コスモバルク記念と星雲賞を連勝したクラキンコが不在で、その両レース上位からの出走も、コスモバルク記念4着のカゼノコウテイ、星雲賞2着のリアライズトロイカくらいしかなく、難解な一戦となった。
ここは、今回と同じ1800メートルのオープンで2連勝中のダイワルビアから。前走ファルブラヴ賞では、コスモバルク賞2着、星雲賞4着で1番人気となったショウリダバンザイに0秒8差をつけて3着に下した。今回が重賞初挑戦だが、その結果だけを見れば、クラキンコとも好勝負ができるだけの力を持っている可能性はある。
リアライズトロイカは星雲賞で逃げ粘り、惜しくもクラキンコにクビ差の2着とあわやの場面を見せた。4歳ながら、中央時代を含めてもまだキャリア7戦。前走の星雲賞が初めての一線級との対戦だっただけに、上積みも期待できる
ゲイルバニヤンは、中央ではダートのオープンで走っていた馬。しかし南関東を経て、北海道で復帰するまでに1年半近くのブランクがあった。それでも初戦のオープンでは2着と好走。続く前走は差をつけられての5着だったが、初戦程度に走れば今回のメンバーなら上位は狙える。
シンワラヴは中央から転入初戦のオープンでダイワルビアに半馬身差の2着。やはり今回のメンバーならチャンスは十分。
カゼノコウテイは、今季2戦こそいまひとつの成績だが、昨年は瑞穂賞を1番人気で制した実力馬。叩き3戦目で当時の力を出せれば当然勝ち負けも狙える。
リフレックスは、中央から転入し1年近くのブランクを経て復帰した今季は、オープンで2、3着と好走。今回も馬券圏内なら十分狙える位置にいる。
転入して1~2戦しかしていない馬や、勝ったり負けたりのメンバー構成で、とにかく力関係の比較が難しい。
◎ダイワルビア
◯リアライズトロイカ
▲ゲイルバニヤン
△シンワラヴ
△カゼノコウテイ
△リフレックス
岩手のこの世代ではベストマイヒーローに次ぐ実力の持ち主シーグランディか、それとも北海優駿で惜しくもハナ差2着だったスタープロフィットかという争い。
ここは初芝となるが、スタープロフィットの成長力に期待したい。今シーズン2戦目として臨んだ北海優駿は、ピエールタイガーと叩き合って、まさにクビの上げ下げの決着。実は写真判定の間、検量室前で待っていたのだが、当事者の手ごたえはスタープロフィットが勝っていて、ピエールタイガーのほうが分が悪いのではないかという雰囲気だったのだが、結果は逆だった。写真判定があまりにも長いので同着かという雰囲気もあったのだが、とにかく勝ったつもりのスタープロフィット陣営にしてみればガックリという結果だったようだ。
少し前までの北海道の3歳戦線というと、レベルの高い2歳時の活躍馬が中央や南関東に移籍してしまって、言い方は悪いかもしれないが、いわば抜け殻のようなメンバーで争われるようなこともあったが、近年ではそこそこの実力馬が3歳になっても北海道にとどまるようになてきった。それが今年の3歳戦線の結果で、1200メートルの一冠目・北斗盃を勝ったパフォーマンスは、北海優駿こそ距離が長く7着に敗れたものの、グランシャリオ門別スプリントでは古馬を一蹴してみせた。北海道の2歳はレベルが高いと毎年のように言われるが、その馬たちの一部が残っているのがこの3歳世代。ゆえにここでもスタープロフィットが中心だ。
迎え撃つ立場のシーグランディは、盛岡の芝では4戦3勝。3着に敗れたジュニアグランプリは北海道(その後船橋)のスクランブルエッグ、そしてベストマイヒーローに半馬身+半馬身差という僅差。中央の福島2歳ステークスでも2着があり、ここは地元の意地を示したいところ。
ラブミープラチナは、北海道では一般の未勝利を勝ったのみで、その後南関東では3着が最高という成績。岩手に転入しての初戦も7着だったが、初めての芝となった前々走では最低人気を覆しての勝利。前走はまなす賞もシーグランディにクビ差の2着と、芝に替わって予想外の実力を発揮するようになった。今回も一発あってもおかしくない、まさに単穴的存在。
ヤマトスバルは芝の経験こそないが、七時雨賞2着、岩手ダービーダイヤモンドカップ3着と、岩手のこの世代でトップをうかがう存在。
レディージャスミンは芝の経験が豊富で、前走はまなす賞ではシーグランディからクビ+半馬身という僅差の3着。
笠松から遠征のエーシンラッシングは、中央未勝利とはいえ4着が3度あり、笠松に移籍後は8戦して4着を一度も外さないという堅実な成績。目下2連勝中と力をつけている。初芝と初距離をこなせれば馬券圏内も。
◎スタープロフィット
◯シーグランディ
▲ラブミープラチナ
△ヤマトスバル
△レディージャスミン
△エーシンラッシング
出走14頭中、1戦1勝の馬が7頭もいて比較が難しいが、その7頭の中からリカチャンスを本命にする。デビュー戦はスタートでタイミングが合わず後方からとなったが、ゴール前、先頭で競り合う2頭を一気に差し切った脚はすばらしかった。レースが荒削りなだけに、成長の余地はかなりありそう。このレースで2着だったレイモニ、3着だったサンレイレーザーは、それぞれ2戦目のルーキーチャレンジを勝利。さらにこの2頭は3戦目となったオープンのバトルプラン賞で再び対戦し、今度はサンレイレーザーが勝って、アタマ差2着にレイモニとワンツーを決めた。リカチャンスが勝ったフレッシュチャレンジは相当レベルが高かったと見るべきだろう。
相手にも1戦1勝馬でウィードパワー。デビュー戦ではリカチャンスと同じようにタイミングが合わず最後方からとなったが、こちらは3コーナー手前であっという間に先頭に立ち、直線では後続を楽に突き放し6馬身差の圧勝。この馬も将来性を感じさせる。
3番手、4番手は、リカチャンスとデビュー戦を戦ったサンレイレーザーとレイモニ。
イッシンドウタイは、今年最初の新馬戦スーパーフレッシュチャレンジこそ5着だったが、続く未勝利戦を9馬身差で圧勝。栄冠賞トライアルも勝って、JRA認定勝ちがないままオープンまで制してしまった。血統的にはラブミーチャンのおじになる。
ケイプダイバーもフレッシュチャレンジを勝ったのみ。3番手追走から、直線粘る2着馬をゴール前で突き放した手ごたえにはまだまだ余裕があった。
◎リカチャンス
◯ウィードパワー
▲サンレイレーザー
△レイモニ
△イッシンドウタイ
△ケイプダイバー
重賞実績馬が、09年に水沢で行われたこのレースを制したダンストンリアル、名古屋時代に重賞を勝ったサンキンスピーチ、ディスパーロの3頭と、今ひとつ決め手に欠けるメンバーが多く狙いどころの難しい一戦。それゆえどの馬にもチャンスがありそう。
ここはJRAから転入して2戦とも2着のオシャベリコパでいけるのではないだろうか。初戦の早池峰賞は、ゴール前で抜け出そうとしたところ、大外からリュウノキングダムの強襲に遭い惜しくもクビ差2着。前走HITスタリオンシリーズも東海地区で常に重賞で上位を争っていたマイネルアラバンサに負けたのみ。最初にも書いたとおり、今回はこの馬が前2走で先着されたようなクラスの馬が不在となっただけに、重賞でいきなりチャンスが巡ってきたと見てよさそう。距離的にも中央時代はダート1400メートルを中心に使われ、前2走が1200メートルと1600メートルでの好走なら、むしろこの距離はプラスだろう。
マイネルプロートスも転入して今回が3戦目。初戦のあすなろ賞を制し、前走みちのく大賞典は6着に敗れたが、菅原勲騎手に手綱が戻る今回、再び期待してみたい。
ダンストンリアルは一昨年このレースを制し、昨年は4着。昨年末の1800メートル戦を制し、休催明けの今季初戦と連勝。前走3着は実績のない芝のレースだっただけに、好調持続で臨めそう。
ワイルドキャットは南関東から転入2戦、あすなろ賞はタイム差なしの2着、みちのく大賞典3着と好走続き。
ディスパーロは転入初戦の早池峰賞こそ5着だったが、名古屋、道営ではオープンクラスでも好成績を残していただけに、2戦目の上積みがあれば勝負になりそう。
◎オシャベリコパ
○マリネルプロートス
▲ダンストンリアル
△ワイルドキャット
△ディスパーロ
ポートジェネラルは前走、800メートルの園田FCスプリントでハナこそ奪えなかったものの、ゴール前ラチ沿いから伸びて3着を確保。地元にもどってこの距離ならスピード能力を発揮できるはず。5走前の福永洋一記念こそ1600メートルという距離もあってか6着に敗れたが、今年、それ以外の地元のレースでは常に上位争い。昨年2月の黒潮スプリンターズカップ以来久々の重賞勝ちが期待できそうだ。
マルハチゲティは南関東から転入し、C級から前走A-4まで18戦して連対を外したのが1度だけ。まだまだ上のクラスでの活躍が期待でき、格上挑戦となる今回もいきなり結果を残してもおかしくはない。
プラネットワールドは昨年9連勝があり、その後も徐々にクラスを上げてきた。3走前からA1特別に出走して3、4、1着。07年3歳時の黒潮菊花賞以来の重賞挑戦となるが、このクラスでも楽しみな存在。
リワードブライトンは、3歳時の重賞で2戦2着2回、今年の福永洋一記念でも3着と、重賞でも上位に食い込んでいる。ここ3戦はA級の上位クラスで連続連対。オープンクラスでも通用するところを見せている。
ウィザードブラストは福永洋一記念2着のあとA-1特別を3戦して5、3、3着とまずまずの好走。距離短縮は微妙だが、差しが決まる展開になれば。
◎ポートジェネラル
○マルハチゲティ
▲プラネットワールド
△リワードブライトン
△ウィザードブラスト