外来勢の迎撃態勢は整ってる地元勢!
今回参戦するS級陣は前走が伊勢崎のSGなので、その時の動きが大いに参考になる。外来勢は大方エンジン状態がイマイチで、地元勢の方が元気はある。S級以外でも優勝争いに参加してきそうな選手を挙げてみる。
地元でランク最上位は金子大輔。先のSGでは本領を発揮できなかった。しかし、エンジン的にはそこまで悪い状態ではないので、今回のような一般開催なら十分上位争いに参加できる。もちろん整備によっては、優勝できる状態にまで仕上げてくる可能性もあるので注目したい。ランク次位は木村武之。SGでは準優勝の好成績。優勝戦はスタート後の1コーナーでの位置取りがやや失敗したが、エンジン的にはかなり良かった。今回も同じような動きを出せれば、優勝候補の筆頭に挙げられる。伊藤信夫は、SGではやや動きが物足りなかった。初日に試走タイムを出し2着を取ったが、その後はパッとしなかった。これから気温が下がってくる時期なので、日本一のスピードを取り戻してもらいたい。佐藤貴也はSGで反則してしまったが、エンジン的には悪くなかった。十分戦える状態にある。あとは反則をしたばかりで、精神面への影響が気になるところだが佐藤なら大丈夫か。岩科鮮太はエンジン的にはナミ。けっして良い部類には入らないが、機力をカバーできる気持ちの強さがある。
対する外来勢のS級では、早川清太郎あたりが調子良い。地元のSGでは準決で5着になり、優勝戦には進めなかったが、それ以外の4日間は全て3着以内だった。スタートに不安がある同選手なので、短ハンデ戦やオープン戦より通常のハンデ戦の方が向いている。強烈な追い込みを見せてくれよう。同タイプでは田中茂もいる。SGの準決で4着になり優勝戦には進めなかったが、このところエンジンはずっと良いところで安定している。早川同様に猛烈な追い上げを決めそうだ。西原智昭もSGの準決で4着だったので、エンジン状態はマズマズ。それ以外の、池田政和や佐々木啓、藤岡一樹はエンジンがやや変調気味なので、試走の動向には注意を払いたい。
S級以外では、鈴木慶太が絶好調。地元の一般開催の優勝戦で8枠から優勝を決めている。元々持っているスピードに、最近ではスタート力がプラスされた形。素早く車速に乗った攻めが魅力だ。地元の動きを出せれば、優勝戦まで駒を進めてこれるだろう。ずっとエンジンが良いのは岩見貴史。どこのレース場に行ってもエンジン噴いている。武器のスタート力も健在で、一気の速攻を見せてくる確率が高い。同じくエンジン好調キープなのは桜井厚志。直線の伸びがかなり良く、簡単には抜かれない状態。早い段階で先頭に立てれば、後続を引き離す一方のレースができる。
近況、調子が上がっているのは辰巳裕樹。前走の飯塚では優勝戦まで進出。優勝戦は前団に癖のある選手が多く道中は苦しみ、更に強引な攻めで反則をしてしまったが、車の行きっぷり自体はかなり良かった。落ち着いて操縦できるようになると、安定した成績を残せるようになるだろう。三浦康平も地元のSGでエンジン良さそうだった。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
金子 大輔〔浜松 S-7(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-9(26期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-17(24期)〕
池田 政和〔船橋 S-23(23期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-19(29期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-20(23期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-22(29期)〕
田中 茂〔飯塚 S-24(26期)〕
SG優勝の永井大介が凱旋!
今節は主力級で好調な選手は少なく、先日伊勢崎で行われたSGで優勝した永井大介がシリーズの中心になる。勢いそのままに永井が優勝するのか、それともそれを阻むべく名乗りを上げる選手は出てくるのか。
ここ数年、SGを勝ちまくっている永井は以前と比べて走りの幅が広がったように思える。デビュー時からスピードには定評あったが、近年はエンジンが仕上ってない状態でも大きなレースで勝てるようになっている。レース展開の読みやコース取り、精神面などの成長が窺える。さまざまな状況に対応できる柔軟性が増してきている。今回も当然の優勝候補に挙げられる。
地元のS級で永井に次ぐランク上位者は内山高秀。ちょっと前まではずっとエンジン良かったが、ここ数節は精彩を欠いている。エンジンの仕上がり不足が原因だが、整備してもなかなか結果が出てない様子。今回は久々に地元開催なので、整備の面でもやりやすさがある。今節でエンジンを立て直す可能性も高い。五十嵐一夫はずっとエンジンが並の状態。大きな大会では苦しむシーンも多いが、今回のような開催なら活躍できるかもしれない。レース展開がスローで、混戦になるようなら持ち味をフルに発揮してくる。早船歩もエンジンはパッとしない。それでも短ハンデ戦でのスタート一気は大きな武器になる。早船の場合は混戦よりも、各車がバラける展開のほうが力を出せるかもしれない。
外来のS級は5人の予定。ランク筆頭は飯塚の有吉辰也。復帰してからは思うような走りができていない。大きな事故だっただけに、それも当然なのかもしれないが、近況はたまに連に絡むこともある。復帰直後よりは多少良くなっているが、それでも本来の走りを知っている人からすればマダマダだ。今後、緩やかにでも調子を取り戻していってもらいたい。有吉と同期で同地区の東小野正道もエンジンは良いとは言えない。それに伴って、走りの面でも以前の強引さが影を潜めている。厳しい展開でも克服していく力強さを戻すためにも、エンジンを良い状態で安定させたいところ。同地区の永冨高志はエンジン状態マズマズか。常に諦めぬ姿勢で前団を追って行く姿は好感が持てる。3連対に絡む確率も高いので、その動向には注意を払いたい。山陽からは松尾啓史と角南一如が参戦。松尾はドドドに悩まされている様子で、思い切り攻めて行くことができてない。いろいろと整備で対応しているだろうから、早めにドドドの不安がなくなるといい。角南も本来の捲りがあまり決まっていない。他の人より一つ外のコースを走るだけに、走路になかなか黒潮が付かない。そのため開催序盤では滑って追えないシーンが目立つ。それでも試走タイムがしっかり出るような時は、強烈な追い込みを見せてくれるだろう。
A級の中では、前節の船橋開催で準優勝した西村健に注目。その優勝戦では素晴らしい走りを見せ、優勝まであるかのような気配だった。レース間隔もそれほど経っておらず、前回の仕上がりのまま今回に臨めそうだ。岩田行雄も近況の気配は上々。前回は準決で3着になり優勝戦までは行けてないが、3走中1着が2本と成績は悪くなかった。B級でも小林悠樹、縫田雅一、内越忠徳などは前回で活躍を見せた。今回も初日から追ってみたい選手だ。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
永井 大介〔船橋 S-1(25期)〕
内山 高秀〔船橋 S-13(26期)〕
五十嵐 一夫〔船橋 S-37(21期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-5(25期)〕
東小野 正道〔飯塚 S-32(25期)〕
永冨 高志〔飯塚 S-41(17期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-10(26期)〕
角南 一如〔山陽 S-46(27期)〕
地元勢メインで牙城を守る!
今回はS級の外来選手は3人のみ。A級、B級も外来勢は少なく地元の選手がメインになる。外来勢に持って行かれがちな川口の優勝を、今回は地元勢で守れそう。気になる選手を挙げていく。
地元のS級はすべて伊勢崎のSG以来。全体的に好調な選手は不在だが、各選手の特徴を記述していく。ランク筆頭は若井友和。機力的には並のやや上だが、レースでは気合を入れ、試走タイム以上の走りができる。特に、前団が混み合う展開になれば力強く攻めて行く。今回は地元勢を引っ張っていく存在になりそう。高橋義弘もエンジン状態は並。こちらは同ハンに多数並ぶハンデ構成の時に一気の飛び出しがあるのが魅力。平田雅崇は前走のSGで落車してしまったが、それほど悪い影響はなさそう。スピードレースより混戦の方が得意だ。山田達也は近況イマイチ。試走タイムから出ていない。エンジンの調子のバロメーターである試走タイムがしっかり出れば狙える。鈴木清もエンジンは並。近況は試走タイムが出なくても、レースではそれなりのレースを見せる傾向がある。大木光もエンジンはもう一息の状態。走法的に大きな特徴があり、大きめのコースは走らない。つまりイン一本の走りで前団を攻略していく。中野憲人はエンジンやや良好。課題であったスタートも、たまに切れることがあり、その時は上位争いに参加できる。森且行は前走のSGはイマイチだったが、ここ最近の調子は悪くない。地元の開催で再び調子を取り戻すか。最後の地元S級は青木治親。調子は上向きで、スタートの切れもよい。さまざまな展開で活躍できるだろう。
外来のS級では前田淳に注目。前走のSGでは約二ヶ月振りのレースだったが、いきなりの2連勝を挙げた。その後の調子も良かったので、長期休養の不安は全くない。武器はスタート力と強烈なイン走法。強豪相手でもインコースを外さず、最後まで抑え切る技術に長けている。今回はメンバー的に抑える展開は少なそうだが、スタート一気からの速攻に期待したい。同じ地区の岡部聡は前走のSGは今ひとつだったが、ここ何節もエンジンは安定している。川口との相性も悪くはないので、初日から仕掛けて行きそうだ。同門の桝崎陽介はエンジン上昇中。若手ながら綺麗な走りをして、あまり無理に仕掛けていくことは少ない。もう少し強引さが出てくると成績も上がりそうだ。
S級以外で最も注目なのは加賀谷建明。前走の浜松開催で久々に優勝した。一時期はスランプに悩み、試走タイムも出ずレースでも迫力を欠いていたが、数節前からやや上向き、ついに優勝という結果を残すことができた。これから走路が冷えてくる時期で、加賀谷の走法はマッチするだろうから更なる活躍が見込める。
他では滝下隼平にも注目。前走のSGでは抜群のエンジンを駆って見事優出。不安視されていたスタートもだいぶ良くなってきた。今回も爆発的スピードを披露してシリーズを盛り上げるか。船橋開催で上向いてた秋田貴弘や、地元開催で優出した長谷晴久、遠征では唯一川口だけ好成績を残す近藤裕保らにも注意したい。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
若井 友和〔川口 S-15(25期)〕
高橋 義弘〔川口 S-25(29期)〕
平田 雅崇〔川口 S-27(29期)〕
山田 達也〔川口 S-31(28期)〕
森 且行〔川口 S-42(25期)〕
岡部 聡〔山陽 S-16(19期)〕
前田 淳〔山陽 S-33(27期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-38(28期)〕
S級不在だが、バトルは熱を帯びる!
直前に伊勢崎でSGが開催されていた関係で、今シリーズはS級選手が不在。A級とB級のみでの戦いとなる。近況好調で、優勝争いに参加してきそうな選手や注目選手を挙げていく。まずは地元勢から。
ランク筆頭は藤川幸宏。前節の初日に落車してしまい、その後の走りにも影響が感じられた。今回参戦する地元の中でも、上位の存在なので早々に立て直しを図りたい。ランク次位は井村淳一。前走は地元のGIだった。2、2、1着で勝ち上がったが肝心の準決で7着になってしまった。それでも最終日は2着を取っていたので、エンジン的にはマズマズと言える。井村の特徴としては爆発力あるスピード。スタートを含めレース序盤にやや不安を残すが、それを補って余りある車速が武器。同じ大会で活躍していたのは31期の森本優佑。GIの大舞台で準決1着。見事優出を決めた。まだ、捌きが甘く、逃げるレースでの活躍が多いが、31期の中ではデビュー後の成長が遅かった方なので近況の急成長は楽しみ。優勝戦までは進んでないが、松尾学も同じ大会で活躍していた。5日間で4着以下は1回もなく、連日掲示板に乗っていた。ここ何節もエンジンは良いところで安定している。今回のようなメンバーなら、十分優勝戦まで進める状態にある。
外来で有力なのは船橋の鈴木聡太。前走が地元開催で優出し5着。エンジン状態が上向いてきている。ただし、その優勝戦でフライングをしているので、スタートに関してはやや慎重になる可能性がある。同じ地区の佐藤正人もエンジン状態はマズマズ。ハンデ位置も魅力だし、スタート力もあるので速攻に期待。
浜松の桜井厚志も近況は動きが活発。前走は5日間でオール掲示板。つまり4着以下はなかった。更に言えば、準決1着で優勝戦も2着。準優勝の内容だった。まだ若く、勢いに乗ると手が付けられなくなる事もあるので、今節は初日から注意したい。同じ地区では松山茂靖が良くなってきた。今の車に乗り替わった当初は全く動かなかったが、何節か調整を続けているうちにだいぶ戦える仕上がりになってきた。スタート一気からの速攻も得意だ。また、岩科州もここ一番での鋭さには定評がある。前を走っている選手がコースを締めても、その狭いインに突っ込んで行ける強いハートを持っている。
伊勢崎の鈴木清市はここ何節も好調が続いている。前節の5日間開催では準決を2着で突破すると、優勝戦でも4着に入る健闘を見せた。調子の波が緩やかな選手で、今は好調時なので積極的に狙っていきたい。同地区では逃げ展開限定となるが、林稔哲も狙って面白い選手。また、技巧派の小林晃は試走タイムが出なくても、レースではインをしっかり回って結果を出せる数少ない選手。
山陽からは多数参戦。ランク上位は山下知秀だが、近況元気が良いのは池田康範。ハンデ位置が魅力なのもあるが、素早い飛び出しからの速攻が決まっている。ほかでは、まだまだ衰え知らずの小林啓二にも注目。今節はスピードレースよりも混戦になるケースが増えそうなので、持ち味の捌きが大いに発揮されそう。若手では丸山智史が最近は成長を見せている。エンジンが折り合えば、車券圏内に入ってこれる。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
藤川 幸宏〔飯塚 A-20(29期)〕
井村 淳一〔飯塚 A-62(28期)〕
桜木 公和〔飯塚 A-69(24期)〕
山下 知秀〔山陽 A-45(28期)〕
岩科 州〔浜松 A-48(27期)〕
山際 真介〔川口 A-100(26期)〕
鈴木 聡太〔船橋 A-102(29期)〕
仲田 恵一朗〔伊勢崎 A-120(29期)〕
落ち着いたレース運びで永井大介が栄冠掴む!
SGオートレースグランプリの優勝戦は、船橋25期の永井大介が制した。試走タイムこそ青山周平の31に及ばぬ33の2番時計だったが、道中で冷静に追い込んで首位奪取。そのままゴールとなった。
0オープンのスタート争いは、最内に入った篠原睦が先行した。それに木村武之が続くかに見えたが、7枠からダッシュを決めた青山がカマシて行った。試走タイム36の篠原ではペース上がらず、早い段階で青山が差して行く。そこへ、中団を捌いていた永井がマークする形。態勢を見計らって永井が青山を捌いて行った。すかさず青山も反撃に出たが、これは時期尚早。攻め焦って永井の後輪に接触し、後退。自滅してしまった。失速した青山に代わって2番手に付けたのは木村。その後ろに久門徹が付けていたが、高橋貢の意地の追い込みを食らって後退。高橋が3番手に浮上した。
永井の勝因は落ち着いたレース運び。8枠からそれほど良いスタートは決まらなかったが、着実に追い込んで青山と一対一の形を作り、きっちり攻め込んで行った。試走タイムにして2ツ劣っていた永井だが、自分のエンジン状態をきちんと把握してレースを進めていた。やはり大舞台で培ってきた経験がなせる業だろう。まだまだ、SGの優勝回数は増えていくことだろう。
またしてもチャンスを逃してしまったのは青山。篠原を交わして先頭に立った時点で初制覇が決まったかに見えた。試走タイムは出ていたのだから、永井に交わされた後も落ち着いて乗れていれば再浮上の機会があったかもしれない。SG優勝戦の大事な所でミスが目立つ青山。だが、このままSG無冠でいるハズがない。これまでと今回の経験は次のSGに必ずつながる。永井がそうであったように、青山も一度SGを獲れば、ポンポンと勝てるようになるだろう。今後が楽しみなのは変わりない。
高橋はエンジンが劣勢ながらも、地元の期待には最低限応えたと思う。もう少しエンジンが仕上っていたら優勝争いに参加できただろう。完全復調の日も遠くない。意地という面では久門も見せ場を作った。エンジンさえ良ければ大舞台でも戦えることを再び思い出させてくれた。今シリーズを大いに盛り上げた滝下隼平も、スタートさえ安定してくれば今後の活躍の場が広がる。なにしろスピードがあるのは証明できたのだから。