スピード上がってきた青山周平
黒川京介が地元開催でSG初制覇を狙えそうなムードが高まっているが、黒川や長田稚也を抑えて5日目の最高タイムをマークした青山周平が、総合力の高さで決戦を制するか。黒川がスタート先行してペースを掴んでしまえば準決勝戦のように独走するシーンも十分あろう。
鈴木宏和は今節の本走タイムが見劣るものの2日目には青山周平の追撃を封じており、日本一とも称されるダッシュ力でトップ旋回すると後続が渋滞を起こしそう。もしそうなれば捌く技術の卓越している中村雅人や池田政和が番手を上げられよう。
◎ 2 青山周平
○ 1 黒川京介
△ 8 池田政和
▲ 3 鈴木宏和
穴 5 中村雅人
おすすめの買い目
2=1-835
穴なら 大混戦になると中村雅人や池田政和の捌きが生きてくる
5=2-8134
スタート位置
第1コーナー進入予想
永島潤太郎が鮮やかなカマシを決めた
前日からの雨が乾ききらず、曇り空のブチ走路で第1レースが開始した最終日4日目。第2レース以降は断続的に小雨が降ったが最終の第9レースは良走路に近いコンディションで実施された。
決勝戦が発走すると、0ハンデ5車並びの大外から永島潤太郎がダッシュ炸裂。数秒後の1周回バック線で2番手の西村龍太郎に5メートルほどの差を付けた時点で『勝負ついた』と感じさせる最高の展開に持ち込んだ。あとは6周回を逃げ切って、7月8日の山陽ミッドナイトぶりとなる通算4度目のVゴール。
付かず離れず続いた西村龍がそのまま2着に流れ込み、五所淳の抵抗を残り1周で突破した浜野淳が3着に押し上げた。
文/鈴木
9R...最内からトップスタートを決めそうなのは鈴木宏。最近では独走力も付いているので、そのまま押し切りそうだ。乗って出るのは加賀谷。鈴木宏が思ったほどペースが上がらないと、道中で差し込むシーンがあるかも。総合戦力では有吉が上。仮にトップスタートなら後続を終始ブロックする。中村杏や佐藤励などの若手も果敢に走る。
◎ 1 鈴木宏和
○ 6 有吉辰也
△ 2 加賀谷建明
△ 3 中村杏亮
▲ 8 佐藤励
おすすめの買い目
1=6-238
穴なら
3-1268
スタート位置
第1コーナー進入予想
10R...7枠で、位置は良くない黒川だが、今節はスタートが切れているので序盤でそこそこの位置に付けるはず。そこからは待ったなしの攻めで先頭まで立つ。岩見も好スタートを切りそうだが、池田が道中で差す。金子と若井も競り合いながら上位進出を図る。
◎ 7 黒川京介
○ 1 池田政和
△ 4 岩見貴史
△ 2 金子大輔
▲ 3 若井友和
おすすめの買い目
7-1234-1234
穴なら
3-1247
スタート位置
第1コーナー進入予想
11R...このレースは準決4個の中でも一番の激戦区になった。そのバトルを制すのに相応しいのは力強さがある青山周。スタートである程度の位置に付け、レース序盤で勝負に出る。佐藤貴と荒尾が先行争いを演じるようなら後続はかなり渋滞になる。永井は3日目の走りが出れば優出可能。篠原もトップスタートさえ切れれば粘り込むかも。
◎ 4 青山周平
○ 1 佐藤貴也
△ 2 荒尾聡
△ 5 永井大介
▲ 3 篠原睦
おすすめの買い目
4-1235-1235
穴なら
3-1245
スタート位置
第1コーナー進入予想
12R...4日目は重走路で折り合いを欠いた鈴木圭だが、良走路なら結果が出ているので心配ない。センター枠から飛び出して後続を引き離す。佐藤摩は7枠でも好ダッシュを見せる。その流れに乗って行くのは中村雅。道中の進み方が良いようだと勝負圏内にまで入ってくる。意外性ある森本はスタートで遅れなければ見せ場を作るかも。松尾啓も機力は上々。
◎ 5 鈴木圭一郎
○ 7 佐藤摩弥
△ 8 中村雅人
△ 3 森本優佑
▲ 2 松尾啓史
おすすめの買い目
5-78-2378
穴なら
3-2578
スタート位置
第1コーナー進入予想
早々と逃げ態勢を作る永島潤太郎!
3日目の準決の日は1、2Rが雨で中止。3Rだけ競走が行われ、4Rは試走こそ行ったもののレースは雨で不成立。5R以降は雨で中止になった。準決が中止になったので、優出メンバーのエンジン評価は初日と2日目までのレースで行わなければならない。
上がりタイムが最も良いのは浜野淳が初日に出した3・404。ただし、浜野は優勝戦で唯一、10メートル線からの競走になる。0メートル線には5車並び、その中で最も良い上がりタイムを出しているのが永島。2日目に3・408を叩き出した。浜野のタイムとそんなに変わらない数字を出している上に、浜野の10メートル前から競走となるので断然有利。大外に置かれてはいるが、枠ナリ以上のスタートを決めて先頭に立ちそう。0メートル線でスタート力あるのは西村龍や五所。スタート後に好位置に付けて力走十分。稲川も先行すれば大逃げの可能性あり。
◎ 5 永島潤太郎
○ 6 浜野淳
△ 2 西村龍太郎
△ 3 五所淳
▲ 1 稲川聖也
おすすめの買い目
5-1236-1236
穴なら 最内から稲川が先行した場合
1-2356
スタート位置
第1コーナー進入予想
青山周平が現役単独最多の選手権V5へ躍り出るか
『SG日本選手権』を最も多く優勝したのは飯塚将光(引退)の6度。2位タイの優勝4度で続くのが高橋貢・永井大介・青山周平。まずはこの3名から近況の動向をみていく。
高橋貢は2017年の『SGオートレースグランプリ』を最後にSG制覇からは遠ざかっているが、今年は6月に浜松G2優勝。前期も今期も全国ランキングS級シングルに位置して存在感を放っており、今すでに史上最多を独走しているSG優勝回数を22度に延ばす態勢は整っている。
永井大介は単独で史上最多となる『選手権3連覇』のレコード保持者。今年まだグレード優勝はないが、昨年2月の川口デイレース『G1開設記念グランプリレース』決勝戦では1周で先頭に立つと、2番手まで追い上げてきた青山周平をレース終盤は逆に突き放して快勝した。今月は川口のみ4節に出場して、昼夜を合わせて3節に優出と、9月に比べて上昇気流に乗ってきた感がある。
日本選手権の2連覇を2度達成しているのはオートレース史上、飯塚将光と青山周の2名のみ。その青山周が今回は3連覇をめざす資格を持っている。9月29日の伊勢崎ナイターを優勝した直後のアフター5ナイターは身体不良で欠場。およそ1か月ぶりの競走となった10月24日~28日の伊勢崎ナイターは全日程スーパーハンデに据えられたが5戦5勝の完全V。史上3人目、自身初の15連勝を飾った。
川口では7月ナイター『G1キューポラ杯』は節間を通して天候が不順だったこともあり準決勝戦進出にとどまったが、デイレースでは今年3月に『G1開設記念グランプリレース』優勝。そして昨年末には『SGスーパースター王座決定戦』を5戦全勝し、通算V5を決めている。
早川清太郎もまた1か月ぶりの実戦として10月24日~28日の伊勢崎ナイター決勝戦に臨み、青山周には捌かれたが準優勝。大レース制覇から少し遠ざかっているが、前回に獲得したタイトルはナイターではあるが2022年7月の川口『G1キューポラ杯』。直近の川口デイレースは今年3月の『G1開設記念グランプリレース』の5戦中4走に2連対して準決勝戦に進んでいる。
能力はSG級と誰もが認める実力者。先述した川口グランプリレースの準決勝戦はスタート8番手に遅れて6着に敗れたが、10月27日の前節ナイター準決勝戦では鋭いダッシュを放っており、念願のSG初制覇に向けてはスタート力に一層の磨きをかけたい。
片平巧(引退)と並ぶ選手権通算V3なのが、10月から適用中の最新ランキングで全国S1を青山周から奪還した鈴木圭一郎。近況は『SGオートレースグランプリ』『G1ダイヤモンドレース』『特別G1プレミアムカップ』と決勝戦に進みながら勝てず、前節の『G2若獅子杯争奪戦』は落車妨害で開催3日目に勝ち上がり権利喪失と、今ひとつ勢いに乗りきれていないが、今年の勝ち星を97まで延ばしており、選手権の節間に史上初の年間100勝まで到達すれば、おのずと勢いも増してくるだろう。あとは今後を含めたテーマとしては、青山周にレースで前を走られた時いかにして攻略するか。
今年の川口デイレースでは、浜松車は金子大輔が2月の『SG全日本選抜』で鈴木圭を2着にくだして優勝。木村武之は今月の一般開催で3日間3勝の完全V。佐藤貴也は3月『G1開設記念グランプリレース』準優勝と、鈴木圭の他にもSGレーサーが高い実績を残している。
西日本の2場は、飯塚の荒尾聡が4節に出場してSG全日本選抜を含む3度優出、山陽の山本翔と松尾彩が比較的に上位着順を多く獲っているものの、川口デイレースで際立った活躍をできている選手が多くない。
中村雅人が飯塚デイレース『G2オーバルチャンピオンカップ』を制して地元川口へ帰ってくる。今年は16度優出して、2度のVはいずれも川口デイレースと、年間を通じての流れも良く、10年ぶり2度目の選手権制覇へムードをみずから高めてきた。
黒川京介の最近の優勝は川口の夜開催でのものが続いているが、8月以降のSGやG1・G2にしっかり優出しており、高い走力を長らくキープしている。佐藤励は不振に終わった『SGオートレースグランプリ』の次節、『G1ダイヤモンドレース』へ優出したあたりから成績が急上昇中だ。9月末の川口と山陽『G2若獅子杯争奪戦』のデイレース2節を連続優勝。若獅子杯の決勝戦では黒川京介をイン切り返しで捌いている。今月23日の川口ナイトレースで若井友和・黒川・永井を下して優勝した上和田拓海との川口ニューウエーブ3名はいずれも若くしてスタート力と攻撃力の高さを誇り、日本一を決めるこの舞台でさらに躍進するか注目だ。
森且行は今年10度優出し、2着が5回に3着が2度と、落車事故による療養を経て4年ぶりの復活Vは遠くないはず。その4年前のVこそ悲願のSG初制覇となった2020年の第52回日本選手権である。
池田政和も同様にレース中の事故から長期療養ののちに復帰。選手権は1999年と2003年の2度制覇。今月上旬の川口デイレースは3日目の決勝戦は雨に見舞われて苦戦したが、良走路の初日予選と2日目準決勝戦は快勝。特に2日目は好スタートから自在に捌き3周で先頭に立つ速攻劇。中村雅人に影をも踏ませなかった。
この2大スターが、縁もゆかりもあり地元で開催される日本選手権で完全復活を遂げるか、動向を注視したい。
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主な出場予定選手
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中村 雅人〔川口 S-9(28期)〕
黒川 京介〔川口 S-10(33期)〕
佐藤 励〔川口 S-12(35期)〕
永井 大介〔川口 S-18(25期)〕
池田 政和〔川口 S-26(23期)〕
森 且行〔川口 S-35(25期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
金子 大輔〔浜松 S-3(29期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-5(27期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-6(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-17(29期)〕
文/鈴木