6月28日に行われた3歳馬の重賞『ウイナーカップ』はマイランコントルが優勝。9着に終わった東北優駿の雪辱を見事に果たしました。
ここまでの岩手3歳クラシック戦線を戦ってきた馬たちと東海地区から転入してきた2頭との戦いになった今年のウイナーカップ。レースもまさにそれが現れた展開に。先行ポジションに付けたエイシンハルニレ、一列後ろの外に付けたマイランコントル、そしてそれを見る形で進んだダルマワンサ。人気上位にも支持されたこの3頭が互いにマークし合うような位置取りで進んでいきます。
勝負どころからは3頭三つ巴の戦いになりましたが、4角先頭に立ったマイランコントルがダルマワンサ・エイシンハルニレを振り切ってゴール。2番人気9着に終わった東北優駿の雪辱を果たすとともに、デビューから実質5戦目での重賞制覇を達成しました。
6月最後の水沢開催となる30日・火曜日のメインレースは第12Rのねむの木賞。今シーズン始めての水沢1900mでのレースであり、一方でこの距離を走った経験がある馬が少なく、適性を計りづらいレースともなりました。
ところで、ここまで基本的に先行馬優勢の傾向が続いていた水沢競馬ですが、今週は日曜はそんな傾向だったのですが月曜は一転して追い込みまで届くような結果が続きました。火曜日はさらに雨も降る予報です。コース傾向の変化にはよく注意を。
さて、ねむの木賞の本命は(8)ロンリーウェイとしました。自身のこなした距離でいえば前走のマイルが最長、芝を含めても1800mまでの経験しかなく、それは確かに不利な材料ではあります。しかし前走、そのマイルでの余力を感じる強さなら、距離が伸びても対応できると見ました。実際、JRA時代にも距離が伸びていくことに対して不安を感じるコメントはあまりなかった馬で短めの距離を選んでいたのは身体ができていなかったから。父ネオユニヴァース・母父エンパイアメーカーなら距離が伸びてこその血統のはず。
対抗は(2)ユイノムサシ。この春の転入後は掲示板を外さぬ堅実な戦い。盛岡の1800mで勝っているだけでなくJRA時代にも中距離で健闘しており距離に対応できそうな点も魅力的。前走、水沢の1800mになって敗れており、もしかすると左回りのほうがより良いタイプなのかも?ですが、しかしその前走で戦った相手は元A級馬もいた強豪揃い。そこで4着ならむしろ上々。。
(5)サンドプラチナが三番手。旧地では東京大賞典にも出走した力がなかなか発揮できずにいる近況ですが、マイルや1800はこの馬にはちょっと短かっただろうというのも確か。少しでも距離延長、そして今回からB1級に降級した事も後押しの材料になるのでは。
ヒモはまず(7)アドマイヤロマン転入初戦の前走を含め近走は短距離主体ですが中距離もあまり苦にはならない戦績。軽い馬場になれば芝適性も活きてくるかも。(3)ワタリセイユウも南関時代は中距離をこなしています。この馬も今回降級。転入初戦の水沢マイルB1級での強さを思い返してみましょう。
●12Rの買い目
馬単(8)=(2)、(8)=(5)、(2)=(5)、(8)→(7)、(8)→(3)
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先週21日、伝統の「第48回一條記念みちのく大賞典」を完勝したランガディアのことを考えている。中央から転入して赤松杯、シアンモア記念、みちのく大賞典と重賞3連勝。
シアンモア記念が1600mへ変更(2000年)されて以降、この3レースをすべて制したのは2014年、ナムラタイタン1頭のみ。いかに至難の業か―が一目瞭然だ。
ただ、ナムラタイタンはマーキュリーカップをスキップ。夏場を完全休養し、ぶっつけで南部杯へ臨んでベストウォーリアの6着。いきなりJpnIでは厳しかったし、加えて本調子も欠いていたのも事実。仕方なしの結果だった。
加えてナムラタイタンが全能力を発揮できるのは休み明けから3戦目まで。翌年からナムラタイタンはローテーションをきっちり守って"帝王"へ君臨した。
さてランガディア。現時点でマーキュリーC参戦表明はしていないが、仮に出走すれば岩手の切り札になるのは間違いない。
血統的な裏付けもしっかりある。父は芝ダートで多くの強豪を送り込んだキングカメハメハ。母マリーシャンタルはダイナカールの子供で自身はダート4勝。
ランガディアは中央時代は芝5勝だったが、ダートで新境地を切り開いた。気になるのはみちのく大賞典の走破タイム2分13秒0。小回り水沢で先週21日は時計のかかる馬場だったが、それにしても遅いタイム。
マーキュリーCのメンバーはまだ確定していないが、優勝タイムはおそらく2分2秒台か2分3秒台。ランガディアは一気に10秒もタイムを短縮しなければならないが、レースリプレイをご覧になってほしい。
パンプキンズがスローに落とし、ランガディアは終始掛かりっ放し。それでも上がりを37秒1にまとめたのはさすが。盛岡未経験だが、ペースが速くなること、コース広い盛岡は基本歓迎のはず。
過去10年、マーキュリーカップで岩手最先着を果たしたのは2010年、コアレスレーサーの4着。ランガディアならさらに上を望めると確信している。
29日メインはB1級一組「復興祈念 夢あふれる未来へ」(水沢1600m)。帯に短し、たすきに長し。波乱の一戦となりそうだが、それならば格を重視した。
ハイパーチャージは2017年、南関東B1から転入。毎年きっちり2勝マーク。昨年もA級で2勝をあげ、今季初戦2着、2戦目3着。今年10歳を迎えたが、衰えなしをアピールした。
3戦目5着以降は3戦連続で着外だが、先行有利の流れに泣いた印象。徹底した追い込み馬ゆえ、展開に左右されるのは仕方なし。
加えて3戦とも1800mが舞台。今度は1600mへ替わり、前半ペースも速くなるのは確実。久々に豪脚を披露してくれるに違いない。
ウインアライバルは阪神ダート1400m1勝。昇級後は苦戦を強いられているが、園田の条件交流(A2)で4着。この実績があれば岩手B1で間に合う勘定。しかも先行粘りを身上とするタイプが絶好枠を引き当てたのは心強い。
ヤマトタケルは短距離に活路を開いたが、揉まれる競馬に持ち込まれて10着。ペースが落ち着くマイル向きだったのが判明した。ここならば折り合いつけてもいいし、逃げの手に出れるはず。巻き返しに転じる。
ニシノゲンキマルは3、4走前に凡走したが、再び上昇。前走も2着にまとめた。順調度が何よりも強みに加え、水沢1600mはすべて3着以上。安定度で上位に位置する。
エルノヴィオは徐々に良化傾向にあるのは確か。ペースが落ち着けば残り目があるかもしれない。
ネイチャーモルサムは春当時の迫力が薄れてきたが、決め手一目。直線勝負になれば台頭のシーンまで。
◎②ハイパーチャージ
〇①ウインアライバル
▲⑦ヤマトタケル
△⑥ニシノゲンキマル
△⑤エルノヴィオ
△③ネイチャーモルサム
<お奨めの1頭>
8R カフジリブラ
転入後、圧巻の4連勝中。マイル延長も難なくクリアーし、いずれは重賞路線に乗る器は間違いない
28日メインは3歳重賞「第44回ウイナーカップ」(水沢1400m)。
今回、東北優駿(岩手ダービー)を使った組から5頭。そして東海地区から新たにエイシンハルニレ、ダルマワンサがエントリー。両馬とも岩手へ再転入だが、既成勢力と東海2頭との力量比較が最大ポイントとなる。
その前に今シーズンの3歳重賞戦線を振り返ってみたい。3歳第一弾は3月に行われた準重賞・奥州弥生賞。1番人気に支持されたのはフレッチャビアンカ。
北海道1勝、南関東2戦0勝から岩手入り。2歳最優秀馬グランコージーは休養から南関東へ一旦トレード。2月まで実戦を使われた強みを生かし、2着シーサンプーターに1秒9の大差をつけて圧勝。
続くスプリングカップでも2着マルケイヘイローに6馬身差をつけ、あっさり2連勝。一気に主役へ躍り出た。
岩手一冠目は水沢1600mで行われたダイヤモンドカップ。グランコージーがクラウンカップ6着から里帰りしたが、転入2連勝を評価されフレッチャビアンカが1番人気。
グランコージーは2番人気に甘んじたが、自らハイペースを形成して逃げ、3~4コーナーでフレッチャビアンカが接近を図ろうとしたが、グランコージーが再加速。直線でフレッチャビアンカを一気に突き放して9馬身差。2歳最優秀馬の貫禄を見せつけ、成長確かなことをアピールした。
二冠目・東北優駿(岩手ダービー)は盛岡ダート2000mが舞台。1番人気はグランコージー、2番人気にはデビューから無敗3連勝マイランコントルが支持された。
好スタートを決めたグランコージーだったが、枠差もあってマイランコントルがハナを譲らず先手。グランコージーは2番手に控えたが、スタートからのラップが12秒0-11秒6-12秒1。
全馬が初の2000mだったが、超ハイペースでレースが進み、前半7番手に控えたフレッチャビアンカが勝負どころから徐々に先団へ接近。3コーナーでマイランコントルが一杯となって失速。替わってグランコージーが先頭に立ったのもつかの間、ピアノマンが交わし、その外からフレッチャビアンカが進出。
残り200mでフレッチャビアンカがピアノマンを交わし1馬身差でゴール。ダイヤモンドカップの雪辱を果たし、重賞2勝目を獲得した。
その一戦を受けた今回のウイナーカップ。マイランコントルが重賞挑戦2度目でタイトルを手にする。
今年3月デビューで圧巻の3連勝。勇躍、東北優駿へ登場したが、先にも記したとおり前半3ハロン35秒7の超ハイペース。対して上がり3ハロンは39秒8。結果的にフレッチャビアンカがアスペクトが持つ岩手ダービー・タイレコード2分7秒3の決着となった。
マイランコントルは9着。重賞初挑戦でキャリア不足もあっただろうが、貴重な経験となったのは疑いのないところ。今度は水沢1400mが舞台。持ちタイム1分28秒2も抜けており、控える競馬が問題ないことも前々走で証明済み。
相手筆頭はエイシンハルニレ。北海道1勝から昨年9月、岩手転入。未勝利に終わったが、重賞・若駒賞でグランコージーの2着を確保した。
名古屋移籍後も3連勝を飾り、重賞・新緑賞優勝、駿蹄賞2着。東海ダービーは7着だったが、通算5勝はメンバーで一番の勝利数。この実績を重視する。
ダルマワンサも再転入組。こちらは北海道1勝、笠松2戦1勝2着1回から岩手入り。南部駒賞を使って9着後、再び笠松へ移籍。前走・ぎふ清流カップを含めて重賞で2着3回。強烈なまくりを武器とし、流れ速くなれば一気台頭。
リュウノチョッパーは東北優駿7着に終わったが、ダイヤモンドカップ3着、ORO開幕特別2着。勝負どころでもたつくため勝ち味に遅いが、展開も加味すれば争覇圏にいる。
トゥーナブロッサムは南関東1勝から転入。3戦とも入着止まりだが、今回はメンバー緩和。1400m1勝も強調材料となる。
レールガンは時に切れを発揮し、スプリングカップ3着、東北優駿3着。前が崩れた際に再現あるかも。
◎⑧マイランコントル
〇⑦エイシンハルニレ
▲⑨ダルマワンサ
△①リュウノチョッパー
△②トゥーナブロッサム
△⑪レールガン
<お奨めの1頭>
5R シエスタキー
転入2戦を破格タイムで1着。いずれ重賞路線に名乗りをあげる器であるのは確実
6月21日に行われた古馬伝統の一戦・重賞『一條記念みちのく大賞典』。6頭立てではありましたが有力馬が真っ向からぶつかり合って覇を競った戦いは1番人気ランガディアが優勝しました。
レースは戦前の予想通りにパンプキンズが逃げましたが、ランガディアそしてエンパイアペガサスも馬体を並べるかという位置で追走します。
極端なスローペースになった事もあって序盤は6頭が一団。しかし向こう正面中程あたりから前3頭・後3頭に分かれ始め、後方3頭からヤマショウブラック・センティグレードが追い上げ始めたところが4コーナー。
ここから再度一団の戦いになるかと思われましたが、逃げ粘るパンプキンズ、追いすがるエンパイアペガサスを振り切ったランガディアが2馬身半の差を付けてゴール。転入後3戦を3連勝、それも全て重賞でという強い走りを見せ続けたランガディアが岩手の古馬の頂点に立ちました。
6月23日・火曜日のメインレースは第12Rです。C1級1400mの特別『焼石岳賞』。激戦区C1級の特別戦にほぼフルゲートの11頭。近走好調馬も多く激戦必至というメンバー構成になりました。
本命は(7)イチネンセイです。5月の転入初戦からここまで3連勝中。前走こそ最後追い詰められる形になったとはいえここまではいずれも強い内容での3連勝でした。そんな前走は意外に経験が少ない左回りの影響もあったのではないでしょうか。走り慣れた右回り水沢では転入初戦に圧勝。C2からC1級へ、そのうえ特別戦で相手の歯ごたえは一気に増しましたが、それでも突破できる力はあると見ます。
対抗は(1)ブライアントピース。今季ここまで大きく崩れずに安定しているのは昨年B級の底力でしょう。距離コース共に好相性なだけに前走4着の結果は一旦度外視していいはず。
三番手は(8)コウギョウヘイローでどうでしょうか。昨季A級の力量はこの春の水沢戦の内容で示しました。近二走は盛岡の短距離を選びましたがもとより1400mに問題はありません。スピード競馬を経て一頓挫あった分を取り返していればそろそろ。
(4)ヴィランドリーも短距離戦を経てのここ出走ですが、1000mはやや短かった印象あり。春先の戦績からもこの距離に問題なし。また(2)マイネルレイールもマイルよりは1400mくらいの方が戦いやすそうです。持ち味の堅実さを見直してみてもいいのではないでしょうか。
●12Rの買い目
馬単(7)=(1)、(7)=(8)、(7)→(4)、(7)→(2)
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先日の東北優駿を岩手ダービー・タイレコード2分7秒3で完勝したフレッチャビアンカの父キンシャサノキセキが気になって調べてみた。
2003年9月24日生まれのオーストラリア生まれ。父フジキセキは日本生まれでは初のシャトル種牡馬。キンシャサノキセキは逆輸入馬、いわゆる外車だった。
当然だが、南半球生まれだから日本より半年遅れ。デビューが12月3日だったのは仕方なしだったが、デビュー2連勝を飾り、NHKマイルカップ3着。翌年3月、高松宮記念で2着に敗れたが、2年連続で同レースを制覇。JRA最優秀短距離馬にも選出された。
種牡馬入り後は現役時代と同様、スプリンターを多く送り出したが、佐賀記念(2000m)を制したヒラボクラターシュ、また今年のスプリングステークスを優勝し、皐月賞3着、日本ダービー6着を確保したガロアクリークなど距離への融通性を備えた子供も少なくない。
父フジキセキ。母ケルトシャーンはプレザントコロニー産駒で兄はリュパン賞(仏GI 2100m)を制し種牡馬入りしたグルームダンサー。
プレザントコロニー自身もケンタッキーダービー、プリークネスステークスの二冠馬でBCクラシック、ドバイワールドカップを優勝したプレザントリーパーフェクトを輩出。また孫にはタップダンスシチー(父プレザントタップ)もいるし、さらに曾祖母レディペリーはGI・ロワイアルオーク賞(3100m)を制するなど重厚な血統。フレッチャビアンカも初の2000mを難なく克服できたことも納得した。
22日メインはオープン「スプリント特別」(水沢1300m)。本命スティンライクビーはキンシャサノキセキ産駒。こちらは父同様、スピードタイプに成長した。
キンシャサノキセキはモハメド・アリが王者ジョージ・フォワマンをKOしたキンシャサの奇跡から命名。モハメド・アリは自身のボクシングスタイルを"蝶のように舞い蜂のように刺す"と表現した。
『スティン(刺す)・ライク(ように)・ビー(蜂)』。スティンライクビーは近年でも特筆できるグッドネーミングだと思う。
今年3月、笠松から再転入。初戦のスプリント特別(水沢1400m)で2着に粘り、2戦目・赤松杯でも2着を死守。ランガディアが9馬身差で圧勝したが、ヤマショウブラックの追撃を封じた。
続くシアンモア記念はランガディア、エンパイアペガサスにひとまくりされ、10着に大敗。北海道スプリントカップへ矛先を向けた。
全国で移動自粛が続く中、岩手競馬では今季初の遠征。メンバーが大幅に強化されたが、4番手キープから7着に健闘した。
今回は中2週、遠征疲れなどの不安点はあるが、好調キープ。自分の競馬ができないとモロい面があるが、6頭立ての少頭数に加え、外枠も好材料。ダートグレードを戦ってきた経験を生かす。
タイセイブラストは中央1勝、南関東6勝から転入。初戦は距離1300m対応が懸念されたが、0秒5差で完勝。幸先のいいスタートを切った。
早池峰スーパースプリントでは前走の強さから2番人気に支持されたが、初の1000m競馬にとまどって直線差を詰めただけの6着。明らかに距離不足だった。
今度は実際に勝利を収めている水沢1300m戦。小回りコースなら道中で息を入れることができ、反撃のお膳立ては整った。
プレシャスエースは中央ダート1200m3勝、1000m1勝。3勝クラスまで上り詰めた。1年2ヵ月の休養明け後の成績で▲評価としたが、スピードを生かせる1300mは望むところ。加えて絶好の1番枠を引き当て、アッサリ逃げ切りまで。
シャドウパーティーは今回も直線勝負に賭けるのみ。展開のファクターがつきまとうが、3頭が競り合う形なら一気台頭。
キングジャガーはあすなろ賞9着の結果から1300mへ方向転換。これが吉と出れば短距離路線を歩む可能性も十分ある。
◎⑥スティンライクビー
〇⑤タイセイブラスト
▲①プレシャスエース
△③シャドウパーティー
△④キングジャガー
<お奨めの1頭>
1R ミズサンフェイム
菅原勲調教師いわく「デビュー当時のラブバレットに似ている」とコメント。あとは成長次第だろうが、父譲りの適性で2連勝を飾る