強烈な中心人物は不在で、難解なシリーズになる!
今回の山陽オートはナイターの3日間開催。直後に伊勢崎でSGが控えている関係でS級選手は不在。強力な軸となる存在はいないので、シリーズは混沌模様になる。果たして誰が優勝戦に名乗りを挙げるのか。
出場する中でランクトップは浜野淳。SG常連組の浜野が一般開催回りなのは不思議な感覚だが、近況の動きは確かに良くなく、6月に入ってからはまだ1着がない。ただし、今回は大幅にメンバーが軽化しているので、調子を取り戻すには絶好のチャンス。エンジン面が少しでも上向けば、上位争いに参加できるはず。
角南一如は緩やかに状態が上向いてきている。それでもまだ、本調子とは言えないので更なる上積みが必要になってくる。藤岡一樹は状態まずまず。近況では準優勝が2回あるし、上位着が増えてきている。ナイターの時間帯で走路温度が下がるようなら、藤岡らしいスピードある走りが見られるだろう。丸山智史は現在、連続で優出し両方で3着だった。勝ち切れないレースも少なくないが、車券圏内には入ってこれており、十分狙える状態にある。林弘明も前走では優出していた。今の山陽は雨が降った後に走路が乾きづらく、ブチ走路の状態が長く続くことがあり、多くの選手が難走路に苦しんでいるが、林はそんな中でも結果を出している。ブチ走路では特に狙いだ。
前走が飯塚GIIだった選手の中では永島潤太郎、岡松忠、重富英雄に注目。永島は初日から連勝を決めていた。高い評判に違わぬ活躍を見せている。岡松はシリーズ前半こそ勢いに乗れなかったが、後半2走は共に1着。的確なイン走法は健在。重富は成績にムラがあったが、勝つ時は格上相手でも逃げ切るシーンが見られた。
外来勢では丹村司が好調。前走の飯塚GIIでは優出し7着だった。シリーズ中には3回の1着があったし、その前までも好成績が続いている。やや課題とされていたスタートが安定して切れるようになったのがその要因か。同ハンに数車並んでいても、しっかりと枠ナリに出ていくことができている。その後もスピードに乗れているし、捌きの方も良くなっている。
藤川幸宏も飯塚GIIで好走を連発させていた。2日目の4着以外はオール連対。ハンデ位置とスタート力を生かして好展開を作れていた。道智亮介も随所に見せ場を作れていたし、ここ4節は車券に絡むことが多くなっている。
B級では走路温度の高さを味方に付け、渋太い走りができている西久保英幸が好調。特にリズムを掴んで走れている時は、後続の選手に簡単にはやられない。藤本剛も成績が上向いてきている。レース序盤で展開を作れれば車券に絡める。
※8月3日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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浜野 淳〔山陽 A-3(24期)〕
角南 一如〔山陽 A-6(27期)〕
藤岡 一樹〔山陽 A-12(29期)〕
丸山 智史〔山陽 A-39(31期)〕
林 弘明〔山陽 A-85(24期)〕
永島 潤太郎〔山陽 A-210(35期)〕
丹村 司〔飯塚 A-83(29期)〕
藤川 幸宏〔飯塚 A-89(29期)〕
和田健吾と木村享平が優出後で勢いがある!
浜松オートはリレー開催。前回出場していた選手の中から今回も出番となるが、直後にSGが控えている関係でS級はごっそりと不在。優勝争いは難解だが、そんなシリーズを制するのは誰か。
出場する中でランクトップは浅田真吾。前走では初日こそイマイチだったが、2日目は立て直して1着。その前の節の飯塚GIIでも好走する日はあったので、エンジン的には悪くないだろう。今回は最もハンデが厳しくなりそうだが、武器のスタート力を生かしての速攻に期待できる。実力的には松山茂靖も互角。近況は大きな着を取ることは少なく、車券に貢献する機会も多い。パワーある走りで車群を切り裂いていくだろう。
直前の昼間開催で優出していたのは和田健吾と木村享平。和田はその前の節でも優出しており、近況は良い流れに乗れている。本人の実力を考えればハンデ位置が魅力で、エンジンも今は高い位置にある。ハンデ的に後ろにランク上位の選手がいても振り切るシーンが見られそう。木村享も近況の動きは良い。前々走の山陽でも良走路では車券に絡めていた。特にレース序盤でリズムを掴むようだと、ハイペースの走りができる。
長谷晴久の近況も悪くない。4節前には優出3着があったし、ここ数節は大きく崩れていない。今回はメンバーが手薄なので、悲願の初優勝となってもおかしくない。鈴木章夫はまだまだ元気一杯。前々走の最終日に落車したが、前走の動きを見る限り悪影響はなさそう。エンジン的に戦える状態にあり、乗り手の方も走りは果敢。今回も車券に貢献してくるだろう。鈴木清市も渋太さは健在。前々走の地元から状態が上向き、前走の浜松でも上位着を多く取っていた。試走タイムがそれほど出なくても狙える選手の一人だ。
新井淳と小林悠樹は速攻派。昔から変わらぬスタート力をバックに、レース序盤から好位置に付けることが多い。レース後半は伸びを欠くケースも少なくないが、中盤までにケリを付ければ押し切れる。
B級では山脇孝志と西翔子が楽しみな存在。どちらも独走に入った時は、格上の相手を振り切れるだけのスピードがある。ハンデ構成としては単独0ハン、もしくはレース序盤で抜け出せそうな時は積極的に狙ってみたい。
※8月5日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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浅田 真吾〔浜松 A-22(27期)〕
松山 茂靖〔浜松 A-29(26期)〕
長谷 晴久〔浜松 A-72(23期)〕
和田 健吾〔浜松 A-127(28期)〕
鈴木 章夫〔浜松 A-145(2期)〕
新井 淳〔伊勢崎 A-66(23期)〕
木村 享平〔伊勢崎 A-164(31期)〕
山脇 孝志〔浜松 B-24(28期)〕
鈴木圭一郎と中村杏亮が近況の動き活発!
今回の浜松オートは昼間の3日間開催。短期決戦なので前回からの流れが大事になってきそうだ。地元エースの鈴木圭一郎を含め、好調な選手が多いのでシリーズは大いに盛り上がるだろう。
その鈴木圭は前走が飯塚GIIだった。結果は準優勝。シリーズ前半から中盤にかけては着を残しているものの、エンジンの仕上がりに関しては不安を残していたが、優勝戦ではしっかりと上向かせてきた。優勝できなかったとはいえ、良い状態で次節につなげることができた。前回の分を今回にぶつけてきそうだ。
同じ飯塚GIIの優勝戦に乗っていたのは中村杏亮と金田悠伽。中村杏は優勝戦で1回は先頭を走っていたが、荒尾聡の気迫の差しでやられてしまい結果3着。エンジン状態は良さそうだっただけに、悔やまれる結果になった。それでも近況の成長っぷりは凄まじく、S級上位を脅かす存在になっている。スタートや道中の走りがしっかりしているし、整備力も高まっている様子。金田はGIIの準決からハンデが重くなったが、それをものともせず1着で準決通過。優勝戦は後続が次々とやってきて6着の結果だったが、GII戦で2日目から4日目までは3連勝を決めていた。早めに逃げに入れる展開になれば、強豪相手でも振り切れる力が身についている。
地元浜松のS級は他に佐藤貴也、木村武之、笠木美孝。佐藤貴は今、連続で準優勝中。エンジンは高いレベルで推移しているし、攻めの方も変わらず鋭いイン突っ込みができている。木村武は前走の山陽ではイマイチだった。エンジンを少しでも底上げさせたい。笠木は前走の地元では準決5着だったが、それ以外の2走は共に2着でまずまずといった状態。
外来S級は中村杏だけでなく丹村飛竜も好調の部類。前走の山陽ミッドナイトは4連勝で完全優勝を果たした。その前の節では準優勝。エンジンも乗り手も良い流れに乗れている。森本優佑も近況の流れは悪くない。前走の飯塚GIIではある程度着がまとまっていたし、その前までは連続で優出していた。混戦になると力を出せない場面もあるが、前を走る車がバラけているとスピードに乗った走りで交わしていける。久門徹も状態はまずまず。スタートの切れは良く、レース序盤で好位置を奪うケースが多い。滝下隼平もエンジン悪くない。走りの特徴は久門と逆で、レース序盤は苦しむことが多いが、中盤から後半にかけては鋭く伸びてくる。岩崎亮一はエンジンが並。上位着を狙うとなると上積みが欲しいところ。
地元A級では石貝武之が連続で優出中。好ダッシュから自分の展開に持ち込むことができている。中村友和も近況は悪くない。前々走では優出3着。前走は初日こそ6着だったが、その後は3走して全て車券に絡めている。S級に返り咲く日も遠くないか。藤波直也は前走の浜松で優出3着。シリーズ中は4走して全て車券に貢献していた。動きは軽快そのもの。
※8月2日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-8(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-9(26期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-22(25期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-32(29期)〕
森本 優佑〔飯塚 S-23(31期)〕
久門 徹〔飯塚 S-27(26期)〕
中村 杏亮〔飯塚 S-40(33期)〕
青山周平が連勝街道まっしぐら!
今回の川口オートはナイターの4日間開催。超目玉は青山周平だが、地元S級陣もそれなりに悪くない。また、B級の中にも注目の選手は多く、シリーズは厚みを増す。
青山周平は好調そのもの。現在のところ2節連続で完全優勝中。その前から通算すると9連勝中。今は重走路でもブチ走路でも結果を出せている。エンジンはもちろん仕上がっているし、乗り手の方も全く問題ない。今回も当然の優勝候補筆頭に挙げられる。
地元S級で好調なのは小林瑞季。前走の川口ではオール連対での優勝を決めていた。優勝戦はそうそうたるメンバーだったが、しっかりと勝ち切ってみせた。それもスタートがうまくいかず最後方からのレースになったが、それをものともせず捌き上げていた。同じレースには黒川京介も乗っていた。結果は5着だったが、準決までの4走はオール連対。その前のGIでも良い走りを見せていた。川口でも世代交代の波が押し寄せているか。
そうはさせぬと奮闘するのは永井大介。前走の2日目は珍しく反則妨害をしてしまったが、その直後のレースでは1着。精神面への悪影響はないし、前々走のGIでは5走して全て車券に絡めている。エンジン状態は上々だ。加賀谷建明は前走の準決で6着。エンジン的にはもうチョイといったところ。泉田修佑も、近況は勝ち切れないレースが続いているのでエンジンの底上げが必要。平田雅崇は成績がまとまっており、エンジン的にも戦える状態にある。
外来S級は青山の他に岡部聡と新井恵匠。岡部は3節前までは連続で優出できていたが、近況はやや失速。それでも大きな着を取ることはない。新井は近況ピリッとしない。エンジンの立て直しが急務とされるか。
A級は前回の山陽ミッドナイトで優勝戦に乗っていた選手が3人参戦。前田淳と野本佳章、栗原勝測だ。前田は3節前の優勝から好調を保てている。前走ではオール連対の準優勝だった。以前の鋭い突っ込みが戻っている。野本はここ3節、連続で優出中。その中には前々走で優勝もある。栗原は上位着が増えてきて、前走で優出4着。準決までの3走はオール連対だった。
B級では池田政和と牧野貴博がランク以上の実力の持ち主。池田は前走が復帰節で、今年の初出走だったが初日にいきなり1着。底力の違いを見せた。牧野は準決4着だったものの、それ以外の4走は全て車券絡み。A級並みの走力を持っている。
1級に乗り換わったばかりの35期勢には特に注目。小椋華恋は前走が1級車になって3節目だったが、後半3走は全て1着。ここにきて1級車の走り方に慣れてきた印象。北原岳哲は前々走の川口で優出。その後の地元でも悪くなかった。中村颯斗は1級車で9走して1着5本、2着2本。急激に走りが良化している。菅野仁翔も1級車の取り扱いに慣れてきている。
※7月29日時点。当日は欠場などにより、出場選手が変更になる可能性があります。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-3(27期)〕
永井 大介〔川口 S-13(25期)〕
小林 瑞季〔川口 S-18(32期)〕
黒川 京介〔川口 S-30(33期)〕
岡部 聡〔山陽 S-44(19期)〕
前田 淳〔山陽 A-13(27期)〕
野本 佳章〔伊勢崎 A-97(34期)〕
荒尾聡がオーバルチャンピオンカップ3度目の制覇!
飯塚オートで行われていたGIIオーバルチャンピオンカップは地元の27期・荒尾聡の優勝で幕を閉じた。好スタートからの強気な攻め。荒尾が存在感を存分に発揮した。
良走路で行われた優勝戦の試走タイムは鈴木圭一郎が一番時計で30。若井友和が32、荒尾聡が33、中村杏亮が34、丹村司と桝崎陽介と長田稚也が35、そして金田悠伽が37だった。
0ハン単騎の金田はスタートを残して出た。10線からは中村が好ダッシュ。そこに外枠勢もしっかりと乗って出て行った。金田がペースを上げる前に中村が交わしていった。中村は一人で走る展開になり、スピードを乗せて走りたかったが、それを阻止したのは荒尾。仕掛けるタイミングを見極めると、インに突っ込んでいく。差し込んだ後はやや軌道を乱すが、何とか回り切り先頭を奪取。その後は鈴木圭が追い込んできたが、付け入る隙を与えず先頭ゴール。同大会3度目の優勝を成し遂げた。
今回の優勝は荒尾の気迫と戦術勝ちと言える内容。優勝戦に出場したメンバーからレース展開を想定すると、序盤の仕掛けが大事になると判断し、早めの攻めが求められたが、それをしっかりと決めてみせた。中村を抜いたところは強引な仕掛けになったが、それがなかったら優勝まではなかったかもしれない。勝負どころでの判断は間違えていない。オートレースファンは常にギリギリの戦いを見ていたいもの。真剣勝負がオートレースの醍醐味。これからも今回のようなドキドキするようなレースを見続けたい。