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やっぱり馬が好き(第32回)  旋丸 巴

リッキー御一行様に感謝

 来週は待ちに待った「ばんえい記念」。激動の平成18年度ばんえい競馬を締めくくる最強馬はどの馬か?

 充実著しいトモエパワーが、名手・坂本東一騎手の見事な手綱さばきによって頂点へ、と予想して……けどね、この予想、古林先生と同じで……。ううむ、古林先生と私の重い重い期待に乗られて、トモエパワー君、ばんえい記念に勝てるかしらん?

 と、ばんえい記念に胸躍らせて、しかし、この大レースが終われば、今年度開催は終了。約1ヶ月のお休みを経て、いよいよ「新生ばんえい競馬」のスタートである。

 新生ばんえい競馬については、現在、色々な、本当に色々な、試みが行われようとしている。主催者である帯広市が競馬場を改装するのは当然として、民間でも、ばんえい競馬存続のために働いた人々を中心に、ばんえい競馬を文化として支えようという団体が作られようとしていたりする。

 けれど、その中で、最も楽しい話題は、と言えば、やっぱりリッキーが帯広市の嘱託職員となったこと、これである。

 リッキーは、御案内の通り、服部厩舎所属の現役競走馬……ではあるけれど、今や彼の仕事は、レースに出るだけでなく、競馬場で馬車を引いたり、各地のイベントに出かけては人間を相手に綱引きをしたり、と、ばんえい競馬PRのために奔走。5年前から幼稚園や小学校などにも出張し、馬車に子供たちを乗せたりもしているのである。

 そんな活躍が認められて、帯広市役所がリッキー君を嘱託職員として採用。来春からは、競走生活から引退し、馬車や、その他、イベントでの仕事に専念することになった。

 それにしても、ばんえい競走馬を職員として採用する、なんて、帯広市もお洒落……と思いませんか?

    *    *    *

 今や引く手あまたのリッキー君。だから、きっと多忙を極めているだろうと思って遠慮していたのだけれど……。先日、競馬場で服部先生にお会いした時に、「うちの娘の学校にも来て欲しいんですが」と口を滑らせたら、服部先生、「大丈夫。日程調整して行きますよ」と即答して下さったから、私が欣喜雀躍したのは言うまでもなくて……。

 学校側との調整もトントン拍子に進んで、我が豚娘の通う山村の小学校に、リッキー御一行がやって来たのが3月13日。

1_3  1トンもある巨大なリッキーに子供たちは驚き、喜び、大はしゃぎ。けれど、私もまた、子供と同様に驚き、喜び、大はしゃぎしてしまったのは、それは、何とリッキーを運んで来てくれたのが大河原騎手(手綱を引いている赤い帽子)だったから。

 まさか子供相手の行事に、リーディングを争う一流騎手が来て下さるとは夢にも思わなかったから、再び雀となって踊り狂う私。

2_3  子供たちが、リッキーに触り、またがり、そして、町内を馬車で一周してもらって喜ぶ合間を狙って、私は大河原さんにすり寄ってはレースの醍醐味やご苦労を聞いた。日頃は、厳しい顔でレースに挑むこの名騎手が、しかし、実に実に気さくに応答して下さって、その楽しかったこと。今回のリッキー訪問に世話役として参加した我が夫も、「う~ん、勉強になった」と大喜び。もっとも、夫の場合、これを密かに馬券戦術に活用しようという腹黒い目論見があるので、純粋な感動とは言い難いけれど。

3_1  過疎地域の小学校とは言え全校生徒42人。これに加え、近所の保育所からも20余名のちびっ子たちも飛び入りしたから、そんな大勢の子供たち相手に、馬車で町内を3周し、全ての子供を背に乗せてくれたリッキー君に、心から感謝。

 また、大変な労働にも関わらず、終始、笑顔でお世話くださった、服部先生御夫妻と大河原騎手、小林長吉調教師さんに、心の底から感謝して感謝して、それでも未だ足りないほどに感謝。

 子供たちの胸に、ばんえい競走馬の力強さ、優しさが刻まれて行く情景を目の当たりにして、新生ばんえい競馬の未来が、明るいことを確信した。

    *    *    *

 4月27日に開幕する新生ばんえい競馬。初物づくしで、何がどうなるのか、こんな近くにいる私でさえ想像がつかないけれど、それでも、しかし、こうして、様々な人々が必死の思いで守った「ばんえい競馬」。だから、読者の皆々様も、この新しく生まれ変わる競馬を、是非是非、優しく見守り、時に厳しく叱咤激励しつつ、応援していただきたいのである。関係者でもない私が言うのも僭越なんだけど、ね。

 ばんえい競馬、頑張れ~!

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編集部注:わたしもトモエパワー本命と決めてたんですが……それは困りました(斎藤)

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