木曜日、荒尾競馬の牧野孝光騎手が岩手で期間限定騎乗をするという発表がありました。
牧野騎手は1981年デビュー、菅原勲騎手と全くの同期でして、勲騎手曰く「この期で上手いといわれたのは俺と牧野だけだった」。
えー、それが本当かどうかはひとまずさておくとして、現在地方通算2490勝、2500勝を目前にしている大ベテランがやってくるというのは非常に楽しみです。もしかしたら岩手で2500勝達成のシーンも・・・。
牧野騎手は早ければ来週にも岩手入りし、騎乗開始に備える模様です。レースへの登場は今月28日からの予定。こうご期待!ですね。
8日(日)メインはオープン馬による短距離・盛岡ダート1200m戦「第34回早池峰賞」、10頭立て。
この早池峰賞から地方重賞・岩鷲賞(7月6日 盛岡1200m)→G?・クラスターカップ(8月18日 水沢1400m)の流れで短距離路線が進められる。
また今回はJNB(=ジャパンネットバンク)シリーズにも早池峰賞が組み込まれた。昨年、水沢1600mを舞台に1000万レース・オッズパークグランプリが実施されたが、今年は7月7日、福山競馬場で「オッズパークグランプリ2008」(福山1250m)を開催。そのトライアルとして早池峰賞も重要な一戦となった。現在、ダートグレード競走、南関東を除くと1着賞金1000万円は破格。岩手から福山まで相当の距離があるが、優勝馬はそれも是非、視界に入れてほしい。
(ヤマニンエグザルト 写真・佐藤到)
主軸にヤマニンエグザルトを抜擢する。前走・あすなろ賞では直線鋭く抜け出して完勝、1977年にウエスタンダッシュがマークした水沢1900mレコードを大幅に更新。初めて2分の壁を突破した。当時は非常に軽い馬場だったとは言え、並みの馬にできる芸当ではなく、改めてヤマニンエグザルトの底力を見せつけられた。心配はレコード駆けの反動だけだろう。
ヤマニンエグザルトは早池峰賞との相性もすばらしい。一昨年、冬の短距離重賞で実施された同レースを快勝。昨年は同じ盛岡ダート1200m戦でテンショウボスの2着確保と、まさに打ってつけの舞台。暑い夏はあまり得意とするタイプではないだけに、ここは何としても勝っておきたい一戦だ。
逆転首位を狙うのがマンジュデンコウベ。中央ダート5勝、準オープンから昨年暮に転入。着外に沈んだのは折り合いを欠いた桐花賞6着のみで、他は堅実に上位入線。今季も栗駒賞2着、そして前走・シアンモア記念ではノムラリューオーにクビ差2着に惜敗した。
盛岡コースは今回が初めてだが、左回りは中央時代に5度経験済み。しかも転入前はダート1400mのみを使われ、折り合いを気にしなくていい短距離戦は望むところ。待望の特別タイトルに王手をかける。
ダイワフォーチュンは中央5勝のうち3勝が芝1200m戦。短距離芝のスペシャリストで鳴らしていた。その実力は昨年12月の白嶺賞(水沢1600m)で炸裂。ポツンと最後方でジックリ待機して直線勝負に賭けると、他の8頭を一瞬のうちに抜き去って直線一気。小回りダートで上がり35秒8!の末脚で1着をもぎ取った。このレースは今でも語り草で、草地騎手の名勝負に数えられるほどのパフォーマンスを披露した。その後は勝ち星がなく、シアンモア記念も後方から差を詰めただけの9着だったが、得意の短距離戦、草地騎手とのコンビ復活で大仕事をやってのける可能性は大きい。
以下、中央6勝がすべてダート1200m戦でマークしたエイシンボーダン、破壊力が蘇ったオリエントボス、そして快速牝馬ジュリアを連下に押さえたい。
◎ ?ヤマニンエグザルト
○ ?マンジュデンコウベ
▲ ?ダイワフォーチュン
△ ?エイシンボーダン
△ ?オリエントボス
△ ?ジュリア
3連単は5、6の2頭軸から4、8を厚めに。あとは2、10を押さえ少々
馬複は5−6、4−5、5−8、4−6、2−5
<お奨めの1頭>
11レース・シルクライムライト
ローテーションをきっちり守って岩手4戦4勝。左回りは初めてだが、いつも調教で走っているので問題ないはず。3連勝リバーサイドとの連勝対決が見もの
7日(土)メインは古馬オープンによる芝1700m戦「第2回あじさい賞」、10頭立て。
(栗駒賞ゴール 1着・タイキリオン 写真・佐藤到)
9歳馬ながら元気一杯タイキリオンを主軸に推す。思い出すのは昨年のあじさい賞。昨春、転入2戦目(水沢1800m)を快勝してシアンモア記念に駒を進めたが、2番手から失速してニューベリーの9着。その結果からあじさい賞では4番人気(1番人気はニューベリー)に甘んじていた。
しかし前半は後方でジックリ待機して直線で追い出すと矢のように伸びてゴボウ抜き。一瞬で突きぬけ、レコードタイの1分44秒5をマークして快勝。中央G?(02年・ニュージーランドトロフィー)ウィナーの実力をマザマザと見せつけた。
続くかきつばた賞(盛岡芝2400m)でも当然のように1番人気に支持されたが、距離が長すぎたため、自慢の切れが不発に終わって4着。その後は距離の壁、さらには苦手な夏に体調を崩してずっとスランプ状態に陥ってしまった。
ようやく復調の兆しが窺えたのが11月、水沢1600mを舞台に行われた1000万レース「オッズパークグランプリ」。この時、テンショウボスが大レコードを樹立し、2着にはミツアキタービンが粘ったが、タイキリオンも3着に入り、高配当を演出。以降は白嶺賞、トウケイニセイ記念と連続2着に食い込み、シーズンを終了。
今季はぶっつけで特別・栗駒賞へ臨んで快勝。シアンモア記念は船橋ノムラリューオーの3着に屈したが、9歳馬とは思えない活躍を続けている。
「年齢的に無理はさせたくない」との酒井調教師の判断から、シアンモア記念からあじさい賞直行は当初の予定どおり。順調度、近走内容、芝適性などここではタイキリオンが一歩抜けた存在と言えるだろう。
相手筆頭というより逆転首位まで狙えるのがボスアミーゴ。過去、重賞3勝をマークし、昨年は3歳・オパールカップ、3歳以上・きんもくせい賞(いずれも地方競馬全国交流)を制して最優秀ターフホースの座を獲得。ダートでもマズマズの結果を残してきたが、ダート古馬最長距離戦・北上川大賞典(水沢2500m)7着以降は着外の連続。完全にリズムが狂って、ずっと沈黙を強いられてきた。しかし今回は6戦4勝2着2回の盛岡芝が舞台。しかも折り合いを気にしなくていい盛岡芝1700mは3戦2勝2着1回と絶対の自信を持っている。
タイキリオンが9歳に対し、ボスアミーゴは4歳とこれからが本格化を迎える時期。凡走からいきなり勝ち負けは常識的には難しいが、芝とダートはまったく別モノ。理想体重も470キロ台で輸送が入る今回はきっちり仕上がってくるはずだ。
メイショウオオナミは中央ダートで2勝、障害で1勝の計3勝。平地芝は未勝利だったが、500万下で入着の実績があり、決して芝がダメという訳ではなかった。岩手初戦は障害レースから直行して2ヶ月ぶりだったにもかかわらず2着を確保。上々の滑り出しを切り、このレースに臨んできた。元々が芝ダート兼用のタイプだが、この結果次第では芝路線を進んでビッグタイトルも決して夢ではない。
盛岡芝の鬼といえばサイレントグリーンを置いて他になし。盛岡芝は通算<7.6.2.4>。一昨年はスランプに陥り未勝利に終わったが、昨年見事に復活。重賞・せきれい賞を含めて芝で3勝を荒稼ぎした。一つネックは芝の勝ち星7勝がすべて2400m戦で、他は0勝。厳密に言えば盛岡芝2400mの鬼というべきだが、芝1700mは0勝でも2着3回の実績があり、軽視は禁物。とにかく盛岡芝に替わると、まさに水を得た魚のようにスイスイと走る。
他では中央時代に準オープン・初富士ステークスを勝ったことがあり、芝を待ちに待っていたサクラエキスプレス、実績では劣るが盛岡芝2戦2勝ワンヌンも押さえたい。
◎ ?タイキリオン
○ ?ボスアミーゴ
▲ ?メイショウオオナミ
△ ?サイレントグリーン
△ ?サクラエキスプレス
△ ?ワンヌン
3連単は9、5の2頭軸から3、6、4流し
馬複は5−9、3−9、6−9、4−9、4−10
<お奨めの1頭>
11レース ケイジーウォリア
岩手5戦4勝2着1回と破壊力けた違い。ここも黙って追いかける手。相手はハウプトローレが本線。
たびたび私事から始まって申し訳ないのですが、明日から修学旅行に行ってきます。ハァ?オマエ年はいくつだ!? と言われそうですが、実は競馬とは別の仕事で小学校の卒業アルバム用の写真を撮っていまして、この時期はいくつかの学校に同行して修学旅行か、でなければ林間学校に行くというのが毎年の恒例となっているのです。
盛岡地区の小学校の行き先はほとんどが仙台・松島。伊達政宗関係の史跡や資料館、松島観光に仙台市街での班別自主研修などが主な行程ですが、一番はやはり八木山ベニーランドという東北最大の遊園地が目玉ですね。元気で明るく、そして修学旅行という最大行事で普段以上にテンションの上がった子供達と2日間を共にするのは、仕事といえども楽しいものです。
逆に盛岡を訪れる学校というのも多くあり、北海道方面からの中3生や、宮城など南東北から2年生の研修旅行生が5月頃を中心に街中を連れ立って歩いています。こちらも市内は班別行動で、三ツ石神社の“鬼の手形”や報恩寺の五百羅漢を見学しながら昼食には冷麺・じゃじゃ麺・わんこそばを味わうと言うのが定番コース。また、前後に遠野や八幡平市での農業体験を組み込んでいる学校も多いようです。
そんな行程を見ると、馬好きの私としてはせっかく岩手に来たのに馬と接する機会がもっとあっても良いんじゃないかと思ってしまいます。岩手という地の風土を語る上で馬は欠くことの出来ないもののはずですが、いまの社会科の教科書では、南部曲がり家なんて載っていないんですかね?
もっとも、じゃぁ○○人が研修に行きます、となったとして受け入れられる牧場あるいは農家がどのぐらいあるのかという問題もあります。いくら岩手はかつての馬産地といっても、現状がこうですから致し方ありません。私の知る限りでは八幡平市のライディングファームが研修を行っていましたが、例えば3クラス100人とかになると無理かもしれません。
いっそ月曜日にオーロパークで競馬体験をしてみては?…さすがにギャンブルはダメですかね… でも馬が思いっきり走る姿を子供達に見せられたらいいのに、と思うのです。
いま競馬関係の職に就いている人や競馬好きな有名人の話を聞くと、子供の時に競馬場や牧場で馬に触れる機会がたまたまあって、それ以来、馬が忘れられなくなった、というのが多くあります。東幹久さんもそうでしたね。いまの岩手競馬は現状の売り上げを回復させることが早急な課題であることはもちろんなのですが、未来を担う子供達に少しでも馬に興味を持たせることも大切なのではないでしょうか。
聞くところによりますと、盛岡競馬場でも何年か前、自主研修の中学生に厩舎作業の体験学習をやってもらったことがあるようです。これからは県の関係部署と協力し、競馬場や遠野馬の里、個人の牧場などに積極的に研修旅行を誘致してはどうでしょうかね?
6月2日 第28回岩手ダービー ダイヤモンドカップ(3歳オープン 盛岡ダート2000m)
(ダイヤモンドカップ ゴール 写真・佐藤到)
1着 ゴールデンクリーク
誰もがエイプリルボーイの逃げを疑わなかったが、よもやの出遅れを喫し4番手からの競馬。板垣騎手も意外だったそうで「アレッと思った。あとから来るんだろうとも考えていたが、来る気配がなかったので行くしかない」と判断。押し出される格好でハナに立ち、1コーナーから2ハロンを14秒台に落とす。しかし直後につけたモエレハナオー=菅原勲騎手は楽をさせないとばかり、つついてラスト1000mから12秒台にペースアップ。
隊列は変わらず4コーナーに入ると逃げるゴールデンクリーク、中モエレハナオー、外リュウノツバサが横一線。人気3頭の激しい叩き合いとなったが、ラスト200mでリュウノツバサが一杯となって失速。
逃げ込みを図るゴールデンクリークに一完歩ごとにモエレハナオーが差を詰めにかかったが、馬体を併せるとゴールデンクリークがまたひと伸びしてゴール。着差はハナだったが、ゴール板がもっと先にあっても着順は変わらなかっただろう。
「直線でフワフワしてしまったが、並んだらまた伸びてくれた」と板垣騎手。また管理する村上昌幸調教師は「2戦リュウノツバサに負けたが、力負けだとは思っていなかった。距離が長くなったこととコース広い盛岡に替わったことが勝因。小回り水沢だとコーナーでもたついていた。それにしてもモエレハナオーの渋太さにはビックリ」とコメント。
次走以降についても質問が及ぶと「この一戦に全力投球だったので、まだ白紙。ゆっくり考えて今後を決めたい」
2着 モエレハナオー
ゴールデンクリーク1頭をマークする形でレースを進め、スローに落とさせないと2コーナーからゴールデンクリークに接近。3コーナーでリュウノツバサが動いたのを見てスパートをかけ、4コーナーでは間に入りちょっときついシーンもあったが、それをはねのけてゴールデンクリークとのマッチレースに持ち込む。ラスト100mでは1馬身あったが、一完歩ごとに差を詰めてハナ差まで肉薄したが、そこで脚色がいっしょになった。
「レースを完ぺきに運べただけに悔しい。向こうはトボけていたが、その分余裕もあった」と菅原勲騎手。
3着 リュウノツバサ
3番手外の絶好のポジションをキープし、4コーナーで馬体を併せるのも村上忍騎手のイメージどおりだったと思うが、ラスト200mで一杯となる。距離の壁ですかと村上忍騎手に向けると「どの馬も2000mを経験したことがなかったので何ともいえない」。
前半掛かったのは1周目スタンド前でほんの少し。あとは道中、楽に追走できたが、直線では前の2頭から離れる一方。ひとまず3着確保でメンツを保ったが、距離の壁かと思わせる内容だった。
4着 コンバットキック
後方2番手に待機し、ラスト1000mから動いたが、前の3頭を捕らえるほどの勢いが見られない。これは前残りの展開が大きかっただろうが、もっと速い時計にならないと苦しいかも。
6着 エイプリルボーイ
「今日は落ち着きがなかった。スタートがすべて」(阿部騎手)