オッズパークで発売しているオートレースの各開催(川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート)の展望や、グレードレース(SG、GI、GII)決勝の直前予想情報とレース結果を提供します。
オッズパークで発売しているオートレースの各開催(川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート)の展望や、グレードレース(SG、GI、GII)決勝の直前予想情報とレース結果を提供します。 鈴木圭一郎がエンジン立て直してV!
0メートルオープンで大事になるスタート争いは、3枠の佐藤摩が先行した。これに高橋義弘が続き、鈴木圭一郎も乗っていきそうだったが最内の佐藤貴が踏ん張った。しかし、佐藤貴の内を篠原が狙い、共にやや流れたところを鈴木圭がインすくって3番手を奪取。逃げていた佐藤摩だが4周1コーナーで高橋義弘がインに突っ込み先頭に立つ。鈴木圭も佐藤摩を捌くと、高橋義弘を追う態勢を整えた。勝負があったのは5周3コーナー。鈴木圭が高橋義弘のインに入り、そのままトップでゴール。後ろでは佐藤貴が高橋義弘を差し、準優勝となった。
鈴木圭は準決までの動きだと厳しそうだったが、優勝戦へ向けてしっかりと上積みができていた。試走は一番時計の3・28。数字も良いのだが、見た目もかなり良さそうだった。レースでは3~4番手からの競争で、悪くない位置につけられたのも勝利を手繰り寄せた要因となった。ここ最近は精彩を欠くレースも多かった鈴木圭だが、今回の優勝戦は鈴木圭らしいクレバーな走りが見られた。年末の大決戦へ向けてのボルテージも俄然、高まってくるだろう。
永井大介が大会初制覇
3連単のオッズは青山周平の首位から佐藤摩弥や篠原睦を相手に採った車券が上位人気で、永井大介の3番からの車券も高く支持された。
レースが発走すると、その上位人気だった佐藤摩弥が10線からトップスタート。永井大介は全体の3番手に出ると、1周回3コーナーで佐藤貴也の突進を封じ込めた。青山周平はスタート決まらず最後方8番手からの展開。
試走で2号車の辻大樹を引き離した0ハン1号車の祐定響が軽快に逃げて、佐藤摩は3周回3コーナーでようやく仕掛けられそうな距離まで接近したが突っ込み届かず。4コーナー立ち上がりでコースがふくらんだところを永井がインに入り2番手へ。そして5周回1~2コーナーついに祐定を捌いて先頭へ立った。
そのとき4番手まで追い上げてきていた青山周がレース終盤は永井に対して何度かイン攻めを狙ったが、永井はスピードを保ちながらインコースを外さない走りで完璧に防御。そのまま8周回を走り抜けて、グレード56度目、通算112度目の優勝を地元川口ファンの前で決めた。
文/鈴木
佐藤励が有吉辰也を捌いて優勝
佐藤励がオールスターに続く2冠目のSG制覇を果たした
6日制の5日目まで無敗の5連勝で枠番選択の結果1枠を得た有吉辰也が2番人気、選手権5度目のVを狙う青山周平が1番人気。試走トップタイムの3.27秒を計時した佐藤励は3番人気だった。
注目の先行争いは有吉が先制して鈴木宏和は2番手発進。佐藤励は青山周に伸び勝ち3番手に付けて、予選中はカマシの冴えていた永井大介や吉林直都は後手を踏み後方の位置取りになった。
展開が最初に大きく動いたのは2周回3コーナー。佐藤励が鈴木宏を捌いて2番手へ上がった。3周回1コーナーでは鈴木宏が反撃の差しで2番手を取り戻したが、佐藤励はすかさず抜き返して2番手を再び奪還。
その間に有吉は10メートルほどリードを作って独走態勢に入っていたが、7~8周目にかけて追いついたときの佐藤励の直線の行きアシは明らかに上回っており、8周回バックストレッチで有吉の内へ攻め込んで先頭に立った。そしてゴール通過時は後続に差を付けて、完勝といえるレース内容であった。
佐藤励は6度目のグレード優勝にして、今年4月のオールスターに続く2度目のSG制覇となり、2025年2度目のSG優勝で年間MVPも視野に入ってきた。
すでに3つのSGタイトルを獲得している有吉は、初めての選手権優勝と自身初めてのSG完全Vをもくろんだが、新勢力の台頭に屈する形となった。
青山周は鈴木宏へなかなか仕掛けられないまま周回を重ねて、9周回1コーナーでインに飛び込んで3着、その際に追随して番手を上げた早川清太郎が4着に入った。
文/鈴木
石本圭耶が嬉しい記念初優勝!
0ハン単騎に置かれた押田幸はスタートを残すことができなかった。その押田幸を叩いていったのは3枠の石本。5枠の長田稚は白煙を噴き、スタートで遅れてしまった。8枠の黒川はカマシ気味に出ていき、バックストレッチでは3番手に付けることができた。そして、1周を回るころには押田幸を交わし2番手の位置を奪取。そこからは逃げる石本と、追う黒川で一対一の様相になった。鈴木圭はスタートダッシュが付かず、厳しい位置からの競走となった。
石本の試走タイムは38。それに対して追う黒川は32。残り7周あったので、番手が入れ替わるのは時間の問題かと思われた。しかし、石本はコースを外すことなくペースも落とさず走り、黒川は攻略の糸口が見つからないでいた。結局、そのままの態勢でゴール線を迎えた。後ろでは山本将が3番手を走っていたが、佐藤励が交わして3着入線となった。
石本はこれで通算4度目の優勝、そして自身初めての記念タイトルホルダーになった。今回の勝因はなんと言ってもスタートだろう。ハンデが前の押田幸を叩いていけたことで展開がだいぶ楽になった。その後の走りも落ち着いていた。試走タイムは明らかに劣勢だったが、立ち上がりでインを開けることなく、それでいてスピードも落とすことなく走っていけた。養成所では怪我のため、デビューが遅れることになったが、デビューからは2連勝を決めたようにセンスは感じさせていた。養成所卒業式では「自分の体型はオートレースに向いていると思います。それを生かして頑張っていきたいです」と語っていたが、今回のスタートは、軽量の石本の特長を活用できた結果。これから記念レースでも活躍する姿が見られるだろう。
黒川京介が大会初制覇
黒川京介が今年のキューポラ杯ぶりとなる4度目のG1優勝
濡れ走路で始まった最終日は第9レース頃に雨が上がり、決勝戦12レースは完全には乾かなかったがスピードの出るコンディションでおこなわれた。
青山周平との全勝対決となった黒川京介は、4枠から鋭く飛び出して1枠の青山周をはじめとする内枠の3名を包んでトップスタート。そこへ乗って出るように5枠の佐藤摩弥がアウト伸びて2番手へ付け、さらに6枠の荒尾聡も足を伸ばしてきたが、青山周は前へ出させず3番手からの展開に。
3周回1コーナーで青山周が同期佐藤摩の内へ攻め込んで2番手へ上昇したが、黒川のスピードは周回を重ねるごとに増していき、レース後半は一人旅の様相。本走3.341秒の好タイムで独走ゴールとなった。
2枠と有利な位置を得ながら5番手発進になってしまった佐藤励だが、道中は荒尾聡や佐藤摩をイン戦で捌いて3着まで押し上げたから、車の状態は良かった。対して鈴木圭一郎は離れた後方のまま終わり、気候・不安定な走路状態に車がマッチしなかったのかも。
今期ランキングS3、10月から適用される次期S2の若武者は、今期のS1とS2に完勝して、今年7度目、デビュー通算14度目のグレード制覇。次は地元川口で1節走ったあと、来月上旬には『G2若獅子杯争奪戦』2度目の優勝をめざして、ここ山陽レース場へ戻ってくる。
文/鈴木