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2019年3月24日 アーカイブ

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3/24ばんえい記念回顧

2019年3月24日(日)

センゴクエースがついに頂点へ
槻舘調教師は3連覇を達成!


 24日(日)は重賞・ばんえい記念(4歳以上オープン)が行われ、単勝2番人気のセンゴクエースが優勝。2歳時から将来を嘱望されていた素質馬が、ばんえい記念初挑戦で頂点を極めました。

【出走馬】※馬名右の数字は単勝最終オッズ
 1.コウシュハウンカイ 13.6
 2.オレノココロ 1.5
 3.ドルフィン 73.0
 4.フジダイビクトリー 7.1
 5.センゴクエース 3.5
 6.ソウクンボーイ 78.3
 7.カンシャノココロ 61.6
 8.シンザンボーイ 19.0

 極限の重量だけに、このレースを連覇中のオレノココロに人気が集中。単勝1.5倍と、圧倒的な1番人気に支持されました。続くのは超良血センゴクエースで3.5倍。今回が引退レースとなるフジダイビクトリーが7.1倍の3番人気で、この3頭が単勝ひと桁台に推されました。

 馬場水分は1.2%でスタートしましたが、雪がちらついたこともあってか、有力どころはすんなりと第1障害を突破します。ただ、そうはいっても1トン戦。各馬、慎重に歩を進め、ゆったりとしたペースで中間点を進みます。オレノココロ、フジダイビクトリー、センゴクエースといった上位人気馬が先行し、そのうしろからコウシュハウンカイ、シンザンボーイ、ソウクンボーイが追走。第2障害にはフジダイビクトリー、センゴクエース、オレノココロ、コウシュハウンカイの順でたどり着きました。
 行きたがるのをなだめつつ、じっくりためる各ジョッキー。普段よりも静寂の時間が長く続きましたが、コウシュハウンカイ、オレノココロ、フジダイビクトリーが同時に動き、センゴクエースもこれに続いてレースが活性化。ファーストアプローチで天板近くまで上がったのはオレノココロとセンゴクエースで、フジダイビクトリーも二の腰を入れて天板付近へ。しかし、ここからが1トン戦の正念場。センゴクエースがヒザ折りを喫するなど、各馬苦戦を強いられました。しかし、経験豊富なベテラン・フジダイビクトリーが天板まで登り切り、そのまま障害を突破。最後の勇姿を見せるべく、先頭で最後の平坦路へ向かいました。やや遅れて、立て直したセンゴクエース、障害巧者コウシュハウンカイ、慎重に登坂を進めたオレノココロがクリア。勝負の行方は実績のあるこの4頭に絞られました。
 なかでも抜群の末脚を発揮したのはセンゴクエース。1トンを曳いているとは思えない、軽快なスピードを見せてフジダイビクトリーに襲いかかります。対するフジダイビクトリーは行き脚が鈍り、残り30メートル付近でストップ。労せずしてセンゴクエースが先頭を奪います。
 しかし、オレノココロも4番手から切れのある末脚を繰り出すと、コウシュハウンカイ、フジダイビクトリーをかわし、残り10メートルの手前で単独2番手に浮上。さらにセンゴクエースを捉えるべく懸命に脚を伸ばし、徐々に差を詰めにかかります。しかし、センゴクエースもしぶとい粘りを発揮し、わずかなリードを懸命に守り抜きます。頂点を争うにふさわしい、ゴール前のしのぎ合い。結局、2秒4差でセンゴクエースが先頭で荷物を運び切り、第51代ばんえいチャンプの座に君臨しました。オレノココロが2着で、さらに12秒5差の3着には、引退レースのフジダイビクトリーが入線しました。

 素質馬センゴクエースが、とうとう頂点奪取を果たしました。いわずと知れた父ウンカイ、母サダエリコの超良血。父母も果たせなかったばんえい記念制覇を、7歳にして成し遂げました。第2障害ではヒザをつく場面もありましたが、即座に立て直し、障害を越えてからは1トンを曳いているとは思えない軽快なフットワークを発揮。ひと皮むけたレースぶりで、ばんえいチャンプにふさわしい勝ち方だったと言えるでしょう。いかにも円熟期を迎えたようなレースぶりに、よりいっそうの活躍が期待できそうです。
 オレノココロは3連覇ならず。今回ばかりはセンゴクエースに強い競馬を演じられてしまった印象ですが、障害を越えてからの脚は、この馬本来のものでした。馬場水分のわりには若干速い3分35秒の決着になったのも向かなかった印象で、展開や馬場次第で頂点を奪い返す可能性も十分です。
 ラストランで見せ場十分のレースを演じたフジダイビクトリー。2016年にばんえい記念を制して以降も随所で存在感を示してきただけに、その勇姿を見られなくなるのは一抹の寂しさも感じさせます。通算218戦39勝、重賞は10勝。その数字のみならず、ばんえいを沸かせた名馬として、今後も記憶に残ることでしょう。

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工藤篤騎手「レースは先行しながら進めたので、あとは第2障害をうまく越えてくれればと思いました。状態としては、槻舘調教師がばっちり仕上げてくれたので調子は良かったです。この馬を称えたいですね。本当に強い馬です。騎乗している間に馬場はだいぶ乾いてきたと感じました。かえって落ち着いて良かったです。ペースとしては、思っていたとおりと感じました。第2障害で膝をついた時は少し焦りましたが、その分、呼吸を入れてあげたら何とかなると思い、立て直して騎乗しました。手ごたえは良く、止まりそうになかったので、このままいけば勝てると確信しました」

槻舘重人調教師「本当に嬉しいです。今年は重賞を1個も勝てていなかったので、本当に良かったです。第2障害でヒザが甘いので、その部分を重視しながら調教をしてきました。レースの流れは思ったより落ち着いた感じだったと思います。第2障害で膝をついたのはやっぱりついたかと思いました。調教師として3連覇できて嬉しいです」

3/24ばんえい記念予想 山崎エリカ

大一番は、感謝の心で締めくくる

 ばんえい記念は、スーパーペガサスの4連覇、トモエパワーの3連覇、年を跨いでニシキダイジン、カネサブラックが2勝するなど、リピーターが活躍するレース。負担重量1トンという特殊な条件設定の定量戦だからでしょう。そこを考えると、3連覇が懸かるオレノココロが勝ち負けすると考えるのが順当でしょう。

 しかし、その一方で、2009年のカネサブラック(2着)、2014年のインフィニティー(1着)など、ばんえい記念初挑戦馬たちが、勢力図を覆したり、穴を開けたりしてきました。つまり、「ばんえい記念の穴馬は初挑戦馬にあり」です。

 さらにそのシーズンに重賞勝ちすらなかった馬たちも、このレースで勝ち負けしてきました。リピーターの2009年のトモエパワーはともかく、2010年のニシキダイジン(初勝利時)、2014年の2着馬フクドリや、昨年の2着馬フジダイビクトリーもそう。

 確かに前記の馬たちには、高重量適性が高い馬もいますが、フクドリがそういう類かを問われると、答えはNO!障害力はあったことにこしたことはありませんが、負担重量1トンがひと腰で上がることなど稀中の稀。ばんえい記念で一番重要なのは、障害で一歩、一歩踏みしめながら、しっかりと前へ進められることです。

 よって、◎には、ばんえい記念初出走のカンシャノココロを推します。この馬は、若馬時代は世代重賞に出走し、2着1回、3着3回の実績はあるものの、これまでに重賞勝ちすらありません。しかし、昨シーズンより、古馬の重賞にも顔を出すようになり、昨夏のばんえいグランプリでは5着。今年は準重賞の金杯で大接戦の粘り勝ちを決めています。

 この馬は障害を一歩一歩踏みしめて登るタイプ。一瞬の切れ味がないために若馬時代から善戦マンですが、先行力、障害力はあり、接戦に強いタイプ。あとは、どこまでペースについていけるかでしょう。時計が掛かれば、面白い馬です。

 ○は、ばんえい記念3連覇が懸かるオレノココロ。チャンピオンカップではメジロゴーリキに逃げ切りを許したものの、トップハンデ850kgを背負って2着を死守するあたりは、さすがチャンピオンホースといったところ。また、かつてのように障害を一気に登ろうとせず、歩数を増やしたことで障害が安定してきている点もここへ向けての好材料。

 ▲は、2016年のこのレースの覇者で、昨年のこのレースでも2着のフジダイビクトリー。この馬は、今シーズンは、岩見沢記念の2着が最高で重賞未勝利。昨夏のばんえいグランプリは得意のはずの障害で大苦戦したものの、ここへ来て復調。昨年は近2走の不振から、このレースで一変しているほどの高重量巧者だけに、ラストランの今年も要警戒。

 あとは△に、昨年のばんえい記念の3着馬コウシュハウンカイ。昨年のこのレースでは、障害をほぼひと腰でクリアし、場内をどよめかせたほどの現役屈指の障害力の持ち主ですが、最後に失速してしまう点がネック。また、2~4走前で障害で膝をついていたものの、前走では障害に重点を置いた走りで、修正できていました。軽視は禁物でしょう。

 他では、ばんえい記念初出走になりますが、昨夏のばんえいグランプリでは3着と好走し、高重量適性を見せつけたシンザンボーイ。この馬は年齢を重ねて力をつけて、今年の帯広記念でも一瞬先頭に立つ場面。高重量でもしっかり登り切るだけの障害力があるだけに、今回で勢力図を塗り替えても不思議ないでしょう。

◎7 カンシャノココロ
○2 オレノココロ
▲4 フジダイビクトリー
△1 コウシュハウンカイ
△8 シンザンボーイ

馬複
7-2,4 1000円
7-1,8 500円
ワイド
7-2,4 1000円
7-1,8 500円 計6000円

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