松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。
松尾康司 1958年青森県出身。「テシオ」編集長 。思い出の馬は伝説の名馬トウケイニセイ。横川典視 1969年高知県出身。『いわて競馬マガジン テシオ』編集記者として活動中。東北の馬産地との繋がりも深い。 14日メインは「第24回トウケイニセイ記念」(水沢1600m)。例年、年明けの最終週をメインに行われていたが、2021年度から12月に移行。桐花賞にも直結するレースになったが、今年は開催時期が12月第3週目に替わった。そのため12月31日の桐花賞と日程が詰まるため出走を自重。最終的に8頭立てとなった。
断然の主役はヒロシクン。シーズン開幕から赤松杯、シアンモア記念を優勝。フジユージーンの追撃を連続で退け、古馬ナンバー1の座を確定。2連覇を狙って一條記念みちのく大賞典へ勇躍登場したが、3歳馬リケアカプチーノとの壮絶なマッチレースの末、惜しくもハナ差2着。続くJpnIII・マーキュリーカップ10着から青藍賞を完勝。堂々2連覇を果たした。
前走・すずらん賞はヘリオスの外強襲に屈して2着に敗れたが、今度は6戦6勝の水沢マイルが舞台。強敵不在、パーフェクト成績を誇る水沢1600mで首位を奪回。トウケイニセイ記念2連覇にまい進する。
ウラヤはシーズン当初は入着一杯だったが、4戦目を快勝。特にワンターン決着のコースに絶対の自信を持っており、盛岡1200m重賞・絆カップを優勝。2連覇を果たした。不安点は1周競馬への対応だが、今季初勝利を水沢マイルで飾り、昨トウケイニセイ記念3着。このメンバーなら次位は譲れないだろう。
タイセイアゲインは中央ダート3勝。2歳時にJpnI・全日本2歳優駿4着。その後、南関東へ転籍して1勝2着2回・A2級を経て転入。5勝2着1回3着3回の好成績を収めている。ウラヤとは真逆で盛岡1勝に対し、水沢4勝。B1から昇級戦だが、コース適性を前面に上位争いを演じる。
スズカゴウケツは南関東から戻ってきた当初は伸びを欠いていたが、徐々に調子を上げて2勝2着3回。こちらは重賞・あすなろ賞を制した盛岡が主戦場だが、位置取り次第では水沢も問題なし。理想は好位インをキープ。外枠に入ったが、うまく脚を貯めることができれば好走できる。
ダブルラッキーは相手なりに駆ける堅実さを身上として今季5勝2着3回3着5回。馬券対象から外れたのは僅か2度のみと安定度抜群。意外にも重賞初挑戦だが、自分の競馬に徹するのみ。
ユウユウコラソンは今年本格化。3連勝をマークして3歳重賞・イーハトーブマイルを制した。今回のメンバーはコース適性が極端。ユウユウコラソンも盛岡がベストだが、成長続ける3歳馬。ノーマークにはできない。
◎⑧ヒロシクン
〇⑥ウラヤ
▲④タイセイアゲイン
△⑦スズカゴウケツ
△⑤ダブルラッキー
△③ユウユウコラソン
<お奨めの1頭>
3R ブラックビート
門別から転入戦を3着にまとめて上々の滑り出し。メンバーは前走よりも甘くなっており、絶好の勝機を迎えた

12月9日(火) オッズパーク杯「ゴールデンジョッキーズシリーズ(2戦)」
第1戦(B2級・水沢1400m)は外枠からレーヌデゼトワールが逃げ、2番手にツルマルゲッコー。3番手外に単勝100円の元返し、圧倒的1番人気に支持されたショウナンナスカ=菅原辰徳騎手が追走。4コーナー手前でショウナンナスカが早め先頭に立ち、2着テーオーロバートに4馬身差をつけて完勝した。この勝利も後押しし、管理する千葉幸喜調教師は12月10日時点で84勝をマークし、リーディング首位に立った。
第2戦(B1級・水沢1600m)はリュウノハイルが先手を主張し、2番手にドテライヤツ、3番手外にタカマキファイブ、4番手インにマルケイロジャー。単勝1・4倍の1番人気に支持されたカナオールウェイズ=佐々木志音騎手はスタートで後手を踏んだため、慌てず最後方待機策を採った。2コーナー過ぎにカナオールウェイズは満を持してスパートをかけると一気に進出。3~4コーナー中間で4番手まで押し上げ、4角で先頭に立ったドテライヤツをあっさり交わして2着サンエントジアスタに4馬身差をつけて2連勝を飾った。
総合1位=佐々木志音騎手(40ポイント)
「2戦目に強い馬(カナオールウェイズ)があたりましたが、1戦目の馬(ツルマルゲッコー)も悪くないんじゃないかと思っていて、総合優勝を狙っていました。
2戦目のカナオールウェイズは南関東の1勝をまくって勝っていました。出遅れもあって後ろからの競馬になりましたが、3コーナーで4番手まで上がっていけば何とかなる思っていました。馬も本当に強かったです。賞金は爬虫類が好きなので購入資金にしようかなと思っています。いま飼っているトカゲは血統書付きで20万円ほどしました。トカゲは黒ければ黒いほど価値があるそうです。あとは冬の旅行資金に充てようかなと思っています」
総合2位=菅原辰徳騎手(32ポイント)
「1戦目は連勝中の馬だったので、シリーズの順位のことは気にせずとにかく良い結果だけを求めて、冷静に乗れるよう心がけて結果を出したかったのでホッとしています。来年もこのシリーズに出ることができるよう、コツコツ頑張っていきたいです」
総合3位=村上忍騎手(26ポイント)
「 総合で3位に入っていると思っていなかったのでこの結果はありがたいです。来年は総合優勝を目指して頑張りたいですね」
今週の岩手競馬
12月14日(日) メイン12R「第24回トウケイニセイ記念」(オープン 水沢1600m)
12月15日(月) メイン12R「白鳥特別」(A級一組 水沢1600m)
12月16日(火) メイン12R「スプリント特別」(オープン 水沢850m)
12月9日に行われたリーディング上位騎手による対抗戦『オッズパーク杯ゴールデンジョッキーズシリーズ』。11R・12Rの2戦の結果、第1戦5着・第2戦では優勝した佐々木志音騎手が総合優勝。副賞賞金50万円を獲得しました。
まず11Rの第1戦。ここまで5連勝中、菅原辰徳騎手騎乗のショウナンナスカが前売り段階から単勝オッズ1倍台の人気を集めていて最終的にも1.0倍の"元返し"。レースでも3番手追走から勝負所で一気にマクる形で決めて圧倒的な人気に応えました。
12Rの第2戦もダートでは連勝している佐々木志音騎手騎乗カナオールウェイズが単勝1.4倍の断然人気。そしてレースでも、スタートで僅かに出負けして序盤は最後方追走になりましたが向こう正面で外から急上昇、直線に向く頃には持ったままで先頭に並ぶ勢いで快勝。こちらも人気通りの強さを見せつけました。
この2戦の結果、総合優勝は佐々木志音騎手、同2位は第1戦を制した菅原辰徳騎手、同3位には2戦とも上位でまとめた村上忍騎手が入りそれぞれ副賞賞金を手に。佐々木志音騎手は「去年は最後に怪我をして乗れずに終わったので今年は乗り通したい。賞金は冬休みの旅行に使いたいです」と残り僅かとなった今シーズンに意気込み新たな勝利となりました。
さて12月10日のメインレースは12Rの『アロースタッド特別』B1級二組のダート1600m戦。本命は(3)ブラックレーションを採りました。
JRA3歳未勝利から9月に転入、初戦こそ2着でしたがその後は4戦4連勝。古馬編入、相手強化に距離延長と様々条件が強化されている中で勝ち続けるだけでもなかなかのものなのに、さらに着差を拡げながらなのですから地力の高さは相当なものと思っていいでしょう。今回もB2→B1の昇級戦、元A級馬もいて相手関係はさらに強力に。ここは確かに課題になるでしょうが、それでも突破してくれそうな勢いを感じさせても来ました。素直に信頼の本命視で。
(6)ネオネオモッズが対抗。昨年の後半戦はA級で苦戦しましたが今季の後半戦でC2降級してから再浮上。ここまで7連続馬券圏内でB1まで戻ってきました。この馬の場合千四とかでは流れが合わなくて、持ち味のしぶとさ・粘りを発揮するにはマイルがベスト。水沢マイルはもちろん悪くないですし今週の先行有利な傾向が強い馬場も味方になってくれそう。
三番手は(10)ファルヴォーレを。こちらはこの春にJRA障害オープンから転入してきてA級でも結果を出し始めたところでB2降級。前走はスローすぎる展開が合わずに9着に終わったもので力量による敗戦ではないはずで、見直す意味も込めてのこの評価。
以下は少し穴っぽく、まず(1)タイキクラージュ。どうしても展開とか外部の要因に左右されがちですがそれでも上位安定な点には注目と注意を。(9)ゴールドジャンパーは現状ダートでは距離に課題あるイメージですが、芝馬だけに今の馬場が合う可能性を狙って。(横川典視)
●12Rの買い目
馬単(3)=(6)、(3)=(10)、(3)→(1)、(3)→(9)
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9日はオッズパーク杯「ゴールデンジョッキーズシリーズ(2戦)」。昨年は村上忍騎手が優勝。先に11月19日、地方競馬通算4128勝の岩手競馬騎手最多勝を達成。自身の新記録樹立に花を添えた。
第1戦はB2級・水沢1400mが舞台。ショウナンナスカで中心は動かない。中央未勝利から転入後、圧巻の5連勝中。すべてワンサイドで決めている。B2昇級戦の前走も難なくクリアー。2着に0秒7差をつけて豪快なまくりを決めた。同じ1400m戦なら追いかける一手。
ネバーエバーはB1級でも勝ち負けを演じ、前々走からB2降格。2戦着外から4、3着にまとめた。過去実績からも1400mがベスト条件。持ち味の決め手を生かす。
ドドーニサンサンは典型的な右回り巧者。こちらも2戦着外からコース替わって4着に反撃。盛岡未勝利に対し、水沢3勝2着5回3着4回。コース適性を前面に上位進出。
テーオーロバートは中央未勝利、園田1勝2着2回3着2回から転入。ノベンバーカップは6着だったが、タイムそん色なし。争覇圏内に位置する。
ヤマニンファリダは中央未勝利、門別C3級から岩手入り。転入前の門別1200m快勝し、好調維持しているのが心強い。
レーヌデゼトワールは芝4戦からダートに戻って9着だったが、水沢3勝とこなせる実績。前走のみで見限るのは早計。
◎⑪ショウナンナスカ
〇⑤ネバーエバー
▲②ドドーニサンサン
△⑧テーオーロバート
△③ヤマニンファリダ
△⑩レーヌデゼトワール
第2戦はB1級・水沢1600mが舞台。前回快勝カナオールウェイズでもう一丁いける。中央芝2600m2勝、南関東1勝(浦和)・B2から転入。初戦の芝重賞・いしがきマイラーズ3着、芝交流・せきれい賞5着から盛岡ダート1600m戦1着。続く芝4着から前回快勝。初の水沢を難なく克服した。B1では地力上位。
ドテライヤツは門別重賞・瑞穂賞を優勝。昨年12月に転入後、3着3回が最高だったが、B2降格後2連勝。その後は好、凡走を繰り返していたが、敗因は盛岡=左回り。水沢に替わって前走2着に巻き返した。前走はカナオールウェイズに完敗だったが、格を前面に逆転をもくろむ。
サンエントジアスタは相手を問わず堅実さを発揮。近走は白星から遠ざかっているが、大崩れなし。水沢1600mは3勝2着6回3着3回と最も得意とする条件。今回も上位争いに一角を形成する。
ケープライトは昨年11月以降、勝利を飾っていないが、今季2着3回3着2回。牝馬重賞・フェアリーカップでも2着を確保した。成績ムラだが、軽視できない。
ウインダークローズは夏以降、調子を崩していたが、前走0秒1差3着で復調の兆し。ペースが落ち着けば持ち味の粘りを発揮。
タカマキファイブは盛岡が主戦場だが、前々走の強さが際立っていた。水沢でも警戒を怠れない。
◎⑤カナオールウェイズ
〇⑨ドテライヤツ
▲④サンエントジアスタ
△②ケープライト
△⑦ウインダークローズ
△⑪タカマキファイブ
<お奨めの1頭>
1R スリアント
転入戦の盛岡1000m2着から前回快勝。鮮やかな逃げ切りを決めた。同じ水沢850mが舞台なら連勝はもらった

今週は8日(月)、9日(火)、10日(水)の変則開催。次週は14日(日)~16日(火)の通常開催に戻りますので、お間違いのないようお願いします。
先週、お伝えした齋藤友香騎手を取材したので報告してみたい。「物心がついた時から父(齋藤雄一元騎手、現調教師)が騎乗する姿にあこがれていました。2年間、きゅう務員の仕事に従事しましたが、いい経験になったと思います。勝負服は父と同じ。父の師匠だった小西重征調教師から受け継ぎたいとお願いしました。大目標は父。現役ではレイチェルキング騎手が目標です。デビュー予定は3月ですが、まだまだ未熟。今後、技術をあげるように頑張りたいと思っています」
岩手デビューの女性騎手は高橋クニさん(けいが)が日本初の女性騎手。娘さんの故・高橋優子さんは平地競走第1号で齋藤友香騎手は史上10人目。平地では史上9人目の女性騎手となった。気の早い話だが、3月の再開競馬も心待ちにしてほしい。
8日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「夢・希望 未来へ前進」。今回はB1級・水沢1400mで行われ、格上馬、上がり馬などが入り交じり楽しみな一戦となった。
本命はメイショウイジゲン。中央3勝クラスから岩手入り。3戦目の水沢1400m・オープンを快勝した。続く1000m戦は忙しい競馬が合わず6着に終わったが、盛岡1400m戦で首位を奪回した。前々走は3番手から一杯7着に終わったが、。前走0秒3差に反撃。今度は2戦1勝2着1回の水沢に替わった上、通算4勝の1400mと好走条件がそろった印象。首位を奪回する。
逆転筆頭はサンマルクレイジー。中山ダート1200m1勝から障害を経て転入。初戦は1年ぶりの実戦で6着に敗れたが、ひと叩きされて反応が一変。圧巻の3連勝をマークした。前走・ノベンバーカップは2着だったが、58キロの酷量を背負ったのが敗因。1着ビップアクアと負担重量4キロ差が大きかった。B1昇級だが、56キロの定量に戻って反撃必至。
スノーミックスは3歳牝馬交流・留守杯日高賞3着。夏に金沢へ移籍して2戦を使って里帰り。当初は精彩を欠いていたが、一戦ごとに本来の馬体と動きを取り戻し、前々走2着から前走0秒5差で完勝。走破タイムも上々だった。今回は試金石の一戦。ここでも好勝負に持ち込めれば将来も約束された。
ポジティブスピンは今シーズン2勝2着4回。近走は入着一杯だったが、A級馬が相手では荷が重かった。しかし今回はB1へ降格。A級でも前走9着以外は大負けはなし。ペースが落ち着けば巻き返しに転じて不思議はない。
アメイジングスターはいい脚を長く使えるのが武器。目下8戦連続で3着以上を確保し、前回快勝。好調サイクルを前面に上位に進出する。
パイアイヤーはコース広い盛岡で3勝。小回り水沢に手こずっていたが、前走3着で克服のメド。ハイペースなら自慢の決め手を生かす。
◎⑥メイショウイジゲン
〇③サンマルクレイジー
▲⑪スノーミックス
△⑦ポジティブスピン
△⑫アメイジングスター
△②パイアイヤー
<お奨めの1頭>
3R グランクリュ
勝ち切れないレースが続いているが、安定度一目。今回はメンバーが甘くなり、絶好の勝機を迎えた
