登録のあったアスカリーブルの回避はなんとも残念。アスカリーブルはデビューした園田で園田プリンセスカップまで4連勝。その後移籍した大井でも2歳の特別戦で1着、2着。ここを回避したからにはおそらく東京2歳優駿牝馬を目指すのだろう。
そのアスカリーブルに対して3戦連続2着に敗れたのがメイレディ。しかし園田プリンセスカップではクビ差まで迫り、徐々に力はつけていた。アスカリーブルが抜けたあとの兵庫若駒賞は牡馬相手に5馬身差の圧勝。前走の2歳一組戦は、兵庫若駒賞で2着だったケンスターハーバーに逆転されたが、これまでに先着された牝馬が南関東の重賞でも勝負になりそうなアスカリーブルだけなら、ここでも主役を張れる。
相手には、同じく兵庫から遠征のサブリナラッシュ。先週から兵庫での期間限定騎乗がスタートした内田利雄騎手が鞍上だ。今回が道営から兵庫への転厩初戦。道営ではデビュー戦を勝っただけの6戦1勝だが、2戦目以降は常に重賞で上位を争っている馬たちとほとんど差のないレースをしていた。1200メートルまでしか経験していないが、血統的には距離延長は問題ないはず。
マーメイドジャンプは兼六園ジュニアカップ3着に、ゴールドウィング賞2着。東海地区の牝馬では世代のトップを争う存在になりそう。
道営でアタックチャレンジを勝って大井に移籍したラブミーファストは、川崎・ローレル賞、兵庫ジュニアグランプリJpnIIはともに6着だったが、このメンバーなら上位に食い込むチャンスはある。
ジュニアクラウンを制したタッチデュールだが、今回はやや相手が厳しくなった。連下に食い込めるかどうか。
◎メイレディ
○サブリナラッシュ
▲マーメイドジャンプ
△ラブミーファスト
△タッチデュール
前走古馬のA1・2特別では惨敗だったフレアリングマリーだが、福山3歳牝馬特別、鞆の浦賞を圧勝しており、さすがに同世代同士なら力が抜けている。前々走A3特別勝ちも格付け最上位だ。短距離では取りこぼしもあるものの、この距離なら心配はない。
相手はウーシエンダーかキタイセシャトルか。鞆の浦賞、広島県馬主会会長賞ではウーシエンダーが先着したものの、前走B3三組特別ではキタイセシャトルが1馬身差で勝利と逆転した。しかしこれは後方からまくっていくウーシエンダーにはやや距離不足。1800メートルに戻るここはウーシエンダーに分がありそう。両馬ともに近走はほとんど3着を外さない堅実な成績だけに、無理にフレアリングマリーを負かしにいったりしない限り、同世代同士のここなら崩れることはないだろう。
クールテツマルは、広島県馬主会会長賞で差のない3着。逆転を狙う。
B3を連勝中のサンダーストラックが不気味だが、中央から転入初戦の1600メートル戦で6着に敗れているだけに距離が不安。
今年春までこの世代のトップを争っていたユメミルチカラ、ムツミマックスは、近走の成績からは狙いにくい。距離にも難がありそうだ。
◎フレアリングマリー
◯ウーシエンダー
▲キタイセシャトル
△クールテツマル
△サンダーストラック
北國王冠では、ジャングルスマイルとナムラダイキチが3コーナー手前から馬体を併せて延々と叩き合い、ジャングルスマイルがわずかクビ差で勝利。3着以下には大差がついた。斤量は今回も北國王冠と同じで、メンバーのほとんどが勝負付けの住んでいる相手ばかり。今回もこの2頭が後続を離して一騎打ちの様相だ。
問題はどちらが勝つか。オータムスプリントカップではナムラダイキチが8馬身差をつけて圧勝したが、長丁場なら長く脚を使えるジャングルスマイルのほうに分があると見る。
3番手には北國王冠でも3着だったサーストンヴィンス。8月以降3着を外しておらず、前走の古馬B3特別を完勝。まだまだ上に行けそうだ。
そのほか3着候補には、A1で惨敗している馬よりも、A2で好走しているヒカルマンテンボシ、トウショウジオンあたりが食い込んでくる可能性がありそう。
◎ジャングルスマイル
◯ナムラダイキチ
▲サーストンヴィンス
△ヒカルマンテンボシ
△トウショウジオン
3歳のホクセツサンデーの充実ぶりが目立つ。前走、古馬一線級と初対戦となった楠賞は、2番手追走から3コーナーで前のキヨミラクルをとらえると、直線で1馬身半突き放すという強い勝ち方。デビューからここまで16戦9勝。しかも3着を外したのは2歳時の兵庫ジュニアグランプリJpnII(7着)のみと、きわめて安定したレースぶり。定量55キロは古馬と1キロしか差がないが、前走楠賞は56で勝っているだけに、重賞連勝の期待は大きい。
タガノサイクロンは、中央オープンから転入し、摂津盃、姫山菊花賞を含め3連勝。JBCクラシックJpnIはさすがに相手が悪かったが、兵庫ではまだ底を見せていない。ここもあっさりという可能性はある。
キヨミラクルは、前走楠賞はホクセツサンデーに交わされ1馬身半差の2着。そのときはトップハンデ58キロだったが、今回は定量56キロとなって逆転を狙う。
中央準オープン、障害未勝利から転入したツルマルビビッドは、姫山菊花賞ではタガノサイクロンの3着に敗れたものの、それ以外の2戦はA1特別をいずれも勝利。ダイナミックグロウは、中央オープン勝ちの実績があり、転入初戦のA1特別で8馬身差圧勝。この中央から移籍の2頭はまだ底が割れていない怖さがある。
タガノバロットは姫山菊花賞5着、楠賞3着で、ともにそれほど離されていないだけに、連下にからむ力はある。
オオエライジンこそ28日の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIにまわってここは不在となったが、来年以降、兵庫の古馬戦線の覇権をどの馬が握ることになるのか、注目のレースとなりそうだ。
◎ホクセツサンデー
◯タガノサイクロン
▲キヨミラクル
△ツルマルビビッド
△ダイナミックグロウ
△タガノバロット
登録時にはエーシンクールディの名もあり、同じ笠松同士でラブミーチャンとの初対戦が実現するか期待されたが、エーシンクールディは12/7の船橋・クイーン賞JpnIIIに回った。どちらの馬にも対応できると思われるこの距離で直接対決とならなかったのは残念だが、エーシンクールディのほうはクイーン賞でもメンバー的に十分に勝ち目がありそうなだけに、そちらはそちらで楽しみではある。
そういうわけで、地方同士ならラブミーチャンのスピードが断然。東京盃JpnIIでは直線先頭に立って勝ったかと思ったところ、スーニに交わされ1馬身差の2着。JBCスプリントJpnIでもまたまた直線先頭に立って今度こそ勝ったかと思ったところ、大外からスーニに交わされ、さらにはJRA勢の強豪もいて4着。とはいえ、スーニとのタイム差では同じコンマ2秒だった。1400メートルに距離は延びるが地方同士のこのメンバーなら問題にならないだろう。
相手筆頭はスマートブレード。中央ではダートの短距離で準オープンまで勝ち、今年8月のクラスターカップJpnIIIでは3着のラブミーチャンに2馬身差の4着。名古屋移籍後3戦してまだ勝ち星はないが、オープンや重賞で必ずしも適距離ではない1600メートル以上しか走っていないため、今回の距離短縮はプラス。ラブミーチャンにどこまで迫れるか。
地元期待は3歳の快足馬ウルトラカイザー。ここまで9戦8勝で、負けたのは2歳時に中央の芝に挑戦したレースのみ。今年1月には小倉ダート1700mの3歳500万特別を逃げ切った。長期休養明けの復帰後に2連勝し、古馬オープンも完勝。佐賀の古馬戦線では今後期待の1頭となりそうで、まだまだ未知の魅力もあるが、いかんせん中央オープン級の力がある上記2頭との対戦ではちょっと厳しいように思う。
前走天山特別で、そのウルトラカイザーに3馬身差をつけられ2着だったのがマンオブパーサー。昨年6月の佐賀転入以降、ダートグレードを除けばいまだに3着を外さない安定した成績。この距離も昨年の吉野ヶ里記念を制し、今年も2着。ウルトラカイザーとともに地元の意地を見せられるかどうか。
デジタルゴールドは中央未勝利から名古屋に転入後、快進撃でクラスを上げてきたが、前走は中央500万下との交流で3着。メイホウホップは南関東でA2特別勝ちがあり、岩手、佐賀で重賞勝ち。とはいえ1400メートル以下にはほとんど実績がなく、この距離、このメンバーでどう戦うか。この2頭は3着候補まで。
◎ラブミーチャン
○スマートブレード
▲ウルトラカイザー
△マンオブパーサー
△デジタルゴールド
△メイホウホップ