今週3日間で今シーズンの盛岡競馬も終了。次週から戦いの舞台は水沢へ移る。盛岡開催のフィナーレを飾るのは岩手競馬の最長距離重賞「第44回北上川大賞典」。第1回から昨年43回まで、コースは盛岡、水沢に替わっても一貫して2500mが舞台だったが、今年は盛岡ダート2600mで実施。過去に3000m戦などがあったが、2600m戦は史上初。
スタート地点はダート1000m戦と同じく向こう正面⑩のハロン棒から。1周1600mの盛岡コースを1周半。2度目のスタンド前がゴールとなる。要求されるのは第一に折り合い。芝2400m・せきれい賞と同じく、掛かる馬は苦戦。あとは残り800mの上がり勝負にスッと反応できるか否か。それゆえ中央・地方、ダート・芝を問わず長距離実績が大きくモノを言う。
当初、南関東から里帰りしたフレッチャビアンカの登録があったが、無念の出走見送り。東北優駿(岩手ダービー)、不来方賞、地方競馬全国交流・ダービーグランプリと盛岡ダート2000m重賞3連勝を飾り、南関東でも東京記念、金盃と長距離重賞2勝。本命視が確実と見られていたが、脚部不安が発生。一日も早い復帰を待ちたい。フレッチャビアンカ不在で今年は一転、大混戦模様。どの馬が勝っても不思議がないメンバー構成となった。
主軸にヴォウジラールを指名する。中央芝2勝後、ダート路線へ変更。東京ダート2100m・2勝クラス1勝。3勝クラスでも阪神ダート2000mでも2着1回。2500mは望むところ。肝心の状態面も初戦10着から2戦目(1800m)5着、前走2着と上昇ムード。絶好の勝機と見る。
ノーチカルチャートは門別1700mで未勝利を勝ち上がり、以降芝2600m1勝、芝2500m1勝。転入初戦の芝2400m交流・せきれい賞でも2着に惜敗し、長丁場で本領を発揮する。最大ネックはダート対応だが、3走前、芝からダート1600m変更で3着なら大丈夫だろう。
マウントゴールドは中央1戦0勝から門別4戦3勝。中央へ戻って5勝。GIII・チャレンジカップ2着、小倉記念3着まで出世した。その実績を前面に転入初戦の芝1600m・いしがきマイラーズでタイム差なし2着。ダートは4歳5月以来だが、格であっさりまで十分。
ジェイケイブラックは今度で3度目の北上川大賞典挑戦。1回目は8着だったが、昨年3着。適性を証明した。しかも今年は昨年より好状態で臨めるのが心強い材料となる。
レールガンは昨年、ジェイケイブラックに先着2着。今季未勝利、マーキュリーカップ9着後、休養に入ったが、前走を叩かれて良化確実。距離を味方に自慢のまくりを決めるか。
◎⑤ヴォウジラール
○④ノーチカルチャート
▲①マウントゴールド
△⑦ジェイケイブラック
△⑥レールガン
<お奨めの1頭>
4R スペシャルナンバー
転入初戦をあっさり逃げ切り、1秒4差で圧勝。スピードの違いを見せつけた。相手強化だが、前走タイムからも追いかける手
11月13日に行われた2歳牝馬の地方競馬全国交流重賞。グランダムジャパン2022の『プリンセスカップ』は1番人気に推された地元フジラプンツエルが優勝。南部駒賞の雪辱を果たすと共に今季最後の交流重賞で今季最初の地元馬による勝利を果たしました。
今回も出遅れ気味のスタートになったフジラプンツェル。しかし最内枠だったために脚を使ってでも流れに乗らなければならなかった前走と異なり今回は真ん中の枠。いったんは最後方あたりまで下げつつ前を見ながら追走していきます。勝負所にかかって外から捲っていった同馬は4角で先頭に立つ勢い。先に抜け出していたエイシンエイトも粘り腰を見せましたが、二頭の競り合いの末フジラプンツェルが捉えてゴール。自身の重賞3勝目を待望の交流重賞勝ちで決めました。
11月15日のメインレースは11Rです。B1級ダート1800mの『夢・希望 未来へ前進』。
ダート1800m戦というと以前は盛岡水沢問わずに頻繁に実施されていて、一開催に一度は行われていた条件だったのですが、近年は水沢で1900m戦が増えたこと、盛岡では短距離や芝が多くなる事もあってか実施数が減少。重賞・準重賞およびA級特別以外での、"一般戦での1800m戦"は盛岡ではこれが今季4回目ですか?非常に少ないです。今週の、月曜火曜にひとつづつ一般戦の1800mがあるのはかなりのレアという事になりますね。
そして近年こうして数が減っているだけに"盛岡1800mの経験が無い馬"が、出走すると初めてになるという馬が増えてきています。距離がどう影響するのか?過去の戦績等から判断しなくてはならないのが予想を難しくしていますね。
このレースの本命は(6)バーントシェンナを狙ってみます。
好走したかと思えばどこにもいないような敗戦・・・と非常につかみ所がない成績なのですが、しかし力を出した時は存在感十分の走りを見せるという魅力もある馬。前走のからうな強さを見せてくれるならここでも勝ち負けになるでしょう。
過去の戦績を見ると、どうも真夏はあまり成績が良くない。冬から春に向かって調子を上げていくタイプのようにも見えます。前走がその上昇ののろしだとしたら、今回ここで連続好走を期待してみる価値があると見ていいはず。
対抗は(5)ブラックバゴ。芝が良いのは変わりがないとして、年齢のせいか今では芝よりダートの方がより切れ味を見せている印象があります。芝でのものがほとんどですが距離経験も十分にありますし堅実でもある。少なくとも対抗以下には落とせない存在。
(3)ナイトフォックスが三番手。10歳も終盤になりましたがまだまだ意気軒昂。すんなり流れに乗れさえすれば距離は問わないと思えるだけに上位食い込みのチャンスは十分にあると考えます。
以下は惑星多数と見て敢えて穴っぽいところから。距離の手がかりはあまりないものの近走の好調さが目を惹く(9)ベストフィーチャー、若干不安定ながらもA級通用の走りを見せている(1)クレイジーエックスをピックアップで。
●11Rの買い目
馬単(6)=(5)、(6)=(3)、(6)→(9)、(6)→(1)
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11月3日、JBCデーのトリを務めたのは「第22回JBCクラシック」(盛岡ダート2000m)。今年は1着賞金が1億円。2010年以来、久々に大台へ復活したが、それにふさわしい戦いだった。
先手を主張したクラウンプライドがマイペースの逃げに持ち込み、1番人気テーオーケインズは6番手外を追走。3コーナー手前から徐々に進出し、4コーナーではクラウンプライドを3馬身差の圏内に入れ、残り100mで交わして2馬身半差でゴール。昨年、JRA最優秀ダートホースに選ばれた貫禄を見せてくれた。
松山弘平騎手「スタートをしっかり出て折り合いもついたので、行く気に任せてリズムを大切にした。前半はスローペースだったが、手応えが素晴らしく、これなら最後までいい脚を使うなと思った。向こう正面から自分で動き、強い競馬をしてくれた。左回り中京でチャンピオンズカップを勝っているし、右回りの帝王賞も勝っているので左回りも右回りも問題ない。今回のコース広い盛岡も合っている。前走4着だったが、リフレッシュしていい状態に戻った。昨年、金沢のJBC1番人気で負けたので、雪辱を果たせました」
高柳大輔調教師「前走のことがあったので正直、ホッとしている。今回プラス6キロだったが、勝っているときとあまり変わっていない。予定どおりの仕上がりだったので安心して送り出せた。道中は外、外を回されて見ている方はハラハラだったが、調教の動きどおり最後までしっかり伸びてくれた。次はチャンピオンズカップを使いたい。今回、久々を叩かれたのでさらに良くなってくれると思う」
次走・チャンピオンズカップを制すれば2年連続でJRA最優秀ダートホースの可能性大。フェブラリーS2連覇、南部杯を制したカフェファラオとの選考が楽しみになった。
14日メインはB2級「ノベンバーカップ」(盛岡ダート1400m)。成長続ける3歳馬が4頭、B1から降格馬5頭が入り混じり、実力伯仲。馬券的にもおもしろい一戦となった。
トーセンマッシモは南関東4勝・B3から転入。当初は伸びを欠いていたが、2ヵ月半休養から復帰後2、3、1着。リフレッシュに成功し、前回待望の岩手初勝利を飾った。今度は1400mに距離短縮されたが、浦和で1勝なら問題なし。2連勝に王手をかけた。
ナンデフェスティヴは思い切って狙ってみたい。前走9着に沈んだが、距離も長かった。前々走でマイルを勝っていたが、マイペースに持ち込めたから。盛岡1400m持ちタイムがすばらしく、巻き返しに転じて不思議はない。
セイシークエンスは転入後、馬券対象から外れたのはJRA交流2戦。それ以外は連対パーフェクト。前走も鮮やかなまくりを決めて快勝した。首位を奪回して弾みもついた。
チスジは今季3着最高だったが、前回快勝。見事な直線一気を決めた。B1戦を勝って今回B2降格は恵まれた格付け。復活なれば2連勝も十分。
ロジフェーヴルも前回快勝。足踏みが続いたが、久々の勝利で吹っ切れた。こちらもB1から降格し、メンバーも緩和された。
エイジは差し脚を身につけて来たのが収穫。前走も2着ながらチスジとは0秒2差。当然、勝ち負けに持ち込める。
◎⑦トーセンマッシモ
〇⑨ナンデフェスティヴ
▲⑤セイシークエンス
△⑩チスジ
△⑧ロジフェーヴル
△③エイジ
<お奨めの1頭>
4R シャイニーデューク
出走取り消しの影響もなく前走2着確保。タイムも抜けており、順当に首位を奪回する
13日メインは"GRANDAME-JAPAN2022"2歳シーズン「第38回プリンセスカップ」(盛岡ダート1400m)。同レースがグランダムジャパンに組み込まれたのは2012年。過去、北海道5勝、岩手3勝、浦和1勝。全国の2歳戦と同様、北海道勢が優位に立っている。
ただ、岩手の勝ち馬3頭は一昨年ゴールデンヒーラー、サプライズハッピー、ブリリアントロビン。共通するのは牡馬相手にも互角以上の勝負を演じた強豪牝馬。遠征馬のレベル(質)もさることながら、岩手の世代レベル次第。プリンセスCは将来性も含めて重要な一戦となる。
今年はフジラプンツェルがそれに該当する。デビューから無敗5連勝を飾り、走るたびに2着馬との着差を広げていった。そして迎えた南部駒賞。6頭立てだったが、北海道、南関東から参戦。楽な競馬しか経験していなかったが、フジラプンツェルなら突破できると本命にした。
若鮎賞、ビギナーズカップでは出遅れたが、今度はスタート互角。1番枠に入ったため、外に持ち出して3番手まで押し上げた。あとは教科書どおり、3コーナーからスパートをかけて逃げたエイシンケプラーに接近したが、直線では突き放される一方。0秒9差4着に完敗した。
前半は超スロー。結果的にエイシンケプラーと同じ上がりを使ったが、勝ちに行って直線一杯となった。これをどう評価するかだが、地区レベルを十二分に分かった上、勝ち負けになると思っている。
敗戦が次につながる糧という言葉がある。フジラプンツェルは交流の厳しさを経験し、一皮むけるに違いない。ジョッキーも南部駒賞のような競馬には持ち込まないはず。
とはいえ、激戦区・北海道勢は厳しいレースの連続。ライトニングブルーを主軸視するのが妥当だろう。デビュー戦を勝ち上がり、3戦目に全国に先駆けて行われる2歳重賞・栄冠賞へ挑戦。逃げたポリゴンウェイヴを徹底マークする戦法に出てアタマ差交わしたが、コルドゥアンの大外強襲に遭ってハナ差2着。悔しい敗戦となった。
気になるのはリリーカップ9着、エーデルワイス賞12着に沈んだことだが、相手が強く自分の競馬をさせてもらえなかったのが敗因。今回のメンバーなら地力上位と判断するべきだろう。
レモンアイカーはサトノクラウン産駒の勝ち馬第1号。以降は3着最高だが、JRA・すずらん賞、フルールカップ、エーデルワイス賞などビッグレースへ果敢に挑戦。エーデルワイス賞ではスタートでつまづいたのが痛かったが、ライトニングブルーには先着。当然だが、上位の一角を形成する。
エイシンエイトはデビュー2連勝。前々走は園田プリンセスCへ挑戦して、2歳馬戦とは思えない激しい先行競馬をしのいで3着。負けて強しの一戦だった。遠征2度目であっさりまで。
キューティロメラは2歳新馬・門別1000m戦を2歳コースレコードに0秒5まで迫るハイタイムで圧勝。2戦目2着から2ヵ月休養。エーデルワイス賞へ駒を進め、13着に終わったが、先手を主張した。絶好枠を引き当て、マイペースに持ち込む。
キタカラキタオペラは北海道1勝2着2回3着2回。ほかも4着3回とすべて入着を果たして岩手入り。3戦とも着外だったが、すべて芝が舞台。ダートに替われば巻き返しに転じて不思議はない。
◎③ライトニングブルー
○⑤フジラプンツェル
▲⑧レモンアイカー
△⑩エイシンエイト
△①キューティロメラ
△⑪キタカラキタオペラ
<お奨めの1頭>
3R ムーンシュトラール
前走は3ヵ月ぶりの実戦だったが、0秒2差2着に惜敗。ひと叩きされて元B1の地力で首位を奪取する
11月3日に行われたJBC。盛岡でのJBC開催は8年ぶりになりましたが、前回の2014年にも勝るとも劣らぬ盛況でしたね。お天気がもうひとつだったのが残念でしたけども、最終レースまで盛り上がりました。当日の発売金額も1日売り上げとしては岩手競馬史上最高となる69億円あまりとなりました。全国のファンの皆様、ありがとうございました。
11月8日のメインレースは12Rのオープン級ダート1200mの特別戦『スプリント特別』。ここでは(5)ツクバクロオーを狙います。
岩手に転入後はまだ勝ち星がない同馬なのですが、昨年12月のトウケイニセイ記念ではヒガシウィルウィンから3馬身弱の差の3着があり、重賞級の力量を持つ馬だという評価に大きなかわりはありません。注目すべきは前走で、自身としては久しぶりの短距離戦出走だったものの最後まで脚を伸ばし続けて2着にわずかに届かずの3着に食い込みました。
最近は重賞路線のメインストリームを意識してマイルを主戦場とし、高知時代には2400mでも好走していた同馬ですが、その前のJRA時代も含め短距離での戦績は悪くないどころかむしろ堅実。前走でそれが再確認できたともいえそうです。
ここは芝の短距離路線から来た馬もいて力関係の比較が難しいですが、前走の内容・時計で戦える力があるのならここでも好勝負は可能と見て本命に推します。
対抗は(10)タイセイエクセルを。父ヘニーヒューズという血統印象通りJRA時代からその後の南関時代も含め主戦場は短距離。岩手でも転入初戦のダート1000m戦を快勝するなど短距離ほど強い走りを見せています。こちらも力関係比較では◎同様まだ定かではない部分はあるものの、前走ヴィーナススプリントくらい戦えるならの計算ができるのも◎同様でしょう。
三番手は(6)アップテンペストでどうでしょうか。この馬も3歳重賞路線を意識して長めの距離に比重を置いてきた今季ですが昨年は短距離で力を付けてきた馬でした。前走は強力な同型に阻まれた形。自身で流れを作れたなら前走以上の結果を狙えて良いはず。
連下はまず(8)フミタツティンクル。転入後の成績からすると前走は驚く強さでしたが、岩手に来る前はほとんどが1400mまでだったわけで1800mやマイルは長かったのでしょうし、実際前走のタイムも優秀。9番人気からの勝利だったとはいえフロックと見なすのは避けるべき。(11)ロックスピリットも4月の栗駒賞はじめ前半戦の短距離戦線で活躍していた馬。ひと叩きされての変身に警戒が必要でしょう。
●12Rの買い目
馬単(5)=(10)、(5)=(6)、(5)=(8)、(5)=(11)
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