4開催連続で続いた水沢競馬も今日でひとまず区切り。来週からはOROパーク盛岡競馬場が舞台となります。
普段は盛岡から水沢まで通っている身としては、移動時間が大幅に短縮されるOROは大歓迎。ですが水沢にちょっと心残りもあります。
というのは、水沢競馬場の食堂に「冷やしたぬきそば(うどん)」というのがありまして、これがボリュームがありつつさっぱりしていて夏のお気に入りメニューなのです。
今日(土曜日)、来週から盛岡だし、気温も高くなったしでそろそろどうかな、とお店をのぞいてみたのですが、残念ながら「まだ始めてないのよ」とのお返事。結局、待望の冷やしたぬきに会えるのは次回の水沢開催、7月下旬からという事になりそうです。
盛岡競馬場はあっさり・さっぱり系のメニューがあまりないんですよねえ。競馬場を降りてから冷麺とかかな?そんなこんなで早くも次の水沢開催が待ち遠しくなってしまいました。
◇お奨めこの一頭
8R:モエレターボ
いずれは重賞で活躍できる器。その時が来るまで追いかけ続けるのみ!
27日(日)メインは3歳牝馬による岩手版オークス「第21回ひまわり賞」(地方競馬全国交流 水沢1900m)、12頭立て。昨シーズンまで同レースは8月に実施されていたが、全国のオークスと歩調を合わせて5月に前倒しした。
その影響なのかは分からないが、他地区からの遠征馬は1頭もなく、地元同士の戦い。今季3歳牝馬路線の「菜の花賞」、重賞「留守杯日高賞」、「あやめ賞」の延長ムードが強く漂っている。
とすれば、直近のトライアル・あやめ賞が最も重要な参考レースとなるだろう。そのあやめ賞だが、1枠に入ったパラダイスフラワーが逃げると誰もが疑わなかったが、その出鼻を叩いてマツノメガミが果敢に先手を取り、パラダイスフラワーがスッと2番手に控えた。
勝負どころの3コーナー、パラダイスフラワーがマツノメガミを捕らえにかかったが、反応がひと息でモタモタしている。やっと交わしたのは直線半ばだったが、それもつかの間、大外からマツリダワルツが鋭く伸びて頭差でパラダイスフラワーを完封。マツリダワルツは嬉しい初特別を手にした。
昨年までのパラダイスフラワーは鞍上の指示にすばやく反応し、ダートでは圧倒的な強さを誇っていたが、今季はズブい面が出始めて菜の花賞、日高賞と連勝したものの、持ち味の破壊力が影を潜めていた。
(パラダイスフラワー 写真・佐藤到)
そして前回・あやめ賞でよもやの敗戦2着。この内容に不満が残った陣営は、レースに集中させるべく今回からチークピーシーズを着用することに決めた。果たして効果があるか、神のみぞ知るだがそれが吉と出るよう、期待したいところだ。
マツリダワルツの今季充実度には目を見張るものがある。2月にJRA500万下(東京芝1600m)に挑戦して13着。実績、力関係を考えれば当然の結果だったが、これがマツリダワルツ自身には貴重な経験となった。
帰郷後、3月27日の特別開催3歳A1戦に出走したマツリダワルツは、東京遠征の反動もあって389キロまで馬体重が減っていた。デビュー戦が419キロだったが、一戦ごとに体重を減らし、JRA遠征では396キロ。これは長距離輸送の影響だと思うが、初めて400キロ台を割った。それからさらに7キロ減少し、馬体もアバラが浮いて必ずしもいい状態とは言い難かった。
ところが、実戦を使われた強味があったにせよ、ほぼ最後方から並ぶ間もなく直線ごぼう抜きを決め、パラダイスフラワーまでも破る大金星をあげた。
続く菜の花賞はパラダイスフラワーの逆襲に遭い、シュクジャンヌにも先着を許して3着。この着順だけを見れば前回1着はフロックと判断されそうだが、それは否だ。
パラダイスフラワーが楽に先手を取って即、スローに落としたが、その流れを見てマツリダワルツはいつもより前につけ3コーナーでスパート。
4コーナーではパラダイスフラワーに馬体を併せ、交わす勢いもあったが、早めに仕掛けた分だけ最後の伸びが甘くなったもの。内容的には負けて尚強しだった。
それを証明するように日高賞ではパラダイスフラワーの2着を確保し、そして前走・あやめ賞ではパラダイスフラワーがもたついているのを尻目に、大外一気を決めて快勝。馬体重も400キロまで戻し、パワーアップは誰の目にも歴然だった。
(あやめ賞ゴール 1着マツリダワルツ 写真・佐藤到)
とは言っても追い込み一手の脚質。パラダイスフラワーは自分で競馬を作れるのに対し、展開に注文がつく分だけ対抗に落ち着くのは仕方なしだろう。
シュクジャンヌはあやめ賞をスキップした。理由は簡単。2週ごとに牝馬の重賞・特別が組まれているが、それを使っていくと無理が必ず来ると陣営が判断したからだ。
3月に待望の初勝利を飾るや、菜の花賞で2着。前回・日高賞は4着だったが、直線で前がふさがる不利があったもので基準外。その後も順調に攻め馬を消化し、満を持してこのひまわり賞へ臨んできた。
サクラアリエルは、そのシュクジャンヌとほぼ同じ実力と見ていい。日高賞はスローペースに反発し向正面から早めスパートしたが、直線で最後苦しくなって3着。前走・あやめ賞は水沢1800mの大外に入ったのが痛く、それでゴール前の詰めが甘くなって3着。もう一つ吹っ切れないレースが続いているが、今回は枠順の有利不利がないし、1900mへ距離延長は大歓迎のはず。まとめての局面まであり得る。
他では前回・あやめ賞で逃げて見せ場を作ったマツノメガミも若干怖いが、ここは前記4頭に絞って決め打ちしたい。
◎ ?パラダイスフラワー
○ ?マツリダワルツ
▲ ?シュクジャンヌ
△ ?サクラアリエル
3連単は4頭ボックスと行きたいが、それでは点数が多いので本命党は6、8の1、2着折り返しから7、4。穴党は4、7の1、2着折り返しがおもしろい
馬複は6−8、6−7、7−8、4−6、4−8
<お奨めの1頭>
7レース ナイキビッグ
今季はC3級スタートで相手に恵まれ、格上の実力マザマザ。ここも期待に応える
26日(土)メインは3歳馬による水沢1800m戦「第12回七時雨賞」。昨シーズンまで同レースは短距離で実施されていたが、距離体系の見直しによって1800mへと衣替えし、6月10日、盛岡2000mを舞台に行われる「岩手ダービー・ダイヤモンドカップ」トライアル戦へと位置づけられた。
今回、登録馬の回避が相次いで8頭立ての少頭数になったが、仮に出走したとしても勝ち負けに参加できるメンバーではなく、さほど影響なし。逆に有力視されていたメンバーがずらり顔をそろえ、非常に興味深い一戦となった。
(ボスアミーゴ 写真・佐藤到)
注目はなんと言ってもボスアミーゴだろう。昨年9月、テシオ杯ジュニアグランプリを快勝後、積極的にJRAへ挑戦し続け、その初戦・いちょうステークスを0・2秒4着に食い込み、続くG?・東京スポーツ杯2歳ステークスは日本ダービーで1番人気になるであろう、フサイチホウオーの0・9秒差6着。そして中山・クリスタルステークスでも4着にまとめた。
前走・ニュージーランドトロフィーでは道中で置かれ、直線ひとまず追い込んだが16頭立て13着。これはJRAの壁に加え、岩手の場合、冬期間はどうしても乗り込みを満足に消化できる環境ではないため、3ヵ月半ぶりの実戦が影響したのが大きかった。
今回はJRA芝で適鞍がなかったため、ローテーションの狭間で地元水沢戦を使うことになった。ダート戦は昨年8月、りんどう賞以来、1年3ヶ月ぶり。その時もダートにややもたついて3着(1着オペラダンディ)に敗れ、ダート適性に若干不安が残るが、ここでは戦ってきたメンバーが違いすぎる。たとえ久々の深いダートに戸惑ったとしても、それは総合力でカバーできると判断したい。
相手もなかなか魅力的なメンバーとなった。まずネバーオブライトだが、前回・阿久利黒賞で1番人気に支持されたが、反応がひと息で2番手から4着に敗退。これで評価が微妙になったのは確かだが、レースをジックリ振り返れば向正面から追いどおしで3コーナーで置かれ気味。それが痛かったが、直線を向いてインからジワジワ伸びていた点は見逃せない。
父がウェイオブライト、母ジェベルネバー、そして母父がフォティテン。本質的にはマイル以下がベストの血統だが、ネバーオブライト自身はちょっと異質ではないか。
550キロ台の巨漢馬で、さほどスピード感がなくても好タイムをマークし、ピリッとした脚というより平均的に脚を使うタイプ。それならば忙しいマイルよりも今回の1800mの方がむしろ歓迎ではないだろうか。
上がり馬サイレントカイザーも注目の一頭だ。昨年12月31日にデビューし、圧巻の4連勝。前回はモエレターボの強烈な差し脚に屈して連勝はストップしたが、破れて尚強し。その時の水沢1600mの走破タイムが1分44秒7は同日、3歳A2戦で1着となったネバーオブライト(1分45秒2)を0・5秒も上回るもの。机上の計算どおりに行けばネバーオブライトに先着したことを意味する。
とは言え、今回は初のオープン馬が相手であり、初の1800m。父が岩手のヒーロー・トーホウエンペラーで、その血統を受け継げば距離も大丈夫のはずだが、母父サクラバクシンオーがどう出るか。いずれにせよここも突破できれば、将来の飛躍も約束された。
またハルサンヒコの成長度も見逃せない。初勝利が6戦目と出世は遅れたが、一戦ごとに着実に力をつけて昨年2勝でシーズンを終了。
冬期間の休養明け初戦はレース勘を取り戻せず4着に終わったが、続く特別・スプリングカップでセイントセーリングの2着。また平場2着後の前回、重賞・阿久利黒賞でも道中はインで我慢して直線は外に持ち出して2着。この時はセイントセーリング、圧勝劇の陰に隠れてしまったが、混戦の2着争いを抜け出してきた。
以上の実績から本来ならば対抗以下には落とせないが、気になるのが勝ちに行っての2着ではないこと。難癖をつける訳ではないが、できれば自力で勝ちに行ってほしいと思う。
他では前回・阿久利黒賞で結果5着ながら、3番手の積極策に出たのに好感が持てたソードも押さえが必要だろう。
◎ ?ボスアミーゴ
○ ?ネバーオブライト
▲ ?サイレントカイザー
△ ?ハルサンヒコ
△ ?ソード
3連単は3を1着固定に7、4、6のフォーメーション。1は押さえ少々
馬複は3−7、3−4、3−6、4−7
<お奨めの1頭>
9レース キーネ
今シーズンは精彩を欠いていたが、前回の逃げ切りで吹っ切れた。しかも今回は最も得意とする水沢1400m戦
1着:インターサウンド
いつもは中団やや後方からレースを進めるこの馬が、今回は逃げ馬を追いかけるポジション。これは「我慢しても伸びる脚があるわけじゃない。スタミナがあるから前にいって簡単に止まる事もない。だったらニホンピロゼンより前でレースをしないと勝ち目はないと思って(関本 淳騎手)」と狙い通りの作戦。おまけに、9Rの時に降った土砂降りの雨のおかげでこの馬向きの脚抜きのいいコース状態になり、終始危なげのないレース運びで勝利を手にした。開幕からずっと好調をキープしていたのもこの勝利につながっている。
2着:ニホンピロゼン
ポジション的には先行馬を大名マークの位置、いつでも交わせるという所でレースを進めていたが、直線の伸びが今ひとつで勝ち馬を捉えきれず。これには鞍上・村上忍騎手もショックを受けたようだが、中間、熱発で順調さを欠いた時期があったそうで、「調整が難しい馬だから仕方がない面も(村上忍騎手)」とも。
3着:マクロプランナー
後方から徐々に差を詰め、4角のごちゃごちゃしたところも極々スムーズに突破するというレース内容は完璧。ただ、相手が少し強かったという事。
4着:マルカンジョオー
「勝負を賭けて外に持ち出したが、もう脚が残っていなかった(阿部英俊騎手)」。B級だと力任せに何とかできるが、A2だとさすがに・・・。という印象。ただ、調子はかなり良くなってきた。
5/20 第8回あすなろ賞(オープン)
1着:サイレントエクセル 前走の5着で復活の兆しが見えていた。今回は馬体重的には+1kgに止まり、調教もまだ物足りないレベル。昨秋の絶好調時を100とすれば75くらいの出来だったが、むしろそれだけに底力の高さを感じさせる結果となった。勝ちタイム2分1秒1はコースレコードタイ。次走はみちのく大賞典(6/17盛岡ダ2000m)に。
2着:テンショウボス
逃げるオウシュウクラウンを追いかけ続け、4角手前で早々と先頭に。しかし先頭に出るととぼけてしまう馬、伸びあぐねてもたもたしている所を勝ち馬に捉えられてしまった。
結果的には好調さと、オウシュウクラウンが意外に早く止まってしまったのが仇になった感があるが、レース内容は1番人気のそれで、“強い4歳”をしっかりと印象づけた。
3着:タイキコジャック
2連勝中とはいえ一気の相手強化でどうなるかと思われたが、自分のレースの形は崩さなかった。距離や時計勝負も苦にしない感じ、あまり周りの動きに影響されないタイプでもあるようで、やはり今後も要注意の馬だろう。
4着:ゲイリーエクシード
有力どころが前に固まって、しかもそのままなし崩しに高速決着に持ち込んでしまったからこの馬には辛い展開だった。とはいえあいかわらず怖い10歳馬には違いない。
5着:オウシュウクラウン
「馬に気合いを入れる意味でも、行けたら逃げようと思っていた(小林俊彦騎手)」という鞍上の気持ちに応えて久々の逃げに出たオウシュウクラウン。直線半ばで脚が止まり、小林騎手も「本当のこの馬なら逃げ切って当たり前だから」と辛口の評価だったが、スランプ脱出の糸口は見えたか。
1着:ローランボスコ
逃げる馬がはっきりしていた今回はハナには立たず、ダンディキングをぴったりマークの2番手追走。直線はしっかり競り落として優勝し、苦手の盛岡に替わる前に待望の勝ち星をGETした。この馬には気持ち長い1800m戦でも全く危なげないのは、それだけ調子が良いという事なのだろう。
2着:ダンディキング
「馬が落ち着いているから距離には全く不安がない(草地騎手)」というとおり、逃げて最後まで脚色が鈍らない。勝ち負けは展開のあやで、それよりはこの日のコース状態としてはかなり速いラップ・走破タイムで走りきった事を高く評価したい。
3着:マツリダブロッコ
相変わらず好調キープ、道中の動きも悪くなかったはず。この馬にはちょっとタイムが速すぎた印象。
馬の名前って本当に面白いですね。ちょと考えただけでも実に様々なネーミングが思いつきます。例えばストレートに「スピード」や「パワー」のような、いかにもレースで勝てそうな言葉を入れるパターン、地名や人名、あるいは酒の名前などを入れたパターン、または王様や神様を意味する言葉を入れるなんていうのもありますね。ほかにも流行の言葉やドラマからとったと思われるものもありますし、獅子や虎、鷲鷹などの精悍な動物を取り入れたネーミングもあります(そしてたまには猫や豚なども…)。
言語では英語が圧倒的に多いのですが、ワラッテオクレヨやマイオウギ(舞扇?)のような日本語もありますし、フランス、ドイツ、イタリア、スペインなど実に様々。果てはアイヌ語やハワイ原住民の言葉もあったりして、なかなかに興味深いです。
私のような貧乏人は実際に馬を持ったことなどありませんが、POGやテレビゲームで名前を考える時でさえけっこう悩んでしまいます。きっと馬主さんが馬名登録する際は、その馬が丈夫で元気に走るように、そしてレースで勝てるようにと頭をひねって命名するのでしょう。私はそんな馬名を見ながら、これはどういう意味だろうとか、こっちはあそこから取った名前かな?などと考えるのが好きです。
私は岩手競馬マガジン『テシオ』誌上で「馬名蘊蓄(うんちく)」というコーナーを担当させてもらっていまして、ちょっと気になった馬名についての話を気まぐれに書かせてもらっていました。しかし『テシオ』本誌のほうが休刊中となってしまいましたので、たまにはこちらで書きたいと思います。
というわけで今回はタイキバッカスです。「バッカス」はギリシャ神話に出てくる酒と豊穣の神で、ブドウの木を発見しワインの製法を開発したとされています。細かくいうとバッカスは英語名で、もともとのギリシャ神話では「ディオニュソス」といいます。しかし日本では洋酒入りチョコレートの商品名に使われていたりして、「バッカス」の名の方が知られているのではないでしょうか。
酒と言えば、昨年11月から今年3月まで岩手の櫻田浩三厩舎に在籍し、3戦2勝という優秀な成績を残して中央に戻ったサケダイスキという馬がいましたが(これもすごいネーミングですね ^^;)、その後の5月12日、東京芝2000mのレースで5番人気から見事勝ち星をあげています。短期間とはいえ岩手で私たちの目の前を走った馬が、移籍後も活躍してくれていると嬉しいものですね。
…本当は岩手で活躍してくれればもっと良いのですが。