佐藤励が自身15度目のVを達成!
0ハンのスタート争いは最内から岩元が飛び出したかに見えたが、2コーナーで桝崎星が捲って先頭に立った。40線からは中村杏が先行し、小林瑞が続いた。しかし、すぐに佐藤励が小林瑞をパス。前の方では桝崎星が逃げていたが、思うようにペースが上がらない。40線から主導権を奪った中村杏だが、道中で佐藤励が差していく。そして、逃げる桝崎星も捕えて先頭を奪取。スタートで後手を踏み、最後方からの競争になった中山光が猛烈に追い上げてきたが、佐藤励は寄せ付けずゴールとなった。
この日、佐藤励は試走タイム3.25をマーク。エンジンをしっかりと仕上げることができた。また、レース道中も特に慌てることなく落ち着いて走れていた。スピードに乗って走ることができる佐藤励にとって、冬場になりかけのミッドナイトレースは最高の舞台となった。今後も本格的な冬の到来とともにスピードレースが増えていくだろうから、ますます佐藤励の見せ場が多くなってくる。
中村杏亮が完全優勝を決めそうだ!
3日間の短期決戦で、初日からオール1着で優出したのは3名。0ハンの桝崎星は2連勝、40線の中村杏と佐藤励は2回乗りの日があったので3連勝で優出となった。
0ハン3車並びのスタート争いは、中枠から桝崎星が飛び出しそう。40線4車並びのスタート争いは枠ナリ発進か、もしくは最内の中山光がやや遅れ、小林瑞、中村杏、佐藤励の順番に出て行くか。
まずはレースを引っ張る桝崎星だが、最後まで逃げ切れるかどうかは疑問。準決では上がり3.435のタイムを出したが、40線勢の中には3.379を出した中村杏や3.376を出した佐藤励がいる。その両者がスピードに乗って先頭までやって来そうだ。どちらを重視するかがポイントだが、内枠なのと地元の利で中村杏を推したい。佐藤励はピタリと追走して仕掛けるタイミングをうかがう。中山光や小林瑞にしても序盤で同ハンより前を走れれば、0ハン勢を先に捕えるかも。その40線勢が競り合うと桝崎星の残り目も出てくる。
◎ 6 中村杏亮
○ 7 佐藤励
△ 4 中山光
△ 5 小林瑞季
▲ 2 桝崎星名
おすすめの買い目
6=7-245
穴なら 桝崎星の大逃げ
2-4567
SG並みの豪華メンバーが集結
『オートレースメモリアル』は2022年に誕生して今年が3度目の開催となる新興グレードレースながら、今期の全国ランキングS級シングルの大半が参加するなど、G2ながらSGにもヒケを取らない顔ぶれとなった。
栄えある初代チャンピオンは加賀谷建明。昨年の前回大会は岩見貴史が制して、今回は連覇を狙う立場となる。
過去の当欄において、今年の山陽デイレースでは完璧に近い成績を挙げていると何度も触れてきた鈴木圭一郎。だが今回に関しては少しばかり流れが良くない。直近の山陽デイレース出場である10月の『G2若獅子杯争奪戦』も5戦中4勝したものの、準決勝戦の前日3日目に落車妨害を犯して4・5日目は一般戦回り。続く川口デイレース『SG日本選手権』でも同じく予選最終日であった4日目に雨で大敗、準決勝戦もリズムに乗れず4着、最終日6日目はレースは快勝したがフライングを喫してしまった。しかしそれでも今年は前人未到の年間100勝を達成、今季は全国ナンバー1の座を奪還と、総体的には充実している。
その鈴木圭に若獅子杯(2月)、『G1プレミアムカップ』(3月)、『G1令和グランドチャンピオンカップ』(4月)と山陽デイレース決勝で後塵を拝し続けてきた青山周平が、9月のプレミアムカップでは黒川京介・鈴木圭を抑えて優勝し溜飲を下げた。先週の川口デイレース『SG日本選手権』決勝戦は黒川に敗れたが6日間オール2連対と、エンジンは高いレベルで推移している。
このS1・S2両雄と黒川・佐藤励に今年の山陽タイトルほとんどを席巻されてきた地元勢だが、今回はひと味違う結果を出す可能性がある。ランキング上位選手たちがここにきて上昇ムードに転じてきたからだ。
まずは今年下半期の山陽エース・松尾啓史。日本選手権は未勝利ではあったが6戦して2着と3着が各2回。スタートが上向いたことと、道中の捌きの切れ味を増したことが今回に向けてのセールスポイント。
それから今年上半期の山陽エース・丹村飛竜。こちらも同じく選手権は未勝利ながら2着3回と3着1回。初日・2日目に本走3秒台の速いタイムをいきなり連発し、気候の冷え込みにつれてスピードを上げてきた印象だ。
続いて佐々木啓。選手権は4日目に雨走路で1勝。スタートが切れていなかったため目立った活躍はできなかったが、伸びは直線もコーナーも最近の中ではかなり良かった。後方から3着まで押し上げた3日目は丹村飛を一発で交わし、2着に入った佐藤貴也と比較しても直線の威力は上回っていた。
丸山智史は逆に選手権の雨1走は大敗したが良走路5走では3着以内に4度入り、本走3秒台を2度マークした。
浜野淳は山陽ナイター、飯塚デイレース『G2オーバルチャンピオンカップ』、山陽ミッドナイトに3節連続で優出と昇り調子にある。
西村龍太郎は先月の山陽ミッドナイトから前節の山陽デイレースにかけて4節14走して着外わずか2度。しばらく続いた低迷を最近は脱出して速攻力がよみがえった上、競り合う展開にも強くなった。前節の最終日は雨巧者ぶりを発揮し内外自在に捌いて快勝した。
中村雅人と有吉辰也は『G1プレミアムカップ』(山陽9月)と選手権に優出。選手権の有吉は、他者に不利を受けて着外に沈んだ準決勝戦を除く5戦に全勝。タイムもレース内容も優秀だったので今回も有力候補の1人だ。中村雅はプレミアムカップのあと地元川口の2節にも優出し、続くオーバルチャンピオンカップは出走レースが中止になった3日目のほか4戦を全勝してのV。そのオーバルチャンピオンカップ準優勝だった荒尾聡も選手権に優出している。
近況の早川清太郎は地元開催での良績が多い一方、今年の山陽は20走して未勝利ではあるが、7月デイレースの『G2小林啓二杯』では優出3着と活躍した。
渡辺篤は今年の山陽での好走が消音・夜開催に偏っている感はあるものの、走路の特性は掴めているであろうし、気候が冷え込んでタイヤの喰い付きがアップすれば活躍の可能性が拡がりそう。
渡辺篤と同じ31期の辰巳裕樹は、今年の山陽は昼夜まんべんなく動いている。春季と秋季の若獅子杯2節10走は、着外1度のほか9走で3着以内に好走する安定ぶりを今回にも強みとして生かせれば。
山陽のグレード開催への出場は2022年3月ぶりの久々となるが、田中哲が今回の伏兵になるか。今年の山陽は6月のミッドナイトで良走路は2戦2勝。そして今月10日に終わったばかりのデイレース5日制には6走して初日~準決勝戦までオール2連対。決勝戦も、優勝した永島潤太郎を道中いったん捲りで交わす奮闘を見せて3着。雨の決勝戦はスタート後手になったが4日目までの良走路では連日鋭い出足を放っていたので、相手が強化される今開催もスタート争いに連日注目したい。
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主な出場予定選手
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松尾 啓史〔山陽 S-13(26期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-30(29期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-48(23期)〕
浜野 淳〔山陽 A-13(24期)〕
丸山 智史〔山陽 A-22(31期)〕
西村 龍太郎〔山陽 A-110(25期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-4(25期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-5(27期)〕
若井 友和〔川口 S-8(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-9(28期)〕
文/鈴木
川口裕司が7度目の優勝
全レースが0メートルオープン戦のSG日本選手権は未勝利に終わったがスタートは切れていた川口裕司が、試走タイム3.27秒の8車中トップタイムで発走を迎えた今回決勝戦は、0ハンデ5車並びの4枠からダッシュして6周回逃走。6月7日ぶりとなる通算7度目のVを挙げた。
川口裕と同じく2日目・3日目に連勝して優出した落合巧が、乗って出るように2番手発進し、前半の周回は川口裕の背後を突こうとするシーンもあったが、勝敗の分かれ目は3周回2コーナーから3コーナーにかけて訪れた。川口裕がインから抜かれないように小さめのコースを取り始めて、落合巧は次の立ち上がりで切り返す態勢を作る準備として車を外へ振る作戦だったのか、しかし3コーナーで流れてしまい前との車間が開いてしまった。だが3番手以下の選手が迫ってくる気配はなく、そのまま2着でゴール。
桜井晴光も3番手の亀井政和に対して差しを狙おうとしたが入れず。10線の3車は勝負圏内へ上がれないまま終わった。
文/鈴木
ゴール前の逆転が決まった
最終日5日目は朝から小雨が降ったりやんだりの空模様で開催が実施されて、終盤レースは重走路となった。
決勝戦がスタートすると、以前は不得手だった雨走路で最近は好走の増えていた押田幸夫が1周回3コーナーから先頭に立って主導権。差された地元の青木隆浩が追走する展開。
永島潤太郎は稲原良太郎と小林悠樹の28期2名が重なるところを割れず、こちらも28期の田中哲が捲って先頭の2車を追う形になったが、永島も捲られた直後に車を外へ持ち出す瞬時の判断が的確、大正解だった。
勝負どころは4周回2コーナー。青木隆の内を田中哲が攻め込んだ更に外から永島が進んで逆転で2番手へ浮上。そしてトップを独走していた押田幸に少しずつ差を詰めると、ゴール寸前に大外を伸び勝ってチョイ差し。11月2日の山陽ミッドナイトから2節連続となる、通算5度目の優勝を飾った。
文/鈴木