ハイカラサンがゴール前の混戦を制す!
5日(日)は重賞・黒ユリ賞(3歳牝馬オープン)が行われ、単勝7番人気のハイカラサンが優勝。ゴール前の激しい叩き合いを制し、2歳シーズン女王に君臨しました。
馬場水分は2.2%とやや重めで、これまで曳き慣れない620キロということもあり、道中はスローペース。カツダイヤとハイカラサンが馬群を牽引する構えですが、各馬ほぼ横一線でこれを追走。大きく隊列が乱れることなく第2障害を迎えました。
カツダイヤが仕掛けたのを合図とするかのように、各馬が登坂を開始。ひと腰でクリアしたカツダイヤが先頭で障害を下りますが、実に7頭が一斉に登り切ってこれに続き、混戦模様を呈します。
障害を下りてから際立った脚を見せたのはハイカラサン。一気に先頭のカツダイヤに並び掛け、1馬身ほどのリードをとります。さらに残り20メートル付近でマゴコロ、タカラハヤヒメ、ユキハナも加わります。残り10メートル付近でハイカラサンの脚いろが鈍り、カツダイヤも盛り返し、またしても横一線となり、まれに見る大激戦に。そしてゴール前ではハイカラサンとマゴコロが若干抜け出し、そこへニシキウンカイが強襲......。各馬入り乱れたゴール前は、わずかにハイカラサンが先着し、0秒2差でマゴコロが2着。さらに0秒4差の3着に単勝1番人気のニシキウンカイという結果になりました。
ハイカラサンは父ユミタロウ、母はアサギリクインで、1歳上の半兄にオイドン(ばんえいダービーほか)がいる血統。兄同様の仕上がりの早さと大舞台での強さを発揮して、最初の牝馬限定重賞を制しました。最後まで他馬を抜かせなかった内容が良く、今後もその勝負根性を武器に重賞戦線を沸かせてくれそうです。
マゴコロは、いちい賞に続く2着で、世代の牝馬ではやはりトップクラスにあることを証明しました。着実に馬体が増えている点にも好感が持て、さらなる飛躍が期待できそうです。
鈴木恵介騎手「正直言って、少し信じられないですね。思った以上に馬が仕上がっていて、ゴール前はもう止まりそうな感じでしたが、よくもってくれました。気性がよくまじめな馬で、体重がもっと増えてくれたら、もっともっと引っ張ってくれるはずです」