先週17日で盛岡開催が終了。22日(土)から舞台は水沢競馬場へ替わるが、今回は1開催、翌週31日までの2週間のみ。次週に"GRANDAME-JAPAN2020"古馬シーズン・ビューチフルドリーマーカップがある。
毎回のことだが、開催替わりは傾向がつかめず、実際走ってみないことには分からないことばかり。内が有利か外有利か。先行有利か差しが届くか。さらに時計が速いのか、それとも時計がかかるのか。それによって勝ち馬がガラリと変わる。
ただ一つ言えるのはジョッキーも様子を見ながらの騎乗。無理をして競り合うことはせず、先行有利の傾向がやや強い。
あとチェックしたいのは水沢実績。盛岡が合わず凡走していた馬が水沢に替わって一変するケースも多い。盛岡ダートが1周1600m左回りバンケットコース。水沢が1周1200m右回り平坦コースと真逆の形態による。これが岩手競馬の最大特徴といっても過言ではない。
さっそくメインのB2特別「オーガストカップ」(水沢1400m)は近走成績に加え、水沢成績も予想の大きなファクターとなった。
フォローユアハートは水沢2戦連続2着から盛岡に替わって8、6着に凡走。コース実績に加え、距離1600mも敗因だった。
しかし前走2着。1200mへ短縮されて持ち味の切れを発揮。ノットオンリーを捕え切れなかったが、直線で鋭く伸びてきた。
勢いを取り戻して水沢を迎えたのは好材料。過去<2.4.2.1>と馬券対象から外れたのは一度のみ。最後の詰めが課題だが、軸として打ってつけの存在となった。
ヒシコスマーは中央芝2勝。朝日杯フューチュリティステークスを含め、重賞挑戦4度の実績が光る。一昨年、南関東へ移籍したが、ダートが合わなかった上、クラスもきつく入着一度もなし。
それならばと盛岡芝・OROカップへエントリーしてコスモリョウゲツの2着。改めて芝が合うことを垣間見せ、今年5月に転入。4戦目の水沢1300mでタイム差なし2着。そして前走は芝からダート変更となったが、1000m戦を快勝。これでメドが立った。
時計のかかる馬場になると割り引きだが、多少でも雨が降って軽くなれば再現も十分考えられる。
ベルウッドタマドは中央ダート1700m1勝、ダート1200mで2着1回。その後、名古屋で2勝、金沢で2勝をあげて転入。初戦は5着だったが、前走2着を確保した。
水沢未経験だが。右回りに替わるのは大歓迎。前に行ける脚もあり、上位の一角を形成する。
ノットオンリーは前回快勝。盛岡では4着最高だったが、苦手意識を完全払しょく。好ムードで水沢戦を迎えた。特に水沢1400mは6戦3勝2着1回3着1回と最も得意とする条件。うまく先手を取れればアッサリまで。
ジーパワーは堅実な差し脚で今季未勝利ながら2着2回3着3回。近走も安定した結果を出している。流れ速くなれば連対のシーン。
マイネルレイールも堅実さが身上。高知C2から再転入後、着外はわずか一度のみ。毎回のように入着を果たし、ここでもマークが欠かせない。
◎①フォローユアハート
〇⑦ヒシコスマー
▲②ベルウッドタマド
△⑤ノットオンリー
△⑪ジーパワー
△⑩マイネルレイール
<お奨めの1頭>
7R ゴッドスパロウ
勝ち切れないレースが続いたが、前回快勝。久々の勝利を手にし、上昇ムード。もう一丁いける
8月16日に行われた今季岩手最初の2歳重賞、芝1600mの『若鮎賞』は1番人気マツリダスティールが優勝。同世代のライバルたちの中から一歩リードの走りを見せつけました。
スタートのタイミングが合わず最後方になってしまったマツリダスティールでしたが、向こう正面に入ったところから巻き返しはじめ3~4コーナーでは先頭を射程圏に。直線先頭に立ってからはさすがにロングスパートが応えたかゴールデンヒーラーの反撃に苦戦しましたが最後はアタマ差でゴール。世代トップクラスと言われる実力馬がまずは2歳最初のタイトルを獲得しました。
来週からは1開催2週間の水沢開催に移るため、夏の盛岡開催は今日8月17日まで。"夏の"というよりは梅雨が明けずグズグズした感じの盛岡開催でしたね。そしてお盆を過ぎ、例年ならそろそろ秋っぽい感じにもなってくる8月下旬なのですが、今年は残暑が居残りそう。なんだか季節感がおかしくなる今年の夏です。
さて8月17日のメインレースは第10R、芝の準重賞『桂樹杯』。準重賞の格付けではありますが芝路線の本格開幕が遅かった今季はこのレースが秋の芝戦線に向けての重要な前哨戦の位置づけとなりました。メンバーも現時点での芝の一線級が勢揃いした印象です。
本命は(7)ロワアブソリューです。この春の転入後はなれないダートで苦戦をさせられてきましたが、前走の7月・芝マイル「OROターフ特別」ではこれまでとは一変した走りで優勝。自身久々の勝利を挙げると同時にやはり芝でこそ、芝ならばの力を再認識させてくれました。
その時のライバルの多くはせきれい賞に進みましたが本馬は距離を考慮して自重、当初から桂樹杯に進む方向で調整してきました。ここはOROターフ特別で破っている相手がほとんど。とすれば負けるわけにはいかない一戦。
対抗は(2)ロジチャリスでどうでしょうか。こちらも◎と同時期に岩手に転入。ダートで苦戦したのも同様の今季ここまで。そして本馬も距離が長いせきれい賞には向かわずマイルの桂樹杯を狙ってきました。OROターフ特別では4着ながらも最後の脚色は上位と遜色なし。ここでも力差なし、前走以上の着順も十分に期待可能と判断。
3番手は(1)マツリダレーベン。今季の春先も決して状態は悪く見えませんでしたが例年以上に深かった水沢のダートでは結果につながらず。しかし芝に戻ってからはしっかり見せ場を作ってきておりこの馬もやはり"芝でこそ"を再確認。上位争いできる力を持つ一頭のはずです。
(4)コスモリョウゲツを△一番手にするのはちょっと申し訳ない。昨年のこのレースでは2着、そこからOROカップ制覇につなげました。せきれい賞は例年にないハイラップに苦戦しましたがOROターフ特別の内容なら争覇圏内。もう一頭は穴っぽく(8)エスティーム。この馬も二走前の内容なら掲示板争いくらいは十分にできるはず。
●10Rの買い目
馬単(7)=(2)、(7)=(1)、(7)=(4)、(7)→(8)
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16日メイン11Rは今シーズン第一弾の2歳重賞「第21回若鮎賞」(芝1600m)。
今年、岩手競馬は芝の改修に伴い、芝レースは2ヶ月ほど遅らせてスタート。さらに芝の痛みを考えて原則1日1レースに限定した。
昨年まで2歳新馬戦は盛岡開催は芝1000m、水沢は850mが基本(降雨などによる馬場悪化の場合はダート変更)だったが、今年は盛岡ダート1000mでも2歳新馬戦を実施。芝1000mの2歳新馬はこれまで2レースのみ。
また若鮎賞は荒れることで定評がある。昨年は6番人気シーサンプーターが優勝。一昨年は8番人気マリーグレイス、2017年は8番人気ベストロードが優勝し、好配当が続出した。
2016年は1番人気メジャーリーガー、2015年は3番人気キモンイーグルが優勝し、人気サイドで決着したが、ここ3年は荒れている。
理由は芝1600m経験がほとんどなかったこと。芝1000mで勝った馬がマイルもこなせるとは限らない。ダートで連勝して人気を集めても芝がダメのケースもある。
さらに今年は芝1000mの2歳新馬戦は2レースのみ。判断材料が少なく、波乱に輪をかけるかもしれない。それを念頭に入れて馬券検討に入ってほしい。
本命はマツリダスティール。2歳新馬=盛岡芝1000mを59秒1の好タイムで逃げ切り勝ち。2着に7馬身差をつけて圧勝した。
この59秒1は2度目の2歳新馬戦でリップクリームが59秒0(良馬場)で上回ったが、近年では出色のタイム。マツリダスティールの時は重馬場だったことを考えれば非常に優秀。
父エキストラエンドは父がディープインパクトで兄はローエングリン。重賞は金杯1勝のみだが、血統の良さを買われて種牡馬入りした。
一方、母シェーンブリッツはクロフネ産駒。また祖母の父がダンスインザダークでその父サンデーサイレンス。つまりマツリダスティールはサンデーサイレンスの3×4の強いインブリードを持つ。この点も魅力に感じた。
リュウノシンゲンはデビュー戦こそ取り消しだったが、仕切り直しの水沢850mを勝ち、盛岡ダート1400m戦も快勝。スケールの大きさが目についた。
最大ネックは未経験の芝だが、父グランプリボスはサクラバクシンオー産駒で朝日杯FS、NHKマイルカップのGI2勝。ほかにGII2勝。
ただ、母ランブルジャンヌ(父ムタクディム)は中央ダート3勝。完成度は高いが、果たして初芝をこなせるか否か。
ゴールデンヒーラーもダートでデビュー2連勝。自慢のスピードが冴え渡っている。父タートルボウルは欧州で6勝マークしたマイラー。産駒に芝重賞3勝馬トリオンフを出し、母父がアグネスタキオンなら芝は問題なしだが、アフリート産駒の祖母ビッグハッピーはダート5勝。目立った芝の活躍馬がいないことも気がかりと言えば気がかり。
スターサーバルは門別1000mのデビュー戦は9着だったが、一戦ごとに着順をあげて4戦目を快勝。直後に岩手入りした。父パドトロワは芝1000m~1200mで9勝。叔父に芝6勝エイシンバーリンがいて、母キリーンガールも芝1200m1勝。芝をこなせる素地は十分あり、いきなり重賞制覇のシーンまで。
インスピラーレは門別1100m2歳新馬戦2着。2戦目は9着に終わって転入。父は生産界の評判も高いドゥラメンテ。姉はJBCレディスクラシックを制したアンジュデジールと血統文句なし。アッサリあって不思議はない。
シタベッドはデビュー2戦とも2着だが、直線で確実に台頭する実戦派。先日の芝交流・せきれい賞を完勝したアップクォークで一躍注目の的となったベーカバド産駒。
◎⑦マツリダスティール
〇④リュウノシンゲン
▲②ゴールデンヒーラー
△⑪スターサーバル
△①インスピラーレ
△⑨シタベッド
<お奨めの1頭>
7R フローラルティアラ
堅実な差し脚を武器に安定度抜群。今回はメンバーが大幅に緩和され、待望の白星をゲットする
10日、盛岡ダート1200mで行われたJpnIII「第25回クラスターカップ」は1番人気に支持されたマテラスカイが快勝。ブルドッグボスが保持していたコースレコード1分8秒8を0秒3更新。
また2008年、中山・カペラステークスでマークしたビクトリーテツニーのレコードを0秒2短縮。ダート1200mの日本レコードも樹立した。
想定はマテラスカイの逃げだったが、1番枠に入ったヒロシゲゴールドがハナを主張。昨年のクラスターCなどで武豊騎手が騎乗していたので、スピードは折り込み済み。無理をせず2番手に控えた。
スタートからのハロンラップは12秒1-10秒4-11秒2-11秒3-10秒8-12秒7。直線を向いても2頭のマッチレースに持ち込まれ、ヒロシゲゴールドも渋太く粘ったが、残り50mでマテラスカイが交わして快勝。一昨年、プロキオンS以来、2度目の重賞タイトルを獲得した。
レコード更新の背景にはハイラップを刻みながらもヒロシゲゴールドのスピードが衰えなかったこと。マテラスカイがぴったり折り合いをつけて常にプレッシャーをかけたことなどがあるが、何よりも盛岡ダートコース特性があげられる。
昨年のヤマニンアンプリメ、一昨年のオウケンビリーヴが1分9秒1で優勝。3年前のブルドッグボスは1分8秒8のレコードで勝ち、その前の年は60キロを背負ったダノンレジェンドが1分9秒1で連覇を達成。
馬場状態にかかわらずハイタイム決着の連続で、世界でも通用するマテラスカイが参戦すれば更新は確実。クラスターCスタート時は良馬場まで回復していたが、第9RのB2戦が1分12秒2で決着。それを基準に考えれば納得のタイムだった。
これで盛岡競馬場=OROパークは日本レコードを持つコースとなった。素直にうれしく思う。
15日メインはA級一組「納涼特別」(盛岡ダート1800m)。岩手15勝、南関東7勝のヴィグラスムーヴがカギを握るが、今回は7ヵ月ぶりの実戦。やはり割り引きが必要だろう。
主軸はグランユニヴェール。今シーズンは順調に使われて2勝2着1回。準重賞・あすなろ賞でもパンプキンズの2着を確保した。
ここ2戦は6、7着と振るわなかったが、元々が成績安定しないタイプ。条件も合わなかった。
今回はあすなろ賞と同じ盛岡1800mが舞台。4走前にも同条件を快勝したようにこの距離、左回りがベスト。首位奪回のチャンスを迎えた。
アドマイヤロマンは京都芝1600m1勝。その後は勝ち切れないレースが続き、6ヵ月の休養から岩手へ新天地を求めてきた。
その選択がズバリ。初戦のB1級で2着を確保し、2戦目のねむの木賞を完勝。続く芝・レインボーカップは4着止まりだったが、昇級戦の前走を快勝。好タイムでA級も突破した。
今回はA級一組が相手とは言え、一線級は不在。ならば勢いを重視するべき。
ディグニファイドは中央ダート3勝から昨年転入。未勝利ながら2着3回。3走前・あすなろ賞でもグランユニヴェールとはクビ差3着。このメンバーなら強い印を打つのが当然だろう。
コスモジョイジョイは今季3戦目を快勝。続く一戦は6着だったが、前走3着に盛り返して健在を誇示した。道中で必ずひと脚を使えるタイプ。展開はまれば単まで可能。
コパノステラートは北海道A級から転入。初戦はハイペースに巻き込まれて5着だったが、今回は主導権を握れる相手関係。マイペースなら粘り一考。
ヴィグラスムーヴは順調ならば◎まで十分の実力馬だが、久々の実戦。能力検査を叩かれた上積みは見込め、軽視はできないが現状は押さえ。
◎⑨グランユニヴェール
〇①アドマイヤロマン
▲③ディグニファイド
△②コスモジョイジョイ
△⑥コパノステラート
△⑤ヴィグラスムーヴ
<お奨めの1頭>
3R タクティークプラン
4月以来の実戦でもメンバー有利は明白。久々は地力の差でカバーできる
8月9日に行われた3歳牝馬三冠路線の第二戦・重賞『ひまわり賞(オークス)』は2番人気のマルケイマーヴェルが優勝しました。
逃げたエイシンナーサリーの2番手につけて進んだマルケイマーヴェルは3コーナーすぎに早くも先頭に立つ勢い。単独で抜け出して進んだ直線は、アンズビジンそしてエムワンリーフの猛追を受けたものの2馬身のリードを保ったまま凌ぎきってゴール。自身初の重賞制覇を果たしました。
週末の度にグズグズした天気が続く盛岡なのですが、今年は北東北は結局「梅雨明けの時期を定めず」となりました。暦の立秋までに明確な梅雨明けが判定できなかった場合は梅雨明けを速報として発表しないのだそうで(あとになって"○○頃に梅雨が明けていたと思われる"な発表がされる場合があります)、2017年以来のことだそうです。
天気予報を見ているとこの先、晴れたり気温が上がったりする日もあるようなんですけどもねえ。なかなかはっきりとした"夏"になってくれませんね・・・。
8月10日のメインレースは第10R。ダートグレードレースの『クラスターカップJpnIII』。発走時刻は16時45分ですのでお間違えなく。
本命は(9)マテラスカイです。中東で、アメリカで、そして日本で。世界を股にかけて走るスプリンター。しかし日本の、特に地方競馬のダートではこの馬には重すぎてスピードを活かしきれない・・・というのが日本での苦戦の要因の模様です。前走の北海道スプリントも優勝タイムが1分12秒8、門別1200mになってから2番目に遅い決着になるようなコース状態では持ち味が完全に発揮できなかったのでしょう。
しかし盛岡は、日曜日に強い雨が降った影響でクラスターCの月曜日に「パサパサに乾いた良馬場」になる可能性はほとんどなくなりました。下級条件でも1分12秒台が出るような馬場状態なら、この馬なら1分9秒台、いや8秒台に突入する可能性も大幅に高まったと言えるでしょう。スピード全開で戦える条件が整うという事なら本命視当然、興味はどれだけのスピードを見せてくれるのか?に移ります。
対抗は(12)トップウイナーを採ります。重賞挑戦は前走が初めてでしたがこれまでのダート短距離での戦績は軽視できるものではないですし、その前走・プロキオンSにしても重賞ウイナーと互角に戦っての5着なら高く評価できる内容です。振り返ってみれば母もきょうだいも短距離が主戦場だった馬たち。もともとの素質に改めて注目。
3番手は(2)アユツリオヤジでどうでしょうか。二走前の芝で勝ち星を挙げての前走芝重賞への挑戦でしたがもともとはダート短距離の馬。着順が安定しないのは先行タイプの宿命。好枠からうまく流れを作れたら面白い戦いに持ち込めても。
ヒモはまず(3)ブルドッグボス。2017年のこのレースの覇者であり、その時の優勝タイムがこの距離のレコードになっています。クラスターカップ出走4度目という経験値も最右翼のものです。(5)ショームはもう少し距離があった方がいい差しタイプだと思いますが先行馬が多いここなら展開が向く可能性も。そして北海道スプリントCで◎を破った(7)メイショウアイアンまで押さえに。
●10Rの買い目
馬単(9)=(12)、(9)→(2)、(9)→(3)、(9)→(5)、(9)→(7)、
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