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2006年5月26日 アーカイブ

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やっぱり馬が好き(第19回)  旋丸 巴

2006年5月26日(金)

頑張れ希世ちゃん

 今月3日、佐藤希世子騎手が100勝を達成した。02年1月のデビューから1,204戦目での記録達成。地方競馬の女性騎手としては11人目、現役では3人目の快挙とのこと。もっとも、「地方競馬では」と言っても他の競馬場でのレースは、みんな平地競走。単純に他場の騎手の記録とは比較できないけれど、ばんえい競馬史上2人目の女性騎手がデビュー6年目で100勝というのは「堂々たる戦績」と言って良いはず。何はともあれ、希世ちゃん、おめでとう!

Kiyo  と、今、私は馴れ馴れしく「希世ちゃん」なんて呼びかけてみたけれど、実のところ、私は、この人と面識がないのである。競馬場のパドックで、出走馬にまたがった精悍な彼女を眩しく仰ぎ見ることは多いけれど、直接、お会いしたことは皆無。当然のことながら、話もしたこともない憧れの存在なのである。

     *   *   *

 数年前まで、ばんえい競馬について、私は極く普通のファンであった。それが、縁あって谷あゆみさんと親しくさせてもらうようになり、以降、色々な馬や人にも会わせてもらったり、取材させてもらったりするようになった。

 スーパーペガサスの調教も見せてもらったし、昨年の「ばんえい記念」では、この英雄の口取りに参加させてもらう栄誉に浴した。映画『雪に願うこと』の試写会パーティーにも出席したし、主演馬マルニシュウカンとも対面させてもらった。

 ……と実に様々な僥倖を得て、幸せ一杯胸一杯。物書きとしての「役得」を実感する日々である。

 けれども、しかし、なのである。生来が「つむじ曲がり」の旋丸。物書きだからといって諸々の特権を得ていると、何だか最近は少しく居心地が悪くなって来た。

 ファンの知りえないこと見られないことを見知って優越感に浸っているジャーナリストは、私の最も軽蔑する人種だけれど、顧みて、自分も、そんな嫌ったらしい種族になりつつあるんじゃないか、と心配になって来たのである。

 佐藤希世子騎手にも、会おうと思えば必ず誰かが快く紹介してくれるに違いない。うまくすれば、親しくお話できる間柄になれるかもしれない。

 けれど、今、私は、一ファンとしてパドックで彼女を見上げることに何とも言われない満足感を感じているのである。口を真一文字に結んで、凛々しく本馬場に向かう彼女に片思いの心持で密かにエールを送る瞬間が好きなのである。

 そんな訳で、今しばらくは、佐藤希世子さんとはお会いしないでおこうと思う。お会いしないで、純粋無垢にファンとして競馬場で声援を送ろうと思う。

 「希世ちゃん頑張れ!」と、フツーのオバサン旋丸は、今日も声援を送るのである。

レース回顧(5/27~5/29)

Takashimaya  この項でお知らせしたとおり、先週は東京都内でばんえいイベントが多数行われました。特に20日(土)の新宿タカシマヤタイムズスクエアのイベントでは、東京の街中にリッキーがドドンと登場(写真)。会場では「大きい」「かわいい」などの声が聞かれたうえ、一般の方との記念撮影では長い列もできて大好評でした。もちろんイベント慣れしているリッキーだからこそできたとも思えますが、本質的におとなしいばん馬ならではの演出。ばんえい競馬を知らない方にも、存分にアピールできたのではないでしょうか。
 さて、27日(土)のメインレースはレーシングカップ(3歳以上混合オープン)。オープン5頭、800万クラス4頭の混合戦です。難解なメンバー構成となりましたが、ここはヨコハマボーイの底力に期待したいと思います。なるほど今季は精彩を欠いていて、特に前走は9頭立ての9着。ばんえい記念3着の実績から、近2走の成績以上に人気になりそうですし、確かに狙いにくいとも言えます。しかし、混戦時にモノをいうのが底力。重賞戦線も視野に入ってくる時期だけに、陣営もきっかけをつかみたいはずです。奮闘を期待したいと思います。あとはホクトキング、ニシキダイジンあたりも争覇圏でしょう。
 28日(日)はポテト特別(3歳以上オープン)が行われます。ここにはスーパーペガサスをはじめ、サダエリコ、ミサキスーパー、エンジュオウカン、ミサイルテンリュウ、シンエイキンカイといった、名だたるオープン馬が出走を予定しています。やはりスーパーペガサスに注目ですが、障害に手間取るようなら、エンジュオウカンミサイルテンリュウといった障害巧者が浮上してくるでしょう。前走のオープンを勝ったサダエリコは、今回のレースが復調へのキーとなりそうです。
 またこの日、第4レースの2歳戦シベチャタイガーが出走予定。ここまで3戦3勝と、能力検査1番時計の実力を見せつけています。ほか2戦2勝のホッカイノリキとマルニゼウス、2戦連続シベチャタイガーの2着に敗れているサムライキングなどが出走を予定しています。
 29日(月)に行われるのは手塩岳特別(3歳以上470万円未満)。注目は今シーズン4連勝中のスギノフィリオ、昨年秋から快進撃を続けているコブライチでしょう。特にスギノフィリオは、ある程度勝負付けが済んだ相手ともいえ、5連勝が期待できそうです。コブライチは昇級直後ということもあり、ここが試金石となるでしょう。ほか好調のユウセイマーチとタカラテンクウ、そしてキタノカイザーの一発にも注目したいところ。

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