名古屋大賞典JpnIIIのトライアルとはいえ、全国レベルの活躍が目立つというレースではないのだが、今年は元中央オープン馬や重賞を複数勝っている馬など注目のメンバーが揃った。
シェダルは、中央オープンではやや頭打ちという成績ながら、5歳の若さで兵庫に移籍。初戦は逃げ粘った2着馬にほとんど直線だけで大差をつけての圧勝。続く前走ではスタートで出遅れ最後方からとなったものの、やはり中央オープンから転入4戦目だったテーオーエナジーを直線で競り落とし4馬身差をつけての完勝。佐賀記念JpnIIIにも登録があったが、必勝を期しての参戦と見る。
テーオーエナジーは、中央から兵庫への移籍初戦で笠松に遠征し、オータムカップでは2着に2秒7の大差をつけて圧勝。前走では前述のとおりシェダルに完敗だったが、距離延長の1900メートルなら巻き返す可能性はある。
ナムラマホーホは中央未勝利から一昨年3歳春に転入後、26戦して17勝、負けても4着まで。昨年7月の名港盃での重賞初制覇からおよそ半年で重賞4勝。今回は一気の相手強化だが、距離実績もあり好勝負が期待できそう。
マイル争覇を制して古馬初重賞制覇を果たしたトミケンシャイリは押し出される形で△。東海ダービーを勝っているとはいえ、1900メートルはやや長いように思うのだがどうだろう。
中央オープンからの転入初戦が11カ月ぶりの実戦となるウインユニファイド、長距離戦を求めて遠征を重ねている大井のスギノグローアップらも能力的に差はなさそう。
◎9シェダル
○4テーオーエナジー
▲2ナムラマホーホ
△12トミケンシャイリ
△7ウインユニファイド
△6スギノグローアップ
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安定した強さで兵庫の中距離戦線で絶対的な存在となったのがジンギ。昨年は重賞のみ6戦して4勝。負けたのは、名古屋大賞典JpnIIIで中央馬相手に4着と、六甲盃で船橋のトーセンブルに先着されただけ。それも逃げ馬を負かしにいってうしろから差されたという展開的なこともあった。登録のあった佐賀記念JpnIIIを回避しての地元戦で、目標はこのあとの名古屋大賞典JpnIIIということでは、負けられない一戦だ。
相手はジンギ不在だった新春賞で、接戦の4、5着だったエイシンデジタルかアワジノサクラか。その新春賞では、スローとみて1周目のゴール板あたりで早めに動いたエイシンデジタルは、4着に負けたとはいえ、勝ったエイシンニシパとはコンマ2秒差。スローペースでは得意の末脚を生かせないと考えての判断は悪くはなかった。アワジノサクラより1.5キロ重かった斤量が今回同斤量となれば、やはりエイシンデジタルが上位。
兵庫クイーンカップ3着だったユウキラフェールは、その後の2戦とも差のある4着だったが、勝った馬が強かった。古馬重賞では初めての牡馬との対戦でどこまで食い下がれるか。
エイシンイナズマは新春賞で5着アワジノサクラに半馬身差の6着。そこから3キロ増の定量56キロは楽ではなさそうだが、明けて4歳の成長に期待したい。
◎5ジンギ
○1エイシンデジタル
▲6アワジノサクラ
△3ユウキラフェール
△9エイシンイナズマ
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北海道未勝利から転入したタイムウィスパーだが、名古屋初戦2着のあと3連勝。しかも1戦ごとにタイムを詰めてきた。前走中央未勝利との条件交流では4コーナー4番手から楽に差し切った。今回は一気の距離延長となるが、そのレースぶりからはこなせると見る。
ゴールドウィング賞を制したドミニクは、地元笠松に戻ってのライデンリーダー記念は残念ながら4着。先着された3頭のうちの2頭は金沢からの遠征馬だったし、勝負どころで前3頭と差を広げられてしまったぶん、追いつくことができなかった。それでも最後までしっかり脚を使っていた。前半にあまり行けない脚質であれば、ゆったり流れる距離延長はむしろ味方になるのではないか。
ライデンリーダー記念で、ドミニクに先着しての2着だったのがアップテンペスト。続く前走新春ペガサスカップでは、勝負どころから勝ったレイジーウォリアーに差を広げられてしまった。岩手も含めて重賞はこれまで4戦して2着3回、3着1回。能力的に見劣りはしないが、距離延長がどうか。
門別の未勝利戦勝ちから転入しての前走で3歳1組特別を制したヒメコマチ、新馬戦以来勝ち星から遠ざかっているものの特別戦でたびたび好走のコンビーノらも上位食い込みを狙えそう。
◎9タイムウィスパー
○1ドミニク
▲7アップテンペスト
△4ヒメコマチ
△6コンビーノ
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アーティウィングは4歳牝馬同士のクインカップでは最下位だったが、その後は好走を続けて前走A2-1組のガーネット特別を勝利。その勢いで、メンバー中もっとも軽い760kgなら勝機十分。クインカップで1、2着だったニセコヒカル、アバシリルビー相手に一気に逆転だ。
実績最上位は重賞6勝のミスタカシマ。昨年10月に復帰しての3戦は好走したが、その後は強敵相手にやや苦戦。前哨戦のレディースカップではシンエイボブの4着だったが、今回はそのシンエイボブより20kg軽い790kg。昨年は800kgで3着だったが、790kgなら克服可能と見る。
レディースカップで2着だったアフロディーテ、同5着のナカゼンガキタだが、その後のレースぶりから、ナカゼンガキタを上位にとった。
レディースカップで1番人気に支持されるも9着だったアバシリルビーも、アーティウィングと同じ760kgなら巻き返しに期待したいところ。同じ5歳馬ニセコヒカルも能力的に差はない。
シンエイボブの810kgはさすがに厳しそうで無印にしたが、牝馬重賞らしく混戦となりそう。
◎5アーティウィング
○2ミスタカシマ
▲6ナカゼンガキタ
△7アフロディーテ
△8アバシリルビー
△9ニセコヒカル
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イグナイターが1400mの舞台で底を見せていない。名古屋に遠征した秋の鞍ではトミケンシャイリに逃げ切られたが、ハナをとれず砂をかぶるなどして前半スムーズさを欠いてしまった。地元に戻っての楠賞では、逆にトミケンシャイリが出遅れたこともあって圧勝。古馬A2特別を大差で圧勝して臨んだ兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIでも果敢にハナを切ると、直線半ばまでは逃げ切ったかに思えたが、先着されたのはテイエムサウスダン、ラプタスというダートグレードの実績馬。負けてなお強しというレース内容だった。今回は2度目の遠征で距離短縮の1300mになるが、すんなりハナをとれれば、地方馬同士なら負けられない。
10歳になったダノングッドは遠征で重賞3連勝という活躍を見せ、今回は地元凱旋出走。佐賀1300メートルのゴールドスプリントでも豪快に差し切った。イグナイターが逃げ切るのか、ダノングッドが差し切るのかは、展開ひとつといえそう。
ノボバカラは、一昨年さきたま杯JpnIIを制して、昨年4月の東京スプリントJpnIIIでも勝ち馬からコンマ2秒差の4着。兵庫転入後の2戦がいまひとつだが、その2戦だけでは見限れない。2017年の南部杯JpnIで2着だったときの鞍上・吉原寛人騎手ということでも一発あるかもしれない。
イダペガサスは兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIで、3着イグナイターから6馬身差があっての5着。今回も遠征競馬で、その差をどこまで詰められるか。
高知の重賞で上位争いのエイシンビジョン、中央オープン実績があるナムラアラシらも連下争いなら。
◎8イグナイター
○1ダノングッド
▲12ノボバカラ
△6イダペガサス
△3エイシンビジョン
△5ナムラアラシ
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