先週月曜日に報告があったように16日(日)、2歳交流「第42回南部駒賞」はロールボヌールが圧倒的1番人気に応えて6馬身差で完勝した。
これでデビューから無敗4連勝。いずれも圧勝だったが、南部駒賞は収穫の多い一戦となった。外枠に入ったスズカブレーンが戦前から逃げ宣言。一方、岩手のスペクトルもハナを譲ったことが一度もなし。結果、ハイペースで推移したが、想定どおり。
ただロールボヌールが4番手インからの競馬に一瞬、不安がよぎった。前走・若駒賞を含めてすべてポジションは外。2歳馬が砂を被ってやる気をなくすケースを数多く見てきただけに正直、大丈夫かなと思った。
しかし山本聡哉騎手はそれも折り込み済み。「実戦で砂を被ったことがなかったのでレースを覚えさせるいい機会だった」
コスモグリズリー鞍上の森泰斗騎手も「本命馬(ロールボヌール)を内に閉じ込めることができた」と思ったという。
それをまったく問題にせず、3コーナー手前で外に出し、あとは逃げたスペクトル、後ろを追走フジノサムライの脚色(あしいろ)を測って直線スパートをかけた山本聡哉騎手の度胸にも感服したが、その指示に応えたロールボヌールのレースセンスもすばらしかった。
残り100mでスペクトルを交わすとアッと言う間に6馬身差。この抜け出した脚に鳥肌が立つほど興奮した。
今までは能力の違い、瞬発力の違いで連勝してきたが、全国が相手となると厳しいレースを強いられることは確実。その意味でも収穫は計り知れない。
「全日本2歳優駿も視界に入ったが、あくまでも状態次第。まだ時間があるのでオーナーとジックリ相談の上、今後を決めたい」と千葉幸喜調教師。次走決定を見守りたい。
22日メインはオープン馬による「スプリント特別」(水沢1400m)。大物転入ケイアイアストン、ケイアイボルトの動向が気になるところ。仮にここを勝てば冬の重賞に新風を吹き込むかもしれない。
主軸はドリームクラフト。今季は脚部不安のため赤松杯後、4ヶ月の休養を余儀なくされ、9月に復帰。仕上がり途上だったが、いきなりタイム差なし2着にまとめ、続く青藍賞でも2着確保。改めて底力を誇示した。
続いて南部杯に挑戦する予定だったが、態勢が整わず自重。JBCスプリントには駒を進めたが、コース適性低い盛岡もあって15着に沈んだ。
しかし今度はベストの水沢1400m戦。マイルもこなすが、陶騎手いわく「脚を貯めることを考えなくていい1400mが一番合う」とのコメントどおり、昨年、岩鷲賞、栗駒賞と重賞2勝。JBCスプリントを叩き台とすれば好走条件がそろったと見ていいだろう。
ランドオウジは南部杯、JBCスプリントとも10着。JBCでは自己タイムを大幅更新したが、さすがに相手が強すぎた。
今年、盛岡ダート重賞3勝をマーク。4度の骨折を乗り越え、8歳にして素質開花した。輸送のない地元水沢だと闘志に火がつかない傾向あるが、それでも総合力上位。次位は譲れない。
ケイアイアストンは中央芝5勝。転入直前の福島民有杯(芝1200m)でも12着ながら1秒1差。また4走前の京都・鞍馬ステークス0秒4差6着。この実績があれば初戦から狙えるが、小回り水沢に対応できるかが最大ネック。ダート経験5度(うち大井で1勝)なら大丈夫とも思えるが、今回は▲評価が妥当だろう。
ダイワスペシャルは芝短距離重賞で上位争い。あとひと押しが足りず重賞に届かなかったが、鋭い末脚を披露した。ダートも栗駒賞(盛岡ダ1200m)4着なら問題なさそう。
チェリービスティーも惜しいところで重賞タイトルを逃がしたが、短距離戦なら芝ダートを問わないタイプ。マークは欠かせない。
◎(2)ドリームクラフト
○(4)ランドオウジ
▲(6)ケイアイアストン
△(11)ダイワスペシャル
△(9)チェリービスティー
<お奨めの1頭>
3R ミナスジェライス
中京ダート1200mで1分12秒0をマーク。不良馬場だったにせよ、このタイムがあればフリーパス
★南部駒賞・ロールボヌール完勝
昨日の16日・日曜日、水沢競馬場で行われた2歳重賞「南部駒賞」は地元岩手のロールボヌールが6馬身差を付けて完勝、その強さを見せつけました。
次戦はまだ検討段階ですが、川崎の全日本2歳優駿も当然選択肢のひとつに入っており、この後の動向には一層の注目が集まる事になりました。
ここ何年かの岩手の2歳馬のなかでも間違いなくトップクラスという逸材の今後に、全国の競馬ファンの皆さんもぜひご注目ください。
月曜日メインはB1級の短距離戦『清水の湧口レース』。レース名の読み方は「しずのわっくち」なんですってね。陸前高田にあるわき水なのだそうです。初見ではとても読めない・・・。
●10Rの買い目
馬単(6)=(2)、(6)=(7)、(6)=(4)、(6)=(5)
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今週から水沢開催へ替わったが、さっそく楽しみな一戦を迎えた。16日メインの「第42回南部駒賞」だ。舞台は水沢1600m。今年は大井から1頭、北海道から2頭が参戦。迎え撃つ岩手6頭の計9頭で覇を競う。
我々の期待はロールボヌールに集まる。デビュー戦の水沢850mを51秒9のハイタイムで圧勝し、続く盛岡芝1000m戦も完勝した。
この時点でも相当レベルだと思っていたが、それをはるかに超える強さを見せてくれたのが2歳一冠目・若駒賞だった。
スペクトルが前半3ハロン34秒7の超ハイペースで逃げ、ロールボヌールは余裕で3番手を追走。4コーナーまでスペクトルのスピードは衰えなかったが、馬なりで4角先頭。あとは山本聡哉騎手が追い出すと後続を一気に突き放して2秒5差。実況アナウンサー・古川さんが「これは強い!」表現したのも納得。まさにけた違いの強さだった。
レースレイティングの高さを昨年の優勝馬ライズラインと比較すれば明確に分かる。当時、ダート戦線をリードしたラブバレットを退けた若駒賞だ。
前半3ハロン35秒9もハイペースだったが、以降もペースを緩めず残り600mで早めスパート。それが功を奏し、1分37秒2の驚異的タイムで逃げ切った。
ただ馬場が軽く平均より2秒5速かった。実際、JRA500万下と岩手B1交流戦の勝ちタイムが1分36秒5(リアライズナマステ)。しかもラブバレットの追撃を封じるため、ライズライン鞍上・小林騎手は最後まで一杯に追っていた。
一方、ロールボヌールが走ったときの盛岡ダートは平均より0秒6速いだけ。しかも山本聡哉騎手は強くは追っていなかった。
競馬専門紙・いわて馬テシオの馬柱には各馬ごとのスピード指数(レイティング)を入れているが、ライズライン「95」に対し、ロールボヌールは「108」。これはオープン馬でもなかなか出せないスピード指数だった。
また同日にもJRA500万下、B1交流が同じ1600mで組まれていたが、1着ムニンの走破タイムは1分39秒0。レベル差があったにせよ、ロールボヌールは1秒1も速いタイムをマークした。
以上のことからロールボヌールの強さは推して知るべし。我々の期待が大きいのもご理解いただけるだろう。どんなレースをするか注目してほしい。
コスモグリズリーは門別1200mの2歳新馬戦を勝ち、4戦1勝から南関東へ移籍。初戦のゴールドジュニアーは6着だったが、目下2連勝。状態がグングン上がっていったという。逃げにこだわらないタイプなら距離も苦にしないはず。付け加えるならロージズインメイ産駒は岩手と相性抜群だ。
スペクトルは若駒賞でロールボヌールに完敗を喫したが、初芝もモノともせず前回快勝。落ち込みはまったくないし、スピード一辺倒のタイプで平坦小回りの水沢の方が合う。スズカブレーンが逃げ宣言しているが、枠差を考えると逃げ必至。
フジノサムライはここ2戦の着外が気になるが、重賞・ブリーダーズゴールドジュニアカップ3着。強豪オヤコダカ相手に健闘が光る。展開も向き、不気味な存在だ。
スズカブレーンは遠征直前を快勝。1200mしか経験していないが、小回りなら我慢できる。同型との折り合いがカギ。
◎(4)ロールボヌール
○(9)コスモグリズリー
▲(2)スペクトル
△(3)フジノサムライ
△(8)スズカブレーン
<お奨めの1頭>
6R ナンヨールーク
転入初戦を破格タイムで圧勝。C2では明らかに地力が違いすぎる。どこまで連勝を伸ばすか楽しみ
今週から舞台は水沢。木曜日、盛岡競馬場周辺に雪が降り、冬到来を実感させている。水沢にお越しの際は防寒対策をしっかりしていらして下さい。地元民の我々も万全の冬支度で水沢競馬に臨みます。
開催替わりは荒れることで定評。盛岡データを一度クリアーして馬券検討に入ってほしい。特に馬場状態は要チェック。中間の雨で軽い走路は間違いなさそうだが、先行有利か差し有利か。はたまた内が有利か外が有利か。当のジョッキーも手探り状態でレースに臨むのでいち早く傾向を掴みたいところ。参考までに今年の水沢競馬のデータを紹介します。
今シーズンの水沢競馬(4月5日~9月15日)
水沢1300m(全131R)
脚質別連対
逃げ=85回(32・3%)
先行=134回(51%)
差し=36回(13・7%)
追込み=8回(3%)
馬番連対率TOP3
①4番枠 131回出走16勝2着22回(連対率=29・0%)
②7番枠 126回出走16勝2着17回(連対率=26・2%)
③2番枠 129回出走21勝2着10回(連対率=24%)
水沢1400m(全166R)
脚質別連対
逃げ=87回(26・2%)
先行=143回(43・1%)
差し=88回(26・5%)
追込み=14回(4・2%)
馬番連対率TOP3
①1番枠 166回出走28勝2着28回(33・7%)
②6番枠 163回18勝2着17回(21・5%)
③8番枠 164回17勝2着18回(21・3%)
③4番枠 164回17勝2着18回(21・3%)
水沢1600m(全79R)
脚質別連対
逃げ=36回(22・8%)
先行=76回(46・8%)
差し=41回(25・9%)
追込み=7回(4・4%)
馬番連対率TOP3
①8番枠 75回出走8勝2着14回(29・3%)
②7番枠 78回出走15勝2着5回(25・6%)
③2番枠 78回出走9勝2着8回(21・8%)
③4番枠 78回出走9勝2着8回(21・8%)
水沢1800m(全15R)
脚質別連対
逃げ=8回(26・7%)
先行=13回(43・3%)
差し=9回(30・0%)
追込み=0回
馬番連対率TOP3
①4番枠 15回出走5勝2着4回(60%)
②7番枠 14回出走3勝2着3回(42・9%)
③2番枠 15回出走0勝2着4回(26・7%)
あくまでもデータだが、最高になれば幸いです。開催替わり初日(15日)メインはB2「ノベンバーカップ」(水沢1400m)。コース替わり、ハンデ、距離1400mなど考えるファクターが多くひと波乱の可能性も十分にある。
主軸にヒノモトイチバンを指名。南関東C1から転入し、2戦目の盛岡ダ1400mで鮮やかな直線一気を決めて圧勝。走破タイム1分24秒4はレコードに0秒8迫る好時計だった。
不安はコース替わり。小回り水沢対応が最大ネックだが、転入初戦の1800m戦で3番手キープから2着確保なら問題ないと見た。
リトルキングは中央未勝利からスタートして早くも7勝マーク。実戦を使われながら成長一途をたどり、3歳伝統の不来方賞でも5着に健闘した。
加えて水沢1400mは3戦3勝とパーフェクト成績。持ちタイムで若干見劣り、負担重量が1キロ増が不安点だが、今の勢いなら突破十分。
トーホクスマイルは相手なりに駆ける堅実さが身上。その半面、詰めの甘さが課題だが、今回はハイペース必至のメンバー構成。終いしっかりとした脚が脅威となる。
ファーストメジャーは自分の競馬に持ち込めないとモロい面があるが、1400mは望むところ。同型いても攻めあるのみ。
ラブチェリーは大外が痛かったが、芝1000m・もみじ賞を優勝し目下絶好調。うまく流れに乗りたい。
ヴェルシュナイダーは伸び悩み気味だが、前走は1200m戦で0秒6差4着。現状は短距離がベストかも。
◎(6)ヒノモトイチバン
○(10)リトルキング
▲(1)トーホクスマイル
△(3)ファーストメジャー
△(12)ラブチェリー
△(5)ヴェルシュナイダー
<お奨めの1頭>
7R キッズアベリア
転入初戦は勝った馬が強すぎた。前走をハイタイムで圧勝して弾みついたのは確実。1300mも守備範囲
★JBC開催!
11月3日、盛岡競馬場で12年ぶりのJBCが開催されました。雨&寒いというあいにくの空模様となりましたが、そんな中でも競馬場まで来ていただいたたくさんのファンの皆さんのおかげで競馬場は1日盛り上がりました。
JBCクラシックでは岩手競馬の「1レースの売上げレコード」を、また1日の売上金額でも前回2002年を上回る成績を残しました。
※前回との比較・数字左が2002年、右が2014年
JBCスプリント/5億9941万円 → 6億2000万円
JBCクラシック/ 8億1833万円 → 11億8300万円
(JBCレディスクラシック 5億8100万円)
1日発売額/21億8448万円 → 29億3300万円
レースの方でもレディスクラシックのダート1800m、クラシックのダート2000mでそれぞれ新レコードが誕生。スプリントもレコードに0.1秒に迫る好タイム。『2014年11月3日』は様々な所に刻み込まれる、まさに歴史的な1日となりましたね。
数字の詳細はまだ見ていませんが、2002年の時はまだネット投票がほとんど無いと言っていい時期で、売上げの多くも競馬場あるいは付帯の場外発売所で積み上げられた物でした。
しかし今回は1日売上げの2/3近くがインターネット投票からのもの。これもまた歴史的な転換点だったのではないでしょうか。
競馬場で、そしてインターネットで、JBC競走にご参加いただいた皆様に改めてお礼申し上げます。
●10Rの買い目
馬単(8)=(7)、(8)=(9)、(7)=(9)、(8)→(3)
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