コスモバルク記念、星雲賞と連勝中のクラキンコは、当然赤レンガ記念に出てくるものかと思っていたのだが、回避して牝馬同士のここに出走してきた。もしここを勝てば、中1週でブリーダーズゴールドカップJpnIIに向かうのだろうか。
ブリーダーズゴールドカップといえば、登録馬が発表されたが、中央勢はずいぶんと軽いメンバーになった。重賞勝ち馬は、昨年の平安ステークスJpnIIIを制したロールオブザダイスのみ。とはいえ他の選定馬もダートのオープンは勝っている馬がほとんどなため、決して楽な相手とはいえないが、クラキンコが出走すればチャンスは十分ありそうだ。
相手筆頭はショウリダバンザイ。南関東から戻っての今シーズンは3戦して勝ち星がないが、先着されているのはクラキンコ以外はすべて牡馬。それでも常に上位は確保しているだけに、牝馬同士のここならチャンスは十分。ただ、コスモバルク記念、星雲賞の結果を見ると、逆転するまではどうか。
アンペアは距離が課題だが、3歳時には2100メートルの関東オークスJpnIIで3着があるだけに、こなせる可能性はある。
中央から転入初戦のエトワール賞を制したプリティゴールドも同様に課題は距離。中央時代は障害戦を除けば、昨年1月に一度だけダート1700メートルに出走して8着。今回は、それ以来の中距離戦となる。しかし中央時代には門別の条件交流で2度の圧勝と、得意のコースを味方にどこまで迫れるか。
サクラサクラサクラのここ3戦は、アンペア、プリティゴールドと同じレースに出走して先着したりされたりと同じような成績。この3頭は距離延長でどう変わるかだが、経験でアンペアを上位とした。
マチカネオイカゼは、コスモバルク記念こそ9着惨敗だったが、ここ4戦は1800~2000メートルのA2~オープンの特別で2着1回に3着3回と常に上位には食い込んでいる。距離適性という意味では、上記3頭の短距離路線組よりは分がある。
怖いのはミスチフキッツ。中央未勝利から転入し、C級ではあるが7馬身、6馬身差の圧勝で2連勝中。いきなりこのメンバーで勝ち負けは難しいだろうが、入着ならあるかも。
◎クラキンコ
○ショウリダバンザイ
▲アンペア
△プリティゴールド
△サクラサクラサクラ
△マチカネオイカゼ
△ミスチフキッツ
金沢所属馬として出走した留守杯日高賞を制したアンダースポットが、岩手に戻って前走も勝利。初の2000メートルが血統的にも気になるところだが、盛岡の1600メートルを問題なくこなしていればだいじょうぶだろう。近走の成績からも、岩手の牝馬同士なら実績的には最上位。
ガッテンモントレーは、留守杯日高賞では逃げたアンダースポットに直線で並びかけ、3番手以下を離しての叩き合いに持ち込んだがクビ差届かずの2着。父がサウスヴィグラスゆえ、距離延長は血統的にはむしろこちらのほうが不安。それゆえ逆転まではどうか。前走はまなす賞は8着だが、芝のレースは2歳時の2戦も5、8着とイマイチな成績だけに、気にする必要はないだろう。
シャトーフジは、前々走の3歳B1戦で僅差2着のあと、前走3歳B2線を勝利。重賞初挑戦だが、ここにきて力をつけているだけに、一発があればこの馬か。
シュクモモコは、年明けの水沢も含め2歳シーズンは7戦1勝、2着5回、3着1回と堅実な成績を残していたが、今シーズンは3戦して連対なし。特に前走の自己条件は2番人気に支持されながら、後方のまま見せ場なしというレースぶり。それでも留守杯日高賞では3着だっただけに、巻き返しがあるのかどうか。
レディージャスミンは、はまなす賞3着、オパールカップ2着と、ここ2走はこの世代の上位クラスと互角に戦っているが、この馬はむしろ芝で良績を残しているだけに狙いを下げた。
セリトスガッテンは、2歳時の特別・プリンセスカップでシュクモモコ、シャトーフジ、ガッテンモントレーなどを相手に圧勝した実績。ただ今シーズンの2戦はかなり離されての敗戦だけに、どこまで巻き返せるか。
◎アンダースポット
◯ガッテンモントレー
▲シャトーフジ
△シュクモモコ
△レディージャスミン
△セリトスガッテン
さまざまな距離でオールマイティに活躍してきたキングスゾーンだが、さすがに前走名古屋でら馬スプリントの800メートルという距離は、年齢的なこともあってか短すぎたようで、人気2頭からはやや離された3着に敗れた。今のこの馬には、むしろゆったり流れるマイルから2000メートルあたりの距離のほうが合っているのではないだろうか。昨年は岩手や船橋などレベルの高い地区へ遠征して大活躍。今年もマイル戦では重賞2勝を含めて3戦3勝だ。
対するのがマルカハンニバル。近走のキングスゾーンとの直接対決では、3月のアクアマリンオープンは2キロ重いキングスゾーンに1馬身差で敗れたが、続く4月14日の東海桜花賞では同斤量ながらハナ差で逆転。まったくの互角といってよさそうだ。実績的にはこの2頭が抜けている。
中央500万下から今年転入したベルモントパッシオは、B2からのスタートで順調に出世。前走初のA1特別挑戦となったルビーオープンではマルカハンニバルに3馬身差の2着。斤量2.5キロ差があってのこの差だけに、逆転は難しそう。ただ3着馬には6馬身差をつけているだけに、3連複・3連単の馬券なら十分に可能性はある。
キクノトップランは、中央1000万下からの名古屋再転入。初戦のA2特別でタイム差なしの2着と好走し、さらに上がり目があるかどうか。
ホウライエイブルは、昨年のこのレースの2着馬。その後もA級の特別で堅実な成績を残しているものの、A1特別に限れば3戦していずれも1秒以上の差をつけられての敗戦だけに、馬券圏内の争いにからめるかどうか。
パラダイスラビーダは、昨年大晦日の尾張名古屋杯で2着と健闘。ただこのときはまだB級だったため55キロでの出走で、A級57キロでの出走となった今年5月の尾張名古屋杯は6着に敗れた。A1特別やオープンでは1秒以上の差をつけられて敗れることが多いだけに、今回も57キロでどこまで迫れるか。前走条件交流で8着に敗れてから中8日で臨むのも気になるところ。
◎キングスゾーン
○マルカハンニバル
▲ベルモントパッシオ
△キクノトップラン
△ホウライエイブル
△パラダイスラビーダ
笠松・サマーカップを逃げ切ったエーシンクールディの実力はやはり抜けていた。さすがに中央ダートの重賞で入着していた力はダテではなかった。牝馬同士のここなら負けるわけにはいかない。
そのサマーカップでは4馬身離されての2着だったトウホクビジンだが、3着のカツヨトワイニングには7馬身もの差をつけた。さらに中4日で臨んだスパーキングレディーカップJpnIIIでも直線伸びて4着。相変わらずタフなローテーションをこなしているが、さすがにダートグレードで鍛えられているだけのことはある。昨年は5着と見せ場をつくれなかったが、さまざまに反動がなければ、実力は確か。
福山牝馬特別の覇者ゴールドピアースは、ここ2戦、地元のA1特別で牡馬一線級との対戦で差のない2、3着と好走。エーシンクールディを脅かす場面までは難しいと思うが、2着は狙える位置にはいる。
連覇を狙うのがキーポケット。ただその後は勝ち星がなく、前走でも地元でオープンからはやや落ちるメンバーで1番人気に推されながら3着。連勝で臨んだ昨年ほどの勢いはない。
カネトシショコラは中央500万から転入して4戦3勝。サウンドウェーブは転入2戦目から5連勝中。未知の魅力はあるが、東海、兵庫の一線級を相手に、地元の利でどこまでやれるか。
◎エーシンクールディ
○トウホクビジン
▲ゴールドピアース
△キーポケット
△カネトシショコラ
△サウンドウェーブ
ゴルトブリッツとミラクルレジェンドの一騎打ちとなりそうだが、ゴルトブリッツのほうがやや優勢か。1000万条件、準オープンと連勝して臨んだ前々走のアンタレスステークスJpnIIIは、ワンダーアキュート、バーディバーディという、この路線の常連組を寄せ付けずという強い勝ち方だった。前走東海ステークスGIIは5着に敗れたものの、不良馬場でワンダーアキュートのレコード駆けからそれほど離されていない。今回は相手関係がかなり楽になっているだけに、重賞2勝目の可能性はかなり高い。
それに待ったをかけるのがミラクルレジェンド。船橋・クイーン賞JpnIII勝ちを含めてここ3戦は牝馬限定重賞を使われているが、3歳時はジャパンダートダービーJpnIでコンマ1秒差と僅差の4着。レパードステークスも3歳限定戦とはいえ、牡馬を一蹴した。ここ2戦も、常に牡馬と互角の勝負を続けているラヴェリータと接戦なら、ここでも十分勝負になるだらろう。
パワーストラグルは、重賞初挑戦となった昨年の白山大賞典JpnIIIで圧勝。その後中央では勝ち星はないが、前走大沼ステークス2着で上昇気配。白山大賞典もそうだったが、今回も馬群がバラけてゆったりした流れになることが予想され、この馬にはそうした流れが向いている。展開次第では再びあっといわせる場面もあるかもしれない。
メイショウタメトモは、今年の川崎記念JpnIで2着という成績があるが、これは勝ったフリオーソ以外のメンバーに恵まれてのもの。今回も相手となる中央勢がほかに3頭なら、当然上位は狙える。
地方勢は、前走みちのく大賞典で大差圧勝のコアレスレーサーに中央勢の一角崩しを期待していたのだが、出走取消とはなんとも残念。マイルチャンピオンシップ南部杯JpnIで3着と好走したグランシュヴァリエが、同じ盛岡の舞台で再び見せ場をつくれるか。
◎ゴルトブリッツ
○ミラクルレジェンド
▲パワーストラグル
△メイショウタメトモ
△グランシュヴァリエ