熱戦必至なシリーズ!
今回は3日間の短期決戦ながら「トーマスメモリアル」の副題が付いている。「トーマス」とは、かつて飯塚のエースだった故中村政信選手が愛用していた車名。その中村がレース中の事故で亡くなってからちょうど20年の月日が経った。まさにメモリアルなシリーズに、地元選手のボルテージは上がっていることだろう。
地元S級は4名参戦予定。ランクトップは荒尾聡で、前走は山陽のGIIだった。準決3着で惜しくも優出はならなかったが、シリーズを通してみればエンジンはある程度安定していた。今回の一般開催なら十分戦える状態なので、武器のスタート力も加味して存在感を示してくるだろう。
他に地元S級は有吉辰也、鐘ヶ江将平、滝下隼平。有吉は前走の地元3日間で、準決こそ6着だったが、それ以外の2走はともに連対。エンジン状態としてはまずまず。同じ開催で走っていた鐘ヶ江は優勝戦まで進み3着。その前の山陽遠征でも優出しており、このところ調子が上がっている。滝下は直前のミッドナイトが前走。ここでは試走タイムは出ていたものの、優勝戦までは進めなかった。ただ、エンジン自体は悪くなさそうなので、強烈な走りを披露する可能性は十分。
外来S級で注目なのは青島正樹と岩崎亮一。青島は前走の川口3日間開催で準優勝。予選準決も連対を果たしており、リズムを取り戻している。岩崎の前走は地元のGII。ここでは初日から準決までの4走を全て連対。好調のまま乗った優勝戦では6着に終わったが、おおむねエンジンは良いと言えるだろう。
他に外来S級は吉原恭佑と藤岡一樹。吉原の前走は、今回と同じ飯塚走路のミッドナイト。ここでは初日の良走路も、準決の重走路も柔軟に対応し優出。流れとしては悪くない。藤岡は地元のGIIを走っていたが、連日ピリッとしなかった。最終日は2着に食い込んだので、ここから何らかのキッカケを掴みたい。
A級は浜野淳と長田恭徳に注目。どちらも前走は地元のGIIで優出していた。浜野は最重ハンの10M前からの競争だったが、2日目から好走を連発し、優勝戦でも2着に入る準優勝だった。そろそろハンデが元の位置に戻りそうだが、上昇気流に乗れているのは強み。長田は初日から良い走りを見せていた。記念レースでの優出は本人の自信につながるだろう。
飯塚の新人34期の5人の中では、石本圭耶と川口裕司が他の3人を引っ張る存在。特に石本はデビューから6走し、1着4本に2着1本と好成績を残している。今節から勝ち上がり権利があるので、いきなりの優出も十分ありそう。
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主な出場予定選手
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荒尾 聡〔飯塚 S-6(27期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-19(25期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-20(31期)〕
滝下 隼平〔飯塚 S-34(28期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-15(32期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-43(25期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-46(29期)〕
青島 正樹〔浜松 S-48(22期)〕
好調・青山周平の独壇場となるのか!
最近は3日間開催が多かった各地の一般開催。今回の伊勢崎は4日間シリーズで、エンジンの仕上げに多少の猶予がある。それでも今回の主役・青山周平はエンジン好調で優勝候補の筆頭。それを打ち破る選手はいるのか。
その青山だが、前走の山陽GIIでは初日から3連勝を決め準決進出。準決では2着になったが優勝戦までは進めていた。記念レースの副題でもあった「山陽王座防衛戦」の名の下、優勝戦でも奮闘したが3着止まり。ただ、エンジン面は良さそうだった。地元伊勢崎で前回走った時は、鈴木圭一郎とともにスーパーハンデでのレースを強いられたが、今回のハンデ位置はどうなるか。通常の最重ハンなら展開が楽になるだろうし、再びスーパーハンデになったとしても、近況の勢いから厳しい状況を打開してきそうだ。
対抗格の一番手は早川清太郎。前走の地元3日間では初日から連勝。優勝戦では浅香潤の抜け出しを追い切れず準優勝だった。エンジン状態は文句なく、今回こそ優勝を狙いたい。前節優勝した浅香は最重ハンの10M前だったので、今回から重化は必至。前節よりレース展開が厳しくなるが、本来は最重ハンで長らく走っていた選手なので、しっかりと対応してくるか。
地元S級では新井恵匠と西原智昭が前走で山陽GIIを走っていた。新井は初日に白星を挙げていたが、そこからは上積みすることができず結果はイマイチだった。西原はシリーズ前半は折り合いが付かなかったが、後半に向けてはエンジンが上向いていた。
他に地元S級は三浦康平、田中賢、岩田行雄など。いずれもエンジンは完調ではないが、大崩れしているわけでもなく、レースできる程度の機力はある。もちろん、そこから上積みができれば優勝戦まで十分進出できるだろう。
外来S級は2車の予定。浜松から鈴木宏和と笠木美孝。鈴木宏は前走の飯塚で準優勝。調子を上げている。その前のSGでも、武器のスタート力を遺憾なく発揮し、他の選手達にプレッシャーを与えていた。最重ハンで数車並んでも、トップスタートを切れるだけの技量を持っている。笠木は前走の川口で優勝戦に進出し7着。前期はA級に陥落したが、今期は調子が戻っていると言っていい。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-8(29期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-11(30期)〕
三浦 康平〔伊勢崎 S-35(28期)〕
田中 賢〔伊勢崎 S-37(29期)〕
西原 智昭〔伊勢崎 S-39(28期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-30(32期)〕
笠木 美孝〔浜松 S-40(22期)〕
ハイスピードのバトルを堪能!
この後も開催ラッシュが続く飯塚オート。今回はミッドナイトレースでの開催。各地区から多士済々の顔ぶれを迎え入れ、レースを盛り上げていく。
地元のS級は滝下隼平のみ。前走は飯塚で、初日に白星を挙げたがその後はイマイチ。ただし、その前や更にその前の節では滝下らしい走りができていた。今回のミッドナイトは、過去の実績が高く、タイムが出やすい走路状況なので滝下の走りに向いていると言える。地元唯一のS級として孤軍奮闘しそうだ。
外来S級で最も注目なのは渡辺篤。前走となる山陽GIIでは優勝戦まで進出。そのキッカケになった準決では、厳しい状況から強豪車をまとめ差しで優出のキップをゲットしていた。エンジンが良いのはもちろんで、乗り手の方にも自信がうかがえたシリーズだった。そのままの勢いで今回も初日から飛ばしていきそう。
同じく山陽GIIで走っていたのが前田淳、岩科鮮太、加賀谷建明、田村治郎など。前田は地元の記念で活躍を見せたかったが、準決には進めたものの全体的にはパッとしなかった。岩科は5日間シリーズでオール車券に絡む結果。白星がなかった点は気にかかるが、初日から2着を3本重ねていた。強烈な突っ込みが戻っている。加賀谷は初日から3日目まではオール連対。準決以降は失速した感あるが、スピードのある走りを披露していたので、今回のミッドナイト向き。田村は初日からイマイチの状態だったが、徐々に機力が上向き、最終日には白星を挙げていた。
S級は他に中村友和と吉原恭佑の32期。中村は前走の川口ではマアマアだった。3節前には今回と同じ飯塚走路で準優勝しており、走路との相性は問題ない。吉原の前走は10月15日が最終日だったSG全日本選抜シリーズ。ここでは初日から成績をまとめ、優勝戦まで進出していた。久々のレースにはなるが、SG優出後のリズムの良さを見せたい。
他に注目なのはS級並の実力がある久門徹。前々走で準優勝だった阿部仁志。念願の初優勝を向かえる日も近いかもしれない。B級ではあるが、前走の川口で優勝戦まで進み3着だった木部匡作などだ。
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主な出場予定選手
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滝下 隼平〔飯塚 S-34(28期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-15(32期)〕
中村 友和〔浜松 S-27(32期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-28(31期)〕
前田 淳〔山陽 S-42(27期)〕
岩科 鮮太〔浜松 A-23(29期)〕
久門 徹〔飯塚 A-9(26期)〕
加賀谷 建明〔川口 A-13(27期)〕
緒方浩一がブッチ切りの快走を披露!
山陽で行われていたGII小林啓二杯は、地元の30期・緒方浩一が制した。序盤で抜け出しての独走。スピードある走りを見せつけた。
優勝戦当日は1Rから重走路で行われていたが、徐々に走路が乾いていき優勝戦の12Rではブチ走路。まだら模様の走路状態で、選手によっては得手不得手がハッキリと分かれるコンディションだった。
試走タイムは青山周平が一番時計の45、緒方浩一と山田達也が46、浜野淳が47、渡辺篤と丹村飛竜が48、岩崎亮一が50、長田恭徳が52で一番悪かった。
レース序盤の争いはまず、0ハン単騎の浜野はスタートを残せなかった。10線の内から2番目の緒方が浜野を叩いていく。岩崎と渡辺が悪くないスタート。10線最内の長田は、へこんでしまう。外枠勢では青山がマズマズの位置に付けていた。
その後の展開は、あまり変動がなかった。早々と先頭に立った緒方はペースを上げつつ、悠々と走っていく。後続との差をグングンと引き離しそのままゴール。2番手はスタートで緒方に叩かれた浜野が粘り込む。その後ろで渡辺と青山の31期両者が競っていた。青山が渡辺をなんとか攻略し3番手に立つ。そこから2番手の浜野を交わしにかかるが周回が足りず3番手止まり。丹村、山田達は見せ場がなく終わってしまった。
これで緒方は通算4度目のV。記念レースは2013年山陽のGIスピード王決定戦以来、2度目の栄冠となった。思い返してみれば、そのスピード王も走路は不安定な状況での競争だった。準決のレース後に「優勝戦は重走路ならチャンスがあると思う。ブチ走路ならなおさら大好物です」とコメントしていたのを思い出す。走り慣れた地元走路、それに不安定なコンディションが重なったときの緒方は信頼度が増す。これを覚えておけば車券戦術の参考になりそうだ。
鈴木圭一郎の襲来に、地元勢は総力で応戦!
今回の注目選手は全国ランク1位の鈴木圭一郎。各地で好走を連発し、今回も優勝候補の筆頭に挙げられるが、地元勢も好調な選手が多く、その壁は分厚い。キッチリと迎撃態勢を整えそうだ。
鈴木圭の前走は伊勢崎3日間開催。ここでは最重ハンの10M後ろに置かれるスーパーハンデでの戦いになったが、初日から連勝発進で優出を決めた。メンバーが揃った優勝戦では精彩を欠いて6着に終わったが、その前のSGでもしっかりと優出していた。エンジンも乗り手も好調の部類と言える。強固な地元の牙城を粉砕するか。
今回出場する中で地元川口のランクトップは永井大介。ただし、前走の3日間は大いに不安の残るものになった。初日こそ2着だったものの、準決は4着で優出を逃し、更に最終日は7着と惨敗した。早急な立て直しが必要。もしかしたらエンジンを乗り換えて臨むかも。
前回の川口で優勝したのはA級の小原望。前々走も優出し4着だったが、前走も初日から好走を見せ、優勝戦でもハンデ位置をキッチリと生かし、自分の展開に持ち込んでいた。今回はハンデが最重ハンの10M前に重化されそうなので、序盤の展開作りが大事になってくる。エンジン面は問題ないだろう。
そのレースで準優勝だったのが池田政和。予選準決は1着で通過していた。更に前々走も優出し4着。この時も予選準決を連勝で突破。エンジンはかなりの位置で推移している。そろそろ優勝が欲しいところだ。池田以外にも前回の川口で優出していたのが若井友和、阿部剛士、平川博康など。若井は優勝戦8着だったが、前々走では優勝を決めている。阿部はシリーズ中にパーツを交換し、機力が大幅アップ。冬場でスピードが出てきた平川と共に今回も楽しみな存在。
佐藤摩弥、佐藤裕二、鈴木清といったあたりもエンジン的には崩れていない。調整で上積みができれば優勝戦まで十分進出できる。平田雅崇は前走の地元で良く動いていた。攻めの方にも積極性が戻り、混戦でもスピード戦でも柔軟にこなしていけている。森且行は前走の準決で反則失格。最終日は8着だっただけに、乗り手への悪影響がなければいいが。
B級では川口の新人34期が伸び悩んでいる。上和田拓海はハンデが重くなってから思うような走りができていない。信沢綾乃と本田仁恵もタイムが上がってこない。しかし、練習を重ねていくうちに必ず走力は増していくだろうから、連に絡むようになるその瞬間を狙い撃ちしたい。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
永井 大介〔川口 S-9(25期)〕
若井 友和〔川口 S-14(25期)〕
池田 政和〔川口 S-18(23期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-24(24期)〕
森 且行〔川口 S-29(25期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-33(31期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-31(26期)〕