NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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 エムエスドンはここまで9戦して3勝、2着3回、3着2回で、馬券にからめなかったのはゴールドウィング賞の4着だけ。常にトップレベルの相手と戦ってきて、セブンカラーズやトリマゴクイーンなど、これまで先着された馬は今回不在というメンバー。さらに前走古馬格付けされてのB2特別で勝ち馬とコンマ1秒差で3着というのもおおいに評価できるもの。今回のメンバーでは実績最上位。
 セイジグラットは、デビューした門別では2戦着外だったが、笠松転入後3着、2着のあと、除外を挟んでの5連勝中はいずれも逃げ切り。前走は2着メイクストームに2馬身差だが、着差以上の楽勝で、ここにきての充実ぶりが目立つ。
 門別でJRA認定アタックチャレンジ勝ちがあり、金沢に移籍して2連勝で兼六園ジュニアカップを制したのがノブノビスケッツ。前走金沢ヤングチャンピオンは8着だが、気性的に難しいところがあり、前走はまったく力が発揮できなかった。今回初めての輸送競馬がどうかだが、持てる能力を発揮できれば勝ち負けまである。
 イグアスワークは、ラブミーチャン記念3着のあとの前走寒椿特別を勝利。その勝ちタイム1分30秒9(良)は、セイジグラットの笠松1400メートルの持ちタイムを上回るもの。
 ジュニアキングでセイジグラットの2着メイクストーム、同3着のヒロチャンらも印上位とそれほど差はない。
 ◎5エムエスドン
 ○4セイジグラット
 ▲10ノブノビスケッツ
 △9イグアスワーク
 △2メイクストーム
 △6ヒロチャン

 定量戦ゆえまぎれは少なく、強い馬が勝つレース。過去5年の成績を見ても、勝ち馬は1番人気か2番人気。1番人気の2勝はともに牡馬で、負けてしまった1番人気はいずれも牝馬で、しかも馬券にはからめなかった。ばんえい菊花賞で牝馬が3着まで独占した昨年も、ばんえいダービーでは牡馬が3着以内を占めたように、素直に格上の牡馬が強い。
 イレネー記念、ばんえい菊花賞など重賞4勝のキングフェスタは、メンバー中唯一のオープン格付け。そのオープンクラスでも一線級の古馬相手に差のないレースをしているだけに、同世代同士では能力が抜けている。
 相手は A1格付けの3頭で、順にヘッチャラ、クリスタルコルド、ヤマカツエース。
 ヘッチャラは重賞タイトルこそないが、重賞では2着3回、3着3回。唯一重賞で馬券圏内を外したのがばんえい菊花賞(9着)だが、その後は自己条件のA1で3、2、3着と僅差の勝負をしているだけに調子落ちはない。
 クリスタルコルドは、ばんえい大賞典、はまなす賞を連勝と、今年春から夏にかけて充実を見せた。ばんえい菊花賞でもキングフェスタの次に重い720kgで3着に入った。ここ2戦は惨敗だが、重賞で賞金を稼いでクラスが急に上がったため。同世代同士なら互角にやれるはず。
 ヤングチャンピオンシップを制したヤマカツエースは、その後、同世代同士の重賞では結果は出ていないが、ここ2戦の自己条件では5、3着と、クリスタルコルドには先着している。
 イレネー記念やばんえい大賞典など重賞2着が3回あるトワイチロ、ばんえい菊花賞4着のあと自己条件で3連勝とここに来て調子を挙げているレグルスらも連下争いなら。
 ◎6キングフェスタ
 ○3ヘッチャラ
 ▲9クリスタルコルド
 △10ヤマカツエース
 △7トワイチロ
 △2レグルス
 
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 ユメノホノオはデビュー2戦目から圧倒的な強さで3連勝。期待された黒潮ジュニアチャンピオンシップは4着だったが、スタート後に外からかぶされて砂をかぶると位置取りを悪くしてしまった。直線で伸びは見せたが、時すでに遅し。続く前走土佐寒蘭特別では3コーナーから1頭だけ明らかに違うスピードで先頭に立つと、直線半ばからは抑える余裕で8馬身差の圧勝。今回、ほかにこれといって目立った成績を残している馬はおらず、引き続き鞍上が吉原寛人騎手なら、よほどのことがないかぎり負けないだろう。
 相手筆頭は、土佐寒蘭特別でユメノホノオの2着だったエムティドン。黒潮菊花賞は5着だったが、1番枠で最初の直線では包まれる形になって、後方まで位置取りを下げざるをえず、ユメノホノオ以上に苦しい競馬を強いられた。ここまで8戦して6連対。今回は真ん中6番枠で、すんなり好位をとってユメノホノオにどこまで食い下がれるか。
 逆に黒潮ジュニアチャンピオンシップで、すんなり2番手をとってスムーズに競馬を進められたのがハチキンムスメ。逃げたマリンジェミナイと直線追い比べとなって半馬身差で勝利。3番手追走のシュペールミミがそのまま3着で、結果的には前残り。土佐寒蘭特別では、逃げたマリンジェミナイが最下位に沈み、ハチキンムスメは2着エムティドンから3馬身差の3着。デビュー戦で5着に負けた以外はすべて3着以内と安定した成績だが、黒潮ジュニアチャンピオンシップのように楽な競馬はさせてもらえないだろう。
 さらに連下争いには、黒潮ジュニアチャンピオンシップは11着も、その後2戦連続2着のリワードジョン、デビュー10戦目の初勝利から充実を見せ、前走で2勝目を挙げたミズワリヲクダサイ。
 ◎8ユメノホノオ
 ○6エムティドン
 ▲10ハチキンムスメ
 △11リワードジョン
 △2ミズワリヲクダサイ
 
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 岩手から川崎を経由して転入したリュウノシンゲンは、ここまで佐賀で7戦5勝。負けたのはJpnIIIのサマーチャンピオンと、距離不安のあった九州大賞典だけ。その九州大賞典は1番人気に支持されたものの、早め2番手から2周目向正面で先頭に立ったが、終始グレイトパールにマークされる厳しい展開で、最後の直線を向いたところではすでにお釣りがなかった。適距離はマイルあたりと思われるが、1800メートルも守備範囲。佐賀では吉野ヶ里記念に続くタイトル奪取の期待だ。
 シャンパンクーペは中央オープンからの転入初戦となった前走、準重賞の宝満山賞を勝利。2着アエノエンペラー、3着コンカラーと、タイム差なしの接戦をしのぎきった。中島記念と同じ1800メートルで、2分00秒8(良)という勝ちタイムは物足りないが、馬体重プラス10キロの太め残りもあり、転入2戦目で前走以上のパフォーマンスが発揮できれば勝ち負けまでありそう。
 中央オープンから大井を経由して転入したスパーダは、ここまで佐賀での3勝はすべて1400メートル。佐賀オータムスプリントを制したように、1400メートルの持ちタイムは重賞級だが、中央時代に一度だけ経験した1800メートルの距離でその能力を発揮できるかどうか。
 九州大賞典4連覇を果たしたグレイトパールは、この中島記念にも2連覇がかかる。ただ1800メートルという舞台では相手候補まで。
 コンカラーは中央オープンから転入した昨年、1800メートルと2000メートルで勝利を挙げたが、今年は1300メートルで1勝のみ。ただ3走前の韓国岳特別ではリュウノシンゲンの3着で、良馬場1分57秒6というタイムで走っており、展開次第で上位食い込みの可能性はありそう。
 3歳で挑戦のタケノサイコウは、2歳時に1800メートルのカペラ賞を制しているが、あらためて距離適性が試される。
 ◎8リュウノシンゲン
 ○3シャンパンクーペ
 ▲9スパーダ
 △1グレイトパール
 △5コンカラー
 △10タケノサイコウ
 
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 ここ1、2年、地方のダートグレードでは、重賞未勝利の中央馬が出走することもめずらしくないが、ここは中央枠4頭ということもあり、いずれも地方の短距離のダートグレードを勝っている面々。対するイグナイターは、ここまで秋2戦。ともに盛岡への遠征で、マイルチャンピオンシップ南部杯JpnI・4着が勝ち馬とコンマ2秒差で、JBCスプリントJpnI・5着もコンマ7秒差。ともに好走といえる内容だが、勝ちに行った陣営にとっては悔しい結果だろう。今回のハンデ57kgは、そのJpnIの2戦で経験しており、中央4頭より軽い斤量ならチャンスはある。
 シャマルは、地方のダートグレード3勝に、チャンピオンズカップGIでも5着。4歳の今年急成長を見せ、距離延長にも対応した。地方のコーナー4つの1400m戦は3戦2勝だが、3着に負けたさきたま杯JpnIIでも勝ち馬とタイム差なし。あとは初めて背負う58kgのハンデがどうか。
 ラプタスは一昨年、昨年と外枠に入って、その2回ともスタートですべったのか躓いたのか出遅れ。それでいて際どいところまで迫っての3着、2着。今回は最内枠に入り、スタートさえ決まればこの馬らしい逃げが見られそう。59kgのトップハンデは昨年経験しており、久々の勝利も期待できそう。
 地方の1400mでは実績十分のサクセスエナジーは休み明けに加えて8歳という年齢でどこまで仕上がっているか。
 近5戦連続3着以内という好調のオーロラテソーロだが、初経験となる地方の小回りコースの1400メートル戦でどうだろう。
 ◎8イグナイター
 ○9シャマル
 ▲1ラプタス
 △6サクセスエナジー
 △3オーロラテソーロ
 
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