26日(土)メインは3歳馬による水沢1800m戦「第12回七時雨賞」。昨シーズンまで同レースは短距離で実施されていたが、距離体系の見直しによって1800mへと衣替えし、6月10日、盛岡2000mを舞台に行われる「岩手ダービー・ダイヤモンドカップ」トライアル戦へと位置づけられた。
今回、登録馬の回避が相次いで8頭立ての少頭数になったが、仮に出走したとしても勝ち負けに参加できるメンバーではなく、さほど影響なし。逆に有力視されていたメンバーがずらり顔をそろえ、非常に興味深い一戦となった。
(ボスアミーゴ 写真・佐藤到)
注目はなんと言ってもボスアミーゴだろう。昨年9月、テシオ杯ジュニアグランプリを快勝後、積極的にJRAへ挑戦し続け、その初戦・いちょうステークスを0・2秒4着に食い込み、続くG?・東京スポーツ杯2歳ステークスは日本ダービーで1番人気になるであろう、フサイチホウオーの0・9秒差6着。そして中山・クリスタルステークスでも4着にまとめた。
前走・ニュージーランドトロフィーでは道中で置かれ、直線ひとまず追い込んだが16頭立て13着。これはJRAの壁に加え、岩手の場合、冬期間はどうしても乗り込みを満足に消化できる環境ではないため、3ヵ月半ぶりの実戦が影響したのが大きかった。
今回はJRA芝で適鞍がなかったため、ローテーションの狭間で地元水沢戦を使うことになった。ダート戦は昨年8月、りんどう賞以来、1年3ヶ月ぶり。その時もダートにややもたついて3着(1着オペラダンディ)に敗れ、ダート適性に若干不安が残るが、ここでは戦ってきたメンバーが違いすぎる。たとえ久々の深いダートに戸惑ったとしても、それは総合力でカバーできると判断したい。
相手もなかなか魅力的なメンバーとなった。まずネバーオブライトだが、前回・阿久利黒賞で1番人気に支持されたが、反応がひと息で2番手から4着に敗退。これで評価が微妙になったのは確かだが、レースをジックリ振り返れば向正面から追いどおしで3コーナーで置かれ気味。それが痛かったが、直線を向いてインからジワジワ伸びていた点は見逃せない。
父がウェイオブライト、母ジェベルネバー、そして母父がフォティテン。本質的にはマイル以下がベストの血統だが、ネバーオブライト自身はちょっと異質ではないか。
550キロ台の巨漢馬で、さほどスピード感がなくても好タイムをマークし、ピリッとした脚というより平均的に脚を使うタイプ。それならば忙しいマイルよりも今回の1800mの方がむしろ歓迎ではないだろうか。
上がり馬サイレントカイザーも注目の一頭だ。昨年12月31日にデビューし、圧巻の4連勝。前回はモエレターボの強烈な差し脚に屈して連勝はストップしたが、破れて尚強し。その時の水沢1600mの走破タイムが1分44秒7は同日、3歳A2戦で1着となったネバーオブライト(1分45秒2)を0・5秒も上回るもの。机上の計算どおりに行けばネバーオブライトに先着したことを意味する。
とは言え、今回は初のオープン馬が相手であり、初の1800m。父が岩手のヒーロー・トーホウエンペラーで、その血統を受け継げば距離も大丈夫のはずだが、母父サクラバクシンオーがどう出るか。いずれにせよここも突破できれば、将来の飛躍も約束された。
またハルサンヒコの成長度も見逃せない。初勝利が6戦目と出世は遅れたが、一戦ごとに着実に力をつけて昨年2勝でシーズンを終了。
冬期間の休養明け初戦はレース勘を取り戻せず4着に終わったが、続く特別・スプリングカップでセイントセーリングの2着。また平場2着後の前回、重賞・阿久利黒賞でも道中はインで我慢して直線は外に持ち出して2着。この時はセイントセーリング、圧勝劇の陰に隠れてしまったが、混戦の2着争いを抜け出してきた。
以上の実績から本来ならば対抗以下には落とせないが、気になるのが勝ちに行っての2着ではないこと。難癖をつける訳ではないが、できれば自力で勝ちに行ってほしいと思う。
他では前回・阿久利黒賞で結果5着ながら、3番手の積極策に出たのに好感が持てたソードも押さえが必要だろう。
◎ ?ボスアミーゴ
○ ?ネバーオブライト
▲ ?サイレントカイザー
△ ?ハルサンヒコ
△ ?ソード
3連単は3を1着固定に7、4、6のフォーメーション。1は押さえ少々
馬複は3−7、3−4、3−6、4−7
<お奨めの1頭>
9レース キーネ
今シーズンは精彩を欠いていたが、前回の逃げ切りで吹っ切れた。しかも今回は最も得意とする水沢1400m戦