4月7日に行われた3歳馬の重賞『スプリングカップ』はフジユージーンが後続に2秒以上の差をつける大差圧勝。昨年以来の休み明け初戦をクリアすると同時に3歳クラシック路線へむけ好発進を決めました。
「控える競馬も考えていたが今日は返し馬から気持ちが入っていた。それで好スタートを切ったのでそのままいってしまう形(村上忍騎手)」というフジユージーン。自身はさして追う事もなく周回してそれで後続を全く寄せ付けないままゴール、2着以下に2.4秒もの差をつけただけでなくその前に行われた古馬B2級戦の勝ちタイムも大きく上回る好時計での勝利はまさしく圧巻。春初戦を強い走りでクリアして、次戦、東日本交流となるダイヤモンドカップへ向けこの上ない滑り出しとなりました。
4月9日のメインレースは12Rです。B2級ダート1400mの特別『エイプリルカップ』。本命は(4)マイグレーションを狙います。
昨秋に岩手に転入して後の勝ち星はオープンの1200m戦ひとつにとどまっていた同馬でしたが、転入初戦を除けば好時計・好内容で健闘。重賞絆カップでも5着に食い込んでいるのですから力量は本物と見ていいはず。B1に降級した今季初戦は時計の差こそ大きくなかったもののしぶとく抜け出して、しぶとく粘り切る質の高い競馬。今回の好調メンバー、歯ごたえが増した相手関係の中でもこれなら主役になる資格は十分でしょう。
対抗は(6)ピラヴロス。昨年の今頃は3連勝、その後少し狂った歯車を修正して立て直して12月にC1級から再出発。そこからは安定した戦いが続いています。ここまでの戦績からは1400mが手頃と思えますし雨馬場も悪くなさそう。この馬から見ても歯ごたえが増した相手関係ですが、互角に、あるいは突破してもおかしくない存在。
(5)モンゴリアンキングが三番手。一進一退、人気の反対をいく事も多いこの馬ですが地力は高いと感じます。距離もマイルに比べれば1400mはずっと良いでしょう。上位争いの一角と見ます。
以下、まず(8)レディブラウン。2~3歳時はホッカイドウや南関の牝馬重賞戦線で存在感十分の走り。昨冬に岩手に転入した後の3連勝にも疑問のない実績です。時計比較ではそれほど優勢に見えませんが少し相手なりというところがある馬。前走のように楽に勝てないまでも上位争いに加わってきそう。(2)ピシュマニエもやや相手なり・展開なりなところがある馬。雨馬場で先行力が活きる馬場になれっていれば存在感が増しそうです。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(4)=(6)、(4)=(5)、(6)=(5)、(4)→(8)、(4)→(2)、(1)=(5)
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4月7日から新たに二名の騎手が岩手競馬に仲間入りした。金沢競馬・服部大地騎手(岩手所属は伊藤和きゅう舎・水沢)、新人ジョッキーの坂井瑛音騎手(菅原勲きゅう舎所属・水沢)。7日、服部騎手は第3Rから4鞍、坂井瑛音騎手は第4Rから4鞍。8日は服部騎手6鞍、坂井瑛音騎手2鞍に騎乗する。フレッシュ2名の動向に注目してほしい。
8日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」(B1級 水沢1400m)。このスプリント戦は全馬が適性を優先して出走申し込み。好調メンバーがズラリ顔をそろえた。
ヴァルラームは南関東で7勝をマークしてJpnII・東京盃に2度、JpnIII・東京スプリントに1度挑戦した実力馬。昨年9月に転入後、4勝2着1回3着1回。馬券対象から外れたのは盛岡マイル戦5着のみ。抜群の安定感を誇っている。
旧地・南関東大井1600mで1勝、転入後も1600m戦で2勝をあげたが、やはり本質的には1400m以下がベストの距離。今季初戦の水沢1400m戦でも後方からレースを進め、向こう正面からスパート。鋭く反応して4角先頭から、そのまま押し切った。しかもプラス15キロと太め残りでの結果。ひと叩きされてさらにシャープさが増すのは確実で2連勝に王手をかけた。
トチノヒーローは大井デビューで初勝利まで13戦を要した奥手だが、その後は着実に白星を積み重ねて通算7勝をあげたが、昨年6月以降は白星がなく岩手へ新天地を求めてきた。
初戦は2番人気に支持されて2着確保。2戦目は1番人気に支持されたが、ホワイトブライドに逃げ切りを許してクビ差2着。惜しいところで白星を逃がしたが、B1通用を証明した。過去の1着は1200m戦だったが、1400m対応も問題なし。鞍上・山本聡哉騎手は今度で騎乗2度目。特徴を手のうちに入れ、今度こそ首位を奪取するか。
ホワイトブライドは3歳重賞・ひまわり賞(オークス)2着、ウイナーカップ2着の実力馬。これまで調子を上げるのに時間を要したが、今季初戦3着から前回快勝した。盛岡巧者の印象があったが、「単なる巡り会わせだった」と瀬戸幸一調教師。前走は好枠から逃げ切ったが、折り合いがつくタイプで外枠も問題なし。すんなりの流れなら再現まで十分。
アオイカツマは東京芝1600m1勝、中京ダート1400m1勝。南関東・大井1200m1勝から昨年暮に転入。A級初戦は6着に終わったが、ひと冬を越してB1へ降格。前走、待望の白星を飾った。前走も1番枠に入り、今回も同じ1番枠。ゲンがいい枠を味方にする。
ビッグタマテルーフは昨年、850m、1000m戦に活路を求めた時期もあったが、ペースが合わず凡走。1300mから1600mが守備範囲と分かったのが収穫だった。昨年終盤から今年2戦とも安定ぶりを発揮して2着2回3着1回4着1回。勝つまではどうかだが、馬券対象には外せない。
サトノマッスルは今季7、3着。いずれもスローペースに落とされたのが痛かったが、この馬は展開一つ。流れる競馬になれば一気突き抜けるシーンまで。
◎③ヴァルラーム
〇⑫トチノヒーロー
▲⑪ホワイトブライド
△①アオイカツマ
△②ビッグタマテルーフ
△⑩サトノマッスル
<お奨めの1頭>
7R チェリーブリーズ
前走2着は勝ったエスプレッシーボをほめるべき。苦しい展開から2着を死守して改めて地力を証明し、今度こそ首位を譲れない
3月の春競馬をステップに、4月7日(日)から2024年度の岩手競馬がスタートする。開催規模は前年と同じく全130日間(昨年度は1日取り止め)で、レギュラーシーズンも同じく12月31日で終了。約2ヵ月の冬休みを経て3月9日(日)から再開する。今年度も岩手競馬をよろしくお願いします。
開幕初日メインは恒例となった3歳重賞「第49回スプリングカップ」(水沢1600m)。1着馬から3着馬に東京ダービー指定競走・ダイヤモンドカップ(5月5日 盛岡ダート1800m)の優先出走権が与えられる。
注目は当然のことだが、昨2歳最優秀馬フジユージーン。デビュー戦からスケールの違いをまざまざと見せつけて5戦5勝。ビギナーズカップ、ネクストスター盛岡、そして地方競馬全国交流・南部駒賞も完勝。2016年、ベンテンコゾウ以来となる地元重賞をもたらしてシーズンを終了。全員一致で2歳最優秀馬に選出された。
南部駒賞後はオーナー所有の富士ファームで休養。当初、京浜盃挑戦も考えていたが、500キロを優に超す大型馬。無理をせず自重し、乗り込みに専念。スプリングカップ→ダイヤモンドカップが陣営の描いているローテーションに決まった。昨年11月以来、5ヵ月ぶりの実戦で仕上がり度合いが最大ネック。プラス体重は当然だと思うが、どのような体で今回出走するか。個人的にも再会を非常に楽しみにしている。
単不動。相手は各馬が一長一短。次位争いは若干不確定要素を含んでいるが、リトルカリッジが筆頭と見た。デビュー2連勝を飾り、3戦目の芝重賞・若鮎賞は芝にとまどって8着に終わったが、ダートに戻ってビギナーズカップ2着に反撃。逃げてフジユージーンに0秒4差に健闘した。その後は順調さを欠いたが、終盤に2連勝。逃げ一辺倒から差す競馬を身につけて金杯も完勝。好ムードでシーズンを終えた。
今季始動が遅れたのが若干気になるところ。あやめ賞に登録があったが、スキップ。態勢がどこまで整ったかがカギを握る。これは最終チェックの場でもあるパドックを見ないと確信が持てないが、体重増減、毛ヅヤ、馬体の張りなどをしっかり見たいと思っている。
サクラトップキッドも今季初出走だが、遠野馬の里で冬場を過ごして坂路調教を消化。いきなりでも十分勝ち負けになる可能性は十分ある。あっさりデビュー2連勝。特に2戦目は2着に1秒9差で圧勝。その後は重賞路線に乗って南部駒賞5着、寒菊賞4着、金杯3着。決め手を武器とするタイプで本質的には盛岡向きだが、金杯3着なら上位争い必至。
サンエイキャノンは福島のテンコートレセンで鍛え直して帰厩。その効果が前走ではっきり。好位キープからあっさり抜け出しを決め、2着に0秒8差。パワーアップは誰の目にも明らかだった。父がパイロなら伸びしろも十分。ここでも好勝負を演じれれば将来も約束された。
ドリームキャッチは北海道1勝から転入戦を完勝。金杯7着、前走・あやめ賞7着は不満が残ったが、変わり身を期待したい。
◎③フジユージーン
〇①リトルカリッジ
▲④サクラトップキッド
△⑤サンエイキャノン
△⑦ドリームキャッチ
<お奨めの1頭>
3R ライヴマスタード
昨年8月以来の実戦だが、1年休養明けのダート戦で一けた着順2回。C2十組は恵まれた上、能力検査でも好タイムをマークした。
3月30日に行われた古馬850mの準重賞『奥州弥生スプリント』は2番人気のダイセンメイトが優勝。自身の850m9勝目を準重賞制覇で飾りました。
ロケットスタートを決めたカクテルライトを巡る展開になったこのレース、ダイセンメイトは先行勢を前に置いての2列目内ラチ沿いの4番手の位置。「前が開くのを待っていた」岩本怜騎手、直線に向いて狙い通りに進路が開くとそこから末脚を伸ばして一気に先頭へ。大外からカタナが強襲しましたが差は1馬身まで。ダイセンメイトが"850mのスペシャリスト"ぶりを見せつける勝利を挙げました。
今日は3月31日、2023年度の最終日です。3月10日から実質新シーズンがスタートしている岩手競馬ですが区切りとしては今日までが2023年度。3月のラストに開催日が目一杯入っているのもこの区切りの、というか4月1日が月曜日になっている影響なのでした。
2023年度の発売金額は3月30日時点で600億を超え、ここでいう「前年度」の2022年、JBCがあった年度に比べると減となりましたがそのさらに前年度・2021年度からは増となりました。いわゆる"巣ごもり需要"が落ち着いて、一方で物価高の影響なども心配された2023年度でしたが、全国的に思った以上に健闘しているのかなという印象をうけます。2024年度も明るいシーズンになりますように。
さて3月31日のメインレースは12Rの重賞『白嶺賞』。古馬オープン級1400m戦のこのレースが新シーズンの短距離路線の勢力図を占う一戦。
ちなみに次週4月7日のスプリングCが3歳クラシック路線の、そのさらに次週4月14日の赤松杯が古馬マイル~中距離の、それぞれ新シーズンを占う一戦ということになります。この後のレースにもご注目を。
さて。本命ですが当初フジラプンツェルを採っていましたが残念ながら31日朝に出走取消が発表されました。ここでは予想を変えていきたいと思います。
本命は(4)ゴールデンヒーラーとしました。
古馬になった2022シーズンからは中長距離路線で牡馬とも渡り合ってきた同馬ですが今年は短距離方向に主眼を置くとのこと。昨年も春の始動戦に1400mの栗駒賞を選んでいますがこれはあくまでもレース間隔からの兼ね合いという面が強かったので、短めの距離を狙っていくという意味で短距離線から始動するのは初めてと言えるかもしれません。
とはいうもののその昨年の栗駒賞では3歳時以来の1400m戦にも戸惑うことなく快勝していますし、なんとなれば2~3歳時には1400mの重賞を3連勝してもいます。今回の距離に苦手感があるどころかむしろ得意と見ていいのではないでしょうか。
すでに春の始動戦を済ませているライバルたちに対して初戦のハンデはあるでしょうが、6歳のベテラン牝馬、力を出す仕上げは馬も陣営も手の内に入っているはず。まずは初戦から地力を見せてくれると期待。
対抗は(1)シガーヲスウオトコを。9歳馬の転入初戦、近年はレース間隔が広めというところは一応気になるところですが、中間は強めの追い切りをしっかりこなして態勢は整っているようです。大井の1200mだと流れが忙しく、1400mくらいの方が楽に流れに乗れそうな印象もあるレースぶり。あとは2月以来になる分の馬体重の変動に注意。
三番手は(5)アメージングラン。前走はその後850mに回った馬も多く結果を過信できないのかもしれませんが、高知に比べて軽い水沢なら戦いやすい事は示しました。ここでも流れひとつ・立ち回りひとつでしょう。
連下ヒモの一番手は(2)ドルズプライスレス。重賞は初挑戦、A級で勝ち星があるとはいえメンバー大幅に強化ですが、マイルより1400mの方が気持ちよく戦えそう。もう一頭は(11)ケイアイサクソニーを。前走はちょっと振るわなかったですが馬の気配は悪くなかった。昨年の戦績からも今一番力を出せるのはこの距離に思えます。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(4)=(1)、(4)=(5)、(4)→(2)、(4)→(11)、(1)=(5)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
30日メインは今年新設されたオープン準重賞「第1回奥州弥生スプリント」(水沢850m)。まだまだ先だが、6月9日、同じ水沢850mで行われる「第9回早池峰スーパースプリント」への道が始まる。
昨年までこのカテゴリーでキラットダイヤ(父サウスヴィグラス)が圧倒的な強さを誇示し、早池峰SS3連覇の偉業を達成したが、昨年で引退。繁殖生活に入った。今回のテーマは必然的に"ポスト・キラットダイヤ"。その最有力馬は今回出走するトンデコパ、ダイセンメイトの2頭に絞られる。
本命はトンデコパ。門別・2歳新馬戦を快勝し、フルールカップ2着、牝馬交流・プリンセスカップ(水沢4着)など早い時期から活躍。その後、門別3勝から3歳12月に転入。いきなり水沢850mのコースレコードを0秒3更新。走破タイム49秒1はいまだに塗り替えられていない。
直後に南関東へ移籍して2戦使った後に再転入。3着最高に終わり、再び南関東へ移籍。2勝2着3回の成績を残し、岩手へ再々転入。初戦の1400m戦は3ヵ月半ぶりの実戦、距離も長かったが、3着に粘った。久々を叩いて水沢850m・奥州弥生スプリントは予定どおりのステップ。父サウスヴィグラス、板垣吉則調教師、オーナー・小林祐介氏はキラットダイヤとまったく同じ組み合わせ。ポスト・キラットダイヤの一番手はこの馬。
ダイセンメイトは3歳まで金沢で走って31戦2勝。平凡な成績で終わり、名古屋1戦を経て転入。当初2戦とも着外に終わり、調教師は試しに850mを使ってみたら反応が一変。隠れた才能が一気に開花して水沢850m8勝、盛岡ダート1000m3勝。1000m以下で持てる能力をフルに発揮した。
しかし1200m以上になると失速の連続。これほどのスペシャリストも珍しいが、最下級からオープンまで駆け上り、勝ち負けを演じるまで出世した。トンデコパと同様、一度実戦を使って奥州弥生スプリントが陣営の構想。仮に制すれば早池峰SSでも主役扱いになるに違いない。
アップテンペストは昨年、笠松から里帰り。初戦の早池峰スーパースプリントでキラットダイヤの2着を確保した。その後、同じ水沢850m戦で1勝マーク。1200m戦だと折り合いを考えなければならないが、ひと息で行ける850mが合う。4ヵ月半ぶりの実戦はハンデだが、適性を前面に上位進出を狙う。
アヴェントゥリストは昨年2勝を盛岡ダート1200m、1000mでマークしたが、ベストは850m戦。過去15戦6勝2着6回と抜群の連対率を誇っている。こちらもサウスヴィグラス産駒。スピードは折り紙付き。
カルーナブルガリスは850m、1000mで頭角を現し、特に850m戦は2勝2着5回3着2回。すべて馬券対象を果たしている。前走1400mを叩いて変わり身必至。
カタナも同様、850m5戦3勝。ノド鳴りのため距離が限定。岩手では850mが好走の舞台となっている。
◎③トンデコパ
〇④ダイセンメイト
▲⑦アップテンペスト
△⑧アヴェントゥリスト
△⑨カルーナブルガリス
△⑥カタナ
<お奨めの1頭>
2R サハラントアジア
前走2着は相手が強かった。南関東C2から転入初戦を好タイムで完勝。このメンバーなら首位を譲れない