
6月8日に行われた3歳馬の頂点の座を競う重賞『東北優駿』は、岩手転入後2戦目となるリケアカプチーノが優勝。自身初の重賞タイトルを"岩手のダービー"制覇で飾りました。
今回もブリスタイムの大逃げで幕を開けた頂点決戦。リケアカプチーノはしかしそれには惑わされずに離れて追走する2番手集団の中で機をうかがいます。「マークしたい馬を意識しての位置取りから、最後は馬の力を出し切る競馬をしたかった」と鞍上の吉原寛人騎手。脚を試す意味もあって、と早めに仕掛けつつ最後まで押し切る形で結果7馬身、鞍上のみならず陣営も納得の強さでタイトルを勝ち取りました。
2着には中団から優勝争いに加わってきたサンロックンロールが入って菅原勲調教師の管理馬のワン・ツー。3着には勝ち馬にマークされる形になったユウユウコラソンが、最後離されながらも粘り切りました。次戦はレース直後は未定とのことでしたが後に一條記念みちのく大賞典挑戦のプランが浮上。久しぶりの3歳馬の挑戦が実現なるか?楽しみです。
今週から水沢競馬場に舞台を移した岩手競馬ですが、早速暑いですね・・・。関東や西日本は先日からこの時期に無い暑さというお話で、でも岩手はまだそれほどでもないし・・・と油断していたら一気に来ました夏の暑さ。気候の急変で体調を崩されないようくれぐれもお気をつけください。
6月10日のメインレースはB2級ダート1600mの『夢・希望 未来へ前進』11頭立て。本命は(6)リュウノハイルを狙います。
春の再転入後の4戦は全て1番人気の支持。それでいて勝ち星が転入初戦のひとつだけなのは少し物足りないようにも感じますが、二走前は1800mが思った以上に長かった可能性がありますし、もしかしたらマイルも少し長いのかもしれません。再度マイルで戦えるのは、距離短縮と見ればプラス材料。転入初戦に勝ったのが水沢マイルだった事も後押しの材料になるでしょう。前走は前にいるほど有利な馬場傾向でもありました。決め手あるこの馬にとっては良馬場が続く割には時計の速い今の水沢も悪くないのでは。
(7)ライルアケカイが対抗。前走は昨年12月2日。それが転入初戦で2着したが、その時の勝ち馬は今季A級でも勝っているサンエイブレーヴ、3着は南関A級から転入してB1を突破しつつあったファルコンビーク・・・などというようにB1の格以上にレベルが高いと思える相手関係の中での結果でした。今回のライバルで昨冬も在籍していた馬の当時のクラスはC1~B2あたりが多いという事と比較すれば力量は一枚上手。あとは休み明けの影響がどうか?という事に。
(3)クラウンハヴィが三番手。前走は盛岡で勝ちましたがそれ以前は水沢が、右回りが良いのかと思う戦績でした。極端な前残りでは無い今の馬場傾向もこの馬の味方に。
以下、(9)ソロムコは10歳馬ながら大崩れせず堅実。(2)ホーリーバジルもやや勝ち味の遅さはありますがこちらも手堅い。いずれもコース替わりも良さそうという所で押さえに。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(6)=(7)、(6)=(3)、(7)=(3)、(6)→(9)、(6)→(2)、
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6月8日(日)から始まった水沢競馬。現在、地方競馬の主催者で2つのコースを持っているのは岩手と園田のみ。南関東は基本4場の持ち回りだが、主催者は別々。さらに岩手競馬は1周1600m左回りバンケット=盛岡競馬場、1周1200m右回りフラット=と真逆のコース。
9日メインの「ジューンカップ」(B2級 水沢1900m)もコース適性と距離適性が重要なファクター。結果、前走1着馬ではない2頭が本線となった。みなさんも戸惑うかもしれないが、これが岩手競馬。盛岡競馬のパフォーマンスを前提にしながらもデータはいったんクリアーするのが賢明だと思う。
主軸にモンサンイルベントを指名する。阪神ダート1800m2勝、大井1800m1勝・南関東から転入後、2勝2着5回3着4回。今シーズンはまだ0勝だが、2着3回3着1回とマズマズの成績を残している。ただ、2着3回はいずれも水沢コース。前々走・メイカップで盛岡戦でも3着に突っ込んだが、盛岡コースはそれを含めて3着3回が最高。過去実績からも右回り巧者と見て間違いない。加えて1800m戦は3勝2着4回。1800m以上がベスト距離と見て良く、今回は待ちに待った一戦。今季初勝利へまい進する。
ウイニングライブは新潟芝2000m1勝から転入。岩手B1へ編入したが、昨年1勝2着1回3着1回と通用を証明した。今季は始動が遅れたが、C1へ降格してメンバーが緩和。休み明けを問題にせず初戦を快勝した。前走・新緑賞は4着にとどまったが、相手が強かった上、先行決着に泣いた一戦。評価ダウンにならない。1900m延長は望むところ。逆転のシーンまで十分。
ヤークトボマーは中央2勝クラス、高知8勝、門別1勝・A1から岩手入り。C1編入にも恵まれて初戦2着から2連勝を飾った。以降は6着2回、5着1回と伸びを欠いたが、3戦とも盛岡が舞台。追い込みタイプだが、コースが合わなかった。今度は右回り水沢に替わり、1900mも歓迎。盛岡戦のうっ憤を一気に晴らす。
ナリノバロンは南関東3勝2着3回8回から転入。4戦目の水沢1600m戦を快勝した。続くメイカップは9着に終わったが、前後して入着を確保。勝ち味に遅いが堅実さを発揮している。流れが速くなれば連対確保の可能性は十分ある。
アイリュールは函館ダート1700m3着1回から転入。2勝2着1回と好発進を決めたが、今季2戦から伸びひと息。頭打ちかと思ったが、B2級へ降格した前回0秒7差で逃げ切って完勝。自分の競馬ができれば再現まで。
ゴールドクレストは気性難を抱えて好、凡走の繰り返し。小回り水沢は割り引きが必要だが、通算11勝の格上馬。一発を警戒したい。
◎⑩モンサンイルベント
〇①ウイニングライブ
▲②ヤークトボマー
△⑥ナリノバロン
△⑦アイリュール
△⑧ゴールドクレスト
<お奨めの1頭>
2R スピードスター
前々走2着に敗れたが、前回で首位を奪回。850m戦も転入戦快勝で問題ないことを証明済み。もう一丁いける
今週から舞台は水沢競馬場へ移り、開催替わり初日8日メインは岩手クラシック二冠目「第33回東北優駿」(水沢2000m)。全馬が未知の2000mへ挑むのが焦点。おそらく距離の壁に泣く有力馬も出てくるに違いない。
リケアカプチーノは高知でデビューし、現在まで9戦5勝2着4回。転入初戦となった東日本交流・岩手一冠目「ダイヤモンドカップ」でも2着を確保した。優勝シーソーゲームは東京ダービーへエントリーなら、連対を確保したことを評価したい。昨年の2歳交流、今年の3歳交流戦はすべて遠征馬に凱歌。岩手在籍馬は苦戦の連続でリケアカプチーノはダイヤモンドCで岩手最先着2着。今回は初の2000mだが、全馬にも言えること。今回は地元同士の戦いなら順当に岩手二冠目を手にする。
ラヴェイは門別1000m・新馬戦を完勝。4戦1勝から昨年転入し、初戦2着以降は苦戦の連続。盛岡対応にも手こずったが、徐々に本来の動きを取り戻して重賞・金杯を快勝した。今季初戦のスプリングカップでも2着にまとめたが、ネクストスター北日本7着、ダイヤモンドC11着に完敗を喫した。しかし前者は北海道勢が強い中、岩手最先着。ダイヤモンドCは盛岡が合わなかったと解釈すれば反撃必至。実績ある水沢に替わって本領を発揮する。
サンロックンロールは門別・新馬戦2着だったが、1着エイシンハリアーは園田へ移籍して兵庫ユースカップ優勝、交流・ネクストスター西日本2着だからレベルは推して知るべし。その後、半年の休養を経て佐賀へ移籍。あっさり4連勝を飾った。5戦目は1750mへ延長され、出遅れを喫したため後方からの競馬。メンバー最速の上がりを使ったが、3着。岩手初戦でも出遅れたが、直線一気に伸びて快勝した。距離対応がネックだが、小回り右回りなら克服十分。
ユウユウコラソンは岩手2勝2着2回3着1回から南関東へ移籍。3戦3着1回から帰郷し、ネクストスター北日本は11着だったが、以降は3連勝を飾り、重賞・イーハトーブマイルも完勝した。一戦ごとに地力アップは疑いなし。
サウザンドマイルはデビュー戦2着に終わったが、ひと叩きされて動き一変。2連勝を飾り、若鮎賞を1秒差で圧勝した。続いて交流・ジュニアグランプリ3着、ネクストスター盛岡2着後、骨折が判明。7ヶ月の休養を余儀なくされたが、復帰戦4着。この一戦を使って上昇確実。
タカラクロロックはいまだ未勝利ながら2着5回。前半で置かれる傾向があり、勝ち味に遅いが、ばりばりのイギリス血統の持ち込み馬。2000mに活路を拓くか。
◎⑦リケアカプチーノ
〇⑧ラヴェイ
▲④サンロックンロール
△⑩ユウユウコラソン
△⑤サウザンドマイル
△②タカラクロロック
<お奨めの1頭>
8R リュウノナポレオン
3歳有力馬はメイン・東北優駿へエントリーし、手薄なメンバー構成。きっちり首位を奪回する。
6月1日(日) 「第26回あすなろ賞」(オープン 盛岡ダート1800m)
好スタートを決めたグラシアスが先手を主張。2番手にサンビュート、3番手外にミニアチュール、4番手インにスズカゴウケツ、続いてノーブルサターン。ヘリオスはスタート直後につまづいたが、位置を取りにいかず前半は中団外を追走、その内にサクラトップキッド。
1コーナーを回ってグラシアスが後続を離して逃げたが、4コーナー手前で一杯。その外からミニアチュール、さらに外ヘリオスの2頭が交わして先頭。直線の叩き合いに持ち込まれたが、残り200mで抜け出して2馬身半差。2着ミニアチュール、3着は直線でじわじわと伸びてきたサクラトップキッドがノーブルサターンを交わして確保した。
1着・ヘリオス=岩本怜騎手
「指示は2、3番手だったが、スタート直後につまづいてちょっと焦った。ですが、無理にポジションを取ると脚を使ってしまうのでリズムを重視。レースも流れていたので中団に控えたが、逆にコースロスなく立ち回れたと思う。2コーナー過ぎにヘリオスがハミを取りましたからね。気分を害さないように行ってしまおうと決めた。直線でミニアチュールを交わしたあと、少し勢いを失ったが、最後まで一生懸命に走ってくれた。今回が初騎乗でしたが、どこからでも競馬ができるタイプですし、操作性も高い馬。1800m以下ならどんな流れにも対応できると思います」
千葉幸喜調教師
「転入2戦が案外の結果でしたから、今回は中央時代と同様、ブリンカーを着用して臨んだ。鞍上には2、3番手につけてほしいと言ったが、つまづいてしまいましたからね。中団もやむなしだったが、うまく乗ってくれた。それと今回は連闘でしたから運動量を控えたが、高齢馬ですから結果的にそれも好走要因だったかもしれない。次走予定は登録を済ませたさきたま杯だが、みちのく大賞典の優先出走権も獲得しましたから、改めてオーナーと相談して決めたいと思っています」
ヘリオスは中央ダート8勝。2022年のマイルチャンピオンシップ南部杯でハナ差2着などを含めて2着6回。ダートグレードの常連で鳴らし、今年一番の大物転入。しかし栗駒賞、シアンモア記念と伸びを欠いて4着止まり。前途に暗雲が立ち込めたが、今回きっちり完勝。岩手限定とはいえ、初の重賞タイトルを獲得した。千葉幸喜調教師のコメントにもあるとおり、次走はさきたま杯か、一條記念みちのく大賞典になる模様だ。
2着・ミニアチュール
今季3着、2戦目・栗駒賞8着と凡走したが、元々が実戦を使われながら調子をあげていくタイプ。シアンモア記念3着で復調の手ごたえをつかんで今回2着。ヘリオスの格に屈したが、これで勢いを取り戻したと判断していいだろう。
3着・サクラトップキッド
昨年11月、岩手競馬の最長距離2500m・北上川大賞典を優勝。3歳馬初の快挙を果たし、桐花賞0秒4差5着後、完全休養。あすなろ賞が今季初戦となったが、3着入線。収穫の多い一戦となった。この一戦を叩いて一條記念みちのく大賞典は予定どおりのステップ。
今週の岩手競馬
6月8日(日) メイン11R「第33回東北優駿」(3歳 水沢2000m)
6月9日(月) メイン12R「ジューンカップ」(B2級 水沢1900m)
6月10日(火) メイン12R「夢・希望 未来へ前進」(B2級 水沢1600m)
6月1日に行われた古馬・ダート1800mの重賞『あすなろ賞』はこれが岩手転入後3戦目のヘリオスが優勝。9歳の初夏にして自身初の重賞制覇を果たしました。
M3重賞ながらシアンモア記念の上位馬も顔を見せる好メンバーとなった今年のあすなろ賞。2番人気に支持されていたヘリオスは、しかしスタート直後に躓いて後手をふむ形に。すぐに巻き返したものの1コーナーでは6~7番手あたり。先行有利な馬場傾向でもあり一瞬不安がよぎりましたが鞍上は「無理に脚を使わなくてすんで結果的に良かった(岩本怜騎手)」。
向こう正面から動き出したヘリオスは逃げるグラシアスを追い上げる集団に加わって一気に上昇、3~4コーナーではミニアチュールの外に並んで交わす勢い。直線の攻防は、粘るミニアチュールを坂の上あたりで捉えてその勢いのままゴール。9歳夏、通算47戦目での初めての重賞タイトル獲得となりました。次走はさきたま杯とみちのく大賞典の両にらみですが前者が有力です。
6月3日のメインレースは12Rの『スプリント特別』、オープンのダート1200m戦、10頭立て。
5月のGW初日からスタートした2025シーズン最初の盛岡開催も今日6月3日でひと区切り。次週からは初夏の水沢開催へと舞台を移します。約一ヶ月のそれを終えての次の夏の盛岡開催ではいよいよグレードレースシーズンが開幕。早くも次の盛岡開催が待ち遠しくなってきました。
さてメインレースの予想です。本命は(4)ユイノダンディズムを狙います。
今季は3戦して前走の2着が最高。二走前の栗駒賞で大きく引き離されて敗れた馬がいるのは厳しいようにも見えますが、三走前の白嶺賞、こちらの比較であれば今回のメンバーでも上位争いができておかしくない走りを見せていたと言えるはず。
もう一点、岩手では3勝を挙げている本馬ですが、盛岡での勝ち星は昨年10月の1000m戦。この内容が悪くなかった。コーナーを回りながら加速する・・・のような動きがあまり得意ではないように見えるこの馬だけに水沢よりは盛岡の方が持ち味を活かし切れる可能性が大。距離もマイルより良いはず。相手関係は楽ではないですが舞台設定は合うと見て本命に推してみます。
対抗は(5)スプラウティング。前走・栗駒賞では6番人気での勝利でしたが休み休みの臨戦過程で良化途上かと懸念されたのが人気が低かった理由。勝ったこと自体をフロック視するのは避けるべきです。意外に経験が少ない1200mですが左回りには苦手感無し。
三番手は(3)ロードオブザチェコ。JRA3勝クラスから転入初戦だった前走を圧勝。その前走は今回に比べれば手薄に感じる相手関係ではありましたが、8馬身差で勝った事を思えば相手が強化されてもの計算。JRA時代は右回り主体でしたが元々は南関東デビューで左回りを主戦場としていました。初盛岡でも力は出せると判断。
あとはまず(10)レディブラウン。栗駒賞は折り合いを欠いた分なのか白嶺賞とはうって変わった苦しい走り。元々盛岡1200mは得意な舞台ですし、巻き返す力量もある馬。もう一頭は同じ8枠の(9)グットフォーチュン。1200mも少し長い感じになる戦績ですが水沢より盛岡向きのタイプ。コース替わりを前に今シーズンのメドを立てておきたいところでしょう。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(4)=(5)、(4)=(3)、(5)=(3)、(4)→(10)、(4)→(9)、
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ