
優勝争いは難解、外来勢に勢いがあるか!
この開催の直後に特別GIプレミアムカップが控えている関係で、今回はS級とA級上位の選手達は不在。A級中堅以下とB級による戦いとなる。近況、突き抜けて調子が良いのは飯塚の片岡賢児。それ以外では、そこまで調子の良い選手はいないので、誰にでも優勝のチャンスが訪れる。
今回出場する地元のランクトップは掛川和人だが、調子としてはイマイチ。前走の山陽GIIでも結果を出せなかったが、ひどい状態と言う訳ではなく、今回のような一般開催、特に主力陣がいないようなケースなら善戦できるかも。ランク次位は山際真介。こちらはマズマズの状態で、スピードに乗った捲りに期待できる。3番手は益春菜。今年の5月に復帰してからは3回の優出があるように、順調な回復を見せている。スタート、スピードともに、今回のメンバーなら上位級だ。他では、スピードある武藤博臣や、ハンデ位置を生かしての速攻がある谷島俊行あたりが見せ場を作りそう。
対する外来は、先述の通り片岡賢児が絶好調。前走の山陽GIIで全て1着の完全優勝を達成した。約20年ぶりの記念優勝となった。走路が山陽から川口に変わるが、乗り手のリズムは最高潮の状態で乗り込んで来れる。このまま連勝を延ばしていくか。
その山陽GIIの優勝戦に乗っていたのは満村陽司。その後の地元一般開催では振るわなかったが、試走タイムは出ており、エンジン自体は高い位置にあるとみていい。他に山陽勢では西村義正も状態マズマズ。川口走路は2003年にGIキューポラ杯争奪戦を制した相性のいいバンク。混戦でのレース運びに熟年の技が垣間見える。
浜松勢はスピード派の山浦博幸に、速攻タイプの鈴木静二が主力として参戦。斎藤正悟や今田真輔らもエンジンが上向いており、上位争いに参加できる状態。B級ではあるが、山脇孝志も独走に入れる展開なら連対できる仕上がりにある。伊勢崎勢は佐久間健光や大月渉、木村享平らが軽やかな動きを見せている。飯塚勢は、片岡の他に、ゆるやかな成長を見せている高宗良次や、シリーズ間に1、2本は1着を取れる決め手がある田島敏徳らに注目したい。
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主な出場予定選手
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掛川 和人〔川口 A-60(22期)〕
山際 真介〔川口 A-61(26期)〕
益 春菜〔川口 A-68(32期)〕
山浦 博幸〔浜松 A-69(29期)〕
谷川 一貴〔伊勢崎 A-79(23期)〕
高宗 良次〔飯塚 A-95(32期)〕
片岡 賢児〔飯塚 A-176(21期)〕
満村 陽司〔山陽 A-129(26期)〕
伊勢崎の夏のGII・稲妻賞開幕!
伊勢崎では8月にSGオートレースグランプリが行なわれたが、9月にはGII稲妻賞も開催される。SGとは違い、地元勢がメンバー構成の主軸なので、外来勢の優勝は厳しいか。ちなみに、前年の覇者は早川清太郎。地元の記念でいつも以上の力が出る選手なので、連覇も十分ありそうだ。
地元伊勢崎でランクトップは青山周平。前走の山陽GIIでは優勝戦まで進めなかった。その前の地元SGでは、肝心の準決で反則してしまい、ここでも優出を逃している。ただし、エンジン自体はそこまで悪い訳ではなく、乗り手のリズムと一致していない印象。今回は仕切り直しのシリーズにしたい。
地元2番手は高橋貢。こちらも前走は山陽GIIだったが、優勝戦までは行けなかった。しかし、その前の地元SGでは、久々に栄冠を掴んでおり、地元のナイター走路なら心配なさそう。晴れでも雨でも力強い走りで前団を交わして行きそうだ。そして、前年覇者の早川清太郎。こちらは地元のSG以来のレースになるが、そこではシッカリと優出を決めていた。準決では上がり3・37をマークするなどエンジンの仕上がりも良い。連覇を達成すべく、初日から白星を量産してくるか。
他にも地元S級が多く参戦。新井恵匠、田村治郎の30期コンビは、やや調子が上がってない現状だが、西原智昭などは本来のスタート力が健在で、素早い攻めを披露している。また、吉原恭佑も、前走の浜松4日間開催で3勝を挙げるなど良化の兆しが出ている。
外来で強力なのは金子大輔、荒尾聡、中村雅人といったあたり。金子は前々走の地元で落車をしてしまったが、前走の地元では初日から3連勝で優出を決めていた。落車の不安どころか整備した結果、エンジンは良くなっている。荒尾も前走の浜松では、優勝戦まで駒を進めていた。更にその前の伊勢崎SGでも優出しており、当地のナイターのセッティングは熟知している。中村雅は、前走の山陽GIIではイマイチだった。その前の伊勢崎SGでも準決で反則しており不安は残っている。それでも、エンジンさえ並の状態になれば、強烈な追い込みを見せてくるので、試走タイムには注意を払いたい。山陽からは岡部聡と丹村飛竜の師弟コンビが襲来。しかし、エンジン状態は並で、早めの立て直しが望まれる。
他では、伊勢崎SGで優出し3着に入った三浦康平が好調。その後の浜松でも優勝戦まで進み5着だった。鈴木聡太は、前走の川口一般開催で準優勝だった。それも4日間シリーズで全て車券に絡む活躍。その開催で優出していたのは滝下隼平、新井淳。荒尾が優出した浜松で、他に優出していたのは森本優佑、森且行。森本は単独0ハンで快速を発揮していた。森は近況の不調を打破。これから波に乗っていきたい。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-9(29期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-10(30期)〕
中村 雅人〔川口 S-4(28期)〕
金子 大輔〔浜松 S-7(29期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-11(27期)〕
岡部 聡〔山陽 S-28(19期)〕
山陽勢が全体的に調子UP!
前回の小林啓二杯GII山陽王座防衛戦から一週間を空けず、再び山陽で一般開催が行なわれる。今回も地元山陽勢が中心のメンバー構成。前回の開催が始まる前は、山陽勢の調子は今一つだったが、GII開催を経て、全体的に調子が上がってきた。GIIは飯塚の片岡賢治の完全Vで終わったが、今回は外来勢の猛攻を阻止できそう。
そのGIIで優出したのは稲原良太郎、西村龍太郎、浜野淳、岩崎亮一、満村陽司、畑吉広、それに高木健太郎だ。稲原は準優勝を含むオール連対の大活躍だった。今までは成績が安定しない傾向にあった稲原だが、前回の大会で大きな飛躍を見せた。エンジン状態をコントロールし、乗り手のリズムも一定に保つ事ができた。前回はハンデが最重ハンの20M前だったが、今回は変動があるか。それでも一回り成長した稲原なら克服できよう。
西村龍は優勝戦3着で、準決までの3日間は全て1着。こちらもエンジンはだいぶ良くなっており、それが走りや成績にも反映されるようになった。最重ハンでも内枠に置かれる事が多く、武器のスタート力で先行する可能性が高い。今回も勢いに乗って攻めていきそうだ。浜野、岩崎の山陽主力組も復調を見せた。前々走まではピリッとしなかったが、前回のシリーズ中に調子を上げてきた。特に浜野は試走タイムも出るようになり、地元の牙城を守る力強い存在になった。満村もエンジンが良くなり、最重ハンの10M前なら通用する走りになった。畑は数節前からの好調をキープ。ハンデ位置とスタート力を生かし、早めに先頭に踊り出しての粘りが光っている。高木も前走で記念初優出となった。このまま順調に成長を続けてもらいたい。
外来S級は3者の予定で、その内2者が前走は山陽GIIだった。篠原睦は初日に白星を挙げたが、その後は追い込みが決まらなかった。岩田裕臣は初日から全くいい所を見せられなかった。田中茂は前走が浜松一般開催。近況、復調中にあった田中だが、前走の浜松では走りにキレがなくなっていた。
地元S級では人見剛志、前田淳あたりは多少良化の兆しが出ていたが、地元ランクトップの松尾啓史は前走ではずっと低空飛行だった。早めの立て直しに期待したい。
今回の新人33期は、地元4人に加え、飯塚から6人を迎え入れ、総勢10人が参戦する。各選手、まだ結果を出せていないが、1走ごとに急激に成長する事もあるので、その気配は逃したくない。
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主な出場予定選手
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松尾 啓史〔山陽 S-12(26期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-19(25期)〕
人見 剛志〔山陽 S-26(28期)〕
前田 淳〔山陽 S-30(27期)〕
浜野 淳〔山陽 S-31(24期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-13(26期)〕
田中 茂〔飯塚 S-21(26期)〕
岩田 裕臣〔川口 S-42(31期)〕
絶好調・鈴木圭一郎が連続優勝を狙う!
前回の浜松オートは、鈴木圭一郎が完全Vで締めくくった。それから一週間を空けての開催となる今節は、鈴木圭が勢いそのままに大活躍しそう。しかし、同期・中村友和や、飯塚から浦田信輔、荒尾聡など、鈴木圭の連続優勝にストップをかける選手は存在する。それ以外にも優勝に手が届く選手などもおり、注目の選手を挙げていきたい。
まずは優勝候補筆頭の鈴木圭。先述のとおり前回は全て1着で優勝を決めた。スタート、捌き、スピードのどれを取っても1級品で、死角は全く見当たらない。展開的に不利を受けるなどのことがない限り、優勝戦までは駒を進めてくるだろう。エンジンは完調の状態なので、これ以上評価のしようがない。
前節の浜松で準優勝だったのは中村友和。鈴木圭とは同期で、スピードに関しては同等のモノを持っている。前回の優勝戦でも鈴木圭の試走30に対し、中村は29と数字の上でも勝っていた。課題のスタートも一定の良化が見られており、枠順的にも内に置かれる事から、スタートで先に出て、抜け出してしまえば鈴木圭を食い止める対抗格として存在感を示せそう。
他に前節の浜松の優勝戦に乗っていたのは、今田真輔、柴田健治、野上史豪、笠木美孝。今田と柴田はハンデ位置を生かしての早めの抜け出しに期待できる。野上は3連勝で優出したように、エンジン面は好調そのもの。笠木も変わらずスタートの切れがあり、その後のイン攻めも冴えている。
外来では浦田信輔と荒尾聡が伊勢崎のSGで優出。浦田に関しては、その後の川口開催でも優出し3着入線。代名詞である安定感を遺憾なく発揮している。荒尾にしてもSG優出の上昇ムードに乗りたいところ。
川口からは若井友和と加賀谷建明がS級として参戦。若井はエンジンやや一息で、好結果を残せていないが、加賀谷は前走の地元開催で優出。いつものスピードが戻ってきている。その優勝戦に乗っていたのは伊勢崎の岩沼靖郎。成績がムラで狙いにくい面はあるが、ハンデが最重ハンの10M前に置かれるようなら快速を発揮できよう。
今回の地元浜松の金子大輔、佐藤貴也は近況イマイチ。金子は前走の地元開催で落車してしまった。今回、出場するようなら初日の試走には特に注目しておきたい。佐藤は、このところ優出がない。それでもエンジン大崩れしているわけではないので、ちょっとしたキッカケでリズムを取り戻してくるか。
33期新人は、花田一輝が前走の3、4日目を1着ゴールで連勝。このまま好リズムで行きたい。落合巧、金田悠伽、交川陽子らは苦戦中。しかし、金田は試走46が出るなど、タイム面での上昇が見られる。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-7(29期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-15(29期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-8(23期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-11(27期)〕
若井 友和〔川口 S-18(25期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-43(27期)〕
中村 友和〔浜松 A-15(32期)〕
小林啓二杯GII山陽王座防衛戦が開幕!
前年のこの大会は、丹村飛竜が優勝し岡部聡が準優勝で師弟ワンツーでの決着となった。優勝戦メンバーは浦田信輔以外、山陽勢で埋めつくされた。今回も地元山陽勢が気を吐きたい所だが、近況の調子からは外来勢の方に勢いがある。特に伊勢崎、川口から強力車が襲来し、勢力図は西低東高。地元勢はタイトル流出を阻止できるか。
地元S級のランクトップは松尾啓史。先の伊勢崎SGでは存在感を示す事はできなかった。エンジンが仕上がらず、連日苦しいレースを強いられていた。山陽S級は松尾に限らず、全体的に調子が上がっていない。それでも今回は、山陽の重鎮だった小林啓二のタイトルネームが付く記念レース。総力でもって外来勢を迎え撃ちたい。
伊勢崎SGで久々に優勝を果たしたのは高橋貢。重走路での優勝戦ではあったが、しっかりと状況判断をして最高の展開に持ち込んだ。晴れでのレースも動きは良かったので、記念連覇に期待がかかる。その優勝戦に他で乗っていたのは黒岩明。ここ数年でメキメキと力を付け、26期と中堅の域に入りながらも成長を続けている。実績を重ねるごとに本人の自信にも繋がっている。
SGの準決で反則をしてしまったのは青山周平と中村雅人。青山は荒尾聡と競り合う形になり、攻め焦っての反妨。残念な結果になってしまったが、予選3日間までの動きは良かったので、エンジン面は心配ないか。中村は長欠明けのSGで、3日目に中村らしいレースを見せたが、まだ完全に復活している印象ではない。これから徐々に調子を取り戻してくるか。
有力どころでは浜松から木村武之、飯塚から篠原睦が参戦。SGでは優勝戦まで行けなかったが、エンジンはそこまで悪くなく、今回のGIIなら通用しそうな状況。どちらもスタートからの速攻に期待できる。
A級では、前走の飯塚3日間開催で優出したメンバーがちらほら。金山周平、番田隆弘、五所淳、西村龍太郎で、金山は久々に状態が上向いてきた。ハンデ的に最重ハンの10M前なら好走できそう。番田もスランプからは脱出しており、武器のスタートから速攻に持ち込んでくる。五所、西村もスタートが早く、厳しいイン走法で中団を突破してくる。
その前の飯塚4日間でも優出者が数人いる。畑吉広、藤岡一樹、池田康範の3者。畑は優勝戦3着で、シリーズを通して全て車券に絡む活躍を見せた。藤岡もようやく良化の兆しが出てきた。池田はハンデ位置を生かしての奮闘に期待。
他では、スピードある田中賢や、独走の展開になれればペース上がる岡谷美由紀などにも注目したい。
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主な出場予定選手
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松尾 啓史〔山陽 S-12(26期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-19(25期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
中村 雅人〔川口 S-4(28期)〕
黒岩 明〔川口 S-22(26期)〕
木村 武之〔浜松 S-6(26期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-13(26期)〕