6月29日 第9回ミルキーウェイカップ(3歳オープン 盛岡ダート1800m)
(ミルキーウェイカップ 1着リュウノツバサ 写真・佐藤到)
1着 リュウノツバサ
1枠に入ったエイプリルボーイが予想どおり先手を奪い、リュウノツバサは2番手を追走。その直後にゴールデンクリークがつけ、淀みないペースでレースが進む。4コーナー手前、馬なりでリュウノツバサが交わして先頭。ゴールデンクリークもエンジンを全開させ、直線は2頭のマッチレース。リュウノツバサはラスト200mで2馬身ほどのリードがあったが、ゴールデンクリークが一完歩ごとに差を詰める。この叩き合いは見応えがあったが、半馬身差リュウノツバサがしのいで岩手ダービー・ダイヤモンドカップの雪辱を晴らした。
「1コーナーあたりから掛かり気味になって折り合いにちょっと苦労した。砂を被らせると折り合うだろうが、この展開になったら仕方ないので追い出しをギリギリ我慢させ、相手はゴールデンクリーク1頭だと思って必死に追った。ダイヤモンドCより1ハロン短縮されたのと1キロ軽かったハンデも味方したかもしれないが、後ろから来たらまた伸びてくれた。前回は芝で完勝したときは実感しなかったが、ダートに戻って春より動きがよくなった。折り合いさえうまくいけば2000mの距離も克服できるかもしれません」と村上忍騎手。
この後の3歳路線は芝重賞・オパールカップが7月13日にあり、前々走・はまなす賞の強さからもリュウノツバサが人気を集めるに違いない。
2着 ゴールデンクリーク
枠差もあってリュウノツバサをぴったりマークする形で3番手外を追走。そのリュウノツバサが動くのを見てスパートをかけ、直線でジワジワ差を詰めにかかったが、半馬身差までが精一杯。「今回は完敗でした」の板垣騎手のコメントどおり、ゴールがもう先でも着順は替わらなかっただろう。
3着 テンショウベスト
前半は5番手外につけ、3コーナー過ぎにスパート。直線でもマズマズの脚を使ったものの、2着ゴールデンクリークとの差は5馬身。これが現状の力関係だろうが、このメンバーでも3着を確保するのがテンショウベストの持ち味。
6着 エイプリルボーイ
ダイヤモンドCは出遅れもあって4番手に控えたが、今回は絶好の1枠に入り好スタートから逃げの手。道中は13秒前後のラップを刻み、速からず遅からず。いい手応えで逃げていたかに見えたが、4コーナー手前で交わされてしまっては一たまりもなし。直線では格下にも先を越されて6着に沈んだ。
7着 コンバットキック
前半は後方2番手でジックリ待機し、3コーナーから追い出しを開始してその時の反応は良かったが、直線では伸びひと息。レース前、三野宮調教師が「長く脚を使えないので、どこでそれを使うかが難しい」と語っていたが、瞬発力勝負のタイプゆえ今回のように先行馬の流れで決まってしまうとさすがに苦しい。現状はハイペースの手助けがないと突き抜けるのは難しいかもしれない。
28日の土曜日、第4レース。牧野騎手の騎乗が岩手初戦を見事白星で飾りました。実はその前日に牧野騎手にお会いしてお話しを伺ったのですが、やはり最初のレースの事は非常に気にされていました。もちろん大ベテランだけに勝ち負けがどうこうという話ではなくて、短期所属のスタートのレース、とにかく無事に乗ってきたい、と。
それが見事優勝。このうえない滑り出しに牧野騎手も、そして岩手で所属する三野宮調教師もとても嬉しそうでしたね。牧野騎手の3500勝まであと「9」。三野宮師は「それだけの馬は集めてみせる」と、それこそ騎手以上に意気込んでいましたが、まずは1勝。この2人のコンビは、とても強力かもしれません。
本命は6枠7番のトーセンエンパイアとしました。水沢ではなかなかいい結果につながりませんでしたが、最近になってようやく軌道に乗ってきた印象。JRA時代は芝で好走しているし、岩手に来た時も、不良馬場で行われた能力検査で実戦並の好時計を叩き出していましたから、恐らくは軽いコースが合う馬。そう思えば盛岡で安定しているのも当然なのでしょうね。
2走前の芝戦は外枠から先行した分、最後に失速した感。今回は枠順も良くなり、特別勝ちのチャンスです。
対抗は悩みましたが未知の魅力を採ってアッパージーンを。芝実績はあるし、近走の内容もかなりハイレベル。芝ならマイルもこなすでしょう。
そしてベルモントエリカ。こちらもJRA時代の芝実績豊富だし、最近復調急。変身あっておかしくないはず。
ゴールドザイオンは連下までの評価に止めます。ここ2戦の負け具合、徐々に減っている馬体重。芝は合うにしてもちょっと強く推しづらい。ならばコスモアテナの方を採りたいところ。南昌山賞の敗戦もハイペースに巻き込まれたせいと思えば、ここは巻き返し可能。穴で狙ってみたいのがエクスラベル。JRA時代は中距離芝を中心に使われていた馬。約2年前には盛岡芝1700mで逃げて2着の成績あり。一発ならこの馬では。
◆買い目
馬複/3−7、4−7、7−9、5−7、7−8
◆お奨めこの一頭
6R:オンワードリリカ
盛岡の苦手感もかなり解消されてきた。ライバルにはそれぞれ不安あり。ここは有利だ。
29日(日)メインは3歳馬による盛岡ダート1800m戦「第9回ミルキーウェイカップ」、11頭立て。すでにお気づきの方もいると思うが、前日28日からメインの特別はフルゲート12頭に出走枠が拡大された。昨年からダートグレード競走、重賞、JRAとの条件交流以外はマックス10頭で実施していたが、ファンの要望に応えてメインは最大12頭で実施。迫力が増すこの出走枠拡大の復活はもろ手を上げて賛成したい。ただ、今回のミルキーウェイカップは登録馬14頭のうち3頭が回避したため11頭立てとなった。
主軸はゴールデンクリーク。今シーズンの充実度には目を見張るものがあり、昨年1勝のみに止まっていたのが信じられないほど心身の成長ぶりが顕著。前々走、リュウノツバサ不在の水沢1800m戦・七時雨賞で順当勝ちを収め、弾みをつけて岩手ダービー・ダイヤモンドカップに駒を進めた。
戦前はエイプリルボーイの逃げを誰もが疑わなかったが、よもやの出遅れを喫し、それでゴールデンクリークが押し出される格好で逃げることになった。「2、3番手を考えていたのに何もこない。それなら腹を括って行こうと決断した」(板垣騎手)そうだが、元々トボけるクセがあるため、本音は逃げたくなかったに違いない。
果たして逃げ切ることができるか、それとも気を抜いてしまうのか波乱の展開となったが、直線で後ろからモエレハナオーに差を詰められるとゴールデンクリークは二の脚を使い、待望の重賞タイトルを手に入れた。
跳びが大きく長い距離は大歓迎。それを見事に証明したのが盛岡ダート2000M戦・ダイヤモンドカップだった。
そして今回は前回より1ハロン短いダート1800mが舞台。これはゴールデンクリークより他の陣営にプラス材料となるが、それ以上にゴールデンクリークの成長力と総合力が上回ると見ている。
1800mへ距離短縮で反撃を狙っているのがリュウノツバサだ。ダイヤモンドカップは堂々1番人気に支持され、絶好の3番手外をキープ。3コーナーから馬なりで進出し4コーナーでゴールデンクリーク、モエレハナオー、リュウノツバサが横一線。そのまま外から交わす勢いもあったが、ラスト200mでバッタリ止まって3着。明らかに距離の壁に突き当たったレース内容だった。
その結果から芝1600m・はまなす賞へ矛先を変えるや、アッサリ直線抜け出して快勝。芝適性もさることながら、マイルへ短縮で持てる能力を存分に発揮した。
おそらくリュウノツバサにとって1800mはギリギリ守備範囲と見れば、ダイヤモンドカップの雪辱を晴らす格好の舞台となるかもしれない。
エイプリルボーイはダイヤモンドカップで痛恨の出遅れ。それで4番手に控える競馬をせざるを得なかったが、これでは持ち味半減。見せ場も作れず7着に沈んだ。しかし今回は何が何でもハナに立つだろうし、願ってもない1枠をゲット。マイペースの逃げになれば渋太さには定評があるし、昨年まで押さえが利かなかったが、今年はうまく折り合いもつくようになった。マイペースに持ち込めば大物食いの可能性も十分ありそうだ。
コンバットキックは昨シーズン、重賞・金杯優勝などで最優秀2歳馬に選出された。今年は満を持してスプリングカップから始動して0・3秒差6着にまとめ、それからエンジン全開を期待されたが、自慢の末脚が連続で不発。着止まりに終わっているのは残念な限りだが、今回は牧野騎手と新コンビを組んで出走。これが吉と出るか、非常に興味深い。
あとは阿久利黒賞7着以外、本来の堅実さを見せているテンショウベストを押さえたい。
◎ ?ゴールデンクリーク
○ ?リュウノツバサ
▲ ?エイプリルボーイ
△ ?コンバットキック
△ ?テンショウベスト
3連単は4、3の1、2着折り返しから1、10、5へ3着流し
馬複は3−4、1−4、4−10、1−3
<お奨めの1頭>
9レース スイートダージリン
好調メンバーがそろって予断は許せないが、目下の2連勝がすばらしい。距離1400mも問題なし
28日(土)メインはB2級「東幹久杯 第34回ジューンカップ」(盛岡ダート1600m)、12頭立て。
今年の岩手競馬CMキャラクターは“契約料0円”で各方面から話題を集めた俳優の東幹久氏。すでに県内では東氏のCMが連日のように流れているが、今回、盛岡競馬場へ2度目の訪問。前日にトレジャースマイルが休養している「遠野馬の里」へ立ち寄って28日、盛岡競馬場入りする。
それを記念してメインレースが冠レースで実施し、表彰式のプレゼンターを務める他、ウィナーズサークルでのトークショー、また最終レース終了後には盛岡競馬場アトリウムで「岩手・宮城内陸地震」義援金チャリティーを行う予定ですので、可能な方は盛岡競馬場へいらして下さい。
中心はトーヨーハヤテで大丈夫だろう。中央1勝、北海道2勝、南関東0勝を経て今年3月に岩手転入。追い込み一辺倒の脚質のため白星を取りこぼすこともあったが、すべて3着以上。しかも近走は4戦連続で連対を果たし、盛岡初登場の前回は3コーナーから早めマクリを決めて快勝。
元々、切れ勝負のタイプで盛岡の方が合うと見られていたが、見事にそれを証明した。しかも今回は先に行きたいメンバーがそろってハイペース必至で、トーヨーハヤテにはおあつらえの展開。前半は待機策に徹し、直線鮮やかに抜け出すシーンが濃厚だ。
相手筆頭はジェド。出遅れグセがあり、毎回スタートで後手を踏むが、それを上回る破壊力で水沢、盛岡芝で3連勝をマーク。当然のように前回(盛岡ダート1600m)も1番人気に支持されたが、またもや出遅れを喫し、これが致命傷となって0・6秒差4着に敗れた。
しかし今回は二のテツを踏まず。中央、大井、佐賀と転戦し、ずっと未勝利だった馬が岩手、そして草地騎手と出合ったことで開眼。勝つ味を覚えたことを前面に、巻き返しに転じる。
以下の序列が難しいが、ひとまずコスモエスパースを上位に採った。芝はともかくダートならコースを問わないが、走り感じを見ると盛岡の方が合う印象で、前回も中団キープから豪快に抜け出して今季初勝利を飾った。
ベルモントシーザーの評価に迷う。今季はB2へ降格後、格上の力を発揮して2勝マーク。ところが前回は快調に逃げながらアッサリ直線失速5着。この負け方が引っかかるが、今季は一戦置きの好、凡走で今度は好走の順番とも言え、見限るのは早計なのだろう。
ミツアキトゥーリオは相手なりに駆ける堅実さを身上。今年もすでに2勝をあげ、3走前のさつき賞(B2)ではマンジュデンツルギの3着。トーヨーハヤテが0・4秒差2着でミツアキトゥーリオは0・1秒差の3着。トーヨーハヤテに強い印を打つなら、こちらもそれ相応の評価をするべきだろう。あとは前回1着で弾みついたコアレスブライトにも注意が必要だ。
◎ ?トーヨーハヤテ
○ ?ジェド
▲ ?コスモエスパース
△ ?ベルモントシーザー
△ ?ミツアキトゥーリオ
△ ?コアレスブライト
3連単は1、2着1→10の固定から8、12、2、11へ流し。または1、2着折り返しも一考
馬複は1−10、1−8、1−12、1−2、1−11
<お奨めの1頭>
11レース スピードパンチvsゲンパチコジーン
今年は高齢馬の活躍が目立つ。このレースも11歳、9歳コンビでワンツー・フィニッシュを決める
今日は特にテーマもなく、思いつくままに……
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先日のみちのく大賞典、菅原勲騎手が見事に岩手の面子を守ってくれましたね。そして入線後早々に下馬所へと引き上げて来てこのポーズ!
勲騎手のガッツポーズって久しぶりに見ました。確かではありませんが、グレードレース以外ではここ数年記憶にありません。それほどイサオさん自身会心の騎乗だったのでしょうね。
私がレースを撮影するとき、スタンド前を一度通過する距離の場合は1周目とゴールで撮影位置を移動することがあります。このとき外ラチ沿いを走りながら、なるべくは馬群の様子を見ながら移動するのですが、どうしても目線を外している間に展開がわかならくなることがあります。先のみちのくもそうだったのですが、ゴールを撮るポジションに入ってモニターを見たら、なぜか最後方にいたはずのブラーボウッズが先頭に並び掛けていて「?」でした。まったくイサオマジックですね。見応えのあるレースでした。
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この日の午前中、私は遠野市宮守町の柏木平で行われた「東北馬力大会馬の里遠野大会」を見に行っていました。 ここは常設の輓馬コースなのですが、砂がやや深いのでしょうかね。平地の部分でも若干、馬の負担が大きく苦しそうに見えます。また障害も2つと輓馬の標準スタイルとなっており、輓馬の迫力を堪能できます。
会場は猿ヶ石川が大きく蛇行し山肌を削り取った河川敷にあり、観客は一段高い堤防の上から見られるので見通しが良く、観戦にはオススメの大会。カメラマンとしても、障害を越えてくる馬の背景が山の緑になるのできれいな構図をとりやすく気に入っています。会場の雰囲気も屋台などが多くてオーロよりお祭り色が濃いのではないでしょうか。
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さて、来る6月28日土曜日には、ついに今年の岩手競馬CMキャラクター・東幹久さんがオーロにやってきます。4月の発表時から期待していたのですが、早くも実現です。
個人的には当日の衣装にも期待してしまいます。もし眼鏡に蝶ネクタイだったら、やってくれるな〜って感じですね。そうしたらみんなで「しんいちさ〜ん」と声を掛けましょう! それと、サプライズでどんど晴れ共演者を連れてきてくれたりしないかなぁ〜?川村ゆきえさんあたりが、出来れば仲居さんモードではなくグラビアモードで登場してくれたら嬉しいのですが(^皿^;)
(文/写真・佐藤到)