松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。 10月26日に行われた2歳牝馬の地方競馬全国交流重賞『プリンセスカップ』は門別・トリップスが逃げ切り勝ち。同馬は遠征で自身初の重賞タイトルを獲得しました。
12頭立ての大外からの競馬になったトリップス。戦前は「内でハナを主張する馬がいたら番手でも良いと言われていた(高松亮騎手)」でしたが、文字通りロケットスタートを決めてそのままハナへ。後続の追撃を受け止めつつも最後まで手応えも脚色も衰えることなく逃げ切ってV。キャリア6戦目で重賞制覇を達成しました。
2着には直線追い上げたフェアリーライズ、地元のセイクリスティーナは3着に終わっています。
10月28日のメインレースは12Rです。B1級一組・ダート1600mの『夢・希望 未来へ前進』。本命は(3)ベラジオホープを採りました。
デビューは兵庫、7歳夏まで園田・姫路で戦い続けていた馬で左回りは岩手に来てからが初めてという馬。しかしそれでも、転入初戦はJRA交流戦で苦戦しましたがC1降級の二戦目で3着、盛岡3戦目の前走で勝利とコースにもしっかり対応してきました。距離に関しても兵庫時代は1400mまでの経験でしたが岩手でマイルにも対応。手堅い先行力も含めて中心の期待。
対抗は(6)アメイジングスター。先週ほど馬場の外が伸びない傾向の今週ですが、この馬に関しては展開次第。マイルも同様だけに一発の狙い目は十分。(7)ゼットセントラルも重賞での苦戦が目につきますが地元馬同士のA級特別では徐々に存在感を増していました。降級でもありそろそろもう一歩前進。
(9)モズユイユイは降級戦・末脚期待可能ですが枠順が外過ぎないか?を懸念して印は控えめに。時計で差がなく立ち回りも案外相手なりに動ける(5)メイショウタニカゼにも一点。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(3)=(6)、(3)=(7)、(3)=(9)、(3)→(5)
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現在、岩手競馬で活躍中の山本聡紀騎手(水沢・板垣吉則きゅう舎所属)が騎乗期間の延長が発表された。延長前は11月4日までだったが、今シーズンの岩手競馬最終日12月31日まで騎乗する。
山本聡紀騎手は船橋競馬所属で4月13日から岩手競馬で騎乗。10月21日(火)終了時点で67勝2着66回3着39回。重賞も早池峰スーパースプリント、岩鷲賞(いずれもエイシントルペード)、ネクストスター盛岡(ラウダーティオ)と3勝をマーク。長兄・政聡騎手、次兄・聡哉騎手と山本三兄弟で人気を集め、実力も数字どおりに証明済み。これから岩手は厳寒期に突入するが、今後も熱いレースで岩手競馬を盛り上げてほしい。
27日メインはB1級特別「ひいらぎ賞」(盛岡ダート1600m)。上がり馬、格上馬が入り交じり、各馬にチャンスありの一戦。好レースが期待できる。
ナムラクレープは中央ダート1800m3着1回から高知へ移籍。初戦は4着に敗れたが、2戦目からアッサリ3連勝。直後に岩手へトレード。3歳B2戦を快勝し、当初の予定どおり岩手牝馬三冠目・オータムティアラに駒を進め、2番人気に支持された。
前半は後方2番手に待機策を採ったが、超スローペースに落とされたのが致命傷。メンバー最速の上がりを駆使したが、ミナトミナイトの3着に終わった。今回は古馬編入初戦。格上馬がそろったが、いずれオープン入りできる器。古馬B1メンバーを一蹴する。
タイセイモンストルは中央芝4勝・オープン、障害1勝から転入。盛岡芝を目指したトレードだったが、5戦を消化して4着最高。3走前からダートへシフトして4、3、2着。一戦ごとに着順をあげてメドが十分立った。前走10月13日のB1級一組戦で最先着を果たし、走破タイムでもリード。引き続き好勝負必至。
ケープライトはA級で走り続け、今季未勝利ながら牝馬重賞・フェアリーカップ2着。ほかにも2着1回3着2回と堅実さを発揮している。今回はB1へ降格して相手が甘くなったのは好材料。2勝2着1回の盛岡マイル戦で反撃に転じる。
ドテライヤツは門別重賞・瑞穂賞を優勝。昨年12月、門別A1級から転入したが、着外の連続。今季は3着3回と良化感をうかがわせ、9月からB級へ降格。2勝2着1回3着1回と毎回勝ち負けを演じている。反応の良さは水沢だが、盛岡もこなせる。
ビクトリーサイトは南関東6勝・B1級、名古屋A級を経て転入。当初は伸びを欠いていたが、目下3連勝中。C1級からB1昇級も難なく突破した。メンバーは強化されたが、勢いに乗っている。
サンエントジアスタは今季2勝2着4回3着2回。前走は5着だったが、相手なりに駆ける堅実派。勝つまではどうかだが、連下候補には候補には押さえたい。
◎⑥ナムラクレープ
〇①タイセイモンストル
▲⑨ケープライト
△③ドテライヤツ
△⑦ビクトリーサイト
△②サンエントジアスタ
<お奨めの1頭>
2R グランシャット
中央10戦すべて一けた着順にまとめ、5着3回。岩手C2下級編入は恵まれた格付け。順当に勝って今後に弾みをつける

26日メインは"GRANDAME-JAPAN2025"「第41回プリンセスカップ」(盛岡ダート1400m)。過去10年は門別6勝、岩手3勝、浦和1勝と北海道勢がリード。今年は門別6頭、川崎1頭、迎え撃つ岩手5頭の計12頭で覇を競う。
主軸にセイクリスティーナを指名する。デビュー戦は2着に敗れたが、2戦目から4連勝の快進撃。若鮎賞、交流・ジュニアグランプリと芝重賞2連勝を飾り、続いて若駒賞へ駒を進めて牡馬相手に完勝。世代屈指の強豪に君臨している。入れ込みが激しいのがネックだが、陣営は折り込み済み。ジュニアGPに続いて遠征馬が相手だが、勢いと地の利を生かして迎撃。フジラプンツェル以来、3年ぶりの岩手優勝の期待がかかる。
サラサチャレンジは川崎1400m・新馬戦を快勝し、2戦3、4着から園田・プリンセスカップへ遠征。積極的なレース運びからココキュンキュンの2着に粘った。前走・金沢シンデレラカップ4着に終わったが、今度は走り慣れた左回りが舞台。待望の重賞制覇へ王手をかけた。
スルーザミルは門別1000mのデビュー戦をあっさり逃げ切り、重賞・リリーカップでは後方待機策に転じて3着。リュウノフライトが圧勝したが、2着とはわずかアタマ差。続くフルールカップは出遅れもこたえて6着、フローラルカップは距離が長く8着に終わったが、1400m短縮で反撃。
トリスティの母はアメリカで11勝してGI(ラブレアS)を制し、ほかにGII1勝、GIII1勝。門別1200m・新馬戦を快勝し、2戦目5着からJRA札幌芝1500m・クローバー賞へ挑戦して3着に健闘した。速い時計決着の盛岡1400mは合うはず。
ウィルラウスはデビュー2戦目を勝ち上がり、1700m戦で2着確保。JRA札幌・クローバー賞7着、前走・フローラルカップ6着と2戦着外に終わったが、決め手を生かせるワンターンで能力全開。
トリップスは門別1000m・新馬戦を逃げ切り、2戦4着からJRA札幌芝1200m・すずらん賞へ挑戦11着から門別1200mで逃げ粘って2着。大外がネックだが、天性のスピードが武器。
◎⑥セイクリスティーナ
〇⑧サラサチャレンジ
▲⑤スルーザミル
△④トリスティ
△⑪ウィルラウス
△⑫トリップス
<お奨めの1頭>
5R シンボリライト
新潟ダート1200mで5、7着。岩手C2下級編入は恵まれた上、盛岡ダート1200m戦も望むところ

10月19日(日) 「第25回トパーズカップ」(3歳 盛岡ダート1800m)
外枠からユウユウコラソンが先手を主張して2番手にタナハシがつける。3番手インにマツリダマスラオ、その外にマルケイロジャー、後ろにリュウノナポレオン、圧倒的1番人気に支持されたリケアカプチーノは不利を受けないよう、その外を追走した。
前半3ハロン38秒5、上がり3ハロン36秒5。超スローの流れとなり、リケアカプチーノは3コーナーから徐々に前へ進出。4コーナーでタナハシが先頭に立ち、その外でリケアカプチーノが馬体を併せる。直線を向いてリケアカプチーノがあっさり突き抜けるかと思ったが、内でタナハシが渋太く粘る。しかし残り50mでリケアカプチーノがタナハシを交わして0秒2差でゴール。貫禄の違いを見せつけた。
1着・リケアカプチーノ=山本聡哉騎手
「普通に走れば勝つメンバーだったが、ゲートをしっかり出して前にいた馬を射程圏に入れながらレースを進めた。いつでも交わせるだろうと思っていたが、ナイター照明の影響なのかコーナーでは反応がひと息だった。それでも直線を向いてからはしっかりと伸びてくれた。乗った印象はスタミナ豊富。スタッフが語っていたが、使いながら良くなっていくタイプ。次はもっと走ると思います」
菅原勲調教師
「今回は地元の3歳馬が相手だったので、今後のことを考えて余裕を残した作りだった。それに元々が叩き良化型だからね。今後については様子を見ながら決めたいと思っている。考えてるのは北國王冠(金沢)と北上川大賞典。どちらも長距離ですから合っていると思う。いずれ状態次第です」
その後、東海菊花賞へ登録していたシンメデージーがJBCクラシックへ選出されたため、東海菊花賞の選も出てきた模様。ほかの馬たちの動向も見ながら北國王冠か東海菊花賞の二者択一になる模様。
2着タナハシは中央芝2400m3着1回から転入。初戦の3歳C2、古馬C1編入戦と2連勝を飾ってトパーズカップへ挑戦。メンバーは一気に強化されたが、渋太く粘って2着確保。この結果から岩手競馬の最長距離重賞・北上川大賞典を目指すという。
今週の岩手競馬
10月26日(日) メイン11R「第41回プリンセスカップ」(2歳牝馬・地方競馬全国交流 盛岡ダート1400m)
10月27日(月) メイン12R「ひいらぎ賞」(B1級 盛岡ダート1600m)
10月28日(火) メイン12R「夢・希望 未来へ前進」(B1級一組 盛岡ダート1600m)
10月19日に行われた3歳世代原型としては今季最後の重賞『トパーズカップ』。12頭が挑んだ戦いは1番人気リケアカプチーノが快勝。自身3つめのタイトルを獲得するとともに改めて世代最強をアピールしました。
レースは外枠から飛び出したユウユウコラソンとタナハシがそのまま先頭・2番手となって流れを作る展開。リケアカプチーノは先行集団の外に付けてこちらも流れをうかがいます。3コーナーを過ぎてじわりと先頭に出るタナハシ、それを見てリケアカプチーノも外から馬体を併せに行ってここからは二頭の一騎打ち。一足先にトップスピードに乗ったタナハシがいったんはリードを拡げますがリケアカプチーノも即反応、坂を越えたところで今度はリケアカプチーノがリードを拡げて勝負あり。最後まで余力十分のままゴールを駆け抜けて3歳トップの貫禄を見せつけました。
2着はタナハシが確保。その7馬身後ろで繰り広げられた3着争いは外から伸びた8番人気バイアメが制して馬番3連単は万馬券の波乱に。以下4番人気リュウノナポレオン、11番人気マルケイロジャーまでが掲示板圏内を確保。
前回のトパーズカップは2003年、3歳ダート1200mの重賞として行われました。リケアカプチーノはレースの歴史に22年ぶりに新たに刻まれた勝ち馬となりました。
10月21日のメインレースは12Rに行われるOP級ダート1200mの『スプリント特別』です。この路線の締めくくりは11月16日、今年の盛岡競馬最終週に行われる重賞「絆カップ」。そのほぼ一ヶ月前になるこのレースには絆カップを目指す馬も多数登場して前哨戦の趣となりました。
さてこのレースの本命は(2)ウラヤです。
今シーズンは3月の白嶺賞から概ね1ヶ月間隔を守って出走。勝ち星こそA級特別・OP特別の2勝ですがマイルの重賞でも好走するくらいに順調かつ好調をキープしてきました。そしてそのようにマイルにも出走しているものの陣営が考えているベストは盛岡の短距離、この1200m。近走も3戦続けてこの距離を選択し、今回も含めれば4戦連続、そして恐らく次戦になる絆カップまで行けば5戦連続で盛岡1200mで戦うことになります。それもこれも昨年に続いて絆カップを制するため。ここはしっかり勝っておきたいところです。
対抗は(4)エイシントルペードを。前走はハナを獲れない形の展開でしたがそれでも流れに乗って2着を確保。敗れはしましたが逃げ一手ではない点を示したのは収穫だったのでは。
岩鷲賞でウラヤを退けた時は前が止まらない傾向が強かった日。今回はもしかしたら逃げ先行馬に不利な傾向かもしれませんが、前走のような競馬もできるとのことであれば選択肢も増えるだろう・・・と見ての対抗評価に。
三番手は(7)ロードオブザチェコ。こちらも間隔を取り、真夏も避けて余計な消耗を防いできたのは◎と同様。白星先行でこそないもののしっかり力を出してきているのも同様です。距離はもうひとハロンあった方が戦いやすいかもですが勝ち負けできる力はあると見るべきでしょう。
連下ヒモとなるともうどこでも選べそうなので、敢えて狙うならということで8枠の2頭、(10)オスカーブレインと(11)エスクマを。距離はもうひとハロン短いか長いかした方がよりベター。ですがどちらも盛岡とは好相性ですし、自分の形で戦えれば上位に姿を見せていていいはず。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(2)=(4)、(2)=(7)、(2)→(10)、(2)→(11)
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