上下30キロ差のトップハンデだが、オイドンでいけるのではないか。ばんえい大賞典でも同じく30キロ差のトップハンデだったが、そのときの上位3着まで、タカノテンリュウ、フジダイビクトリー、ニュータカラコマとはそれぞれ重量差が10キロずつ縮まった。しかしそんなことより、とかち皐月賞以来なかなか勝ちきれなかったのが、鈴木恵介騎手に乗り替わってから2連勝と好調だ。2歳時には断然の存在だっただけに、3歳のタイトルもここらあたりで獲りたいところ。
ニュータカラコマは前走でオイドンより5キロだけ重い重量で3着に敗れたが、重賞ではヤングチャンピオンシップ以外ですべて3着に入っているという安定感は抜群。アタマ固定ではなく3連単のマルチで軸にするなら、むしろこちらかも。
ばんえい大賞典から3戦連続で大敗だったレットフジだが、一時減っていた馬体重を前走で戻し、7月24日以来の勝ち星。奇しくもそのときとまったく同じ972キロだった。上位2頭と20キロ差だけに逆転の目はある。
フジダイビクトリーは、前々走でレットフジと僅差の2着があり、前走で自己条件の決勝を勝利。今シーズンは19戦して3着を外したのが4回という安定ぶりに加え、調子を上げてきているだけに、20キロ差を生かせば上位争いに加わる力はある。
格下とはいえ、安定ぶりでいえばタッピイサムも負けていない。3か月ぶりの勝ち星となった6月25日以降は、15戦して3着を外したのが3回だけ。30キロ差に加え2連勝中と勢いがある。
◎オイドン
○ニュータカラコマ
▲レットフジ
△フジダイビクトリー
△タッピイサム
九州記念でワンツーを決めたばかりの荒尾勢、テイエムゲンキボとタニノウィンザーが遠征してきた。それにしても九州記念はこの九州大賞典のトライアルになっていて、それが中8日で行われるというのは、どういうスケジュールなんだろう。昨年はちゃんと1か月の間隔で行われていたのだが。
しかし中心はやはり地元勢で、メイホウホップ。岩手所属だった昨年は、今回と同じ2500メートルの北上川大賞典を勝利。佐賀転入後もオープンで5戦2勝、2着3回という安定した成績。しかも前走は、今回出走すれば1番人気になったであろうマンオブパーサーにわずかアタマ差の2着だった。
相手筆頭はデュナメス。重賞はこれが初挑戦だが、佐賀ではここまで25戦24連対と崩れることなく前走A2までクラスを上げてきた。オープンクラスでの活躍も望めそうだ。
3番手にはタニノウィンザー。大阿蘇大賞典に続いて九州記念でも3連覇を阻まれ、やや陰りが見えてきた感じがしないでもないが、昨年はマンオブパーサーのレコード駆けに3/4馬身差まで迫る2着。この距離で巻き返しを狙いたいところ。
中央1000万条件から転入して2連勝のアリガタイや、九州記念は4着も地元に戻ればオープン上位争いの実力があるクリムゾンベガなどにも一発の可能性。
九州記念では距離適性を考えて狙いを下げてしまったテイエムゲンキボだが、その九州記念は大雨の不良馬場で楽に逃げられたことも味方になった。さすがに2500メートルで、ほかにも前に行きそうな馬が何頭かいるメンバー構成では厳しいと思う。
◎メイホウホップ
○ディナメス
▲タニノウィンザー
△アリガタイ
△クリムゾンベガ
△テイエムゲンキボ
新設された芝1000メートルの重賞。その舞台で2連勝中のディーエスファジーから狙ってみたい。格付け的にはB級だが、前走の神無月賞では、OROカップでゴール前あわやの4着だったラブミープラチナに2馬身差をつける完勝。得意の条件なら重賞でも勝負になるだろう。
リリーレインボーは笠松から転入して3戦、まだ勝ち星はないものの、オープンで上位争いの実力。中央時代は短距離を中心に使われていただけに、あまり経験のない芝さえ合えばいきなり重賞制覇という場面も。
ラブミープラチナは、2走前のOROカップで見せ場をつくった。ゴール前の混戦で一瞬先頭に立つ場面があったが、最後にパタッと止まって4着。しかし中央の芝でも好走歴があるダブルオーセブンからコンマ2秒しか離されていない。一瞬の脚しか使えないのでむしろ1000メートルならチャンスはあるかも。
ビュレットライナーは9歳だが、前走の芝1000メートル戦、ハーベストカップでディーエスファジーにクビ差の2着。盛岡の芝短距離では安定感抜群なだけに、ここでもその適性を生かしたいところ。
ディスパーロは名古屋から転入2戦目の岩鷲賞で2着。その後の成績はイマイチだが、短距離で好成績を残してきた馬だけに上位争いにからむ可能性は十分。
ゲンパチオブラヴも盛岡の芝では安定勢力。2走前のハーベストカップでは、ディーエスファジー、ビュレットライナーに差のない3着があった。
◎ディーエスファジー
○リリーレインボー
▲ラブミープラチナ
△ビュレットライナー
△ディスパーロ
△ゲンパチオブラヴ
兵庫の2歳戦線は、デビューから4連勝で園田プリンセスカップを制したアスカリーブルが大井に転厩し、一転混戦。
中心は、そのアスカリーブルの2着が3度あるメイレディ。前走園田プリンセスカップは、スタートで躓いて後方からの苦しい展開も、直線鋭く追い込みアスカリーブルにクビ差まで迫った。ここはそうした経験を評価したい。
相手筆頭は3戦2勝のケンスターハーバー。前走は後方を追走し、3コーナー手前から一気にまくると直線では後続を突き放すという破天荒なレースぶり。まだまだ余裕があった。展開に左右されそうな脚質ではあるものの、持てる力を発揮できれば能力は高そう。
デビュー戦を勝ったのみという馬が2頭いるが、マイアヴァロンに期待したい。スタートでダッシュがつかず中団からとなったが、3コーナーから一気にまくってきて直線で抜け出す脚は目を見張るものがあった。
もう1頭、デビュー勝ちのタケマルドンは、スタートからハナを奪うと徐々に後続との差を広げ7馬身差の圧勝。ただ直線ではムチが何発も入り、馬が気を抜いたのか、それとも行き脚が鈍ったのか、そのあたりがちょっと気になった。
ハクサンドリームは、3、2着のあと2連勝。徐々に力をつけている。
◎メイレディ
○ケンスターハーバー
▲マイアヴァロン
△タケマルドン
△ハクサンドリーム
クラキンコの距離適性はどのくらいのところにあるのだろう。ご存知のとおり昨年は牝馬ながら3冠を制覇。地方競馬では「3冠」といっても、コース形態の関係であまりバリエーションに富んだ距離設定ができない競馬場が多い。ところがホッカイドウ競馬では1200、2000、2600という幅広い距離に適応できなければ、3冠を勝つことはできない。そういう意味でもクラキンコの3冠は価値がある。前走、ステイヤーズカップは3コーナーで早め先頭に立ったものの、サムライジャパン、さらにはマキノスパークに交わされ3着。サムライジャパンには、同じ2600メートルの王冠賞で勝ってはいたが、そのときもギリギリ粘ってのもの。2600メートルという長距離ではサムライジャパンのほうに分がある感じだ。しかし今回の1800メートルなら問題ない。コスモバルク記念のときのように強気の競馬で押切りを狙う。
相手にはマキノスパーク。昨年のステイヤーズカップが重賞初挑戦初制覇で、前走今年のステイヤーズカップまで重賞には4回出走して1、2、4、2着と安定した結果を残している。今回も大崩れはなさそう。
エイシンイッパツは、北海道転入後はこれが重賞初挑戦となるが、オープンで6戦して3勝、2着2回、3着1回と確実に上位に食い込んでいる。今回も上位争いには加わってくるだろう。笠松時代に手綱をとっていた尾島徹騎手がわざわざ呼ばれたのも興味深い。
サクラルーラーは、ブリーダーズゴールドカップJpnIIこそ12着だったが、それを別にすれば、門別では6戦5勝、2着1回とまだ底を見せていない。
兵庫から移籍したベストタイザンは、3戦目の前走が門別初勝利。重賞のメンバーに入ってどこまでやれるか。
連覇を狙うのがカゼンモコウテイ。昨年のこのレース以来勝ち星がないのが気になるが、前走コンマ1秒差の2着は復調気配だろうか。
◎クラキンコ
○マキノスパーク
▲エイシンイッパツ
△サクラルーラー
△ベストタイザン
△カゼノコウテイ