川口勢が層の厚さを見せ付けそうだ!
今回は各レース場から選手が参加するが、そのメイン層は地元勢。S級は川口所属が11人参戦予定で、外来は山陽からわずか2名。A級もB級も地元勢が大量あっせんとなる。
S級やA級の上位は前走がSG全日本選抜だった。今回出場する中で優勝戦まで進んだのは中村雅人と加賀谷建明。中村は初日から危なげないレース運びを見せ、準決も見事1着で通過。優勝戦で4枠の好位置を得られた。しかし、スタートでダッシュが付かず7番手発進。ここから追い込みを見せたが4着止まりだった。それでもSGの優勝戦で4着なら悪くない。予選道中も力強い走りを見せていたので、今回も優勝候補の一人に挙げられる。加賀谷もSGでは初日から完調の走りを見せていた。1着、1着、2着、1着で優出すると2枠に入り、スタートさえ行ければ面白い存在になり得た。しかし、優勝戦ではスタート行けず6番手発進。一旦は最後方にまで下がったが、そこから2人抜いて6着ゴールとなった。展開が厳しかっただけで、エンジン面はかなり高い位置にあるとみていい。
この10月から川口のランクトップを中村に譲る形になった永井大介は、SGの準決で3着になり優勝戦には進めなかった。ただ、他の4日間は1着3本、2着1本と安定感ある成績を残せていた。機力に関しては中村とそれほど遜色はなく、今回もシリーズの中心になりそうだ。
他にSGで動きが光っていたのは池田政和、岩田裕臣あたり。池田はここ数節、エンジンを中の上で保てており、好調時に近い走りができている。エンジンが安定しているだけあって、初日から好走を連発させることが多い。岩田は高いスタート力をバックに、速攻気味の仕掛けが決まっていた。
若井友和、大木光、佐藤裕二、平田雅崇などもある程度の成績は残せており、エンジン的に戦えないことはない位置にある。逆に、鈴木清、森且行などは立て直しが急務となる。
外来S級は佐々木啓と角南一如。佐々木はSGではいい所がなかった。ただ、SGの前まではそこまで悪くなかったし、セッティングを合わせる能力には定評があるので、早い段階で川口走路に合わせてくる可能性はある。角南はSGの初日に1着。その後は失速したが元々、オープン戦よりもハンデ戦で力が出せるタイプなので、今回のような一般開催の方が、角南の走法が生きてくるだろう。
A級では、初のSG戦線で揉まれてきた黒川京介の成長ぶりに注目したい。また、SGから乗り替わった車が良さそうなのは早船。前走の川口で準優勝だったのは篠崎実。牛沢和彦は前走の伊勢崎で優出してきた。力量的にはS級に匹敵する田村治郎、東小野正道、岡松忠の動向も注視したい。B級では前走の川口で活躍が目立った清水雄平、阿久津正夫、松永幸二らが今回も見せ場を作るかも。
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主な出場予定選手
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中村 雅人〔川口 S-3(28期)〕
永井 大介〔川口 S-8(25期)〕
若井 友和〔川口 S-12(25期)〕
大木 光〔川口 S-15(28期)〕
池田 政和〔川口 S-32(23期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-41(27期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-21(23期)〕
角南 一如〔山陽 S-40(27期)〕
篠原睦を中心に地元勢が総力挙げる!
浜松で行われたSG全日本選抜は鈴木圭一郎の優勝で幕を閉じたが、今回出場する中で、その時の優勝戦に乗っていたのは篠原睦のみ。今回の地元、飯塚のS級は荒尾聡が不参加だが、他のS級はほぼ参戦。SGで力を出せなかった選手にとっては巻き返しを図りたいシリーズ。
篠原のSG優勝戦は5着。しかし、予選道中は2勝を含むオール連対で通過しており、エンジン面も乗り手の面もマズマズ充実している。一時期は、やや調子を落としていたが、前走では自分の走りができていた。今回もスタート一気からの速攻が望めそうで、シリーズの核になるのは間違いない。
その篠原とともに外来勢を迎え撃つ地元S級陣。ランク的に次位は浦田信輔。ここ数ヶ月は調子を落としており、以前の迫力ある走りは影を潜めている。先のSGでも白星がないまま終わってしまった。それでも大きな着ばかりではなく、4回は車券に絡めていたので、今回のような一般開催なら十分通用するか。
SGで準決までいけたのは岩見貴史、別府敬剛。岩見はスタートが早いので、オープン戦では活躍の場が広がる。別府は展開が楽ではなかったが、渋太い走りで上位に食い込んでいた。
鐘ヶ江将平は近況、復調の兆しが出ている。SGでも3回は車券に絡めていた。久門徹と桝崎陽介はもう一息といった状態。重富大輔もSGではイマイチだったが、今年は地元GIで優勝しており、その時の感じが戻ればいい。
外来S級で動きが良いのは伊勢崎の新井恵匠。SGの準決は3着で優出を逃したが、それ以外の日もおおむね良い走りができていた。同地区の吉原恭佑は、いつもの果敢さが見られなかった。エンジンが並程度まで戻れば、攻撃的な走りで車券に絡んでくるハズ。
山陽からはS級が3人参戦。丹村飛竜はSGの初日に反則妨害。やや厳しい判定とも思えたが、早々と失権となってしまった。しかし、その後は1着を3本重ねていたようにエンジン面は問題なさそう。人見剛志と岡部聡はSGでは一息だったので、今回の一般開催でその時の分も取り返したい。
A級では井村淳一が前走のミッドナイトで優勝した。3日間開催をオール連対で優勝。メンバーが軽かったこともあるが、これで勢いに乗るのは間違いない。その優勝戦には田辺誠も乗っていた。こちらも好スタートからの仕掛けが決まっていた。他では辰巳裕樹が前走の川口で優出し3着。調子を上げている。B級では井上秀則と占部健太がミッドナイトで優出していた。
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主な出場予定選手
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篠原 睦〔飯塚 S-7(26期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-20(23期)〕
久門 徹〔飯塚 S-24(26期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-14(30期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-16(32期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-13(29期)〕
人見 剛志〔山陽 S-30(28期)〕
岡部 聡〔山陽 S-46(19期)〕
鈴木圭一郎がSG全日本選抜3連覇を達成!
浜松で行われていたSG第32回全日本選抜オートレースは、地元の32期・鈴木圭一郎が制した。これでこの大会3連覇、更に初日からオール1着の完全優勝となった。
良走路で行われた優勝戦。試走タイムは鈴木圭が29でトップ。次いで木村武之が30。中村雅人、佐藤貴也、伊藤信夫が32。加賀谷建明、篠原睦、金子大輔が34と、やや数字を落とした。
肝心のスタート争いは6枠から木村が好ダッシュを決めるも、1コーナーでは鈴木圭が先に回り先頭に立つ。そこからは一人旅だった。2番手にいた佐藤貴と木村が競り合う形。これによって鈴木圭は、より楽にリードを作れていた。その後も鈴木圭はハイペースの独走で、結果的に上がりタイム3・355をたたき出し快勝。一番人気に見事、応えてみせた。
2番手争いは佐藤貴が木村に競り勝ち2着ゴール。3着には最後方からのレースになった金子が、ジワリジワリと追い上げて入線。中村や篠原は道中で伸びを欠き、4日目までエンジン仕上がっていた加賀谷はスタート行き切れず見せ場を作れなかった。
これで鈴木圭はSG7V。デビューして5年チョイでこの実績は半端ではない。当時とは時代背景が違うので単純比較はできないが、現在SG21Vの高橋貢でさえ、デビュー5年目はまだSG優勝の経験すらなかった。鈴木圭は若い上に、4期連続で全国ランク1位の実力。これからどこまでタイトルを積み上げていくのか。どこまで快進撃を続けていくのか。興味は尽きない。
オートレースふなばし presents カルマカップ開催!
今回の伊勢崎オートは浜松SGの直後とあって、S級やA級上位の選手は不在。更にB級も不在で、A級のみの戦いになる。シリーズのサブタイトルは「オールA級0mオープンバトル」。つまり、A級による全て0オープンのレースとなる。ハンデや展開による言い訳は無用。スタートを含め、実力がそのまま結果に反映される完全ガチバトルになる。
今回出場する中で、前回伊勢崎の優勝戦に乗っていたのは中畠哲也、森村亮、山中充智、矢内昌木の4人。中畠はスタート切れており、道中の攻めも果敢で、前を走る選手の内側に車を向ければ必ず突っ込んで行く。その後の川口遠征はイマイチだったが、地元での動きは冴えているので今回も注目。矢内は優勝戦で8着。その後の川口も中畠同様にイマイチだった。しかし、地元なら元の走りを取り戻せるかも。森村と山中の両者は前回の優出以来のレースとなる。その時は初日から好成績を収めていた。
ランクで言えば今回の中でトップは渋沢憲司。前走の山陽遠征では思うような走りができなかったが、その前の地元GIIでは優勝戦まで進んでおり、地元での走りはキレている。特にスタートが早いので、今回のようなオープン戦ではツボにハマるかも。他でスタートが早いのは新井淳や清水卓など。現状ではエンジン足りてないが、オープン戦ならスタート力で何とかなるかもしれない。
外来では影山伸、森本優佑が好調。影山は前々走の地元開催で優勝。その時は今回のようにS級などの主力がごっそりといなかった開催。同じようなメンバー構成で、再び優勝を狙う。ただし、スタートが大事になるオープン戦で展開を作れるかどうかはやや疑問。森本は前走の地元で準優勝。この4日間開催では2勝を含む、オール車券に絡む活躍。若手だけにこのまま勢いに乗りそう。
優勝戦までは行けなかったが、小林悠樹も前走の飯塚では着をまとめていた。スタート力がウリの小林なので、今回のオールオープン戦では気合が入るところだろう。また、小原望は前走の地元でもマズマズだったし、その前の伊勢崎GIIでも活躍していた。今回も同じ伊勢崎走路なので注目したい存在。山陽勢では松生信二、山本智大などが調子上向いてきた。
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主な出場予定選手
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渋沢 憲司〔伊勢崎 A-22(29期)〕
吉田 恵輔〔伊勢崎 A-34(29期)〕
鈴木 将光〔伊勢崎 A-35(27期)〕
鈴木 清市〔伊勢崎 A-45(14期)〕
影山 伸〔川口 A-32(22期)〕
森本 優佑〔飯塚 A-80(31期)〕
松生 信二〔山陽 A-115(30期)〕
小林 悠樹〔浜松 A-153(28期)〕
鈴木圭一郎が大会3連覇を狙う!
SG第32回全日本選抜オートレースも優勝戦のメンバーが出揃った。荒尾聡や永井大介、高橋貢らの主力が優出を逃す波乱はあったものの、優勝戦はSGに相応しい顔ぶれとなった。SG常連組の他には、初日から好走が続いていた加賀谷建明が1着で準決を突破。エンジンの仕上がり的に台風の目になりそう。準決を簡単に振り返る。
9R...最内からスタート飛び出した金子大輔が逃げ態勢。中村雅人が岩見貴史を速攻で交わして2番手奪取。金子はインを抑える走りで抵抗したが、中村雅がマーク追走から冷静にチャンスをうかがい、しっかりと差し切って先頭へ。新井恵匠も追い上げていたが及ばなかった。
10R...好スタート決めた佐藤貴也がインを締め上げつつ逃げに入る。伊藤信夫が2番手に付け内山高秀がピタリマーク。伊藤信は佐藤貴を交わしにかかるが決め手を欠く。池田政和は伸びを欠いて圏外のまま。荒尾聡もスタート行き切れず凡走。
11R...早々と逃げ態勢に入った木村武之だが、ペースはそこまで上がらない。2番手に付けた加賀谷建明が徐々に差を詰めて渾身の突っ込みが決まる。永井大介はレース前半もたついていたが、中団を抜け出してからは猛追を見せ、最後は木村武に迫るも及ばず3着入線。
12R...最内の鈴木圭一郎が先行で後続を引き離す。篠原睦がカマシ気味に出て2番手キープ。佐藤摩弥が3番手に浮上したが、篠原を追うまでは行かず、最終的には平田雅崇に交わされて4着だった。
ここまで4連勝の負けなしで来ているのは全国ランク1位の鈴木圭。4日間のレースはどれも危なげなく、落ち着いて見ていられるものばかりだった。3日目には試走後に雨がパラつき、不安定な走路状態になったが、ここでも冷静に乗り切り楽勝のゴール。スタートが切れており、スピード面も断トツ。本命にしない理由が見当たらない。3度目の全日本選抜制覇を決めそう。
相手候補は中村雅。今節はエンジンが高い位置で保てている。予選道中はスタート行けなくても、柔軟性の高さを見せつけ冷静に攻め上げて行けていた。SGの優勝戦で10周回になるのが好材料になる数少ない選手。仮にトップスタートを切れればペースを上げて逃げられるし、そうでなくても3~4番手までに出れれば、鋭い追い込みで勝負圏内にまで入ってこれる。ここ1、2年は鈴木圭にやられっぱなしだったので、ここらへんで先輩の意地を見せたいところ。
3番手は佐藤貴。準決では先頭に立ってからペースがイマイチだったが、2番手から迫り来る伊藤信夫を抜かせない走りで逃げ切った。エンジン完調でなくても、インを抑える走りを極めてきている。枠的にも悪くなく、トップスタートを切れれば、地元の声援をバックに最後まで抑え切る可能性も大。次に木村武。準決では加賀谷にやられてしまったが、スタートは決まっており、優勝戦でも飛び出して主導権を握るかも。最後に加賀谷。元々スピードはあるタイプだったが、今節は特に気合も感じられる。エンジンも仕上がっており、序盤で先頭に立つ展開になれば怖い存在。
他にも久々のSG優勝を狙う伊藤信、エンジンに上積みができれば競り合いに持ち込める金子、SG未戴冠ながら常に上位級の走りを披露している篠原も見せ場を作るか。
◎鈴木圭一郎
○中村雅人
△佐藤貴也
△木村武之
▲加賀谷建明