14日メインは"GRANDAME-JAPAN2021"2歳シーズン・セミファイナル「第37回プリンセスカップ」(盛岡ダート1400m)。
同レースが"GRANDAME-JAPAN"に組み込まれたのは2012年。一貫して水沢1400mが舞台。盛岡で行われるのは2011年、東日本大震災で水沢開催が12月までずれ込んだとき。それ以前も盛岡で何度か実施されたことがあったが、基本は水沢で行われている。
交流格上げ後、北海道4勝、岩手3勝、浦和1勝。一見すると岩手勢も健闘しているな―と思うだろうが、3勝はゴールデンヒーラー、サプライズハッピー、ブリリアントロビン。共通するのは牡馬相手にも重賞制し、互角以上の勝負を演じてきた強豪牝馬のみ。冷静に考えれば北海道優位と見るのが妥当だろう。
今年は遠征馬は北海道1頭、大井1頭、浦和1頭。計3頭は例年に比べて少ないが、北海道代表・レディーアーサーは強力。中心に揺るぎなし。
デビュー戦は2着に敗れたが、2戦目を1秒3差で圧勝。続いて2歳いの一番の重賞・栄冠賞3着から一旦休養。約2ヵ月半の休養から復帰し、イノセントカップを快勝。強烈なまくりで初重賞を手にした。
その結果からJpnIII・エーデルワイス賞でヒストリックノヴァの2番人気に支持されたが、14頭立て11番枠に入り、終始外目を回されるロス。これが響いて直線外から伸びたが、0秒3差6着に敗れた。一方、勝ったスピーディキックは内を突いたのが奏功。進路の差も明暗を分けた。
今回はエーデルワイス賞の雪辱戦。メンバー構成から負ける要素はほとんどなく、仮に制すれば15ポイントを獲得。エーデルワイス賞の2ポイントを加えると17ポイントし、暫定3位スティールルージュに並び、総合優勝圏内にも入る。
カクテルライトは北海道4戦1勝から転入。初戦はアップテンペストの2着に敗れたが、続くビギナーズカップで首位を奪回。初の1600mがネックだった若駒賞でも見事な逃げ切りを決めた。
前走・南部駒賞は4着。マークも厳しかったが、マイルが長かった。地元同士ならペース次第でごまかしもきくが、交流戦は甘くはなかった。今回も逃げの手に出てマークされるが、何といっても1400m短縮は好材料。仮にハイペースで飛ばしてもこの距離なら我慢がきくはず。
アップテンペストは水沢2戦2着1回に終わったが、盛岡に替わって圧巻の4連勝。広いコースも合った。ビギナーズカップは0秒9差2着に終わったが、前回ハイタイム完勝で軌道修正。
その後は一旦放牧に出て休養。使い詰めだっただけにちょうどいい一休み。強調材料は今回と同じ盛岡ダート1400m5戦4勝2着1回。この経験の多さに加え、リフレッシュできていれば一発の可能性がある。
ササキンローズはスタートがカギだが、2戦目でただ1頭だけ38秒0の強烈な末脚を使って直線一気を決めた。初輸送、初の左回り、初の1400mなど不確定要素は多いが、ハイペースになれば一気突き抜けるシーンまで。
ザワロインは盛岡ダートのみを使われて着外は一度もなし。前回、好タイムで初勝利を飾り、上昇ムードに乗った。
チェリースイスは知床賞6着、南部駒賞5着。いい脚を長く使えるのが武器。勝ち負けはきついが、3連モノの押さえは必要。
◎⑤レディーアーサー
〇⑧カクテルライト
▲①アップテンペスト
△⑦ササキンローズ
△④ザワロイン
△⑥チェリースイス
<お奨めの1頭>
2R エープラス
前走は1年3ヶ月の長期休養明けだったことを考えれば2着で上昇。ひと叩きされて首位奪取に燃える
11月7日に行われたダート1200mの重賞『絆カップ』。今季から1200mに短縮されて秋のダートスプリント戦となったこのレースは、今季ここまで重賞3勝を挙げているキラットダイヤが優勝。4つめの重賞タイトルを獲得しました。
スタート直後こそ競り合いに巻き込まれるかに見えたキラットダイヤでしたが、二の脚のダッシュで抜け出してリードを取るとその後は一人旅。3~4コーナーあたりでもう後続は追いつけず差は拡がる一方に。ゴールでの2着馬との差は10馬身、大差にこそならなかったものの最後まで危なげなく走り抜いたキラットダイヤの、その強さとスピードが際立ったレースとなりました。
一方2着争いは最後まで激戦となり、道中2番手で粘っていたケイアイテディをゲンキチハヤブサが交わして2着を確保。2番人気ドラセナも直線追い上げましたがこちらは4着まで、ケイアイテディが3着を守り切りました。
11月9日のメインレースは第11RのA級一組ダート1800m『晩秋特別』。本命は(9)リリーモントルーです。
成績上は「3連勝のあと3連敗」になりましたが直近の3戦はダートマイルの重賞・芝1700mの重賞、南部杯なのですから敗れた事を気にする必要はなく、むしろ南部杯での地方馬最先着、青藍賞での優勝争いに加わる3着は力量を評価して良い結果だったと考えます。
今回はA級特別戦に戻って、相手関係もこれまで何度か戦っている馬たち。1800mという距離は4走前に勝ち抜いている条件。となれば主力視は当然、この後の重賞戦線にむけて再度進撃開始を狙う一戦といえるでしょう。
対抗は(1)プロヴィデンスを。前走はマツリダスティールにこそかなわなかったものの3着以下は危なげなく引き離しての2着確保。それが自身初めての1800m戦だったのですから高く評価していい走りだったでしょう。ここも同型がいますが絶好枠から主導権を握る事ができれば。
三番手はその"同型"(8)パンプキンズ。この馬も近走の敗戦は重賞でのもの、A級特別なら距離問わず好走できている事、その先行力もまた距離を問わない事はいまさら言うまでもありません。外枠といっても8番枠なら自身の形に持ち込めるでしょうし、そうであればこの距離でも。
ここのところ着順が振るわない(4)ヤマショウブラックですが、状態自体が着順ほど悪いようには見えません。あくまで展開や距離の影響ではないでしょうか。その意味で1800m・得意な雨馬場という事になりそうな今回は変身の可能性を意識したいもの。
また(2)マルケイマーヴェルも3走前の牝馬準重賞で1800mを勝ちきっているように距離はこなせている戦績。対牡馬のここでも力量通用と考えたいですね。
●11Rの買い目
馬単(9)=(1)、(9)=(8)、(9)→(4)、(9)→(2)
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先週10月31日、盛岡ダート1600mで行われた2歳交流「第48回南部駒賞」は北海道勢が上位3着までを独占。地区レベル差をマザマザと見せつけた。優勝はエイシンヒカリ産駒エイシンシュトルム。父に二世代目で初重賞をプレゼントした。
山本咲希到騎手「気性の危うさを考えると現状は逃げがベストですが、逃げれなくても3番手は取りたいと思っていました。1600mぐらいが一番合っていますが、初の左回りと初コースが不安でした。左回りだと外へ張り気味になりますから、外の馬(ドラゴンゴクウ)がちょうどいい壁になってくれました。2馬身差の完勝は馬の能力ができるワザですが、先頭に立って遊ばれたのが今後の課題。もっと成長してくれれば、さらにいいパフォーマンスを出せると思います。跳びが大きい馬ですから芝も合うかもしれませんね」
そのコメントを頭に入れてレースリプレイを観ると納得。やはり外に張り気味で走っていたし、4コーナーまで手応え抜群。直線でクロールキックを捕らえた後、鞍上がムチを入れて気合いをつけていたが、それで完勝なのだからスケール一目。まだまだ伸びしろがありそうな予感を抱かせた。
跳びが大きく芝が合うかも―と山本咲希到騎手が語っていたが、佐藤哲三元騎手もレースを見て同じ感想を語っていた。父エイシンヒカリはディープインパクト産駒。そして母父はディープと相性抜群のタピット。左回りにはまだ課題があるが、チャンスがあれば芝にも挑戦してほしいと思った。
8日メインは「霜月特別」(A級二組 盛岡ダート1600m)。地力アップが目覚ましいレールガンの2連勝に期待する。
2歳11月、中央2戦0勝から転入。3歳時には岩手クラシック戦線に名乗りをあげて東北優駿3着、不来方賞4着。置かれる脚質のため勝ち味に遅いタイプだが、重賞でも上位を確保した。
ひと皮むけたのは冬場に南関東へ移籍して4戦を消化。3着最高だったが、今年5月に再転入。4戦目を快勝し、古馬重賞へ挑戦。準重賞・すずらん賞ではタイセイブラストのタイム差なし2着に気を吐いた。
続く青藍賞6着、南部杯14着が相手が強く仕方なしだったが、自己条件に戻って前回圧勝。いつもどおり後方に待機し、3コーナーからスパート。あとは逃げ切りをもくろんだアドマイヤコメットをあっさり交わして4馬身差。自慢のまくり脚をさく裂させた。
脚質的な不安は常につきまとうが、今の充実度を重視。加えて先に行きたい馬がそろって前回よりもハイペース模様。2連勝のお膳立てが整った。
サンエイムサシは岩手4勝から4歳2月に南関東へ移籍。2勝をマークし、南関東B3級から里帰り。強豪相手に揉まれてきた経験を生かして、いきなり2連勝を飾った。前走も1番人気に支持されたが、直線で伸びを欠いて3着。レールガンの決め手に屈したが、逃げるアドマイヤコメットを捕えるため早めに動いたのが仇。評価ダウンにはならない。今度は先行グループの動向を見ながらレースを進め、巻き返しに転じる。
アドマイヤコメットは徹底した逃げタイプ。ここ2戦とも自らハイペースを形成しながら2着に粘った。ただ今回は外10番枠に加え、同型もそろったのがネック。先行激化なら失速のケースも考えておきたい。
サンエイバラードは芝ダート兼用のタイプ。成績どおり一戦ごとに勝利をモノにしている。特に盛岡ダートでは連対を外したのは一度のみ。前走3着のうっ憤を晴らす。
グランフォロミーは左回りに不安を残すが、前走4着で克服のメドが立った。東北優駿(岩手ダービー)2着の実績からも軽視できない。
ラフレシアオジョーはA級に入ると展開の手助けが必要だが、今回はハイペース必至。しっかりした末脚を生かせるかもしれない。
◎⑥レールガン
〇⑨サンエイムサシ
▲⑩アドマイヤコメット
△①サンエイバラード
△③グランフォロミー
△⑫ラフレシアオジョー
<お奨めの1頭>
1R サイタオフェーリア
転入戦をあっさり逃げ切り、1秒7差で圧勝。同じ1000m戦なら追いかける一手
7日(日)メインは「第11回絆カップ」(盛岡ダート1200m)。創設は2011年。東日本大震災からの復興を祈念して創設。第1回は10月10日、盛岡ダート1400mを舞台に行われたが、当日、東京競馬場では『岩手競馬を支援する日』と題して「マイルチャンピオンシップ南部杯」を特例で実施。
一方、岩手競馬ではこの絆カップが行われ、東京競馬場のターフヴィジョンでも放映。ファンが大歓声でレースを見守ってくれた。その後、JBC盛岡開催のとき、2000mで行われた以外は盛岡ダート1600mで実施されていたが、今年は距離が1200mへ変更。今年、絆カップは新たな道を歩むことになる。
それに伴い、出走メンバーも一変。絆カップ2年連続の出走馬は1頭もなく、短距離のスペシャリストがずらり顔をそろえた。
中心はキラットダイヤで迷いなし。中央ダート1000m2勝から今年3月に岩手入り。初戦は水沢1400mの距離が長かったため、スティンライクビーの3着に終わったが、2戦目から圧巻の重賞3連勝中。
今年、水沢850mで行われた早池峰スーパースプリントを好位抜け出しで完勝し、続く岩鷲賞を1秒差で圧勝。コース替わり、1200m延長がネックだったが、あっさりクリアー。牡馬を一蹴した。
その後は夏休みに入り、牝馬重賞・ヴィーナススプリントで復帰。牝馬同士なら能力が違いすぎるとばかり、2着マルケイマーヴェルに1秒6の大差をつけて逃げ切った。
最大のライバルは同厩のコンサートドーレだったが、無理せず自重。すでに勝負付けが済んだメンバーに加え、盛岡1200m2戦とも圧勝。ヴィーナスS後は絆カップ1本に絞って調整を進め、態勢も万全。重賞4連勝に王手をかけた。
ドラセナは中央2勝。芝1800m、ダート1400mでそれぞれ1勝をマークして転入。初戦の盛岡ダート1600mを豪快なまくりを決め、0秒4差で完勝。続いて南部杯へ駒を進め、結果9着だったが、前走タイムを大幅に更新した。
前走は矛先を変えて1200m戦へ出走。スタートで出遅れたのが致命傷かと思ったが、メンバー最速の36秒5の上がりを披露してコンサートドーレの2着に突っ込んできた。この決め手が最大の武器。仮にキラットダイヤに競りかける馬がいれば一気突き抜ける可能性もある。
スティンライクビーは南関東から再転入。あっさり2連勝を飾った。以降は重賞挑戦などで相手が強かった上、条件も合わず入着一杯だったが、平場戦に戻って前々走1000m戦を快勝。軌道修正に成功した。前走も直線でジワジワと伸びて3着確保し、ここでも目が離せない。
ケイアイテディは中央ダート1200m1勝から南関東900m(川崎)1勝、名古屋7勝、金沢の交流・日本海スプリント(900m)3着から転入。初戦1000m戦2着、前走1200m戦4着と通用を証明した。キラットダイヤが逃げ、以下のグループが追いかけず流れ落ち着けば残り目は十分。
サンエイロードは南関東デビュー2連勝後、脚部不安のため約1年休養。復帰戦も白星で飾ったが、以降は勝ち切れないレースの連続。900m2着2回が最高で岩手へ新天地を求め、初戦のマイル戦を完勝。久々の美酒を味わった。前走は3着止まりだったが、1200m短縮を味方にしたいところ。
ツルオカボルトは南関東時代を含め、通算8勝のうち4勝が1200m戦。ひと叩きされて良化が見込めるはず。
◎④キラットダイヤ
〇⑨ドラセナ
▲③スティンライクビー
△⑧ケイアイテディ
△①サンエイロード
△⑩ツルオカボルト
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3R メイジュスマイル
前走2着だったが、相手が強すぎた。休み明け3戦目と走り頃を迎え、メンバーも手頃。待望の白星は目前に迫った
10月31日に行われた2歳馬の地方競馬全国交流重賞『南部駒賞』はホッカイドウ競馬所属のエイシンシュトルム号が優勝。同レースを4年連続でホッカイドウ競馬所属馬が制しました。
1番人気に推された地元のカクテルライトが逃げて北海道勢がその後ろに連なりながら進む展開。エイシンシュトルムは先行集団を見ながらの4番手に付けて流れに乗ります。
4角まで先頭を守ったカクテルライトでしたが外からクロールキックが馬体を合わせたところで一杯に。しかしそのさらに外から持ったままの手応えで上がってきたのがエイシンシュトルム。粘るクロールキックを振り切ると2馬身差を付けてゴール。自身三度目の重賞挑戦で待望のタイトル獲得となりました。
2着にはクロールキックが粘り切り3着は追い込んだモリデンブラックが食い込んで3着までを北海道勢が独占。カクテルライトは離れた4着に終わっています。
さて、6月から続いている盛岡開催もあと1ヶ月ほどになりました。ひと足先に終わるのが芝のレースで、この11月2日に行われる4Rと7Rが今季ラストの芝戦となります。
昨年は雨にたたられて何度もダート変更になってしまいましたが今年は今までのところダート変更はなし。最終日の天候も悪くないようですからこのままダート変更なく芝シーズンを終える事ができそうです。次の"盛岡の芝レース"は来季になりますね。ラストの芝レース、ぜひ堪能しておいてください。
11月2日のメインレースは第11RのB1級ダート1600m『ビオラ賞』。本命は(10)ナムラバンザイとしました。
前走の芝戦での9着はオープン級の激戦という事を思えば致し方なし。それ以前のダート戦ではA級でも勝ち負けに加わりつつあった点を再評価しておくべきでしょう。この辺のクラスでは簡単に白星が手に入らないとはいえB1級上位の力を示しているのは自ら証明済み。降級・ダートに戻って巻き返してくる事を期待します。
対抗は(5)ハナレイ。大井から門別を経ての転入で、直近の着順は振るいませんが大井時代の終盤から門別では上位クラスに入っていた点は考慮しておきたいところ。距離もマイルの方が好都合、あとは初めてになる左回りがどうか?だけ。
三番手は(3)テソーロでどうでしょうか。短距離での活躍が目立ちますがマイルでも流れひとつ。差し脚活きる馬場傾向が続いた事も好走要因のひとつだったはず。ここはその馬場傾向次第かもしれませんが勢いはメンバー中でも上位。
(1)ジョリヴィサージュの評価はちょっと悩みつつ控えめに。マイルはちょっと長い印象があるうえ、短距離限定のメンバーを離れたここは同じB1級でも相手強化感があります。地力の高さでカバーしておかしくないにしても過信はしたくないというスタンスで。(11)ミズサンタイムは前走までの成績がもうひとつですが、深い馬場があまり得意ではないタイプゆえ今の馬場状態なら昨秋のような走りが戻ってきていいのでは。休み明けですから気配を見つつの狙いで。
●11Rの買い目
馬単(10)=(5)、(10)=(3)、(5)=(3)、(10)→(1)、(10)→(11)
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