
現在、寒波が北日本を中心に猛威を振るっているが、盛岡競馬場も大雪に見舞われている。4日、午後3時時点で20センチ以上は積もっている。
しかし、盛岡市内の定点カメラをチェックしてみると雪は降っているが、積雪には至っていない模様。改めて山の中腹にある盛岡競馬場は、下界とは比較にならないぐらい寒いんだなぁ...と実感する次第。
いずれにせよ岩手は冬将軍の季節が到来したが、これが競馬にも少なからず影響する。というのは凍結対策で融雪剤がコースにまかれ、粘りっぽい砂に変わるからだ。
すぐではないが、顕著に現れるのが芝馬の活躍。穴をあけるのはパワー勝負の砂に手こずっている馬が一変の動きを披露する。先物買いで今週から遊びで買ってみるのも一考だ。
6日メイン10Rは「第38回北上川大賞典」。岩手競馬で最も長い距離・水沢2500mが舞台。本命はコミュニティで動かないだろう。
昨年大みそかの桐花賞で帝王ナムラタイタンを破る金星。悲願の打倒ナムラタイタンを果たした。
それがフロックでないことを今年6月、伝統のみちのく大賞典10馬身差の圧勝劇で証明した。
絆カップは3着に終わったが、完全に先行ペース。ナムラタイタン、ニシノファイターの行った切りでは早め追走しても止む無しだった。
しかし今度は得意の水沢コースに加え、最大能力を発揮できる長距離が舞台。桐花賞連覇に向けても白星で決めたいところだ。
相手筆頭はブルースイショウ。中央未勝利から佐賀3勝後、再び中央入り。5戦0勝に終わり、園田へ転籍。2400m重賞・六甲盃、笠松2500m・オグリキャップ記念3着と長丁場で本領を発揮した。
水沢2500mは望むところ。転入3戦2着2回とマズマズの結果を出し、ここが最大の勝負レースとなった。
ライズラインはシアンモア記念を逃げ切り完勝。続いて短距離路線に向かって早池峰賞2着、岩鷲賞4着。今度は芝に方向転換したが、桂樹杯、OROカップとも折り合いを欠いて直線失速。完全に歯車が狂ってしまった。
それゆえ絆カップは半信半疑で臨んだが、掛かる仕草を見せず5着。この内容から北上川大賞典へエントリーした。
繰り返すが、折り合いが最大のカギ。2500mは長すぎるが、このメンバーならマイペースの逃げに持ち込めること必至。リラックスして走れれば2500mも我慢できるはず。
シルクアーネストは順調さを欠いたのが痛かった。今季目標はOROカップ連覇だったが、ぶっつけで本番に臨んで10着。しかし叩かれながら徐々に良化を見せてダートでもソコソコの内容。折り合いを苦にするタイプではないので距離は問題ないと思う。
シェイプリーは長距離歓迎。上がり勝負に持ち込まれるなら自慢の末脚がさく裂するシーンまで。あとは青藍賞3着エアラギオールが連下押さえ。
◎(8)コミュニティ
〇(10)ブルースイショウ
▲(1)ライズライン
△(9)シルクアーネスト
△(3)シェイプリー
△(7)エアラギオール
<お奨めの1頭>
6R コパノハミルトン
前走は馬群の最後方から直線一気に伸びて0秒2差4着。負けて強しの一戦だった。メンバー緩和され、首位奪取に燃える
11月26日、ラブバレットが笠松グランプリを優勝した余韻がまだ残っているが、今後も遠征が目白押しだ。
ラブバレットは先週もお伝えしたとおり兵庫ゴールドトロフィー(12月24日)。中央馬の壁は相当厚いが、笠松グランプリと同様、ベストの1400m戦。万難を排して臨んでほしい。
レジェンドロックの次走予定が決まった。11月21日、東京芝2400m・南部特別(1000万下)へ挑戦。結果12着ながら0秒9差に粘ったのは収穫。
今度は12月20日(日)、中京芝2200m「名古屋日刊スポーツ杯」(1000万下)へ挑戦する。
瀬戸幸一調教師「帰郷後も至って順調なのでまた中央へチャレンジします。逃げ馬が不在で押し出される格好でハナに立ちましたが、直線500m以上ある府中で0秒9差なら頑張ったと思います。当日は3場開催なのでメンバー次第ではチャンスがあるのでは...とひそかに期待しています」
続いて同じ瀬戸きゅう舎所属のサンエイゴールドは11月29日、2歳500万下・ベゴニア賞(東京芝1600m)へ挑戦した。
瀬戸幸一調教師「デビュー当初はスタート出がもう一つでしたが、かなりうまくなってきた。今回もいいスタートを切れましたが、松岡正海騎手が『1600mだと流れに乗れない』そうです。それに勝ち馬(ニシノジャーニー)と同じ位置にいながら、一気に離されてしまった。ですから今度は中山芝1800m戦を考えています。レースは1月下旬。岩手競馬が終了後、早めに美浦へ入厩して調整しようと考えています」
師走を迎えて岩手競馬の動きが活発になってきた。5日メインはC1「錦秋湖賞」(水沢1800m)。大本命リガードリングが出走する。
中央未勝利ながらすべてひと桁着順にまとめ、5着3回。この実績があればB2でも通用。C1編入にも恵まれて4戦3勝2着1回。一度2着は現在5連勝中の快速派カンヌが相手では仕方なし。前走できっちりお返しをした。
中央時代は芝ダートを問わず1600m~1800mを使われ、距離延長は望むところ。C1卒業は時間の問題だろう。
相手筆頭はマイネルスコープ。4ヵ月半の休養から戦列に復帰して2勝2着2回。本来のシャープさを取り戻した。
前走は3着に敗れたが、1枠が災い。内に包まれた上、直線でも前が壁になったのが致命傷。それでも馬群が開いた瞬間はいい脚で伸びてきた。今回は7頭立ての少頭数で揉まれない外枠も幸運。次位は譲れないところ。
サンエイインパクトはデビュー当時から期待された1頭だったが、集中力を欠くことも多くムラさが目についた。しかし前走は5馬身差の圧勝劇。メンバーが甘かったにせよ、豪脚を披露した。これでひと皮むけたか。
フレンドマキシマムは中央から転入後、<7.4.4.0>と抜群の安定感。最後の爆発力が欲しいところだが、相手なりに駆けるのが身上。もっと強い印が必要かもしれない。
マツマエザクラは仕掛けどころが難しいタイプだが、前走鮮やかなまくりを決めて快勝。スミヨシルビーも前回2着確保で復調ムードがうかがえた。3着押さえ。
◎(2)リガードリング
〇(7)マイネルスコープ
▲(1)サンエイインパクト
△(5)フレンドマキシマム
△(6)マツマエザクラ
△(3)スミヨシルビー
<お奨めの1頭>
2R ドリームチャイルド
岩手ゆかりのネイティヴハート産駒がデビュー戦のダート1000m戦を圧勝。初輸送、初距離などのハンデあるが、絶対能力でカバーする
早いもので11月もラストの30日。今日のメインレースは2歳牝馬の重賞『プリンセスカップ』。岩手では唯一の2歳牝馬限定の重賞(以前は白菊賞という2歳牝馬重賞がありました)ですが、GRANDAME-JAPANの2歳シリーズ"第5戦"という位置づけにもなっています。
全6戦の中の5戦目なので終盤戦ということになりますよね。ここまでのポイントでは、17日の川崎・ローレル賞を勝ちエーデルワイス賞2着だったモダンウーマンが30Pで1位、続いてエーデルワイス賞優勝のタイニーダンサーが20Pで2位、ラブミーチャン記念を勝ったミスミランダーが17Pで3位。以下、ランランラン15P、マックスガーデン14P、シャイニーネーム13Pまでが10ポイント以上を持っている上位馬です。
このうち、タイニーダンサーはJRA移籍&年内は出走しない事が濃厚。モダンウーマンとマックスガーデンは南関移籍のうえ東京2歳優駿牝馬に出走することになりそうです。
とすると、このプリンセスカップにも出走するミスミランダーやシャイニーネームがシリーズ上位を狙うなら、できれば勝って15P、少なくとも3着以内に入ってある程度のポイントを獲得しておきたいところでしょう。
GRANDAME-JAPANのポイント争いは年々激しさを増し、ポイントも慎重かつ大胆に狙っていかないと上位がおぼつかなくなってきています。そんな視点でもレースを楽しんでいただけたらと思います。
●10Rの買い目
馬単(4)=(1)、(4)=(7)、(4)=(2)、(4)→(8)、(4)→(6)
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昨日に続いてラブバレットの話。笠松グランプリに至るまで紆余曲折が多々あった。8ヵ月の休養を経て復帰して2連勝。
特に2戦目の水沢1300m戦でレコードに肉薄する好タイムで圧勝し、さきたま杯に挑戦。メンバーが一気に強化されたが、4着に善戦。
岩鷲賞でナムラタイタンの2着からクラスターカップでも3着。着実に成果を上げ、再び浦和遠征・オーバルスプリントを予定していた。舞台はさきたま杯と同じ1400m戦。
ラブバレットにはベストの条件だったが、洗い場で脚をケガし、すべて白紙に戻し治療に専念した。
ケガの回復に思った以上に時間がかかったが、絆カップで戦列復帰。1600mが微妙だったが、内で砂をかぶってもひるまずに4着。収穫の多い一戦となった。
さきたま杯で遠征を経験済み。環境の変化に全く動じないラブバレットなら、浦和より倍の距離がある笠松でも大丈夫だろうと判断し、笠松グランプリに駒を進めた。
その読みはズバリ。絆カップよりマイナス3キロで出走できたのが最大の勝因。精神的なたくましさがラブバレットの強みだったと思う。
次走・兵庫ゴールドトロフィーはJRAも含めた強豪相手。正直、ハードルは相当高いが、今回の笠松1400m1分25秒1は馬場を考慮しても非常に優秀だったという。12月24日、次のステージが待ち遠しい。
29日メインはB1級「ひいらぎ賞」(水沢1900m)。オープン入りを目前に控えた好メンバーが顔をそろえた。
主軸にゴッドバローズを指名する。中央芝1800m1勝から転入。当初は地方ダート対応が不安視する面もあったが、初戦の盛岡ダート1800m戦を圧勝。
芝・オクトーバーカップ2着、不来方賞8着、秋嶺賞6着と足踏みしたが、水沢に替わった前走を10馬身差で圧勝。自分の型に持ち込むと他の追随を許さない。
それゆえ距離延長は二の次。逃げの手に出ることができるか―どうかが最大ネックだったが、幸運にも絶好の2番枠。強引にでも逃げて直線突き放すシーンが浮かぶ。
レディアントデイズは春に活躍したが、その後は調子を落としていた。しかし秋を迎えて次第に本来の動きを取り戻して再び上昇気配。1900mも1勝も強気にさせる。
コスモイフリートはマイルもこなせるようになったが、元々が器用なタイプではなく1800m以上のゆったりペースがベスト。前走はヴァイキングに差し返されたが、これは距離を意識して早めに動いたから。今回は雪辱を期す格好の条件で走る。
マツリダアンバターの岩手初戦は見事だった。向う正面から外に出すと一気に進出。4角で手前を替えれずに大外にふくれながらも完勝した。本命まであり得るが、あまりの反応の良かったゆえ距離対応に一抹の不安がある。それで△評価とした。
あとは長距離歓迎トーホクアロー、前回快勝で弾みついたヴァイキングも軽視できないだろう。
◎(2)ゴッドバローズ
〇(5)レディアントデイズ
▲(1)コスモイフリート
△(11)マツリダアンバター
△(7)トーホクアロー
△(4)ヴァイキング
<お奨めの1頭>
9R アフリカンブルー
転入後、一度出遅れて2着に敗れた以外はオール白星。早くも二けた10勝をマークした。ここも単なる通過点にしか過ぎない
26日(木)、笠松競馬場で1000万レース「笠松グランプリ」(1400m)が行われ、岩手からラブバレット(牡4歳 菅原勲きゅう舎)が挑戦。圧倒的1番人気に支持されたサトノタイガーを相手に完勝。悲願の交流重賞を手に入れた。
山本聡哉騎手
「前回(絆カップ)に続いて2度目の騎乗ですが、比べ物にならないぐらい状態が良くなっていました。
スタートで若干後手を踏みましたが、サトノタイガーを見る形で進めるのは予定どおり。早めに動いたのは笠松は直線が短いから。3コーナーでちょっともたつきましたが、直線は最後までしっかり伸びてくれた。
ラブバレットもそうですが、自分自身も遠征での交流重賞制覇は初めて。馬と関係者のみなさんのおかげです。ありがとうございました」
菅原勲調教師
「輸送は浦和で経験していましたから大丈夫だろうとは思っていました。あえて不安があるとすれば浦和と倍の距離がありますから輸送疲れがないか―ぐらいでした。
ですが、今回もまったく問題なかった。多少、体重が減っていましたが、これも想定内。いい感じでレースに臨めたのが最大の勝因だったと思います。
オーバルスプリントの直前に脚をケガして絆カップまで時間がかかりましたが、久々のマイル、内に包まれても4着を確保。これなら交流へ遠征しても大丈夫だろうと笠松グランプリ挑戦を決めました。
レース運びもスムーズでしたし、今回は最後で甘くなることもなかった。ラブバレットのたくましさ、成長力には本当に頭が下がる。
次走予定は園田の兵庫ゴールドトロフィーを考えています。JRA相手なので厳しいと思いますが、今回と同様に1400mがベストの条件。応援をよろしくお願いします」
遠征重賞での勝利は、おそらく2006年、エーデルワイス賞(GIII 旭川)のパラダイスフラワー以来のはず。これだけでもラブバレットの価値は推して知るべしだろう。
28日メインはB1級四組・B2一組による混合戦「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」(水沢1600m)。主軸にアクティブボスを指名する。
中央未勝利から転入して不来方賞と前後して2勝。いずれも完勝と言っていい内容だった。
実はアクティブボスはデビュー前、岩手で乗り込んでいたが、JRA入り。当時も今も攻め馬に乗っている担当者が「この馬は背中がいいので間違いなく走るを確信していた。戻って来た時は馬体が寂しかったが、叩かれながらどんどん良くなっている」
確かに2歳時は凡走の連続だったが、3歳になって2着1回3着2回。まだまだ伸びしろがあったから2勝を飾ったに違いない。
今回はB1級馬との混合戦だが、むしろ将来をためす格好の一戦。ここで足踏みをしてはいられない。
ターフデザイナーは東京ダート2100m1勝。その後、北海道へトレードされて2、1、3着。北海道競馬終了とともに岩手入りした。
距離は長いほどいいタイプだけに1600m対応が最大ネックだが、先行力があれば問題ないはず。こちらも伸びしろは十分。
モルフェワインは夏場に2ヵ月の休養を余儀なくされたが、休み明け2戦目から1、2着。本来の軽快さを取り戻した。特に前走は苦しい展開をはねのけて2着。マイル短縮なら首位奪取のシーンまで。
イマジンジョンはここ2戦のもたつきが気になるが、それでも入着確保。持ち前の安定感は健在。加えて水沢マイルは4勝3着4回とすべて馬券対象。やはり軽視はできない。
カスミチャンはノベンバーカップで果敢に逃げて0秒3差4着。マイル延長も問題なく、好枠を引き当てたのが不気味。
ロケットボールは最後の甘さが気になるが、それでも大崩れしていない点は強調材料となる。
◎(9)アクティブボス
〇(8)ターフデザイナー
▲(10)モルフェワイン
△(6)イマジンジョン
△(4)カスミチャン
△(7)ロケットボール
<お奨めの1頭>
6R オンファロス
中央未勝利ながら5着1回。C2下級条件は恵まれた。ディープインパクト産駒が素質を開花させる