盛岡開催3週目に突入し、いよいよ芝競走がスタートする。こけら落としは14日(土)、第9R・ヤンルース賞(B2 盛岡芝1600m)。さっそく芝に自信ありのメンバーが顔をそろえた。
盛岡芝は1周1400m・左回り、幅員は25m。高低差はダート(4・4m)を上回り、最大高低差4・6m。そして直線に約2・8mの上り坂があり、わずか300mあまりの直線だと侮るなかれ。一瞬で馬順が入れ替わることも多々。芝ならではの醍醐味を味わえる。
盛岡は洋芝のコース。ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラス、トールフェスクの三種混合とされており、芝種の組み合わせはJRAの札幌競馬場や函館競馬場と同じ。寒さに強いのが特長だ。
昨年の盛岡開催終了後、内側の芝を張り替えた。特に傷みが激しかった3、4コーナーの芝は全面張り替えを行った。一新した盛岡芝をしっかりと見てほしい。
14日メインは最終10R。岩手県調騎会騎手部会協賛による「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」(B1二組 盛岡ダート1600m)。前走の強さが際立っていたコスモジョイジョイで中心は動かない。
コスモジョイジョイは昨年10月、中央未勝利から転入。いきなり3連勝を飾った。終盤2戦は3、2着に終わり早めにシーズンオフ。
これで完全リフレッシュができたのだろう。今季初戦2着から前回、豪快なまくりを見せて完勝。着差(0秒2)以上に強い内容だった。
全兄は菊花賞馬オウケンブルースリなら、これからさらに成長しそうな予感大。その意味でも楽しみな一戦となった。
逆転筆頭はミタイナ。オーストラリア生まれ(12年10月30日)でデンマン産駒(4代父は大種牡馬サートリストラム)。1歳馬のセリで19万豪ドルで落札された。
北半球生まれとは半年のズレがあるためデビューは3歳5月。5戦目の浦和条件交流で初勝利を飾ったが、500万下昇級後は二ケタ着順に終わり、岩手へ新天地を求めてきた。
牝馬ながら500キロを楽々超す大型馬ならパワーの要る馬場は望むところ。トレードが吉と出るか注目したい。
グエンザップは昨年、北海道から転入後、圧巻の3連勝をマーク。今季はC1からいきなりB1へジャンプアップし、初戦6着に沈んだが、2戦目を快勝。
続く駒形賞8着、前走10着と連続大敗が気になるが、前者は距離1800mが長かったため。後者は初の盛岡、内に包まれて砂をかぶったのが敗因と解釈。だとしたら外枠は歓迎だろうし、コースも2度目。反撃に転じるか。
ノーティカルスターは典型的な追い込みタイプ。それゆえ展開に左右されるのは仕方なし。前走・駒形賞6着もスローに泣いた。今度はマイルが舞台。過去9勝をあげているように、最も得意とする条件。まとめて一気。
ヤマニントレフルはスピードと粘りが身上。石桜杯でも果敢に逃げて2着を確保した。ペース次第では再現十分。
エアルナは昨年12月のB2戦でコスモジョイジョイ相手に1着。南関東から再転入後は入着止まりだが、一変の可能性あり。
◎(2)コスモジョイジョイ
〇(3)ミタイナ
▲(8)グエンザップ
△(6)ノーティカルスター
△(10)ヤマニントレフル
△(9)エアルナ
<お奨めの1頭>
4R クラウンプルートゥ
満を持して5月1日から始動。昨年までB1在籍の底力を見せつけて1秒3差で逃げ切り圧勝した。負けるまで追いかける手だ
★重賞・シアンモア記念はナムラタイタンが勝って重賞4連勝
GWの連休期間の実質最終日にあたる8日、盛岡競馬場で古馬オープンの重賞「シアンモア記念」が行われ、1番人気ナムラタイタンが2着ライズラインに6馬身差を付け快勝。自身の重賞連勝を「4」としました。
自らハナに立って最後まで盤石の戦いぶりを見せたナムラタイタン。次走はみちのく大賞典(6/19盛岡2000m)になる模様です。
5月9日のメインレースはA級一組の特別戦『皐月特別』。JRAの皐月賞があるので競馬的には4月のイメージが強い「皐月」ですが元々は5月(旧暦)の呼び名。5月の皐月特別をお楽しみ下さい。なお、月曜メイン皐月特別は11R、発走は17時25分です。お間違えの無いようお願いいたします。
最近のA級特別は転入馬の数が多くて難解な感じのレースが多いのですが、今回もそうなりました。出走7頭中3頭が転入初戦、さらに言えば6頭がこの春の転入馬あるいは再転入馬。いきおい盛岡コースは初という事にもなるわけで、そのあたりの力関係の比較・コース適性の判断がその理由になります。
という事で本命は(2)ハイフロンティアを採りました。JRA時代の最上級は500万下と他のJRA出身馬に比べると"格下"という事になってしまうのですが、ダートのマイル~1800mあたりの戦績は、左回りも問題なくこなせる点も含めれば極端に大きな差は無いですし、なにより今の水沢で先行して好走出来ている点、今回の盛岡戦は水沢で好走した馬との相性がかなり良いという事を思えばそれでカバーできる部分も少なくないはず。すんなり流れに乗る事ができるならチャンスは十分でしょう。
対抗は(3)オメガスパーキング。過去23戦連続で左回りを使っている(というか右回り経験がキャリアで一度しかない)というくらいの左回り巧者。最近は短距離ベストなイメージがある点、初コースでいきなり好結果を出した事があまりない点から対抗に留めましたが、力量そのものはここでもトップだと思います。
三番手は(7)キネオメジャーを狙ってみます。JRA時代の戦績だと小回りよりは大きなコースの方が良さそう。コース替わりが面白そうな馬です。以下、距離面・コース経験面で(4)(6)。転入初戦ばかりなら、かつての格よりはコース適性の方が重要では・・・の判断で。
●11Rの買い目
馬単(2)=(3)、(2)=(7)、(2)→(4)、(2)→(6)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
先週は5月1日から4日までの4日間連続開催。ゴールデンウィーク真っただ中に加え、開設20周年を迎えた盛岡競馬場のこけら落とし。
これが相乗効果をもたらし、初日1日は6300名あまりのファンが来場。多くのファンが盛岡競馬を楽しんだ。翌日2日は飛び石連休のはざまだったにもかかわらず、売り上げが3億円を突破。
グレード競走を除くと平成19年(2007年)以来、9年ぶりだったという。前後も計画値を越え、盛岡開催は上々の滑り出しだった。これをしっかりキープしてほしい。
1日に行われた南関東ジョッキーズフレンドリーマッチは山本聡哉騎手が優勝。3月11日、船橋競馬場で行われた「東日本震災5周年復興支援 船橋・岩手ジョッキーズ交流競走」に続き、騎手交流戦を連勝した。
また剛腕で鳴らした西康志騎手の長男、西啓太騎手(大井所属)が初来盛。第5R、1番人気に支持されたサンファーゴで堂々逃げ切りを決めた。
ご存知の方もいるかもしれないが、西啓太騎手の勝負服『桃・胴紫玉あられ』は父・西康志騎手とまったく同じ。1着でゴールに入ると岩手のオールドファンも喜んでいた。
そして第7Rでは6番人気エイシンバーサスに騎乗した木村直輝騎手が快勝。デビュー14戦目でついに初勝利を飾った。
木村直輝騎手「同期でもありライバルでもある鈴木祐騎手がデビュー戦勝利をやられたので焦ったが、自分は自分と言い聞かせて騎乗しました。前のレースではラスト200mまで先頭でもしかすると―と一瞬思ったが、先輩に交わされて厳しさを改めて感じた直後だったので、なおさらうれしかった。今後も努力を怠らず頑張ります」
8日メインは岩手オープンの根幹レース「第41回シアンモア記念」(M1 盛岡ダート1600m)。登録馬が相次いで出走を見送り、岩手No.1ナムラタイタン、北海道No.1グランプリブラッドの対決構造がより鮮明となった。
主軸はもちろんナムラタイタン。今年も赤松杯から始動。ラブバレット、コミュニティ、ライズラインと岩手トップがすべて出そろった中、ナムラタイタンは6馬身差で圧勝。
徹底マークの戦法を採ったラブバレットを直線一気に突き放し、貫禄の違いを見せつけた。10歳馬ながら衰えるどころか、さらに凄みを増した印象。順調に乗り込まれてシアンモア記念を迎えたのも心強い。
あえて不安点を捜せば久々の盛岡輸送。昨年、南部杯で珍しく入れ込み、結果も13着。当日のパドック気配をチェックしてほしい。
グランプリブラッドは中央オープンから昨年4月に北海道へトレード。当初はもたついていたが、「性質を手のうちに入れた」(田中淳司調教師)あとは星雲賞、瑞穂賞、道営記念と重賞3勝。特に道営記念では4馬身差をつけ、No.1を不動のモノにした。
船橋遠征・総の国オープン2着から北海道へ帰厩。1月末から放牧に出て3月から乗り込み再開。追い切りメニューを予定通り消化してシアンモア記念に臨む。
ナムラタイタンが一度叩かれたのに対し、5ヵ月ぶりのハンデはあるが、そこは田中淳司調教師のこと。手抜かりはないだろう。
ライズラインは桐花賞3着から休養。赤松杯で復帰したが、マイナス20キロと体重が大幅減。体型も変わり、2秒3差4着。
正直、とまどいを隠せなかったが、今回の追い切りで好時計をマーク。昨年のシアンモア記念覇者。巻き返しに意欲満々だ。
エアカーネリアンは4ヵ月の休養明けの水沢1600m戦を圧勝。苦手イメージがあったが、地力の差を披露した。叩かれて得意の盛岡を迎え、上位をもくろむ。
ドレミファドンは中央ダート4勝・準オープン。南関東3戦は振るわなかったのが気がかりだが、コース替わって反撃あるか。
◎(1)ナムラタイタン
〇(6)グランプリブラッド
▲(7)ライズライン
△(4)エアカーネリアン
△(2)ドレミファドン
<お奨めの1頭>
7R アスペクト
成績はひと息だが、ここでは一連の走破タイムが抜けている。盛岡コースも合い、久々の首位を飾る
★新人・木村直輝騎手が初勝利
盛岡開催開幕の5月1日、第7レースで木村直輝騎手が初勝利を挙げました。
同期の鈴木祐騎手が初騎乗・初勝利という派手なデビューを飾ったせいか少し遅れたように見える木村直輝騎手の初勝利ですが、騎乗数で言えば14戦目。決して遅い方ではありません。これからの活躍にも期待したいですね。
★重賞「やまびこ賞」はエンパイアペガサスが勝利
同じく1日に行われた3歳重賞・やまびこ賞は1番人気エンパイアペガサスが2番人気メジャーリーガーを退けて優勝。重賞連勝を達成しました。
距離延長も問題なく乗り切った同馬はこれで名実共に3歳戦線の主役に。次走は6月の岩手ダービーダイヤモンドカップになる模様です。
GWの4日間連続開催中の岩手競馬。5月3日のメインレースはダート1400mの特別戦『石桜杯』です。名前の由来となっているのは盛岡市内にある「石割桜」という桜なのですが、今年は桜前線の通過が早く、市内でも最初の頃に咲いてしまう石割桜はもう既に葉桜に。このレース名で石割桜の事を知ったファンの皆様、来年の春にまた思い出してください。
なお、5月3日のメインレース石桜杯は「9R」、発走は16:55です。
8頭立てながら各馬拮抗と感じるこのレースですが、本命は(4)モルフェワインとしました。前走は1800m戦で僅差の2着敗戦となりましたが、勝馬は名うての末脚をもつ存在・トーホクアロー。モルフェワインも"負けて強し"と言っていい走りでした。
北海道時代にしても岩手転入後にしても短めの距離の方が好成績で、今年1月には水沢1400mの初夢賞で圧勝していたりもします。盛岡にも苦手感はなく、距離短縮で変身する要素は多いと判断しました。
対抗は(7)ジャーグラット。昨年の今頃は大井代表としてシアンモア記念に遠征してきて6着の実績があり、昨夏の岩手転入後にも水沢1400mのスプリント特別で一線級を退けたように実力はここでも上位。前走の勝利をフロック視する必要はありません。今回のカギは連続して同じだけ走る事が出来るかどうか?それが出来れば勝ち負け必至。
三番手。ここは敢えて(8)エリモサプライズ。この馬もどちらかと言えば短距離の方が成績がまとまっているように感じます。なかなか良い流れに乗れず、この春は水沢の馬場傾向にも苦戦した印象がありましたが、コース替わり・距離短縮がきっかけになれば。
以下、先行力が活きる展開になればの(1)モリノワカバ、同じく距離短縮がプラスになればの(3)トウカイチャーム。もう一頭拾っておくなら(6)コウギョウマゼラン。このあたりまで。
●9Rの買い目
馬単(4)=(7)、(4)=(8)、(4)→(1)、(4)→(3)、(4)→(6)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
5月3日(火・祝)、名古屋競馬場で行われるJpnIII「第18回かきつばた記念」(1400m)へ岩手からラブバレット(菅原勲きゅう舎)が挑戦する。
ラブバレットは昨年、JpnIII・クラスターカップ3着、さきたま杯4着に善戦。また笠松で行われた笠松グランプリでサトノタイガーを破って完勝。2006年、エーデルワイス賞(GIII)でパラダイスフラワー以来、8年ぶりに岩手所属馬が遠征交流での優勝を果たした。
今年3月には高知・黒船賞へ挑戦7着。続く地元重賞・赤松杯ではナムラタイタンの2着に屈したが、ベストの1400mで巻き返しを狙う。
菅原勲調教師「黒船賞は内枠(3番枠)に入って逃げるしかなかった。内の砂が深かった上、ダノンレジェンドのマークもきつく仕方なしの結果だと思っています。赤松杯も完敗でしたが、勝ったナムラタイタンが強すぎましたし、マイルも長かった。今度は得意の1400mが舞台ですからいい競馬を期待したい。名古屋輸送は笠松とほぼ同じですから心配していません。今回も中央勢は強力ですが、上位を期待しています」
2日メインはB2・盛岡ダート1800m戦「メイカップ」、8頭立て。上位馬は実力伯仲だが、充実度でイルポスティーノが主軸になる。
昨年、中央ダート2勝、南関東1勝・B3から転入。初戦は3着に終わったが、2戦目の水沢1900m戦を完勝。1周目スタンド前から先頭に立ち、そのまま押し切る強いレースを披露した。
今季も早々と2連勝。マイル対応が最大ネックだったが、あっさりクリアー。年をまたいで3連勝中と勢いに乗っている。
しかも今回は舞台が1800m。新潟ダート1800m、中山ダート2400mでそれぞれ1勝をマークしたように距離延長は望むところ。特別2連勝にまい進する。
ファイブタブレットは昨年、南関東B2から岩手入り。A級に格付けされ、未勝利ながら2着3回3着2回を確保した。
今季はB2へ降格して地力の違いを見せつけて2連勝。エイプリルカップで当然のように1番人気に支持されたが、1枠が致命傷。自分の競馬ができず3着に終わった。
今度は枠順の有利不利がさほど影響ない盛岡1800m戦。同条件でA級0秒1差3着の実績があり、反撃必至。逆転単まで。
盛岡1800mならサダルスードも黙っていない。過去、5戦2勝2着1回と8割の連対率を誇り、最も得意とする条件。エイプリルカップは忙しいマイルが合わなかったと敗因がはっきり。今度こそ強じんな粘りを発揮する。
サンマルウィークはエイプリルカップ0秒1差2着。2番手追走から最後までイルポスティーノに食らいついた。これで岩手3戦1勝2着2回。もちろん争覇圏内に位置する。
キャンディッドは2連勝でエイプリルカップへ臨んだが、見せ場なく7着。ただ元々が好、凡走の落差が激しいタイプ。レースに集中できれば自慢のマクリ脚をさく裂させる。
アーノルドツヨシは実戦を使われながら緩やかに上昇中。盛岡コース未勝利だが、前崩れの流れになれば台頭のシーンまで。
◎(1)イルポスティーノ
〇(5)ファイブタブレット
▲(8)サダルスード
△(7)サンマルウィーク
△(2)キャンディッド
△(4)アーノルドツヨシ
<お奨めの1頭>
4R ゼロワンシンジロー
南関東から転入後、圧倒的な強さで2戦2勝。中央ダート2勝の実力を見せつけている。コース替わりも問題にしない