
昨年来、金沢の重賞でハクサンアマゾネスに先着したことがあるのは、今回のメンバーではファストフラッシュだけ。今回もこの2頭の一騎打ち、もしくはファストフラッシュがハクサンアマゾネスにどこまで迫れるか、というのが焦点となりそう。
ハクサンアマゾネスにとって今季初戦となった金沢スプリングカップでは、先に抜け出したファストフラッシュをとらえられず4馬身差をつけられての完敗。しかし続く利家盃では互角のスタートから積極的にハナをとると、ぴたりと追走してきたファストフラッシュを3コーナー過ぎから離しにかかり、直線では他馬を寄せ付けずの完勝。ファストフラッシュは、勝ったハクサンアマゾネスから6馬身半離されての3着だった。
普通に能力を発揮すれば、今回もこの力関係は変わりそうもない。ただファストフラッシュにとっては、その利家盃のようにハクサンアマゾネスに真っ向勝負にいったときに、着狙いの他の馬に先着される可能性はある。その候補は、重賞上位の常連で、今シーズンも特別戦を3戦して1勝2着2回のトウショウデュエル、中央から名古屋を経由して転入し、5着のあと3連勝中のクイックファイアあたりか。
ハクサンアマゾネスが負けるパターンがあるとすれば、金沢スプリングカップのように出遅れて折り合いを欠いたときだろうか。そのときに、クイックファイアもしくはファストフラッシュがどんなペースでレースを引っ張るかがカギとなりそう。
◎6ハクサンアマゾネス
○4ファストフラッシュ
▲3トウショウデュエル
△8クイックファイア
百万石賞の出走表はこちら
1着賞金が昨年の1000万円から、さらに今年は1600万円にアップ。南関東重賞SII〜SIIIと同じ賞金だ。ならば南関東からそれなりの馬が遠征してきても当然。コスモポポラリタなどは、関東オークスJpnIIで南関東牝馬三冠を狙うスピーディキックに東京プリンセス賞でクビ差まで迫った。関東オークスで中央馬やスピーディキックと対戦するよりも、こちらの1600万円を狙ってきたということだろう。南関東からの遠征はいずれも重賞で掲示板内があるという3頭だけに、地元勢はどこまでがんばれるか。
その南関東勢で期待したのはフレッシュグリーン。2歳時に2勝を挙げ、重賞ではなかなか勝負にならなかったが、クラウンカップ(10着)から連闘で臨んだ準重賞のブルーバードカップで3着に入ると、東京湾カップでは4コーナー8番手から追い込んで3着。4着だったキャッスルブレイヴは東京ダービーで4コーナーで前に迫る見せ場があっての7着。今年の南関東3歳戦線は大混戦だが、フレッシュグリーンも同じようなレベルにあるといえる。ここ2戦で能力を発揮してきた勢いに賭けたい。
コスモポポラリタは前述のとおり東京プリンセス賞で2着。4コーナー11番手から追い込んでクビ差まで迫った。門別でのデビュー戦は1200メートルだったが、それ以降はマイル以上の距離を使われているだけにこの距離はよさそう。ただこれまで走ったのが門別、大井だけで、直線の短い小回りコースがどうか。ただ地元の赤岡騎手が騎乗するのは魅力だ。
アイウォールは門別から移籍して南関東で4戦3勝。クラウンカップは4着だったが、勝ったフレールフィーユはその後、東京ダービーで4着と健闘。門別では1800メートルで勝ち星があり、浦和、川崎の小回りコースを経験しているのはプラスになりそう。
対する地元勢ではアンティキティラを上位にとった。前走山桃特別の7着は、ゲート内で暴れた馬が除外になったことでゲートインのやり直しになってテンションが上がってしまいレースにならなかった。距離経験もあり、遠征帰りで「まだ本調子にはない」とコメントのあった黒潮皐月賞で接戦の2着という走りを見せただけに、状態アップなら好勝負も。
黒潮皐月賞を制したヴェレノは、続く1800メートルの山桃特別を連勝。その山桃特別で2着がガルボマンボ。ともにこの距離でこそ能力を発揮するタイプ。
◎6フレッシュグリーン
○10コスモポポラリタ
▲1アイウォール
△4アンティキティラ
△11ヴェレノ
△8ガルボマンボ
高知優駿の出走表はこちら
バウチェイサーは断然人気で臨んだ菊水賞が3着。兵庫ユースカップより馬体重4キロ減の500キロではあったが、新子調教師によるとそれでも「重め残りだった」とのこと。展開的にも逃げたニネンビーグミをみずから負かしにいかなければならず、終いが甘くなった。兵庫チャンピオンシップJpnIIは10着に沈んだが、これは中央相手に果敢にハナを叩いたので仕方ない。むしろそこで厳しいペースを経験しての上積みは期待できる。今回は隣のニネンビーグミとの先行争いがどうかだが、地元同士のメンバーだけにマイペースで進められれば雪辱可能と見る。たしかに距離不安はあるが、それは今回が試金石。
ベルレフォーンの菊水賞で見せた末脚は圧巻だった。距離延長で能力を発揮することは間違いなく、もう一度あの末脚が生かせる展開になるかどうか。
菊水賞では逃げて6着に沈んだニネンビーグミだが、続くのじぎく賞ではライバルのニフティスマイルを完封。菊水賞でバウチェイサーに早めに来られる厳しい展開を経験して力をつけた。
エイシンクエーサーは門別から転入して4連勝のあと、兵庫ユースカップは5着完敗だったが、菊水賞ではバウチェイサーをマークしてゴール前、確実にとらえた。ベルレフォーンに一気に来られたのは想定外だっただろうが、負けて強しという内容。この馬も進化を見せている。
ニフティスマイルは、あとひと押しが足りず、重賞では佐賀遠征も含めて2着が3回。重賞で牡馬との対戦は初めてとなるが、どこまでやれるか。
◎5バウチェイサー
○2ベルレフォーン
▲4ニネンビーグミ
△7エイシンクエーサー
△6ニフティスマイル
兵庫ダービーの出走表はこちら
1月頃までまったく目立った存在ではなかったタニノタビトだが、ここに来て3連勝。しかも駿蹄賞の勝ち方が圧巻。大外枠にもかかわらず内に入れ、砂が重くないギリギリのところを通り、さらに3〜4コーナーでも内からするするとあっという間に先頭に立って直線突き放し、大差をつけての圧勝。馬の能力だけでなく岡部誠騎手の好騎乗も光った。その駿蹄賞と同じ舞台で、これといった新興勢力もいないメンバーなら二冠濃厚と見る。
駿蹄賞2着のイイネイイネイイネは、道中はタニノタビトと同じような位置を進みながら、タニノタビトが一気に内から進出した3〜4コーナーで動けなかったことで大差がついた。展開のアヤで、その着差ほどの能力差はなさそう。目下重賞3戦連続2着で、その勝ち馬が異なるということでは、運に恵まれないだけともいえる。
新緑賞を逃げ切ったのがリンクスターツ。直線追い込んだイイネイイネイイネを1馬身差で振り切った。今回もすんなりハナをとってマイペースなら粘り込む場面はありそう。
駿蹄賞は9着だったパピタだが、続く前走古馬とのA5特別に出走して2着に好走。3月の中京ペガスターカップで2着の実績があり、巻き返してくる可能性はある。
1月の新春ペガサスカップを制したレイジーウォリアー、前走東海クイーンカップが地元最先着の3着だったエムエスムーンらも連下争いなら。
◎11タニノタビト
○12イイネイイネイイネ
▲4リンクスターツ
△5パピタ
△9レイジーウォリアー
△1エムエスムーン
東海ダービーの出走表はこちら
A級の900メートル戦で3戦2勝、2着1回と実績を残しているのがロトヴィグラス。2着に負けた昨年11月の筑後川特別も、3/4馬身差で先着されたのは、一昨年、昨年とこのレース連覇を果たしているドラゴンゲートだった。重賞タイトルはまだないものの、今年1月、1300メートルの新設重賞ゴールドスプリントでは、ミスカゴシマに先着しての2着で、勝ったのが当時快進撃を続けていた高知のダノングッドなら評価を落とすことにはならない。前述ドラゴンゲートが引退したとあっては、佐賀ワンターンの王位継承はこの馬だろう。
ペガッソは距離経験こそないものの、B級からA級の準重賞まで目下3連勝と、ここに来て調子を上げてきた。高知から昨夏転入後は足踏みが続いたが、ここに来て高知のA級でも上位争いをしていた実力をようやく発揮しはじめてきた。金山昇馬騎手には重賞初勝利のチャンスもありそう。
キタカラキタムスメもA級の900メートル戦で2戦して1着と2着。3月の佐賀スプリングダッシュではロトヴィグラスに2馬身半差の2着。佐賀1300メートルでは4戦4勝という成績だけに、やはり距離は短いほうがいいのだろう。前走佐賀ヴィーナスカップは10着だったが、遠征勢が強力だっただけに参考外。好調持続といえそう。
高知A級から転入後9戦4勝でA級でも勝ち星のあるブルベアパンサー、同じく高知から転入して2戦目となった前走で強い勝ち方を見せたアイメイドイットらも上位食い込みの可能性は十分。
◎8ロトヴィグラス
○3ペガッソ
▲4キタカラキタムスメ
△2ブルベアパンサー
△7アイメイドイット
佐賀がばいダッシュの出走表はこちら