NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
 川崎・ローレル賞は残念ながら回避となったショウガタップリが、あらためての地元戦。今回は、ローレル賞で騎乗すると言われていた吉原寛人騎手が初めて手綱をとることになった。前走金沢シンデレラカップは、初めて他地区からの遠征馬を相手にしての勝利。門別でJRA認定アタックチャレンジを制し、2歳オープンで2着だったキモンアップルを4コーナーでとらえ、着差は3/4馬身だが、ゴール前の手応えには余裕があった。地元同士なら負けられない一戦。
 相手は兼六園ジュニアカップの1〜4着馬。なかでも勝ったノブノビスケッツは北海道から転入して2連勝で、ショウガタップリとは今回が初対戦。その兼六園ジュニアカップは、後方からでも青柳正義騎手は慌てず、3コーナーから大外をまくっていって、ゴール前3頭の接戦を差し切った。直線ではフラフラするところもあり、まだまだ能力を発揮していないレースぶり。ショウガタップリを負かす可能性もあり、配当妙味ならこの馬の頭も買ってみたい。
 兼六園ジュニアカップで実力を発揮しきれなかったのが、1番人気で3着だったピンクビジョン。3コーナーあたりで内に閉じ込められて砂をかぶってしまい、ゴール前でも狭くなるところがあった。エムオージェネラルにも門別の2歳オープンで上位争いの実績があり、ダイヤモンドラインは金沢プリンセスカップでショウガタップリに完敗だったときより確実に力をつけた。兼六園ジュニアカップ上位4頭は、展開ひとつで順番は入れ替わりそう。
 ◎10ショウガタップリ
 ○4ノブノビスケッツ
 ▲2ピンクビジョン
 △9エムオージェネラル
 △6ダイヤモンドライン
 
 金沢ヤングチャンピオンの出走表はこちら

 トレドはデビュー戦のレコード勝ちに続いて、前走も余裕のあるレースぶりで2着に7馬身差。能力最上位は間違いなさそうで、あとは距離短縮の小回りコースに対応できるかどうか。父ヘニーヒューズは2020年から今年ここまで3年連続で中央ダートの種牡馬ランキングでトップ。母の父が地方の種牡馬ランキング首位が何度かあるサウスヴィグラス。ダート路線では今後、このような組み合わせの血統がトレンドになるかもしれない。
 地方馬では北海道から遠征のスペシャルエックスに期待。鎌倉記念は3番手以下に差をつけての一騎打ちの末2着に敗れたが、勝ったヒーローコールも強かった。そのレースぶりなら、2着に負けたとはいえ評価を下げることにはならない。今回、地元の田中学騎手が鞍上というのも心強い。
 オマツリオトコは、函館2歳ステークスが4コーナー最後方から直線大外一気の3着で、前走中京ダートのヤマボウシ賞では直線を向いてまだ前とは離れた5番手から余裕で差し切った。果たしてそのレースぶりから、園田の小回りコースで好位につけてスムーズにレースを運んで、というのはあまり想像できない。逆にそれができれば頭まで可能性はある。
 スペシャルエックスとはこれまで2度の対戦で負けている北海道のデステージョだが、ここまで6戦してすべて3着以内と崩れてもいない。前走1700メートルのウィナーズチャレンジを勝ったことでの成長に期待。
 エーデルワイス賞JpnIIIを勝ったマルカラピッド、同2着エコロアイは、今度は牡馬一線級との対戦でどうか。
 ◎11トレド
 ○2スペシャルエックス
 ▲3オマツリオトコ
 △8デステージョ
 △7マルカラピッド
 △9エコロアイ
 
 兵庫ジュニアグランプリの出走表はこちら

 デビューから3連勝のセブンカラーズは、早くからここを目標にしての出走だ。2着馬との着差は、7馬身、大差(2秒1)で、前走弥富記念は4馬身だが、向正面から後続との差を広げ、その差を保ったままのゴール。3着馬にはさらに7馬身差をつけた。ここまで3戦は名古屋所属馬同士の対戦だったが、今回はホッカイドウ競馬からの転入馬や、笠松から地元連勝馬の参戦もあり、いよいよ実力が試される一戦。ここも難なく通過なら、いよいよ全国区へと期待が広がる。
 強敵となりそうなのは、北海道から転入初戦のエムオーチロ。前走エーデルワイス賞JpnIIIこそ14着だったが、その前走、1200メートルのウィナーズチャレンジは1分12秒8の好タイムで制した。ここまで距離経験は1200メートルまでで、一気の距離延長への対応がカギになりそう。
 もう1頭強敵は笠松から参戦のスタンレー。デビューから2連勝が7馬身、大差(2秒4)。中央芝に挑戦した新潟2歳ステークスGIIIは10着だったが、勝ち馬から1秒差とそれほど負けていない。再びの地元戦は、4コーナー手前まで2着馬にぴたりと付かれたが、いざ追い出されるとあっという間に突き放して5馬身差をつけた。この馬もまだ底を見せていない。
 そのほか、門別デビューから船橋経由で転入初戦を制したミトノシャルマン、弥富記念でセブンカラーズの2着だったエムエスドン、2走前にエムエスドンを負かしているトリマゴクイーンらは連下候補。
 ◎8セブンカラーズ
 ○12エムオーチロ
 ▲6スタンレー
 △1ミトノシャルマン
 △11エムエスドン
 △5トリマゴクイーン
 
 ゴールドウィング賞の出走表はこちら

 アンティキティラは黒潮皐月賞2着のあと調子を落としたが、休養を挟んで秋に復活。名古屋に遠征して秋の鞍を制し、兵庫クイーンカップは惜しくも2着だったが、これは勝ったベニスビーチの吉原寛人騎手がさすがの騎乗だった。休養から復帰して一戦ごとに力をつけている印象で、距離的にもマイルくらいがよさそう。高知三冠のタイトルを分け合った2頭相手に雪辱を期待する。
 距離延長で結果を残してきたガルボマンボだが、ここ2戦は1400メートルを使われた。前走楠賞4着は、やはり距離不足という負け方。それでも近走は早めに前の位置をとれるようになり、その走りならマイル戦でも対応できそう。
 新興勢力は古馬格付け後も勝って5連勝中のシンギングロード。前走は直線突き放して危なげのない逃げ切り。今回、初めて世代トップクラスとの対戦でも互角の勝負が期待できそう。
 ヴェレノは押し出される形での△。今回は先行馬が多いメンバーの1600メートル戦で、直線届くかどうか。
 ロイズピークは中央未勝利から転入して6戦オール連対。一気の相手強化で通用するかどうか。
 黒潮菊花賞は明らかに距離が長かったナナコロビヤオキだが、マイルの距離に対応できれば上位食い込みも。
 ◎5アンティキティラ
 ○3ガルボマンボ
 ▲4シンギングロード
 △10ヴェレノ
 △7ロイズピーク
 △1ナナコロビヤオキ
 
 土佐秋月賞の出走表はこちら

 マイネルジャストは9歳の昨年夏に3連勝。8カ月以上の休養から復帰して10歳になった今シーズンは4戦2勝。勝つときは強いが負けるときはあっさりという内容。ただ前走国見岳賞ではグレイトパールと一騎打ちとなって、直線で一旦は完全に並びかけられたものの、最後は差し返してクビ差で勝利。年を重ね充実ぶりを見せている。鞍上は、北海道から期間限定騎乗の石川倭騎手。2020〜21年にかけての期間限定騎乗でも勝率20%超という活躍を見せ、今回もいきなりカペラ賞を制した。長丁場のここでどんな騎乗を見せるか。マイネルジャストには、3歳時のロータスクラウン賞以来7年ぶりの重賞制覇がかかる。
 このレース4連覇の偉業がかかるのがグレイトパール。一昨年も昨年も休み明けを1戦して、そこでは結果が出ずとも本番をきっちり制した。今年は復帰戦となった国見岳賞で前述のとおり勝ちに等しい2着。能力を発揮できる舞台は整った。
 岩手から川崎を経由して転入したリュウノシンゲンは、ここまで佐賀6戦5勝で、負けたのはサマーチャンピオンJpnIIIだけ。前走韓国岳特別ではドゥラリュールとの直線追い比べを制した。ただ昨年岩手での3歳時には、2000メートルの東北優駿を勝ちながら、園田1400メートルの楠賞にも出走(2着)しているように、適距離はマイル前後と思われる。2000メートルを超える距離は経験したことがないだけで、対応できればあっさり勝っても驚けない。
 南関東B級から転入しての前走小岱山特別でマイネルジャストの2着だったアエノエンペラー、南関東オープンから転入したロードアルペジオらは連下争いまで。
 ◎3マイネルジャスト
 ○6グレイトパール
 ▲10リュウノシンゲン
 △1ロードアルペジオ
 △2アエノエンペラー
 
 九州大賞典の出走表はこちら
