3着以内。オーリーライアンを含めた3頭は、直接対戦でお互いに差のないレースをしているだけに、実力拮抗と見てよさそうだ。
◎タッチデュール
◯マーメイドジャンプ
▲カツゲキ
△オーリーライアン
△ブライトシンプー
△マザーフェアリー
今年の福山2歳戦線は、デビュー戦で2着のあと3連勝したコウエイギャルが引っ張って行くのかと一旦は見えたものの、1番人気で臨んだ5戦目にクーヨシンの3着に敗れると状況は一変。たちまちクーヨシンの天下となり、コウエイギャルはあまり目立たない存在となってしまった。
クーヨシンの母ラピッドリーランは、福山にもいよいよサラブレッドが導入された時期の前後に活躍した、いわばアラブ最後の活躍馬の1頭で、牝馬ながら福山菊花賞やタマツバキ記念アラブ大賞典を制して牡馬の一線級とも互角に渡り合った。繁殖入りしてサラブレッドと配合され、産駒はサラ系としてサラブレッドと走るわけだが、まずはクーヨシンのひとつ上の姉、ラピッドリーサン(父レギュラーメンバー)が福山プリンセスカップ3着、福山ダービー5着とそこそこ好走して注目を集めた。そしてさらにすぐそのひとつ下の妹から、福山の世代頂点を狙おうかという活躍馬が出てくるとは驚きだ。デビュー戦は2着に敗れたものの、その後は4連勝。今回のメンバーはほとんどが勝負付けの済んだ相手で、持ちタイムも最上位の存在だけに、これまでどおりの走りをすればまず負けないだろう。ただ、それほど差をつけて勝ちまくっているというわけでもないので、何かちょっとした不利でもあれば...という不安もないではない。ただここまでの成績を素直に評価するなら本命にする以外ない。
穴馬を探そうともしたのだが、クーヨシンの前走JRA認定未勝利戦で2着のトールキング、3着のオブリラブが、どうやらタイム的にも2番手、3番手の評価となる。
クーヨシンのデビュー戦で唯一土をつけたカンピオーネロサが、前走の2歳1組戦でデビュー戦以来の2勝目を挙げたので、狙いはこの馬かとも思ったのだが、タイム的に前記3頭より1秒以上も劣っているだけに、上位に割って入るところまであるかどうか。
コウエイギャルも連下争いまで届くかどうか。
◎クーヨシン
○トールキング
▲オブリラブ
△カンピオーネロサ
△コウエイギャル