スタート突き抜ける木村武之が独走態勢へ!
SGオートレースグランプリの準決はやや波乱があった。9Rで佐藤裕二と滝下隼平が先陣争いをしていると、後続から追い込んできた浦田信輔が金子大輔に接触し反則失格。そのまま佐藤と滝下が優出となった。その後のレースは比較的順当な決着となった。
優勝戦の枠番選択は久門徹、篠原睦、滝下隼平、木村武之、高橋貢、佐藤裕二、青山周平、永井大介の順だった。まず、久門が4枠を選び、篠原が1枠。滝下が2枠を選び、木村が3枠。その後は、5~8枠までは順番通りの選択になった。
今年絶好調の永井や、SG初優勝を狙う青山にとって、この枠はいかにも厳しい。位置的に有利なのは木村や久門、滝下か。地元期待の高橋は5枠なので、そこまで悪くはない。
当ブログの本命には木村を推す。準決は12Rでタイムが出やすい条件だったとは言え、素晴らしい上がり時計を出している。好枠を活かしてスタート先行し、後続を引き離すとみた。今シリーズの傾向として、レース後半の追い込みが利きにくい状況がある。レース前半で大きなリードを作り、そのままゴール。
相手は永井と青山。準決では道中厳しい位置取りからのレースを強いられたものの、驚異的な追い上げを見せ優出の切符を掴んだ。準決から優勝戦で2周延びるのは、枠的に厳しいこの2人にとって好材料。カマシ気味にスタート切るか、行けなくても道中で車群をすんなりと捌ければ優勝も十分ありうる。
高橋も地元開催なので気合は入っていることだろう。準決で見せた最終3コーナーの突っ込みは、地元の意地以外の何物でもない。スタートで遅れない事と、機力のアップが条件になるが、地元の声援を受けて王者復権もあるか。
他では近況充実している篠原。枠番選択2番目で1枠を選んだのは、絶対スタート切るという覚悟の表れ。また、スタートはやや不安残すものの、今シリーズのエンジン仕上がり良い滝下の大金星もあるか。
◎木村武之
○永井大介
△青山周平
△高橋貢
▲篠原睦
SGオートレースグランプリ開幕!
今回で18回目を数えるSGオートレースグランプリが、伊勢崎オートで9月19日~23日まで開催される。強烈なメンバーによる豪華競演。このSGグランプリの特徴として、SG未冠の選手が優勝する傾向が強い。今回は誰が優勝するか。地区ごとに有力選手を挙げていく。
まずは開催地区である伊勢崎から。絶対王者・高橋貢の近況はマズマズ。本調子には至ってないが前走の地元開催では準優勝と、今回に向けて悪くない突入の仕方。ここから更にエンジンを仕上げてくるだろう。他に地元S級選手は3人いるが、その中でも早川清太郎が状態が良い方。前走は飯塚GⅠだったが、準決で3着だったもののシリーズを通してはそこまで悪くなかった。今回は地元なので気合の入り方も違うだろう。
現在、最強地区として名高い船橋。全国ランク1位の青山周平は前走が飯塚GⅠ。順当に勝ち上がると、優勝戦でも優勝を狙える動きだったが道中で反則妨害をしてしまった。その精神的影響は心配されるが、エンジンに関しては全く問題なさそう。全国ランク2位の永井大介も気配は上々。前走の浜松では優勝戦7着になってしまったが、その前の山陽GⅡでは優勝。全国のレース場で浜松だけ苦手だが、他ではしっかり力を出せる。中村雅人は地元GⅡ以来で久々のレースだが、その大会でもしっかり優出していた。
山陽地区には好調な選手が多い。ランク筆頭の松尾啓史は前走が地元GⅡで準優勝している。持ち味の捌きが発揮できてる状態なので、追い込むレースでも結果を残せるだろう。同じ大会で優勝戦3着だったのは岩崎亮一。今年に入ってからの好調は現在もキープしている。伊勢崎は今年GⅠを制しているように、相性は悪くない。岡部聡の前走は浜松だったが、ここでもしっかり優出。予選道中の動きも良かった。人見剛志は前走が伊勢崎で、優勝戦まで進み6着。前走のナイターから昼間開催に移行されるとは言え、前走が同じレース場だったのはアドバンテージになる。
浜松地区で好調なのは金子大輔。前走は飯塚のGⅠで見事に優勝。久々に大きな大会で結果を出した。今回の伊勢崎も唯一SGを制した相性のいいレース場なので活躍は必至だ。他では青島正樹が好調。前走は地元開催で優出し4着。近況は優勝も経験しているし、得意のイン攻めが決まっている。木村武之や佐藤貴也は前走こそイマイチだったが、底力はあるのでエンジン次第では怖い存在。
川口地区で特注は若井友和。前走の地元開催では優勝を決めた。優勝戦は試走後の急な降雨による難走路だったが、落ち着いて対処して栄冠のゴール。この勢いは今回に繋がること間違いない。同じ開催で優出し3着だった佐藤裕二も状態は良い。予選や準決の走りも納得いく内容だったので期待できる。他では平田雅崇がやや調子を上げてきた。厳しいレース展開になっても克服できる強い精神力を持っている。
最後に飯塚地区。直前の開催で優勝した選手こそ不在だが、エンジン自体はおおむね状態の良い選手が多い。ランク筆頭の荒尾聡は長らく続くスランプを脱出したかに見えたが、前走あたりは再び迫力を欠いていた。浦田信輔は前走で珍しく優出を逃したが、晴れの動きに関しては問題なさそう。近況、安定度を増してるのが篠原睦。前走の地元GⅠでは優出し5着に食い込んだ。優勝戦までの4日間の動きも良かったし、その前の節の山陽GⅡでもしっかり優出していた。同期の久門徹が動き急上昇してきた。前走の地元GⅠでは準優勝だった。同じく同期の田中茂は前走のGⅠの初日で早々失権となってしまったが、シリーズ5日間の内、1着4本と、エンジンは好調だった。また、S級ではないが、滝下隼平や中尾貴志が前走の地元GⅠで優出するなど活躍が目立っている。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔船橋 S-1(31期)〕
永井 大介〔船橋 S-2(25期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-3(27期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-4(22期)〕
金子 大輔〔浜松 S-7(29期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-8(23期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-10(26期)〕
若井 友和〔川口 S-15(25期)〕
準決は8個で、1着のみが優勝戦へ!
今回は直後にSGが控えている関係でS級選手は不在の3日間開催。2日目の準決は8個レースが組まれている。優勝戦へ進めるのは8人なので、各準決のレースで1着選手のみが優勝戦へ駒を進める。更に、今回の優勝戦は7周戦。いろいろ趣向を凝らしてのシリーズとなる。
気になる選手を地区ごとに挙げていく。まずは地元船橋から。
ランク筆頭は岩田行雄。今までの実績を考えれば、この直後のSGオートレースグランプリに出場していないのが不思議なくらいだ。近況はと言うと、前走が山陽のGIIだった。準決で5着になり優勝戦には進めなかったし機力的にももう一息だが、今回の大会ならソコソコ戦えそうだ。他に船橋には特徴ある選手が豊富。スピード面では鈴木慶太、佐久間健光、平塚雅樹、平川博康あたり。腕があるのは岩佐常義、牧野貴博。速攻が武器なのは深沢隆、佐々木敏夫、西村健。雨走路が巧いのは福田裕二、落合淳となる。
川口地区は秋田貴弘がランク筆頭。持ち味は大きめのコースを使っての捲り攻め。近況はエンジン状態も良いので、食い付く船橋走路で豪快な走りを見せてくれそう。同じタイプに石井大志がいる。こちらもスタートを含め序盤さえこなせれば、爆発的なスピードで捲り上げて行ける。
伊勢崎地区のランク筆頭は森村亮。近況のエンジン状態はソコソコ。課題だった捌きも少しずつ良くなっている。もちろんスピード面ではかなりのモノある。伊勢崎から来る選手で最も勢いがあるのは近藤裕保。前走の地元開催で優出している。追って行くレースより逃げる展開が得意なので、ハンデ位置が前の時は特に狙いだ。
浜松地区のランク筆頭は浅田真吾。しかし、近況はエンジンがイマイチ。本来の走りができていない。むしろ同期の岩科州の方が車自体は安定してるか。また、松山茂靖は前走で優出しているので流れは良い。試走タイムが出なくても結果を出せる貴重な選手。
飯塚地区からのA級選手は2人だけの予定。小里健太と高倉健吾だが、共にエンジン状態は良いとは言えない。特に、小里は今年8月に優勝してからはハンデが厳しくなり苦戦している。単独で逃げるような展開ならいいが、前に何人かいる展開では持ち味を出せにくい。
山陽地区からはA級選手が大挙参戦。ランク筆頭は穴見和正。近況の成績は平凡だが、船橋との相性は悪くないので初日から結果を出してくるか。山陽で最も勢いがあるのは小林啓二。前走の地元GIIで優出している。優勝戦は8着になってしまったが、記念で優出するだけでも好調な証拠。同じグループの池浦一博は、このところずっとハンデ的に恵まれている。本来の走りができれば、いつでも勝てるような位置からのスタートとなっている。他では、試走タイムが出なくても狙える森園数敏や安東久隆に注意を。
今回も新人2級車が何人か参戦するが、特に女子レーサーの近況を追う。片野利沙は今回地元なので走りやすいだろう。伊勢崎の藤本梨恵は雨走路では高い連対率を誇る。近況は良走路でも結果を出してきてる。浜松の岡谷美由紀も緩やかだが、しかし着実に成長中。コース取りがだいぶ安定してきている。川口の益春菜は、前々節で優出したように2級の女子レーサーの中で、最も初優勝に近い存在だ。
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主な出場予定選手
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岩田 行雄〔船橋 A-11(15期)〕
鈴木 慶太〔船橋 A-39(20期)〕
仲口 武志〔船橋 A-51(24期)〕
穴見 和正〔山陽 A-18(12期)〕
秋田 貴弘〔川口 A-37(23期)〕
浅田 真吾〔浜松 A-41(27期)〕
森村 亮〔伊勢崎 A-86(29期)〕
小里 健太〔飯塚 A-243(26期)〕
金子大輔が久々に栄冠掴む!
飯塚伝統のGIダイヤモンドレースは金子大輔が制した。
そのレースは波乱含みだった。まずは0ハン単騎の森本優佑が逃げ展開を作るかに見えたが、早い段階で地元の久門徹が交わしていった。そこへ、人気だった青山周平が仕掛けて行く形。これがややスムーズに行かず、展開が乱れてしまう。その隙を突いたのが金子大輔だった。レース展開を冷静に判断し、車を自由自在に操ってのゴール。
金子の強みは無駄に無理な攻めをせず、落ち着いたレース運びができるところ。普通の若手ならばチャンスがあれば、無理してでも攻めて行ってしまう傾向がある。しかし、そこは金子の違う所。確実にモノにできるところで、シッカリと判断力が働く。道中の走りで、常に心に余裕を持っているからこそできる技。スピード自体もかなりのモノがある金子なので、再びナンバー1に返り咲く可能性も十分ある。
活躍が目立ったのは久門。近況はエンジンが安定せず、成績もムラだったが、大事な戦いでしっかり仕上げてきた。不利がなかったら、展開もまたどうなっていたか分からない。本当に怖いレーサーとは、大舞台でしっかり実力を出せる選手だと再認識させられた。
今回の優勝戦でハンデが重くなってレースにも響いてしまった若手勢も、これからの成長の仕方によってはオートレース界の代表選手となれるべくポテンシャルを秘めているので、日々精進していってもらいたい。
8周戦なら青山周平の追い込み届く!
準決では軽ハンの頑張りが目立ち、GIの優勝戦にしてはやや異色のメンバーとなった。0ハンにスピードある選手がいるので、追い込み勢も楽なレースにはならない。優勝戦を占うべく準決の様子を簡単に振り返る。
9R...栗原勝測が抑え役になり0ハンの中原誠が大逃げを打ったが、好スタートを決めた篠原睦が捕え、8枠の金子大輔も意地を見せて2着に食い込んだ。
10R...逃げる井上智詞を山田真弘が捕えるも、30線からダッシュを決めた久門徹が差し込む。8枠の荒尾聡は道中の伸びを欠き凡走。早川清太郎も猛追を見せたが3着止まりだった。
11R...今シリーズ好調をキープしていた森本優佑が逃げ切る。石井大輔が離れて追走し粘っていたが、青山周平が気合一本で追い込み2着に入った。
12R...0ハン先行の中尾貴志が逃げ切る。桝崎陽介が渡辺篤を交わして中尾を追いかけるが、滝下隼平が逆転して優出を決めた。浦田信輔は追い込み見せたが届かず4着だった。
優勝戦のカギはズバリ若手勢。森本や中尾など独走でスピードある選手がどこまでペースを上げられるか。10線外枠勢が道中で激しく競り合う展開になると、そのまま逃げ切りもありそう。特に森本は今シリーズ絶好調。課題に挙げられていたスタートも、問題なくこなしている。中尾もエンジンの仕上がりは良い。この両者でハイペースになりそう。
それでも当ブログの本命には青山を挙げる。準決も厳しい展開ながら2着に食い込んだ。それもゴール前では1着だった森本との差がほとんどない状態だった。エンジンの仕上がりは悪くないし、優勝戦は8周戦になることを考えれば十分首位まで浮上できる算段だ。準決とは違って、同ハンに強力な選手が並んでいるが全国ランクナンバー1の実力を見せて攻略してきそう。
相手候補には篠原と金子を挙げる。篠原は今シリーズ気合が入りまくっている。エンジンが良いのはもちろんだが、それ以上の気迫を感じる。どんな位置でもスタートを決める可能性があるし、そうでなくても前団が態勢を作る前に抜け出すケースもある。金子は追い込み型なので、周回が2つ延びるのは好材料。本来の捌きも決まってきている。
他では青山と同期の森本と中尾が怖い。理由は今節の勢いの良さ。まだまだ若手の31期生は、成長の加速度が凄まじい。内容のあるレースをすると一戦毎に急激に成長する。今シリーズの走りは、本人の自信に相当に繋がったことだろう。後続の競り合い次第では、突然の金星もありそうだ。ただし、ハンデが重くなったのは不安材料。スタートを相当頑張らないといけない。
◎青山周平
○金子大輔
△篠原睦
△森本優佑
▲中尾貴志