鈴木圭一郎を脅かす存在は?
11月上旬に行われたSG日本選手権以来の開催となる浜松オート。今回は4日間の一般開催だが、全国ランク1位の鈴木圭一郎が参戦。近況もランクトップに相応しい活躍を見せているが、この鈴木圭の躍進を阻止できる選手はいるのか。気になる選手を挙げていく。
まずは鈴木圭から。前走の飯塚では、スーパーハンデでのレースを強いられたが、初日から2連勝発進。準決では別府敬剛の逃げを捕まえられず2着。それでも優出は確保した。優勝戦は10M前の荒尾聡が速攻を決め、怒涛の追い込みも空しく2着止まりだった。スーパーハンデからのレースの厳しさを思い知らされるかたちになったが、準優勝を含めオール連対で終えたのは流石の一言。今回はどのようなハンデになるか分からないが、仮にスーパーハンデでもシッカリと乗ってくるだろう。もちろんハンデがいつもの位置に戻れば、断然の優勝候補筆頭に挙げられる。
地元S級で他に好調なのは金子大輔。前走の伊勢崎では、優勝戦で高橋貢を振り切っての優勝。意外にもこれが今年の初優勝となった。長欠明け後は徐々に調子を取り戻しつつあったが、これで完全復活といきたい。今年のこれまでの不本意な成績を一気に取り返したいところ。渡辺篤も状態はマズマズ良い。前走の川口では準決こそ7着になってしまったが、それ以外の3走は全て連対を果たしている。大敗した準決も試走は27が出ていたので、エンジン自体は悪いことない。
伊藤信夫や遠藤誠、青島正樹らのS級はエンジンが良くも悪くもない状態。地元で整備に取り組み、上昇カーブを描きたい。
外来のS級は4人が参戦。川口からは池田政和と加賀谷建明が来場。池田は前走の地元で初日から3連勝を挙げ優出。優勝戦でも2着に入り準優勝だった。元来の池田らしく冬場に調子を上げてきた。そのレースで優勝したのが加賀谷。優勝戦は絶好の枠からスタートを決め、自分の展開に持ち込みV。予選中も成績をまとめ、オール連対での優勝となった。その後の地元一般開催も走っていたが、エンジンの好調さをうかがわせる内容だった。
山陽からは2人S級が参戦。角南一如と岡松忠だ。角南は、金子が優勝した伊勢崎で優勝戦まで進んでいた。優勝戦こそ8着だったが、予選中は初日から1,1,2着の結果で、武器のスピードを見せ付けていた。岡松は前走が飯塚一般開催。マズマズの成績だったので、今回もそれなりに期待できる。
A級では、ここ数節で絶好時の動きを取り戻しつつある藤岡一樹に注目。元々はS級として活躍していたので、A級の今のうちはハンデ的にチャンスと言える。西川頼臣も前走の伊勢崎で優出しており上り調子。スタートにやや不安な点はあるが、後ろの選手に叩かれなければスピードに乗ることができる。
B級では、前走の地元からエンジン乗り替わった松村真が急上昇。走りが安定して着がまとまり、タイムも出るようになってきた。また、一般戦回りになると連対率が上がる岩永清文も、人気薄になるようなら狙ってみたい一人。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-28(24期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-30(31期)〕
金子 大輔〔浜松 S-48(29期)〕
池田 政和〔川口 S-16(23期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-44(27期)〕
角南 一如〔山陽 S-32(27期)〕
岡松 忠〔山陽 S-41(17期)〕
復調ムードの荒尾聡が連続Vへ好視界!
前回の飯塚一般開催は、全国ランク1位の鈴木圭一郎がスーパーハンデで参戦。順当に優勝戦まで進出してきたが、地元の荒尾聡が意地を見せて優勝。準優勝だった鈴木圭よりも良い上がりタイムをマークし、地元飯塚の面子は保った。今回は鈴木圭は不参加。外来S級が4人のみと手薄な布陣で、地元勢が再び牙城を守れそうだ。
地元飯塚のランクトップは浦田信輔だが、ここ数節はあまりパッとしない。それでも前節の4日間開催では1着を2本挙げるなど、エンジンは崩れているわけではなく、中の上は保てている。ただ、本来ならもう少し上積みが欲しいところ。整備で上向かせてくるか、腕でカバーしてくるか。今回は久しぶりに優勝戦まで進みたい。
その浦田とは対照的に状態が上向いてきたのは荒尾聡。先述のとおり前走は鈴木圭を破って優勝。それも4日間全て1着の完全優勝だった。その前の地元GIでも優出しており、エンジンと乗り手が上昇してきた。年末のスーパースター王座決定戦に向け、このまま好調をキープしたい。
荒尾が優勝したレースに他で乗っていたのは鐘ヶ江将平、滝下隼平、別府敬剛の3者。近年、成長が著しい鐘ヶ江は、このところ動きがイマイチだったが、ようやくいつもの調子に戻ってきた感がある。スピードがあるタイプなので、冬場の方が走法に向いていると思われる。滝下は2日目に試走26を出すなど、持ち味のスピードを遺憾なく発揮している。別府もエンジンは悪くない。強豪と同ハンになっても、最内に置かれるようならスタート先行からの激走に期待できる。
篠原睦、久門徹、岩見貴史らも優勝戦まで進めなかったが、エンジンはそこそこの状態にある。3者とも速攻が得意なので、短ハンデ戦になるようなら、積極的に狙ってみたい。
外来S級は早川清太郎、田中賢、丹村飛竜、浜野淳の4者。状態が良いのは早川と田中賢の伊勢崎勢。早川は前走が飯塚GI、田中賢は地元だったが、ともに試走2台が出ていた。着順的にはそこまででもなかったが、エンジン面は心配ない。丹村と浜野も試走タイムは出ており、エンジン的には戦える状態にはあるが、レース運びがうまく決まっていない。しかし、どちらも底力は高いので、なにかをキッカケに良化させてくるかもしれない。
A級では、2節前に地元山陽で完全Vを決めた丸山智史に注目。前走の伊勢崎は準決で凡走してしまったが、まだまだ若手の部類なだけに勢いは十分。1レースごとに成長してくる。田中進、牧瀬嘉葵あたりも車速がでてきているので、走路温度が下がるほどにチャンスが増す。B級では新人の中村杏亮が急成長中。前々走では準優勝、前走は初日こそ6着だったが、その後の3走は全て1着と走りが安定してきている。
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主な出場予定選手
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浦田 信輔〔飯塚 S-4(23期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-15(26期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-33(31期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-5(29期)〕
田中 賢〔伊勢崎 S-35(29期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-18(29期)〕
浜野 淳〔山陽 S-47(24期)〕
川口VS伊勢崎、対抗戦が開幕!
今回の川口4日間開催は川口から48名、伊勢崎から48名が集まり、対抗戦が行なわれる。予選2日間は各レース川口4名、伊勢崎4名で組まれ、各地区得点上位16名が、地区ごとに分かれて準決を2つずつ行う。つまり、優勝戦には両地区から4名ずつ出場する仕組みになっている。
迎え撃つ地元勢のランクトップは永井大介。前走は飯塚のGIだったが、ここでは優出を逃してしまった。雨走路の準決では1回先頭に立ったが、荒尾聡と浅香潤の巻き返しにあい、3着に後退。悔しいシリーズになってしまった。ただし、最終日の良走路では2着とは言え、上がり3・361の好タイムをマークしていたのでエンジン面は心配ない。今回はウサ晴らしの一戦といきたい。
11月28日に行なわれた川口の優勝戦で見事優勝したのは加賀谷建明。絶好の位置からシッカリとスタートを決め、後続を振り切る快走。乗り手もエンジンも波に乗れている。連続優勝を目指すべく、今回も初日から臨んでくることだろう。この優勝戦には森且行と中村雅人も乗っていた。森は4着で、中村が7着。森は走路温度が下がってきてからは安定して好成績を残せている。優出率が大幅にアップし、優勝戦までは進めるようになっている。優勝まであと一息の状態が続いているので、この辺で優勝も決めておきたい。中村は優勝戦の動きはニブかったが、予選準決の3日間は全て1着。エンジンはある程度の所にある。
若井友和は前々走の地元で優勝したが、前走は初日に自落。ただし、その後は3走すべて1着で、試走も27が出ていたので落車の悪影響はなさそう。山田達也は前走の飯塚GIではイマイチだった。地元に帰ってきたので整備で立て直したいところ。A級ではスピード出てきた中山光、3連対率が高くなってきた五十嵐一夫らに注目。
伊勢崎は高橋貢と青山周平のツートップが来場。高橋貢は前走の地元では準優勝だった。優勝戦は展開的なモノで金子大輔に屈してしまったが、予選準決はすべて1着とエンジン面は全く不安ない。青山は近5節、優勝戦から遠ざかってる点は気になるが、ほとんどのレースで3着には入っており、エンジンはマズマズの所で推移。今後は、準決などの大事な局面でもシッカリと結果を出していきたい。
他のS級は新井恵匠、内山高秀、三浦康平、吉原恭佑の4人。新井はソコソコの成績を残しているが、もう一つエンジン欲しい状態か。内山は前走の飯塚GIでは準決7着だったが、それ以外の4走はすべて掲示板に乗る成績。三浦は成績はイマイチだが、試走タイムは3・2秒台が出ておりエンジン的には悪くない。吉原はエンジン上昇と共に、本来の強気な走りができている。
A級では落合淳が前走の地元で優出し6着。最重ハンの10M前の今は車券的に狙える絶好のチャンス。また、浅香潤は前走の飯塚GIで優出。優勝戦は4着だったが、その試走で3・28をマーク。これはこの優勝戦を制した鈴木圭一郎を上回るタイムで、エンジンの良さがうかがえた。
今回は伊勢崎から新人も来場。最も勝ち星が多いのは伊藤正真で、ここまで5勝。前走の地元4日間も2、2、2、1着とオール連対を果たしている。次いで田崎萌がここまで3勝。特に前節では2勝を挙げており、急成長している。高橋絵莉子はまだ初勝利を挙げていない。地元の新人は黒川京介がここまでで7勝。新人ではトップの勝ち星だ。泉田修佑が4勝、稲川聖也が2勝を挙げている。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔川口 S-2(25期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
森 且行〔川口 S-43(25期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-44(27期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-11(31期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-22(30期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-23(26期)〕
鈴木圭一郎に対し地元飯塚勢が包囲網を形成!
今回出場する選手の中で最も注目なのは鈴木圭一郎。前回もここ飯塚でGIを走り、初日からオール1着の完全優勝を決めた。それから約一週間での一般開催だが、鈴木圭が連勝街道を驀進しそうだ。ただし、地元飯塚勢もそう簡単にはいかせない。総大将・浦田信輔を中心に鈴木圭に対抗心を燃やしそう。
先述の鈴木圭は、もはや近況の説明が不要なほど充実している。前走の飯塚GIは完全優勝。その前の地元SGでもシリーズ中、オール連対で日本選手権連覇を達成した。現在、8連勝中で試走も上がりタイムも驚異的な数値をマークし続けている。よほどの事がない限り優勝戦までは進出してくるハズ。そして、3節連続V達成に気合を入れ直してきそうだ。
対抗する地元勢は浦田信輔がランクトップだが、前走の地元GIではパッとしなかった。優勝戦まで進めなかったばかりか、5日間のシリーズで勝ち星が一つもなかった。ここ数節は優出を逃し続けているので、この辺でエンジンをしっかりと立て直し、巻き返しのシリーズにしたい。
近況の成績で言えば荒尾聡の方が上か。前走の地元GIではしっかり優出していた。ただし、優勝戦の動きを見る限りエンジンはあまり良くなさそうだった。武器となるスタート力を発揮して、どこまで鈴木圭に抵抗できるかどうか。荒尾が乗った優勝戦に他で乗っていたのは有吉辰也、越智尚寿の25期。有吉はシリーズ中に2勝を含む準優勝で幕を閉じた。スタートの切れは良いし、道中の動きも絶頂期のモノに近づきつつある。越智はハンデが厳しくなった準決でも、果敢な走りを見せていた。エンジン状態が良いのだろう。
篠原睦と岩見貴史は前走のGIでは、共に初日と2日目に白星を挙げている。後半は失速してしまったが、シリーズ前半に活躍する傾向があるので初日から狙ってみたい。田中茂や鐘ヶ江将平は、速攻タイプではないが、レース後半の追い込みが決まり出している。
鈴木圭の他に外来S級で好調なのは岡部聡。前走の川口では初日から連勝で優出した。優勝戦は得意の重走路だったが、力を出し切れず6着。ただし、予選中の良走路はいい動きを見せていた。人見剛志と丹村飛竜は前走の飯塚GIではイマイチだったが、エンジンさえ並になれば好走を披露できる選手。
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主な出場予定選手
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浦田 信輔〔飯塚 S-4(23期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-15(26期)〕
田中 茂〔飯塚 S-20(26期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
遠藤 誠〔浜松 S-36(25期)〕
人見 剛志〔山陽 S-7(28期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-18(29期)〕
そろそろ今年の初優勝が欲しい中村雅人だが...
年末の大一番、スーパースター王座決定戦までに残されている川口開催はあと3つ。今回出場する中でスーパースタートライアルに出場するのは中村雅人と松尾啓史。松尾は今年2回の優勝経験があるが、中村は未だ優勝はゼロ。今回はメンバー的にやや手薄なので、ここら辺で上昇気流に乗りたいところ。
その中村の前走は地元3日間開催。ここでは準優勝を含むオール連対の内容だった。優勝戦は重走路になり、必死の追い込みも虚しく2着止まりだった。ただし、準決の良走路では試走3・28をマークするなど、エンジンは徐々に上向き加減にある。最近では浜松のSG日本選手権で優出するなど、動きは活発になりつつある。年末の一大イベントへ向け、今節も含めギアを上げていきそう。
その中村を抑えて前回の川口で優勝したのが若井友和。優勝戦は得意の重走路で制し、今年3度目のV。その前の節は良走路の優勝戦で準優勝だった。試走タイムも3・27を出すなど、近況は天候に左右されない強さを発揮している。調子のいい今のうちの白星を固め取りし、連続優勝を狙ってくるに違いない。
この優勝戦には池田政和、増田伸一、森且行も乗っていた。池田は苦手の重走路の優勝戦で8着になってしまったが、準決では試走タイム3・27と申し分ない数字をマークしている。森もここ数節は気温の下降と共に、成績が上向いている。優出率が大幅にUPしている。増田も元々定評がある雨巧者に加えて、良走路でも結果を出してきている。この3者は今回も期待できる。
優勝戦までは進んでいないが、斎藤撤二や加賀谷建明らもエンジン状態は中の上にはあり、S級らしい追い込みを見せてくれそう。地元A級では高橋義弘や中山光あたりがスピード出てきているし、鈴木清が復調気配にある。また、五十嵐一夫が堅実な走りで結果を残している。
外来は先述の松尾啓史に注目。スーパースターへ向け、セッティングを掴んでおきたいのはもちろん、今回あたりで状態も上向かせたいところ。前走の浜松SGでは不本意な結果に終わったので、更に気持ちを高めるべく今回に臨んでくるハズだ。外来S級のもう一人は渡辺篤。今年は8月から9月にかけて好調が続いていたが、このところはやや失速。エンジンさえ出てくれば、結果を出せる選手なので試走タイムは注意して見ておきたい。
外来A級では山陽勢が元気。地元山陽で優出してきたのは松井大和。成績は安定しない傾向あるが、時折り見せる気合の入った差しには警戒。前走の飯塚ミッドナイトを連勝で終えている西村龍太郎は、この勢いをどこまで続けられるか。SGで通用する手応えを掴んだ緒方浩一も、これからの成長を見守りたい一人。
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主な出場予定選手
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中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
若井 友和〔川口 S-13(25期)〕
池田 政和〔川口 S-16(23期)〕
斎藤 撤二〔川口 S-31(25期)〕
森 且行〔川口 S-43(25期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-44(27期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-8(26期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-30(31期)〕