8日メインは古馬第一弾の重賞「第43回赤松杯」(水沢1600m)。毎年、シーズンを占う重要な一戦で昨年はイーグルカザンが優勝。
4連覇を目指したナムラタイタンは3着に敗れ、直後に引退を表明。結果的にイーグルカザンが印籠を渡す役割となった。それがフロックではなかったことは重賞3勝で証明。すずらん賞、白嶺賞も制した。
あれから1年が過ぎ、赤松杯へ連続出走を果たすのはイーグルカザン1頭のみ。岩手オープンの勢力図がガラリ一変した。
今年の主役は4歳馬ベンテンコゾウ。昨年は奥州弥生賞を圧勝後、北海道3冠を目指して遠征。北斗盃、北海優駿とも完勝し、史上5頭目の3冠達成の期待がかかったが、王冠賞3着で夢実現はならなかった。
もちろんスーパーステションが強かったが、前後して体調を崩したのも敗因。当初、不来方賞から復帰する予定だったが、間に合わず11月のA級戦までずれ込んだ。
それでも当初の最終目標だったダービーグランプリに駒を進めたが、再びスーパーステションに完敗5着。続く桐花賞もエンパイアペガサスの2着に敗れた。
そこで心機一転、南関東へ一旦移籍。A2で連勝を飾り、好ムードで帰郷した。春のターゲットはシアンモア記念、みちのく大賞典。世代交代をテーマに赤松杯に臨んできた。
タイセイファントムは昨年11月に転入。中央時代にクラスターカップへ参戦して6着だったが、移籍初戦の絆カップで目の覚めるような末脚で完勝。ラブバレットを並ぶ間もなく交わした。
白嶺賞はイーグルカザンの3着だったが、クビ、アタマ差の僅差。そのうっ憤を晴らすかのようにトウケイニセイ記念を優勝。重賞2勝目を手にし、古豪健在をアピールした。
佐藤雅彦調教師「年齢も年齢(今年10歳)ですから、緩めると立て直すのに時間がかかる。ですから冬場はBTCでずっと乗り込んできました」
自慢のマクリ脚でベンテンコゾウの挑戦を退けるか。
ロジストームは福島芝2000m・2歳新馬戦1着。その後、3戦0勝から6ヵ月の休養を経て南関東へトレード。当初2戦は伸びを欠いたが、3戦目から4連勝。秘めた素質が開花した。
ここ2戦は3、2着止まりだが、岩手通用は誰の目にも明らか。550キロの大型馬がパワーにモノを言わせ、主役に躍り出るか。
イーグルカザンは昨年4月、岩手へ転入。冒頭に記したように赤松杯を快勝。「詰めが甘いタイプなので時計かかる岩手の馬場が合ったんでしょうね」。その後も重賞路線を走り、年間を通して活躍した。こちらもタイセイファントムと同様、BTCで乗り込まれて好状態。連覇を狙う。
チェリーピッカーは中央未勝利から転入。圧巻の12連勝を飾り、ついにオープン入り。夏負けした時期もあったが、立て直しに成功。重賞・青藍賞を制した。冬場はテンコートレセンで鍛え直して勢いを取り戻すか。
◎④ベンテンコゾウ
〇⑥タイセイファントム
▲③ロジストーム
△①イーグルカザン
△②チェリーピッカー
2018年度の開幕を飾った3歳牝馬重賞・あやめ賞は圧倒的1番人気に支持されたスターギアが完勝。グランダム・ジャパン3歳シーズン・留守杯日高賞へ向けて好発進を決めた。
当日、馬体重が金杯時に比較して18キロも減っていた。スターギアは盛岡所属。おそらく久々の輸送でテンションが上がった影響だと思うが、それでも2着バレンティーノに6馬身差をつけて圧勝。地力の違いを見せつけた。
先日、留守杯日高賞の遠征登録馬が発表された。アクアレジーナ(大井)、エグジビッツ(北海道)、スリルトサスペンス(笠松)、プリムラジュリアン(北海道)、リッカサンサン(浦和)、ローザルーナ(笠松)。
グランダム2歳優勝エグジビッツを巡る戦いになりそうだが、スターギアには地の利がある。対決の日22日が待ち遠しい。
また2歳最優秀馬チャイヤプーンも始動。4月2日9R・3歳A級戦に出走し、2着ナナヒカリに8馬身差で圧勝した。
1頭で抜け出し、外から内にササったのは愛嬌。昨年よりさらに凄みを増した印象だった。次週にスプリングカップを控え、最高の滑り出し。3歳2頭の動向に注目してほしい。
7日メインはC1「大屋梅賞」(水沢1400m)。人気を集めるジャガーゲイム、ミスタージャックのどちらを本命に迷ったが、実績重視。
ミスタージャックは佐賀出身。デビュー2連勝から重賞・天山賞を優勝。その後、南関東C1でも1勝。通算13勝をあげている。
ここ6戦は着外だが、南関東B3・C1、園田B1はクラスがきつく、岩手C1なら格付け有利。しかも9勝マークの1400m戦と好走条件がそろった。
ジャガーゲイムは福島芝1800mでクビ差2着。500万下へも2度挑戦した。移籍初戦は初ダートが課題だったが、能力の違いを見せつけて完勝。C1通用を証明した。
ただ前走大外9枠に対し、今度は12頭立て2番枠。砂を被った際に戦意喪失する可能性もあるが、枠差を利して逃げの手に出れば逆転十分。
クレアチェイスは中央芝で3着3回。岩手入り後も芝1000mで2着を確保し、水沢1400mでも2着。ダートも問題なくクリアーした。
今季はB2からC1へ降格して初戦を快勝。幸先のいいスタートを切り、上昇ムード。相手強化だが、前走タイムで勝ち負けに持ち込める。
マックスキュアの好勝負パターンは内の経済コースから直線抜け出し。前回は大外が不安だったが、阿部英俊騎手がうまくインに入れて快勝。久々の美酒を味わった。今度は内4枠を引き当て、再現まで可能だろう。
ハコダテキミコも展開に左右されるが、ひと脚を使えると切れを発揮。前走2着と好走した。こちらも1枠は願ってもない枠順。
ヤマニンアルバスは外枠が微妙だが、水沢<3.3.0.1>の高連対率。スンナリなら軽視できない。
◎⑨ミスタージャック
〇②ジャガーゲイム
▲⑪クレアチェイス
△④マックスキュア
△①ハコダテキミコ
△⑧ヤマニンアルバス
<お奨めの1頭>
7R スタートレイン
中央未勝利ながら5着の実績。ダート未経験だが、3歳C1なら能力の違いが明らか。
★重賞あやめ賞はスターギアが優勝
4月1日、2018シーズン開幕。その初日に行われた3歳牝馬の重賞『あやめ賞』は1番人気に推されたスターギアが完勝しました。
逃げた馬の2番手を抑えきれない手応えで追走していたスターギア。勝負所からは自らのペースで仕掛け、危なげなく抜け出すとそのまま後続に6馬身差を付ける圧勝。2歳時の重賞で2着2回、それも2歳チャンピオンとなったチャイヤプーンに食い下がってきた地力を発揮してみせました。
4月3日のメインレースは11Rの『震災復興子ども達に夢と笑顔を』、B1級一組のダート1600m戦です。これが転入初戦になる馬もいますが、それらの馬たちも含めて3月に一度叩かれた馬ばかり。各馬とも自身の力をよりしっかりと発揮できるようになっているのではないでしょうか。
さてこのレースの本命は(6)モルフェワインを狙いましょう。前走・3月21日のほぼ同条件のレースで快勝。振り返ってみれば昨季終盤もB1級上位組で常に上位を争ってきており安定感はここでも上位といえます。そしてその前走は決して楽では無い展開をくぐり抜けて勝ってもいて好調感も十分。ここは素直に連勝期待と見るのが妥当でしょう。
対抗は(2)ニーマルキングでどうでしょうか。ダートでは重・不良が得意で前走などもその条件に合致していたわけですが、今くらいのちょっと深めくらいの馬場傾向ならこなせるはず。昨年の今頃はA級で走っていた地力が活きるのでは。
▲は(10)ヤマニンボアソルチ。ややあてにしづらいものの先行してしまえばしぶといタイプ。枠順が微妙ですが前走のようなパターンの再現を狙ってみる価値はあるでしょう。
今回が転入初戦の(8)ランニングマンは本来の逃げ足を発揮できたとしたら怖い存在になるでしょう。(1)サチノリーダースも前走の1800m、その前の1900mよりはマイルの方が合う馬。現級で勝っているだけに軽く見るのは禁物。
●11Rの買い目
馬単(6)=(2)、(6)=(10)、(6)→(8)、(6)→(1)、
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★オッズパークLOTO 5重勝/4月3日(対象7R~11R)
7R/評価A: 8番 評価B:10番、 6番 穴:9番、4番
8R/評価A: 4番 評価B: 2番、 1番 穴:9番
9R/評価A: 1番 評価B: 9番 穴:2番、7番
10R/評価A: 6番 評価B: 3番 穴:4番、1番
11R/評価A: 6番 評価B: 2番、10番 穴:8番、1番
先週の特別開催は話題満載の4日間だった。25日は1月末に引退を発表した鈴木麻優元騎手のセレモニー、4月上旬から韓国で騎乗する高橋悠里騎手の壮行セレモニーが行われた。
驚いたのは鈴木麻優元騎手の引退セレモニーに集まった方々。久々に水沢競馬場のパドックがぎっしり埋まった。気仙沼からも同級生が駆けつけた。
セレモニーは明るい雰囲気で執り行われたが、鈴木麻優元騎手が挨拶途中でいきなり声を詰まらせた。「運動神経が鈍くて馬に遊ばれっ放しの自分が67勝もできるなんて...」
おそらく色んなことが去来したと思う。それでも気を取り直して「これから馬に騎乗して応援されることがなくなるのは寂しい気もしますが、新しい道に進んでも応援をよろしくお願いします」と締めた。
新しい道とは"自称"競馬評論家。すでにネット競馬、日刊スポーツで予想デビュー。「騎手目線で予想をし、馬券を当てて帯封を取りたい」とのこと。
3月29日、グリーンチャンネルの岩手競馬情報番組「iチャンネル」でも予想を披露してくれた。あやめ賞の予想は◎キャクタス、〇スターギア、▲バレンティーノ。果たして結果は如何。
高橋悠里騎手は4月上旬から韓国・釜山競馬場で騎乗する。韓国での騎乗は2015年以来、2度目。その時はソウル競馬場が主戦場だったが、今度は釜山がメイン。
高橋悠里騎手「前回は26勝をマークしましたが、今回は具体的な数字目標を考えていません。初心に返って騎乗に臨みたいと思っています」。
健闘を祈りたい。
2日メインは「エイプリルカップ」(B2 水沢1600m)、12頭立て。上がり馬、格上馬、好調馬がそろい、おもしろいメンバー構成となった。
主軸にワイルドロジャーを指名する。昨年12月、北海道A1から転入して一戦使って4着。オープン通用を証明し桐花賞へ選ばれたが、挫石のため出走を取り消し。
今シーズンが仕切り直しの一戦で、しかもB2へ降格。好走条件がそろったが、伸び切れず3着。久々の実戦でレース勘を取り戻していなかった印象だった。
しかし叩かれて気配上昇は確実。忙しいマイルに若干不安が残るが、総合力でカバー。岩手初勝利を飾る。
ウインバーニングは昨年1勝2着2回。毎回のように電光掲示板を確保するが、詰めの甘さがつきまとっていた。
それを払しょくしたのは短距離路線へ変更してから。ジリ脚が解消して好走を続けた。加えて今季の小林俊彦きゅう舎は絶好調。勢いに乗って1600mも突破する。
アルアンダルスは中央未勝利から転入後、6戦5勝。前走は2クラス上がってB2戦だったが、アッサリ逃げ切りを決めて3連勝。まだまだ伸びしろがありそうな内容だった。
今回はメンバーが骨っぽくなって正念場。大外も厳しい条件だが、仮に勝てれば今後も約束された。
マコトグナイゼナウは前走、ウインバーニングに0秒1差2着。シャープな末脚を披露した。流れに左右される面はあるが、これできっかけができたのは確か。格を前面に待望の白星を手にするか。
ウップスアデイジイは前回3着。最後のひと伸びが足りなかったが、休み明けを考えれば及第点。実戦2度目でさらに上を望める。
ワンドロップはマイペースの逃げに持ち込めれば粘り発揮。同型をさばくのがカギだが、願ってもない内3枠を引き当てた。
◎⑥ワイルドロジャー
〇①ウインバーニング
▲⑩アルアンダルス
△⑧マコトグナイゼナウ
△⑦ウップスアデイジイ
△②ワンドロップ
<お奨めの1頭>
9R チャイヤプーン
2歳最優秀馬が満を持して始動。まだ荒削りな面あるが、逆にスケールを感じさせる。岩手クラシックの主役になれるか注目
新年度4月1日(日)が2018年度の岩手競馬開幕日。いきなり日曜日から火曜日(3日)の変則開催となる。
本当は3月31日(土)からスタートしたかったと思うが、岩手競馬は4月1日~3月31日が年度の区切り。年度をまたぐ訳にはいかなかった。
それに伴い、毎年度開幕日を飾った3歳・スプリングカップは2週間後の4月15日(日)に実施され、開幕初日メインは3歳牝馬重賞「第43回あやめ賞」(水沢1400m)。
背景は4月22日、"グランダム・ジャパン2018"3歳シーズン「第18回留守杯日高賞」(水沢1600m)が控えているから。全国交流は他地区との兼ね合いがあり、この日は不動。
必然的にトライアル・あやめ賞は3週前には実施しなければハードローテーション確実。とりわけ調子の波が激しい3歳牝馬は間隔を開けなければ過酷となる。
以上の理由だけではない。あやめ賞の1着賞金が150万円から250万円へアップ。本番・留守杯日高賞も250万円から300万円へ増額し、いかに牝馬シリーズを重要視しているのがうかがいしれる。
スターギアを本命視するのが妥当だろう。昨シーズン2歳交流は北海道勢が席巻。ほかの重賞もほぼ北海道から移籍した組が優勝した。
スターギアも北海道2勝2着2回から転入。岩手初戦、3戦目の2歳A級戦を圧勝し、寒菊賞、金杯2着。2戦を制したチャイヤプーンは2歳最優秀馬に選ばれ、スターギアのレベルも推して知るべし。当然だが、チャイヤプーンも北海道から移籍した。
あくまでもあやめ賞は留守杯日高賞へ向けた叩き台だが、以上の実績を考えれば余裕で勝てるはず。好発進を決める。
一つ気になるデータがある。あやめ賞の過去5年、1番人気<2.1.2.0>と複勝率は100%だが、意外に取りこぼしも多い。この時期は発情期と重なるのが理由だが、他の陣営にも逆転の可能性がある。
バレンティーノは門別1000mの2歳新馬戦1勝のみだが、笠松移籍後もラブミーチャン記念2着、ライデンリーダー記念、ジュニアクラウン3着。
中央へも積極的に挑戦して中京500万下7着(0秒6差)、前走も阪神で0秒5差9着と健闘した。
400キロ前後の小柄な牝馬で阪神を3月17日に使い、その直後に水沢へ移動。体重減が若干不安だが、実力的には間に合うはず。鞍上に主戦だった佐藤友則騎手を指名し、意欲満々。
キャクタスはデビュー2戦目の中山芝1200m2着から3戦目、同じ舞台に1着。その後は500万下で頭打ちとなり、岩手へ新天地を求めてきた。
特別開催は未経験のダート対応を試す一戦だったが、直線伸びてニッポンダエモン、リュウノムーンに次いで3着確保。この2頭は牡馬クラシックをにぎわす有力馬。いろいろな意味で収穫が多かった。
マイルから1400m短縮は望むところだし、コースにも慣れたのは確実。ただ、前走は砂を被らなくてよかった8頭立て8枠だったが、今度は真ん中の5番枠。ポジション取りが最大のカギとなりそう。
ピーベリーは芝1000mを舞台にデビュー2連勝。2ヵ月ほど休養してプリンセスカップへ臨んだが、逃げて失速12着。初ダート、休み明けがこたえた。続いてJRAにも挑戦し、16頭立て16着、タイム差は1秒5。ダート克服が課題だが、好枠を引き当てた。マイペースなら。
リュウノフラットはデビュー2戦は大敗だったが、以降は安定。最終2戦を勝ったスターカネサダ、エルノヴィオは実力馬。それを考えると軽視できない。
ベストロードは芝・若鮎賞を制したように本質的には芝馬だが、軽い馬場ならダートもこなせる。
◎⑩スターギア
〇⑦バレンティーノ
▲⑤キャクタス
△③ピーベリー
△②リュウノフラット
△⑧ベストロード
<お奨めの1頭>
3R リガードリング
前走2着確保したのに加え、このメンバーでは走破タイムが出色。順当に勝利をモノにする