佐賀のサマーチャンピオンJpnIIIで中央馬相手に4着だったエーシンクールディが中8日で出走してきた。その反動は心配だが、すでに勝負付けが済んでいる相手や、格下馬が相手なだけに、ここは100%の力を出さなくても勝てるだろう。そもそも笠松に転入しての3連勝は、いずれもゴール前は流すような感じで目いっぱいのレースはしていない。ここを勝てばグランダムジャパン古馬シーズン3勝目となり、優勝へ大きく近づく。
相手には高知のギンガセブン。道営デビューで3歳時は南関東で走り、関東オークスJpnIIで3着など牝馬3冠路線で上位を争った。今年前半、南関東ではB級格付けで惨敗続きだったが、高知に移籍して初戦のA2選抜戦は2番手追走から3コーナーで赤岡騎手がちょっと気合を入れただけで先頭に立ち、直線では楽々と後続を突き放すという強い内容だった。エーシンクールディでは相手が悪いが、それ以外のメンバーなら十分通用する。
3番手にキーポケット。読売レディス杯、兵庫サマークイーン賞では、ともにエーシンクールディの2着。ただ、それぞれ6馬身、8馬身という決定的な差をつけられていた。ローテーション的に厳しいエーシンクールディがどの程度の状態にあるかだが、逆転までは難しいように思う。
デジタルゴールドは中央未勝利から昨年秋に名古屋に転入し、以降は13戦12勝でB1特別まで勝った。その前走も6馬身差圧勝。まだ底を見せていないだけに、どの程度まで通用するか。エーシンクールディを苦しめるのはこの馬かも、という可能性もある。
シルバーウインドは、昨年のこのレースでエンタノメガミ、キーポケットにハナ、クビ差の3着。この2頭がエーシンクールディに歯が立たないところを見れば、シルバーウインドも連下争いまで。
◎エーシンクールディ
○ギンガセブン
▲キーポケット
△デジタルゴールド
△シルバーウインド
テイエムヨカドーに連覇の期待がかかる。霧島賞には中央馬として07年度(馬インフルエンザの影響で08年1月の開催となった)から毎年挑戦を続け、3、3、2着。その後に1000万下特別を勝ってしまったため中央所属としては霧島賞への出走資格がなくなり、昨年は船橋に転厩しての霧島賞制覇。そして重賞初制覇ともなった。南関東ではもう少しのところで重賞タイトルに手が届いていないが、牝馬同士の重賞なら常に善戦。今年、半年の休養明けで臨んだ2走はともに惨敗だが、京成盃グランドマイラーズの11着は牡馬が相手、スパーキングレディーカップJpnIIIの9着は、さすがにラヴェリータやトーホウドルチェが相手ではハードルが高かった。昨年より力が落ちたということもなさそうで、第1、2回のウットマン以来の霧島賞連覇も期待できそう。
中央勢では3歳のメモリアルイヤーの実績が光る。昨年2歳時に九州産限定の新馬戦を大差で圧勝。8カ月ぶりとなった2戦目の3歳500万特別も勝利。その後は勝ち星がないが、古馬相手の1000万特別で差のない4着があり、48キロという軽ハンデで臨んだ北九州記念では着順こそ12着だが勝ち馬からはコンマ6秒差と、それほど離されてはいない。ただしダートは今回が初めてなのに加え、これまで7戦のうち6戦が芝1200メートル戦で、あとの1戦は芝1400メートル戦で12着に負けているのが気になるところ。圧勝してもおかしくはないが、ダートや距離の経験がないことから、惨敗というケースも十分に考えられる。
トライアル、大隅特別の勝ち馬キリシマウイング、同2着のネオスペチアーレ、もうひとつのトライアル勝ち馬カシノアクセル、両トライアルで好走しているカシノピストンらの中央勢にもチャンスは十分。
地元九州勢では佐賀のカミノチカラに可能性がありそう。09年は6着、昨年は7着とやや離されているが、今年5月にはA1特別を連勝するなど好調だ。
◎テイエムヨカドー
◯メモリアルイヤー
▲キリシマウイング
△ネオスペチアーレ
△カシノアクセル
△カシノピストン
△カミノチカラ
メンバー中、唯一といっていい重賞勝ち馬、エーシンエヴァンを巡る争いとなりそう。マイネルリチャードも高知時代に珊瑚冠賞を制しているが、それも06年(珊瑚冠賞)のこと。ダートグレードはともかく、地方同士の重賞では常に上位争いのエーシンエヴァンの力が抜けている。
怖いのがシャドウストライプ。中央1000万から転入し、初戦のA2特別を逃げ切り楽勝。向正面で競りかけてきて振りきった相手がA2で上位争いのエーシンセーフティなら、いきなり重賞で通用する可能性もある。
フジノアサハタは、昨年のくろゆり賞4着に、続く金沢のイヌワシ賞ではエーシンエヴァンからコンマ4秒差の3着。その後5ヶ月の休養があり、前走勝利はA4一般戦だが復調気配。
リーヴザネストは、重賞は昨年大みそかの尾張名古屋杯で4着があるだけだが、今年10戦して7勝、2着2回、3着1回。その中には東海クラウンでエーシンアクセランに2馬身差で2着という成績もある。今回は経験のない57キロが心配だが、大崩れがないだけに、侮れない存在ではある。
ヴァルナは6月に中央から転入し、A級下位の一般戦とA2特別を連勝。中央500万下との条件交流では6着だったが、重賞勝ち馬がほとんどいないという今回のメンバーなら上位争いに食い込む可能性は十分。
◎エーシンエヴァン
◯シャドウストライプ
▲フジノアサハタ
△リーヴザネスト
△ヴァルナ
北海優駿では長い長い写真判定の末、残念ながら2着だったスタープロフィット。その後、盛岡芝のオパールカップを快勝し、芝適性もアピールした。今回は、北海優駿を勝ったピエールタイガーが大井の黒潮盃に遠征(7着)して不在。今回出走している北海優駿組とは勝負付けが済んだ感があり、さらには北海優駿以外の馬たちはC級以下でようやく勝ち負けというメンバーゆえ、ここは当然不動の中心。血統的にも2600メートルに不安はない。
相手になるのは、北海優駿6着のエバーオンワードか、同8着のサントメジャーか。
エバーオンワードは、その後JRA3歳未勝利との交流(といってもJRAは1頭しか出走していないが)を勝ち、さらに古馬B3特別と連勝。前走JRA函館の500万下挑戦は7着だったが、北海優駿より上がり目はありそう。スタープロフィットをおびやかす場面もあるかもしれない。
サントメジャーは、北海優駿で1番人気に支持された素質馬。思えば、JRAや南関東への遠征を除けば、負けたのは昨年6月のフレッシュチャレンジと、北海優駿。前走、初の古馬との対戦となったB1特別でも3着に負けたが、それほど差はなかった。同世代同士の対戦に戻れば実力は上位。
モリデンクーバーは、北海優駿トライアルを勝って、本番では4着。その後B3特別2着、前走でC1特別勝利という成績で、上位に食い込む可能性はある。
エルドラゴンは、北海優駿では12番人気ながら直線追い込んでスタープロフィットから3馬身差の3着と健闘。ただデビュー戦以来勝ち星がないだけに、前走同様上位争いにまでは来ても、ここで勝ちきるまでは難しい。
◎スタープロフィット
◯エバーオンワード
▲サントメジャー
△モリデンクーバー
△エルドラゴン
ターフチャレンジIのバゴ賞を勝ったシーキングブレーヴは、直線楽な手ごたえで抜けだすと、最後はゴールドメダルに詰め寄られたものの、並びかけることを許さずにゴール。着差は3/4馬身だったが、並びかけられればさらに伸びるようなレースぶりで、着差以上の完勝だった。栄冠賞は8着だったが、距離を1700メートルに延ばし、ウィナーズチャレンジからバゴ賞を連勝。今回は100メートルだが、さらに距離が延びるのは、この馬にはプラスだろう。
もう1頭注目はウィードパワー。フレッシュチャレンジから栄冠賞と2連勝中。JRAのラベンダー賞は一頓挫あって自重したが、血統的にも、むしろ距離延長を期待してここを使ってきたのでは、という気もする。距離延長がプラスに出れば圧勝という場面も。
ウィナーズマックスは、栄冠賞2着に続いて、JRAのラベンダー賞でも3着(4位入線から繰り上がり)と好走。これまでの5戦は、芝のラベンダー賞も含めてすべて1200メートルだが、距離さえこなせれば実力があるのは確か。
コパノワーニングは、1番人気に支持されたターフチャレンジI・バゴ賞では、中団のまままったく伸びる気配がなく、8頭立て7着でのゴール。一度は見直してみる必要がある。
ハイタッチは、栄冠賞(13着)に続いて出走した門別・ウィナーズチャレンジでシーキングブレーヴから2馬身差の2着。父はマイネルラヴだが、この馬も距離伸びてというタイプ。
コスモワイルドは、ラベンダー賞は10着だったが、芝の速いペースを経験して変わり身があるかどうか。
◎シーキングブレーヴ
◯ウィードパワー
▲ウィナーズマックス
△コパノワーニング
△ハイタッチ
△コスモワイルド