世代別の対抗戦で、3歳の2頭が回避して8頭での争いとなった。昨年は上下80キロものハンデ差があっても、実績にまさるナリタボブサップ、カネサブックというトップハンデ2頭一騎打ちという決着。今年は3歳馬不在のため上下のハンデ差は50キロだが、昨年も仮に3歳馬がいなかったとすれば、やはりハンデ差は50キロだった。このくらいのハンデ差ならば実績が重量差を上回るということだろう。
であれば、今回はハンデ差的にも770キロのカネサブラックが断然有利だ。最軽量馬とは30キロ差、今季絶好調のニシキダイジンより20キロ軽いとあれば、負担重量的にかなり恵まれた。ばんえいグランプリではまさかの6着だったが、今シーズンは7戦して連対を外したのはその一戦のみ。ここ2戦は700キロ台の軽い重量のレースを経験しているだけに、速い流れも問題ないだろう。
相手にはフクドリ。今季初戦のばんえい十勝オッズパーク杯こそ6着だったが、以降はすべて掲示板内を確保。まだ重賞勝ちこそないものの、北斗賞2着、岩見沢記念4着、北見記念3着と、トップクラスの安定勢力としてすっかり定着した。障害次第ではカネサブラックを逆転できる可能性も。
昨シーズンあたりまでは勝ち負けがはっきりしていたニシキダイジンだが、今年5月29日の大雪賞以降は3着を外さない安定した成績。重賞も北斗賞とばんえいグランプリの2つを制した。それゆえのトップハンデ790キロだが、カネサブラック、フクドリより20キロ背負わされるのではやはりちょっと厳しい。とはいえ今回のハンデ差なら、上記2頭以外とは圧倒的な力差があり、今回は実績にまさる3頭の勝負と見る。
◎カネサブラック
○フクドリ
▲ニシキダイジン
荒尾競馬の開催も残すところあと5日間。重賞も、このたんぽぽ賞と最終日の肥後の国グランプリの2レースとなった。
たんぽぽ賞が行われるこの日は、中央との条件交流シーサイドカップがあり、そのレースに騎乗する武豊騎手のトークショーも行われる。もちろんレディースジョッキーズシリーズの第2ラウンドでもあり、イベント満載だ。
ひまわり賞は、例年2月に明け3歳馬による九州産馬の交流レースとして行われていたが、残念ながら今月いっぱいで荒尾競馬が廃止となるため、年が明ける前に2歳馬のレースとして行われることになった。
力の比較が難しいが、実績的に最上位はテイエムハエンカゼだろう。九州産馬限定の新馬戦を勝ち、九州産馬による特別・ひまわり賞は3着だが、今回のメンバー中では最先着。そして小倉2歳ステークスへの出走は、結果は10着でも経験にはなっただろう。
相手にはテイエムキモシタ。中央では未勝利だったが、ひまわり賞での6着があり、その後は阪神、京都と、九州産馬同士ではないレベルの高いところの未勝利戦を戦っている。荒尾移籍後2連勝という勢いに、ここでも乗れるかどうか。
カシノエルフは九州産の新馬戦2着、続く未勝利戦で1着。そのあとひまわり賞5着はテイエムキモシタに先着し、前走は京都の500万下に出走して8着だった。実績的にはテイエムキモシタよりもこちらのほうが上だが、すでに荒尾の馬場を経験して勝っているという点でテイエムキモシタを上にとった。
グランデセイフウはJRAで未勝利勝ち、カシノアポロンは未勝利ながら九州産馬の未勝利戦で3着が2度あり、この2頭は上位争いに加わってくる可能性もある。
◎テイエムハエンカゼ
○テイエムキモシタ
▲カシノエルフ
△グランデセイフウ
△カシノアポロン
12月5日の佐賀・オッズパークグランプリに登録のあったエーシンクールディが、地元のここを使ってきた。地方馬同士ならやはり断然。前走、JBCクラシックは9着に沈んだが、これはブラボーデイジーにからまれてハイペースになったため。そうした厳しい展開で船橋の2頭に先着されたが、それ以外では地方馬には先着されていない。今回は地元へのお披露目ということもあったろうが、もしかして中1週で船橋・クイーン賞JpnIIIへということも考えているのかもしれない。
相手は兵庫から遠征の2頭。前走、兵庫クイーンカップを勝ったエーシンブイムードか、A1特別2連勝中のフィオーレハーバーかだが、9月29日の直接対決を制しているフィオーレハーバーを上にとる。とはいえエーシンブイムードもその後のレースぶりから差はない。エーシンクールディを積極的に負かしにいくかどうか、そうした展開次第でこの2頭の結果は変わってくるだろう。
キングスゾーンがどんなレースを見せてくれるか。9歳の今年も、なんと重賞3勝。昨年あたりからダートグレードではやや厳しくなったが、地区限定の重賞ならまだまだトップを争える。ダートグレード級の実力があるエーシンクールディを負かすのは厳しいにしても、着狙いのレースに徹すれば、兵庫の2頭とは互角の勝負に持ち込める可能性は十分にある。
名古屋でら馬スプリント2着、金沢・オータムスプリント3着のニシノコンサフォスが、上記有力勢が崩れたときに3着争いに食い込めるかどうか。
◎エーシンクールディ
◯フィオーレハーバー
▲エーシンブイムード
△キングスゾーン
△ニシノコンサフォス
地方勢は16日に行われた船橋・平和賞とのダブル登録が多く、かなり補欠からの繰り上がりが多かった。しかしやはり実績で目につくのはJRAのシェアースマイルだ。ダートでここまで3連勝。単なるスピード馬ではなく、前々走、そして前走のエーデルワイス賞JpnIIIと、出遅れながらも余裕とも思える手応えで差し切り勝ち。コースを1周する園田の1400mならこれまでよりはゆったりとレースが流れるだろうから、さらに余裕ができて圧勝まであるかもしれない。
地元兵庫勢で楽しみなのはエーシンユリシーズ。9月にJRAでダートの新馬戦を勝つと、兵庫に転入して2歳一組戦を楽勝。JRAで新馬戦を勝ったにもかかわらず、すぐに地方に移籍してしまうなどは、今までにほとんど見たことがないパターン。よほどどこかに狙いを定めているのか、その狙いがここなのかどうか、気になる点は多い。
シーキングブレーヴは、北海道2歳優駿JpnIIIで地方最先着の3着と、またも善戦。実力はあるもののなかなか勝ちきれないタイプ。今回は初の長距離輸送に加え、これが14戦目というのが気になるところ。
ゴーイングパワーは、小倉2歳ステークスGIIIで5着があり、芝の2歳オープンと500万特別で連続2着。スピードはありそうだが、初のダートでどうか。
ロクイチスマイルは、エーデルワイス賞JpnIIIでメンバー中最速の上り37秒1で追い込み、勝ったシェアースマイルからコンマ2秒差の3着。デビューから2戦は先行していただけに、小回りの園田コースでどんなレースをするのか。
フリスコベイは、エーデルワイス賞JpnIIIでは逃げて直線粘れず5着。とはいえコンマ3秒しか負けていない。最内枠からのスタートでハナを奪い、ゆったりマイペースの逃げに持ち込めれば前走以上に見せ場はあるかもしれない。
◎シェアースマイル
○エーシンユリシーズ
▲シーキングブレーヴ
△ゴーイングパワー
△ロクイチスマイル
△フリスコベイ
かつて地方のみの全国交流で行われていたダービーグランプリは、1~3回こそ大井所属馬が3連勝したが、90年代に入ってからは意外に南関東所属馬が人気先行で崩れるようなパターンが目立ってきた。そして再び地方全国交流として復活した昨年も、羽田盃勝ちの看板で1番人気になったシーズザゴールドが3着。
今年、実績最上位は東京ダービー3着のキスミープリンスだが、昨年9月の鎌倉記念以来勝ち星がないというのが気になるところ。1番人気になるようならむしろ印は落としてみたい。
狙いはピエールタイガー。北海優駿ではスタープロフィットとの叩き合いをハナ差で制した。大井に遠征した黒潮盃は7着だったが、そのまま大井の所属になって古馬B級特別を強い勝ち方で2連勝。前走A3特別は6着に敗れたが、ちょっと後ろから行き過ぎた。後ろから行ったり好位につけたりレースぶりがさまざまだが、3歳馬同士なら好位をとれれば突き放す力はある。
相手にはスタープロフィット。船橋転厩初戦の前走を勝利。上積みが見込める。
順調度を考えるとキスミープリンスはその次。
笠松のエーシンイグアスは、JRAでは惜しいレースを繰り返して未勝利だったが、転入後はA4の一般戦とA2特別を連勝。今の調子なら南関東勢に割って入る可能性はある。
ジャクソンライヒは典型的な穴馬。デビューから5戦目まで、最高の人気が6番人気だが、それでも3勝を挙げた。東京湾カップも3番人気での勝利。前走古馬B1特別は惨敗だが、そういうタイプだけに見限ると痛い目に遭いそう。
地元筆頭は不来方賞を圧勝したカミノヌヴォーだが、このメンバーに入るとちょっと見劣る。地の利でどこまで。
◎ピエールタイガー
○スタープロフィット
▲キスミープリンス
△エーシンイグアス
△ジャクソンライヒ
△カミノヌヴォー